人口減少・超高齢社会における コンビニエンストア加盟店様への期待

(公社)大阪介護支援専門員協会 第2回通常総会
総会記念市民公開講演会
2015.6.28 14:30~16:00 研修センター
医療と介護の連携の未来
介護支援専門員 プロフェッショナルへの期待
~大阪府の医療戦略の視点から~
大阪府政策企画部戦略事業室
副理事 金森 佳津
本日の内容(私の話70分+質疑応答20分)
1. 自己紹介~なぜ、私がお話させていただくか
2. 医療・介護をとりまく状況
3. 国の政策動向
-医療介護総合確保推進法の概要
-今次、介護保険制度の改正のポイント
4. 『大阪府市医療戦略会議 提言』の視点から見た、
医療と介護のより良い未来のために
-スマートエイジング・シティの取り組みなど
-介護支援専門員 プロフェッショナルへの期待
2
1. 自己紹介
Not医療・福祉の専門職 ただの一般行政職(事務職)
府庁勤務 28年目 医療政策関連業務に8年従事


1987
1989
1991
1994
1998
2003
2005
2007
大阪府教育委員会で、広報や統計事務とりまとめ
大阪市役所広聴相談課で市政モニターへのアンケートなど
府生活文化部で、人事・企画業務
府財政課で、予算編成システムの開発、予算査定など
府私学課で、専門学校許認可・支援と奨学金改革
府政策調整課で、重点政策調整(食育、少年非行等)
府農林水産部で、行政改革、地球環境対策の企画・啓発
府医療対策課で、ドクターヘリ導入・運航、救急医療・災害医療、
地域医療(医療計画、医師不足、地域医療再生基金)
2012 府エネルギー政策課で、府市エネルギー戦略会議事務局など
2013 府政策企画部企画室で、府市医療戦略会議事務局
2014 府政策企画部戦略事業室で、医療戦略の具体化に取り組む
現在に至る…
3
大阪府市医療戦略会議の提言のねらい

