図 1「島原半島介護支援専門員連絡協議会」の組織図 54 回 ОJT研修の実施で 地域のケアマネジャーと関係密に 第 58 月刊ケアマネジメント 2015.7 長崎県 島原市 地 域 包 括 支 援 センター ─────────────────────────────────────── 総 面 積: 82.76 km ₂ ─────────────────────────────────────── 人 口: 4 万 6,992 人 男 2 万 1,762 人 女 2 万 5,230 人 ▼ 後方支援活動として 協議会事務局を運営 ─────────────────────────────────────── 6 5 歳 以 上: 1 万 4,779 人 ─────────────────────────────────────── 高 齢 化 率: 31.5 % ─────────────────────────────────────── ( 2015 年 4 月 30 日 現在 ) 執筆:島原市地域包括支援センター 辻 敏子(所長) 島原市の介護保険事業は島原半 島 3 市で広域連合を組み、3 市合同 主な活動内容としては、 「 気付きの 地区で開催と継続して取り組み、毎 で実施されています。この保険者で 事例検討会 」でのスーパービジョン 年 6 組のペアが参加しています。事 ある島原地域広域市町村圏組合 の展開を2カ月に1回のペースで開催 務局を担う私たちにとっても多くの気 が、2004 年度に「 島原半島介護支 し、ケアマネジメント力の向上を目指し づきがある研修で、この取り組みにつ 援専門員連絡協議会 」を設立しまし ています。 いて詳しくご紹介したいと思います。 た。当初は組合が事務局を担ってい ましたが、軌道に乗り始めた2 年後に として、有明町にサブセンター( 職員 島原市基幹型在宅介護支援センタ る島原半島の東端に位置しており、 2 名は地域包括から毎日交代で対 ーに、その後地域包括が引き継ぎま 島原半島の約 18%を占めています。 応 )を設置しています。 した。2009 年には訪問介護や通所 島原市は、長崎県の南東部にあ 研修の大きな流れは以下のとおり ▼ 事業所を超えて人材育成 地域同行型実地研修 です。 ①地域の事業所から受講者( 原則、 経験 3 年以内 ) ・アドバイザー( 主 任ケアマネジャー)を決定 地域包括の職員数は、包括的支 介護などの協議会も立ち上がり、現 を中心として東側の有明海へ伸びる 援事業の専従職員として所長( 主任 在は3 つの協議会の事務局を半島 3 傾斜地となっています。眉山の背後 ケアマネジャー)1 名、保健師等 4 名、 市の地域包括で持ち回りで担当し 2012年度に日本ケアマネジメント学会 には、1990年に198年ぶりに噴火した 社会福祉士 4 名、主任ケアマネジャ ( 2 年ごとの交代制 ) 、専門職の資質 ( 理事・白木裕子氏 )より連絡をいた 雲仙・普賢岳があり、その溶岩ドーム ー3 名で、このほかにプラン専従職員 は1996 年に「 平成新山 」と命名され としてケアマネ1 名、看護師 3 名、事 会員約 246 人が所属する介護支 ました。松平7万石の城下町として島 務員3名、 さらに在宅医療相談センタ 援専門員連絡協議会は、「 広報委 この研修は2008 年度から同学会 原半島の政治、経済、教育、文化 ーの担当看護師 1 名を含め、合計 20 員会 」 「 研修委員会 」 「 主任介護支 が実施しているもので、経験の浅い 初任者が他事業所の主任ケアマ の中枢的役割を果たしてきたこの地 名の大所帯です。 援専門員委員会 」で組織されていま 初任者が地域の主任ケアマネジャー ネから直接指導を受けられるこの研 市の中央部の眉山( 標高 818. 7m ) 向上を支援しています。 このような 活 動を続 ける中 で、 だき、 「 地域同行型実地研修 」に取 り組むことになりました。 ②アドバイザー事前研修会 ③初日全体研修 ④同行訪問( 2 〜 3カ月の間に計 4 回実施 ) ⑤最終日全体研修 域は、大正 13 年に島原町となり、昭 職員間の情報共有は、毎朝 20 分 す( 図 1 )。主任委員会は「 主任ケ (アドバイザー)とペアになり、お互い 修はメリットも多いのですが、実習全 和 15 年 4月に長崎県下で3 番目に市 間のカンファレンスで行います。また アマネ研修は受けたもののどのような のモニタリングやサービス担当者会 体の運営・調整がネックになることが 制を施行。昭和 30 年には三会村と、 職員の事例への対応力や資質の向 活動をすればいいのか分からない」 議に同行するという実習型の研修で 少なくありません。島原半島では全体 平成 18 年には有明町と合併しまし 上を目的に、毎週木曜日午前中の職 という現場の声を受けて、2010 年度 す。 のコーディネートを地域包括の主任ケ た。 員会議と毎月1 回の職員研修を実施 に立ち上がりました。地域のケアマネ 島原半島では2012 年度より島原 アマネが務めることで解決しています 地域包括支援センターは、島原市 し、さまざまな課題を抱えるケースへ の実践力向上を支援するという側面 市地域包括支援センターが事務局 ( 地域リーダーと呼んでいます ) 。各 医師会が受託し委託型 1カ所のみで の支援を多方面から検討し、チーム から、委員長は地域包括職員が務 を担いスタート。2013 年度は自主開 流れの概要と、工夫した点は次のとお 活動しています。このほか相談窓口 アプローチを実践しています。 めています。 催、さらに2014 年度には長崎県内 5 りです。 月刊ケアマネジメント 2015.7 59
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