医療や介護にかかる経済的・社会的負担を抑制しつつ、府民
の健康寿命を延伸し、生涯にわたるQOLを向上する

効率的・効果的な医療・健康づくりサービスが提供されるとも
に、人口減少超高齢社会に必要な新たなサービスや製品等
を開発、提供する裾野の広い関連産業を振興する

上記の実現により、雇用機会を創出し、それに伴う税収の増
加と医療・介護関連公費支出の抑制に寄与する

健康寿命の延伸と経済成長を同時に実現する新たなヘルス
ケアシステムの構築による先進モデルを広く他地域や海外に
展開し、将来の大阪の成長戦略の拠りどころとする
4
詳しくは、コチラを→http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/iryosenryakukaigi/
2.医療と介護をとりまく状況
5
2.医療・介護をとりまく状況(府・高齢介護室 中村光延 民生委員会長研修会資料より)
① 65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となり、2042年にはピークを迎える予測(3,878万人)。
また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加していき、2055年には、25%を超える見込み。
2012年8月
2015年
2025年
2055年
65歳以上高齢者人口(割合)
3,058万人(24.0%)
3,395万人(26.8%)
3,657万人(30.3%)
3,626万人(39.4%)
75歳以上高齢者人口(割合)
1,511万人(11.8%)
1,646万人(13.0%)
2,179万人(18.1%)
2,401万人(26.1%)
② 65歳以上高齢者のうち、「認知症高齢者の日常生
活 自立度」Ⅱ以上の高齢者が増加していく。
(万人)
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の
高齢者数の推計(括弧内は65歳以上人口対
比)
280万人
(9.5%)
345万人
(10.2%)
410万人
(11.3%)
470万人
(12.8%)
③ 世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加し
ていく
(%)
(1,000世帯) 世帯主が65歳以上の単独世帯及び夫婦のみ世帯数の推計
15,000
10,000
20.0
5,403
23.1
6,209
4,980
28.0
6,512
6,453
6,328
6,254
6,679
7,007
7,298
7,622
5,000
6,008
25.7
24.9
26.6
0
30.0
20.0
10.0
0.0
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯数
世帯主が65歳以上の単独世帯数
2010年
2015年
2020年
2025年
世帯主が65歳以上の単独世帯と夫婦のみ世帯の世帯数全体に占める割
合
④ 75歳以上人口は、都市部では急速に増加し、もともと高齢者人口の多い地方でも緩やかに増加する。各地域の高齢
化の状況は異なるため、各地域の特性に応じた対応が必要。
2010年
<>は割
合
2025年
埼玉県
58.9万人
<8.2%>
千葉県
56.3万人
<9.1%>
神奈川県
79.4万人
<8.8%>
大阪府
84.3万人
<9.5%>
愛知県
66.0万人
<8.9%>
東京都
~ 鹿児島県
島根県
山形県
全国
123.4万人
25.4万人 11.9万人 18.1万人 1419.4万人
<9.4%>
<14.9%> <16.6%> <15.5%> <11.1%>
117.7万人
108.2万人
<18.1%>
(1.92倍)
148.5万人
<16.5%>
(1.87倍)
152.8万人
<18.2%>
(1.81倍)
116.6万人
<15.9%>
(1.77倍)
197.7万人
<15.0%>
(1.60倍)
<>は割合 <16.8%>
( )は倍率 (2.00倍)
29.5万人 13.7万人 20.7万人
<19.4%> <22.1%> <20.6%>
(1.16倍) (1.15倍) (1.15倍)
2178.6万人
<18.1%>
(1.53倍)
6
⑤要介護率が高くなる75歳以上の人口の
推移
○75歳以上人口は、介護保険創設の2000年以降、急
速に増加してきたが、2025年までの10年間も、急速
に増加。
〇2030年頃から75歳以上人口は急速には伸びなくなる
が、一方、85歳以上人口はその後の10年程度は増加
(万人)
3,000 が続く。
⑥介護保険料を負担する40歳以上人口の
推移
○保険料負担者である40歳以上人口は、介護保険創
設の2000年以降、増加してきたが、2025年以降は
減少する。
9,000
8,000
2,500
2,179
2,000
2,2232,257
2,3852,4012,336
7,000
6,000
1,879
977 1,035
85歳~
736 846
1,646
1,149
985
5,000
1,015
1,037
637
1,419
511
4,000
1,164 383
1,500
1,000
2,2782,245
901 294
75~84
歳
224
500
1,037
870
678
1,442
1,432
1,242
1,231
1,135
3,000
1,407
2,000
1,366
1,272
1,187
1,186
1,000
(万人)
7,7877,769
7,645
7,626
7,421
7,293
7,192
637 736
511
6,933
6,933
846 1,015
383
6,664
1,037
6,575 294
6,387
1,1351,242
85歳~
224
985
6,060
1,037
1,442
870
977
1,4321,231
678
1,035
1,186
75~84
1,149
1,749
1,272
1,529
歳
1,733
1,412
1,407
1,479
1,303
1,366
1,4071,495 1,645
65~74
1,187
歳
1,600
1,383
1,225
1,128
40~64
4,371
4,357
歳
4,344
4,250
3,9413,680
4,175
4,112
3,324
3,077 2,896
2,761
2,596
0
0
7
(資料)将来推計は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)出生中位(死亡中位)推計
実績は、総務省統計局「国勢調査」(国籍・年齢不詳人口を按分補正した人口)
(参考)年齢階層別の要介護認定率(推計)
○ 要介護(支援)認定率は、年齢とともに上昇し、85歳~89歳では約半数が認定を受けているが、一号被保険
者全体で認定を受けている率は、約18%程度である。
○ 後期高齢者医療での受診率は96.9%であるのに対し、75歳以上の要介護(支援)認定率は31%となって
いる。
90%
84%
80%
71%
70%
60%
50%
75歳以上の認定率:3
1%
50%
40%
30%
20%
3%
10%
6%
14%
0%
65~69
29%
70~74
75~79
65歳以上の認定率:1
8%
80~84
85~89
90~94
95歳以上
出典:社会保障人口問題研究所将来人口推計及び介護給付費実態調査(平成24年11月審査分)
【参考】平成22年度1年度間において、入院、入院外又は歯科のいずれか1医療機関以上で診療を
受けた者(合計)の割合
8
協会(一般)
組合健保
国民健康保険
後期高齢者医療
84.8%
85.0%
84.0%
96.9%
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より平成22年度医療給付実態調査
多死時代の到来(死亡場所の推移)
82.5%
78.4%(病院)
80%
60%
40%
20%
12.4%(自宅)
9.1%
3.2%(老人ホーム)
5.9% 2.6%
0%
1951
1955
1960
病院
1965
診療所
1970
1975
介護老人保健施設
※1994年までは老人ホームでの死亡は、自宅に含まれている
9
1980
1985
0.1%
1990
老人ホーム
2.4%(診療所)
2.4%(その他)
1.5%
1995
自宅
2000
1.1%(老健)
2005 2009
その他
出典)厚生労働省 「人口動態統計」
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
介護給付と保険料の推移
○ 市町村は3年を1期(2005年度までは5年を1期)とする介護保険事業計画を策定し、3年ごとに見直しを行う。
保険料は、3年ごとに、事業計画に定めるサービス費用見込額等に基づき、3年間を通じて財政の均衡を保つよう設定。
○ 高齢化の進展により、2025年には保険料が現在の5000円程度から8200円程度に上昇することが見込まれており、地域包括ケアシステム
の構築を図る一方、介護保険制度の持続可能性の確保のための重点化・効率化も必要となっている。
事業運営期間
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
・・・
2025年度
10
第
一
期
第
二
期
第
三
期
第
四
期
第
五
期
事業計画
給付(総費用額)
3.6兆円
4.6兆円
第
一
5.2兆円
期
5.7兆円
6.2兆円
6.4兆円
第
二
期
第
三
期
第
四
期
第
五
期
6.4兆円
6.7兆円
6.9兆円
7.4兆円
7.8兆円
8.2兆円
8.9兆円
9.4兆円
10.0兆円
21兆円程度(改革シナリオ)
※2011年度までは実績であり、2012~2013年は当初予算、2014年度は当初予算(案)である。
※2025年度は社会保障に係る費用の将来推計について(平成24年3月)
保険料
介護報酬
の改定率
2,911円
(全国平均)H15年度改定
▲2.3%
3,293円 H17年度改定
(全国平均) ▲1.9%
H18年度改定
▲0.5%
4,090円
(全国平均)H21年度改定
+3.0%
4,160円
(全国平均)H24年度改定
+1.2%
4,972円
消費税率引上げに伴う
(全国平均)
H26年度改定 +0.63%
8,200円
程度
※2012年度の賃金水準に換算した値
提言の課題認識
~①急激な人口減少と高齢化に直面する大阪
平成27年3月高齢化率(暫定) 25.36%
65歳以上224万人余 75歳以上100万人突破!
11
左図は、国立社会保障・人口問題研究所がH25年3月に推計した「日本の地域別将来推計人口(都道府県別)」を元に作成
大阪府の高齢者人口は、47万2千人増加!
12
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
※大阪府の高齢化率(暫定)
高齢者人口
うち後期
2,242,668人(H27年3月)
1,005,016人
高齢化率=25.36%
大阪府人口
8,843,906人(H27年3月)
大阪では後期高齢者が平成27年3月に100万人を突破。
(参考)
世界保健機構(WHO)や国連の定義
日本では
①高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」 ⇒1970年~
②14%を超えた社会を「高齢社会」
⇒1994年~(②-①24
年)
③21%を超えた社会を「超高齢社会」
⇒2007年~
13
①⇒②=ドイツが42年、フランスは114年と言われている。
提言の課題認識
~②大阪府民の健康状況には課題がある

残念ながら、平均寿命も健康寿命も、最下位争いの常連
-健(検)診の受診率が低い
-予防や健康増進のための行動につながらない傾向

平均寿命と健康寿命には、男性で10年、女性で13年もの開きが存在
-日常生活に不自由がある状態が10年間も続く
男性
全国
府
健康寿命
70.42歳
73.62歳
平均寿命
79.59歳
86.35歳
健康寿命
69.39歳
44位
72.55歳
45位
平均寿命
78.99歳
41位
85.93歳
40位
健康寿命
68.15歳
20大都市最下位
72.12歳
20大都市18位
平均寿命
77.4歳
大阪市
14
女性
85.9歳
平成24年度厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究班」より作成
提言のポイント
~③医療ニーズの増大が不可避

加齢により医療需要は必然的に増加、高齢化に伴い需要が急増!
15
『大阪府市医療戦略会議提言』より(平成23年患者調査に基づき作成)
病床は多過ぎると言ってきたが…

現在の『大阪府保健医療計画』(平成25年4月)では、一般及び療養病床は、既存
病床数が基準病床数を2万床以上、上回り、全地域病床過剰地域
医療圏
病院数
設置者別内訳
医療法人
社医法人
個人
その他
基準病床数
既存病床数
(H24.10.1)
豊能
47
32
2
0
13
7456
9062
三島
39
27
3
4
5
5544
6546
北河内
60
38
7
5
10
9390
9667
中河内
41
29
3
2
7
5799
5857
南河内
39
27
2
2
8
5174
6621
堺市
45
32
5
1
7
8039
9344
泉州
78
63
3
2
10
8385
8724
大阪市
186
116
15
14
41
17476
32576
合計
535
364
40
30
101
67263
88397
16
直近の厚生労働省発表の推計では…
2013年 医療施設調査 千床
(2013年10月1日現在病床数)
病床機能報告制度による報告結果 床
(2014年7月1日時点・医療機能別病床数)
合計
うち
一般
うち
療養
合計
うち高度
急性期
うち
急性期
うち
回復期
うち
慢性期
91.4
68.5
22.9
85,343
11,587
43,521
7,260
22,975
2025年の必要病床数(医療機関所在地ベース)
千床
うち慢性期
4医療機能 合計
パターン
A
パターン
B
97.7
101.1
パターン
C
101.5
2013年の
一般・療養病床との差
+6.3
17
+9.7
+10.1
うち
高度急性
期
うち
急性期
うち
回復期
11.8
35.0
31.4
パターン
A
パターン
B
パターン
C
19.5
22.9
23.3
?
『医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会第一次報告~医療機能別病床数の推計及び地域医療構想の策定にあたっ
て~』(平成27年6月15日 医療・介護情報の活用によるかいかくの推進に関する専門調査会 より)の別添1を元に作成
18
『医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会第一次報告~医療機能別病床数の推計及び地域医療構想の策定にあたっ
て~』(平成27年6月15日 医療・介護情報の活用によるかいかくの推進に関する専門調査会 より)
19
『医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会第一次報告~医療機能別病床数の推計及び地域医療構想の策定にあたっ
て~』(平成27年6月15日 医療・介護情報の活用によるかいかくの推進に関する専門調査会 より)
(参考)在宅医療等で追加的に対応する患者

将来(2025年)、
介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で
追加的に対応する患者数
パターンA
パターンB
パターンC
20
2万5500人
2万2400人
2万2000人
『医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会第一次報告~医療機能別病床数の推計及び地域医療構想の策定にあたっ
て~』(平成27年6月15日 医療・介護情報の活用によるかいかくの推進に関する専門調査会 より)の別添1を元に作成
提言の課題認識
~④介護ニーズの増大も不可避
2013年4月現在の高齢者(約210万人)うち約20%、41.5万人が要支援・介護認定。
現行制度が継続される前提で推計すると、2025年には高齢者(約240万人)のうち、
約27%、65万人が要支援・介護の認定を受けると見込まれる。
21
『大阪府市戦略会議提言』より(独自推計による)
(参考)介護保険施設、居宅サービスは足りるか?
2025年の施設サービス推計受給者数は約6万6千
人に。2010年介護保険施設定員を2万1千人超。
施設サービスの供給に限界がある中、居宅サービ
スの利用者は、約50万人に倍増。
居宅サービスの利用者の増
加見込みが著しく大きい
2025年には2010年の2.2
倍
厚生労働省「平成23年介護サービス施設・事業所調査」及び現行制度を前提にした施設サービス受給者に関する府の独自推計
を元に作成
22
府独自推計による
『大阪府市戦略会議提言』より
(参考)認知症高齢者が激増
23
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
(参考)認知症高齢者数の絶対数が多い
大阪
全国
要介
護認
定者
2010年
2025年
2040年
高齢者数
198万人
244万人
268万人
有病者数
23.8~33.7万人
29.3~42.5万人
32.1~45.6万人
MCI
25.7万人
31.7万人
34.8万人
高齢者数
2,925万人
3,657万人
3,868万人
有病者数
351~497万人
439~623万人
464~658万人
MCI
380.3万人
475.4万人
502.8万人
認定者数
280万人
410万人
470万人
認定率
9.5%
11.3%
12.8%
※ 高齢者数は、大阪府は「大阪府の将来推計人口(平成26年3月)」、全国は国立社会保障・人口問題研究所
「日本の将来推計人口(平成24年1月)」による
※ 有病者数は、 「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(H25.5 厚生労働科学研究
筑波大学 朝野教授報告)による95%信頼区間の全国有病率推定値12~17%を高齢者数に乗じた数
※ MCIは、正常でもない、認知症でもない状態の者で、同報告の推定値13%を高齢者数に乗じた数
※ 要介護認定者は「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の高齢者について」(H24.8 厚労省推計)より
24
(参考)介護人材不足が一層、深刻化
現行制度を前提とした国の推計では、2025年には218~229万人、
2012年度実績の約1.5倍の介護職員が必要。府でも約18万人、2012年度の約1.6倍のニーズが見
込まれる。人材不足は一層深刻になり、サービス供給量の制約となる恐れ。
25
『大阪府市医療戦略会議提言』より 2011年度までの介護給付費の伸び率実績を元に、現行制度・目標が継続される前提で府が独自推計
提言の課題認識
~⑤増大する大阪の医療費
2010年度の府の医療費は約2兆7,800億円。高齢者医療費は、3分の1を占める
約8,500億円。75歳以上一人当たり実績医療費(※1)は1,022千円で、75歳未満(※2)
(301千円)の約3.4倍で、高齢化の進展に伴い、高齢者医療費の割合は更に高まる。
「第2期大阪府医療費適正化計画」より抜粋し作成
26 ※1は後期高齢者医療制度における一人当たり実績医療費、※2は市町村国民健康保険における一人当たり実績医療費 であ
り、
(参考)大阪府民の一人当たり医療費
•
府の市町村国民健康保険の一人当たり医療費は、全国平均とほぼ同じである。
•
一方、高齢者の医療費について見ると、大阪の高齢者一人当たりの医療費(1,059千円)は、全国平均
(905千円)に比べて17%高い。
•
後期高齢者では、福岡、高知、北海道に次いで大阪は全国で4番目に高く、全国平均との差は約15万4
千円。一人あたりの医療費が最も低い岩手県と比較すると、その差は約33万円にもなる。
•
東京(888千円)、愛知(912千円)などの大都市と比較しても、特に医療費が高いと言える。
千
円
300
250
後期高齢者医療制度対象者の一人当たり医療費(診療種別内訳:全国平均との差)
『後期高齢者医療事業状況報告』
~平成22年度~
最高(福岡)
1 14万6623円
その他
歯科
200
入院外+調剤
150
総数
入院+食事
100
50
0
-50
-100
-150
-200
27
大阪
1 05万8790円
全国第4位
全国平均との差
1 5 万3996円
全国平均
9 0 万4795円
最低(岩手)
7 3 万269円
福 高 北 大 広 長 鹿 佐 沖 大 山 熊 京 石 兵 岡 徳 香 愛 愛 奈 和 滋 東 宮 福 鳥 島 富 神 埼 福 群 岐 宮 山 茨 栃 秋 青 三 山 千 長 静 新 岩
海
児
歌
奈
岡 知 道 阪 島 崎 島 賀 縄 分 口 本 都 川 庫 山 島 川 知 媛 良 山 賀 京 崎 井 取 根 山 川 玉 島 馬 阜 城 梨 城 木 田 森 重 形 葉 野 岡 潟 手
「第2期大阪府医療費適正化計画」より抜粋
(参考)大阪府の国民健康保険の財政状況
府において国民健康保険の財政状況(一人当たり累積赤字、黒字)は、
全国でワースト2(2011年度決算分。年度額。)。
•
•

大阪府:▲14,473円(赤字)*府内43市町村のうち、半数以上の23自治体で赤字

※全国平均:6,512円の黒字
さらに、国民健康保険の2012年度における「前年度繰上充用金」 全国分約1,200億円のうち、約4割を大
阪府内市町村分(約450億円)で占めている。
28
厚生労働省「平成23年度国民健康保険事業年報」より作成 『大阪府市医療戦略会議提言』より
介護保険制度の費用負担(財源構成)
居宅等給付費
施設等給付費
国庫負担
(調整交付金平均 5%)
第1号被保険者の
保険料
第1号被保険者の
保険料
国庫負担
(調整交付金平均 5%)
国庫負担
国庫負担
22%
20%
22%
15%
都道府県負担
都道府県負担
28%
第2号被保険者の
保険料
29
12.5%
12.5%
市町村負担
28%
第2号被保険者の
保険料
17.5%
12.5%
市町村負担
平成26年度当初予算
4,288億円
平成26年度当初予算
2,037億円
(うち大阪府負担分 : 536億円)
(うち大阪府負担分 : 356億円)
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
大阪府内と全国の第1号保険料
第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
第6期
(H12~14)
(H15~17)
(H18~20)
(H21~23)
(H24~26)
(H27~29)
第5→6
期
増減額
第5→6
期の伸び
率
大阪府内
平均
3,134円
(単純)
3,394円
(単純)
4,675円
(加重)
4,588円
(加重)
5,303円
(加重)
6,025円
(加重)
722円
13.6%
全国平均
(加重)
2,911円
3,293円
4,090円
4,160円
4,972円
5,514円
542円
10.9%
大阪府は全国第7位
第6期(H27~29年度) 大阪府内
最高額 → 大阪市
6,758円
最低額 → 高槻市
4,833円
1,925円/月額 の差
第6期(H27~29年度) 全国
最高額 → 沖縄県
6,267円
最低額 → 埼玉県
4,835円
1,432円/月額 の差
30
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
3.国の政策動向
31
最近の動き

社会保障・税一体改革の推進

診療報酬制度による誘導 [平成26年4月改定]
医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等を重
点課題に位置付け

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため
の関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保法)
[平成26年6月25日公布、順次施行予定]
※関連資料:医療介護総合確保推進法に関する全国会議[H26.7.28]
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000052649.html
第80回社会保障審議会医療保険部会[H26.9.19]
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000057598.html
32
提言と共通の認識
 高齢化の進展に伴い、
 慢性的な疾病や複数の疾病を抱える患
者の増加が見込まれる、
 急性期の医療から在宅医療、介護まで
の一連のサービスを地域において総合的
に確保する必要がある
33
(参考)制度改正の検討経過
社会保障・税一体改革大綱、改革推進法
平成24年2月17日
8月22日
「社会保障・税一体改革大綱」の閣議決定
「社会保障制度改革推進法」公布
社会保障制度改革国民会議
平成24年11月30日 意見交換 等
(第1回)
~
平成25年8月5日
(第20回)
国民会議報告書とりまとめ
法制上の措置
平成25年8月21日
社会保障制度改革推進法第4条の規定
に基づく「法制上の措置」の骨子について
(閣議決定)
平成25年12月13日
持続可能な社会保障制度の確立を図る
ための改革の推進に関する法律(公布)
平成26年2月12日
地域における医療及び介護の総合的な
確保を推進するための関係法律の整備
等に関する法律案(閣議決定)
社会保障審議会介護保険部会
平成25年8月28日
国民会議報告書、法制上の措置の骨
子について
地域包括ケアシステムの構築
~
平成25年12月20日
介護保険部会の意見をとりまとめ
平成26年6月25日
34
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため
の関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保推進
法)公布施行
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の概要
趣 旨
持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、効率的かつ質の高い医療
提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確
保を推進するため、医療法、介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う。
概 要
1.新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係)
①都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)のため、
消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置
②医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定
2.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)
①医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県は、そ
れをもとに地域医療構想(ビジョン)(地域の医療提供体制の将来のあるべき姿)を医療計画において策定
②医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け
3.地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)
①在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を地域
支援事業に移行し、多様化
※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業
②特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化
③低所得者の保険料軽減を拡充
④一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、月額上限あり)
⑤低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加
4.その他
①診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設
②医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ
③医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置
④介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を27年度から28年度に延期)
施行期日(予定)
公布日。ただし、医療法関係は平成26年10月以降、介護保険法関係は平成27年4月以降など、順次施行。
35
36
厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室資料「地域医療構想及び在宅医療の充実について」より
37
厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室資料「地域医療構想及び在宅医療の充実について」より
38
厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室資料「地域医療構想及び在宅医療の充実について」より
地域医療構想策定の流れ
39
厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室資料「地域医療構想及び在宅医療の充実について」より
40
厚生労働省全国会議(平成26年7月28日)より抜粋
今更ながらですが…介護保険制度とは


2000年4月にスタートし、社会に定着。
現代の超高齢社会に不可欠な公的保険制度。
目的 …尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日
常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サー
ビス及び福祉サービスに係る給付を行う…もの。
特徴
・最大の不安要因である介護を社会全体で支える仕組み
・高齢期には、縦割りの制度を改善し、保健医療と福祉のサービスを総
合的に利用できる
・利用者本位の制度として、選択によるサービス利用ができる
・多様な民間事業者の参入が図られている
41
介護保険制度の改正案の主な内容について
①地域包括ケアシステムの構築
高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるようにする
ため、介護、医療、生活支援、介護予防を充実。
サービスの充実
○地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の充実
①在宅医療・介護連携の推進
②認知症施策の推進
③地域ケア会議の推進
②費用負担の公平化
低所得者の保険料軽減を拡充。また、保険料上昇をできる
限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担を見直
す。
低所得者の保険料軽減を拡充
○低所得者の保険料の軽減割合を拡大
・給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者
の保険料の軽減割合を拡大
* 保険料見通し: 現在5,000円程度→2025年度8,200円程度
* 軽減対象: 第1段階(H27.4~)
④生活支援サービスの充実・強化
重点化・効率化
重点化・効率化
①全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市町
村が取り組む地域支援事業に移行し、多様化
①一定以上の所得のある利用者の自己負担を引上げ
* 段階的に移行(~29年度)
* 介護保険制度内でサービスの提供であり、財源構成も変わら
ない。
* 見直しにより、既存の介護事業所による既存サービスに加え、
NPO、 民間企業、住民ボランティア、協同組合等による多様
なサービスの提供が可能。これにより、効果的・効率的な事業
も実施可能。
②特別養護老人ホームの新規入所者を、原則、要介護
3以上に限定(既入所者は除く)
42
・ 2割負担とする所得水準を、65歳以上高齢者の所得上位
20%とした場合、合計所得金額160万円(年金収入で、単身
280万円以上、夫婦359万円以上)。ただし、月額上限がある
ため、見直し対象の全員の負担が2倍になるわけではない。
・ 医療保険の現役並み所得相当の人は、月額上限を37,200
円から 44,400円に引上げ
②低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する
「補足給付」の要件に資産などを追加
参考:H26.10.1
市町村介護保険担当課長会議
厚労省資料
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
Integrated(統合) community care system
地域包括ケアシステムの構築
○ 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい
暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地
域包括ケアシステムの構築を実現。
○ 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包
括ケアシステムの構築が重要。
○ 人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町
村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差。
○ 地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特
性に応じて作り上げていくことが必要。
病気になったら・・・
介護が必要になったら・・・
医 療
・急性期病院
・亜急性期・回復期
リハビリ病院
介 護
日常の医療:
・かかりつけ医
・地域の連携病院
通院・入院
通所・入所
住まい
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
相談業務やサービスの
コーディネートを行います。
・自宅
・サービス付き高齢者向け住宅等
いつまでも元気に暮らすために・・・
生活支援・介護予防
■在宅系サービス:
・訪問介護 ・訪問看護 ・通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
・24時間対応の訪問サービス
・複合型サービス
(小規模多機能型居宅介護+訪問看護) 等
■介護予防サービス
認知症の人
※ 地域包括ケアシステムは、おおむね30
分以内に必要なサービスが提供される
日常生活圏域(具体的には中学校区)を
単位として想定
予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業(新しい総合事業)へ移行
(H29.4~)
★新しい地域支援事業の全体像
44
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
出典:H26.7.28
全国介護保険担当課長会議 厚労省資料
特別養護老人ホームの重点化(H27.4~)
〔見直し案〕
○ 原則、特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定し、在宅での生活が困難な中重度の要介護者
を支える施設としての機能に重点化【既入所者は除く】
○
他方で、軽度(要介護1・2)の要介護者について、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著し
く困難であると認められる場合には、市町村の関与の下、特例的に、入所を認める
要介護度別の特養入所者の割合
要介護1
平成12年
12.5
平成23年
3.1 8.7
【参考】
平成23年度におけ
る特養の新規入所
者
※全体の約14万人
のうち要介護1・2は
約1.6万人
≪ 施設数: 7,831施設
要介護2
要介護3
14.9
0%
19.0
28.7
20.3
2.7 9.0
サービス受給者数:51.1万人 (平成25年8月) ≫
要介護4
要介護5(平均要介護度)
32.0
26.1
10%
20%
22.9
35.8
36.7
30%
40%
(3.35)
50%
(3.89)
25.6
60%
70%
80%
90%
100%
(単位:万人)
要介護1~2
特養の入所申込者の状況
全体
うち在宅の方
要介護3
要介護4~5
計
13.2
11.0
17.9
42.1
(31.2%)
(26.2%)
(42.4%)
(100%)
7.7
5.4
6.7
19.9
(18.2%)
(12.9%)
(16.0%)
(47.2%)
※各都道府県で把握している特別養護老人ホームの入所申込者の状況を集計したもの。 ( 平成21年12月集計。調査時点は都道府県によって異なる。)
45
出典:H26.2.26
大阪府・介護支援課中村光延作成『平成27年度民生委員児童委員協議会(連合会)会長研修会資料』より
全国介護保険担当課長会議
厚労省資料
公費による低所得者の保険料軽減措置(H27.4~、H29.4~)
46
一定以上所得を有する者の利用者負担の見直し(H27.8~)
47
補足給付の見直し(資産等の勘案)(H27.8~)
48
介護報酬改定の概要

中重度の要介護者や認知高齢者への対応の更なる強化
・ 地域包括ケアシステムの構築に向けた対応
・ 活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進
・ 看取り基における対応の充実
・ 口腔、栄養管理に係る取組の充実

介護人材確保対策の推進

サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築
49
医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度(基金事業)
【1.概要】
○団塊の世代が後期高齢者となる2025年を展望し「医療・介護サービスの提供体制の改革」が急務の課題
○医療介護総合確保法が成立し、本年6月25日施行。同法において消費税増収分を財源として、医療・介
護サービスの提供体制改革を推進する新たな財政支援制度(基金)を創設
○各都道府県が作成する計画に基づき事業実施
【2.基本的な考え方】
○保健医療計画・地域医療ビジョンや介護保険計画等との整合性を図り、的確な対策を実施
(基金を活用した対策の方向性)
➊病床の機能分化、連携の積極的促進
➋在宅医療体制の整備(病診・歯・薬連携、訪問看護、多職種連携)
➌医療従事者の確保と資質向上
➍介護保険計画などの他施策との連携・連続性
【3.本府の基金配分額】
○対象事業は、H26年度は医療、 H27年度からは医療・介護
○公平性、透明性を確保するため、3師会(府医師会、府歯科医師会、府薬剤師会)、病院団体をはじめ関
係団体等から意見を聴取するとともに、官民公平な配分を目指す。(公16%:民84%)
○基金の造成割合は国2/3:府1/3。国、府県の拠出総額904億円(H26年度)
大阪府に対する26年度交付決定額は、49.5億円(26年度補正予算見込み額 39.5億円)
【4.スケジュール】
11月19日 国からの交付決定(49.5億円)
12月
9月府議会(後半)に関連議案(補正予算・基金設置条例)を提案
50
H26.12.4健康医療部作成資料
51
4.大阪府市医療戦略会議提言から見た、
より良い医療と介護の未来のために
52
そこで、医療戦略で考える医療・健康づくりの範囲とは…
医療保険給付の対象とならない健康づくり・予防・未病対策の推進!
効率化、生産性の向上、規制緩和やイノベーションで産業振興と積極的な投資を推進!
高度先進医療等の研究開発
保険給付外の高度医療
民間保険からの給付
高度先 進医療
栄養食品
サプリメント
疲労対策
運動
食生活
健康診断・
人間ドック
予
防
・
健
康
増
進
等
正常な分べ
ん費用
特別料金
入院基本料
(室料差額、特
診療(診断・治療) 食事療養費等 別な給食等)
日常外来医療
歯科
リハビリテーション
その他
自由診療等
自
予約診療等
己
負
担
あんま・鍼・ 灸柔道整復
体重管理
介護予防
生
活
支
援
関
連
見守りサービス
配食サービス
買い物支援
疾病管理サービス
大衆薬
在宅医療
予防・健康管理サービス
○予防接種
○保健指導 等
看護
介護関連
医療周辺サービス
○移送費(保険適用以外)
○救急業務
等
介護保険
○訪問看護等 ○訪問介護等
一部公費
負担
公的保険
53
の範囲
医療保険
の範囲
介護保険
の範囲
総保健
医療支
出範囲
※「OECD・SHA手法に基づく総保険医療支出推計」(財)医療経済研究機構 図1を改変
7つの具体的戦略を提言
①
予防・疾病管理、
府民行動変革
②
レセプトデータの
戦略的活用
③
医療情報の電子化と
ビッグデータの
戦略的活用
=
大阪府
④
地域密着型
医療・介護連携
最適モデル実現
=
保健医療提供機関等
⑤
増益モデル型
民間病院の高度化・
経営基盤強化
=
民間病院
大阪府
⑥
スマートエイジング・
シティ
=
基礎自治体
大阪府
⑦
スマートエイジング・
バレー構想
(産業振興)
54
=
=
=
府民
保険者等
保険者等
医療・介護従事者
基礎自治体
大阪府
全国的な課題解決型の戦略:①④
×
主役は消費者
治療から予防へ
→
健康指標の向上
健康格差の解消
保健医療提供機関等、
基礎自治体、大阪府等
医療の価値追求
府民、
保健医療提供機関等、
研究機関、大阪府等
支払者の行動変革
×
医療費適正化
医療の標準化
×
創薬等ビジネス支援
医療データベース構築
×
多職種・多機関連携
市町村の主体性
×
×
×
増益モデル型
→
情報管理産業化
大阪府
→
保健医療サービス
持続可能性確保
大阪府
地域や規模の経済
資金調達システム
サプライチェーン
仕組み・構造変革
まちづくり
研究・開発
実証インフラ
認証制度
大阪特有の課題を見据えた戦略:②⑤
保険者等、
保健医療提供機関等
重要戦略産業振興
→
生活総合産業化
Aging in Place
府民
保健医療提供機関等
企業
企業・研究機関等
新たな視点で先駆的な取組みを実現する戦略:③⑥⑦
戦略1・予防・疾病管理、府民行動変革
新たな手法による教育、啓発、動機付け
• マーケティングやコミュニティオルガナイジング、戦略PRなど
• 民間ノウハウの活用
医学の専門家の監修や医療関係者の支援
• 専門家や医療関係者との協力関係づくり
• 医療機関が取り組む事業との積極的なコラボレーション
民間事業者との積極的なタイアップ
• コンビニエンスストア、飲食店、スポーツジムなど、ヘルスケア関
連産業の製品やサービスに期待
• アプリやデバイス、ICTの積極活用
55
★病気になる前の予防、健康づくりへ
★公的サービスから民間サービス活用へ
民
民間事業者
のサービス
新たなサービス事業者の参入促進
(配食・運動・生活習慣改善等)
新たなサービス事業者の参入促進
(オーダーメイドプログラムの提供、継続支援等)
肥満防止、適度な運動
食生活の改善
・塩分摂取の抑制
・野菜・果実の摂取
人間ドックの受診
禁煙
保健指導
(対象者への)
保健指導
アルコールの抑制
公
行政や医療機関等によ
る公的サービス
健康教室への参加
予
防一次予防(健康管理)
健康診断
特定健診
二次予防(予防)
健康づくり
56
生活習慣の複合的修正
・食塩
・野菜・果実の摂取
・肥満と運動不足の解消、節酒
・禁煙
健康・元気
未病(疲労等)
治療・服薬(降圧剤の服用)
疾病管理・合併症の予防
治療
医
療
医療
(病気・疾病)
聖マリアンナ医科大学田中逸氏「新健診・健康管理専門職のためのセミナー生活習慣病」(日本医事新報社)をもとに作成
所謂、地域包括
ケアシステムに近い!
戦略4・地域密着型
医療・介護連携最適モデル実現
より長い時間軸で医学的観点から身体的課題に対応
• 健康維持、予防、早期発見、疾病管理、再発予防を重視
• 運動機能維持や機能回復などのリハビリの充実など
多機関、多業種、多職種間連携
• 地域の病院と診療所が協力した連携体制づくり
• 情報共有や連続的なサービス、支援の提供
幅広い生活支援サービスを利用できる環境整備
• 見守りや配食、買い物支援、住まいへの配慮等日常的生活支援の
充実
• 民間事業者による多様なサービス提供の拡充
57
8-5.◆戦略4◆ 地域密着型医療・介護連携最適モデル実現
●加齢に伴い虚弱化が進むほか、低栄養、病気がちでケガも増える。
-65歳以上の約7割は、低栄養或いはその恐れがある。
-70歳以上で、病気やケガで何らかの自覚症状がある人は約半数、通院している人
は、約7割。また、高血圧の有病率は7割、糖尿病は、男性では4人に1人。
-65歳以上では、年間の転倒発生率は約20%、そのうち骨折の頻度は約5%。
現状認識
(Why)
-要介護・支援となる主な原因は、脳血管障害、認知症、高齢による衰弱、転倒。
●比較的健康で自立した日常生活を送っていた高齢者も、病気や入院などをきっかけ
に容易にADLやQOLが低下するリスクがある。
●現状では、ミスマッチにより、過剰で濃厚医療が提供される一方で、必要なリハビリが
十分できないなど、病期に合ったリーズナブルな治療が受けられない恐れがある。65歳
以上高齢者の平均在院日数は、それ以下の年齢の2~3倍。在宅への復帰が困
難で、入院の長期化、施設入所待ち等の状況になりがちである。
●在宅介護・医療の従事者は、多他職種連携は困難と感じており、医療・介護にかか
わる機関間の連携や、市町村の保健医療政策の取組みが十分でない。
戦略目標(Vision)
戦略行動(Who/What)
●厚生労働省主導の政策が実施されているが、医療者、医療・介護機関、市町村の
シームレスなサービス提供は不十分。健康管理から在宅復帰まで、医療、介護、ヘル
スケア、さらには生活支援も含め、高齢者のQOLを総合的に向上する仕組みが必要。
●重症化・重度化を抑制するため、健康維持・疾病管理に重点を置いた介入が不可
欠である。また。生活状況に伴う困難で複雑な状況への対応も必要。
●市町村が主体性を持って課題解決のための取組みを進める。そのため、ポテンシャル
の高い地区でのモデルとなる先導的取組みを行う。
58
大阪府市医療戦略会議提言(平成26年1月)より抜粋
高齢者視点のあるべき姿
【新しい視点】
事業者連携パス・ネットワークの構築
・予防・生活支援、日常的な病気をカバー
・病・診・介護・事業者が連携
日常生活
かかりつけ医
介護サービス
生活支援
慢性期病院
日常生活動作能力や日常生活の質を維持
現在の地域連携クリティカルパス
・急性期医療と回復期リハビリテー
ション医療の連携
・特定の疾患に特化
回復期医療
回復期リハビリ
テーション病院
急性期医療
(自宅退院への調整)
連携がうまくできないと・・・
急性期病院
入院
日常生活
プライマリ・ケア
・診断・治療
・急性期リハビリ
・リスクコントロール
・生活指導
・健康診査・予防
かかりつけ医
生活支援
59
医療-リスクコントロール
疾病管理
介護-ケアプランの作成
介護サービスの利用
生活支援
・回復期リハビリ
・自宅退院への調整
・再発予防治療
・生活機能のチェック
急性発症
慢性急変
亜急性期医療
理想的な患者の動き
0日
連携がうまくできないと・・・
・機能が維持できず、
自宅療養が困難に。
➜再入院に。
・ADL・QOLが低
下。
連携がうまくできないと・・・
・退院できず、社会的入院
に。
・ADL・QOLが低下。
・高コスト
・適切なリハビリができず、寝たきりに。
・ADL・QOLが低下。
・高コスト
時間の経過
X日
地域環境視点のあるべき姿
急性発症・急変前から、医療・介護から日常生活支援まで
切れ目のない効率的な包括的マネジメント
《健康維持・予防》※戦略1も活用 《医療・リハビリ》
監修・バックアップ
在宅医療の充実
事務局機能強化
大学
専門医療機関
診療所
(かかりつけ医)
病院
幅広い介入・バッ
クアップ支援
医師
地区医師会
看護師
薬局
MSW
訪問看護
OT
質量ともに拡充
保健師
情報提供
積極的活用
歯科医師
薬剤師
《介護》
PT
PSW
地域包括支援センター
高齢者・家族
保健所
保健C
多様なサービス提
供の拡充
多職種連絡会議
・パスの活用、サポートプランの構築
多機関協議会
・体制構築、ネットワーク形成
(住みなれた地域での生活)
ケアマネージャー
介護事業者
・居宅、
・施設・居住系 介護職員
ケアマネージャー
社会福祉士
質量ともに拡充
高齢でも居住可能
な環境整備
《生活支援》
《住まい》
●買い物支援・配達、
配食、ヘルスケア産業等
●住宅改修に向けた行政等の支援
(段差解消、手すり設置など)
●サービス付き高齢者住宅
●介護設備・介護ロボット 等
●見守り、助け合い 民生委員
民間事業者
NPO
市町村
医療資源の把握・協力関係構築/公共施設・公有地活用等による施設の立地促進、事業者の活動の場
の提供/高齢者が選択できる健康・生活支援・医療・リハビリテーション・介護関連サービスの利用計画の提示
戦略6・スマートエイジング・シティ
ヘルスケアやエイジングを横串のキーワードにした、まちづくり
• 行政分野横断的に、人口減少超高齢社会の多領域の課題を解決
• 今いる住民が安心して快適に住み続けられる(Aging in place)、
多世代の住民がアクティブに生活、まちの活力の再生
新たな視点で、都市政策、住宅政策を展開
• 土地利用や移動交通手段のあり方の再考、都市機能の再配置
• 公的ストックの有効活用、ICTの利用、住民の活躍の場の創出など
民間事業者、関係団体等多様なプレイヤーの参画
・多様な主体の協調行動による総合的な取組みを推進
・新たな民間投資を呼び込む仕掛けや裾野の広い生活総合産業の
振興
61
8-7.◆戦略6◆ スマートエイジング・シティ
●府は、三大都市圏で最も早く超高齢社会に突入。今後、さらに医療・介護ニーズが急
増するが、サービスや施設、人材が不足。
-2025年、要介護・支援は23.5万人増、介護保険施設入所は2.1万人増
現状認識
(Why)
●個人のADLの低下、高齢者のみの単独・夫婦世帯の増加等世帯機能の弱体化が
進み、住まいや移動手段なども含め高齢者の生活を支える社会的環境が必要。
●従来の住環境や地域サービスなど社会経済システムとその基盤となるインフラでは、人
口減少時代の超高齢社会に対応できないため、変革が急務。
戦略目標
(Vision)
●今いる住民が住み慣れた地域で安心して快適に住み続けられ、多様な世代の新たな
住民を惹きつける、超高齢社会における課題解決型の活気あるまちのモデルを実現。
・土地利用や移動手段など、新たな視点で都市・住宅政策を展開する
・ストックを有効に活用するとともに、新たな投資を呼び込み、まちの活力を再生する
・高齢者や多世代混住の生活を総合的に支える課題解決型産業の振興に寄与する
・高齢者が、住み慣れた地域で支援やサービスを利用しながら自立した生活を送る
●府は、土地利用、住まい・住環境、公共空間、移動・交通システム、情報通信技術な
どの領域で、超高齢社会を見据えた、地域の新たなマスター・プランを策定、提示する。
戦略行動
(Who/What)
●府と基礎自治体が連携し、住民や民間事業者等ステークホルダー間の合意形成、協
調的な行動を促しつつ、「ヘルスケア」、「エイジング」をコンセプトに、行政分野横断的に
課題解決と地域の活性化を進める。民間の投資を呼び込める様々な打ち手も講じる。
●府と基礎自治体は、「スマートエイジング・シティ」を具体的に目に見える形で速やかに実
現するため、行政権限や支援方策を駆使し、総合調整力を発揮する。
62
◆戦略6◆ 具体的な戦略イメージ①
超高齢社会における高齢者をめぐる課題
【経済状況】
・年間所得:全世帯平均と大差なし ➣消費・購買意欲は活発で、平均消費性
-高齢者197.4万円/1人あたり
向は他の世帯より高い
(全世帯平均との差▲3万円)
・貯蓄:大きな純貯蓄を有している
-65歳以上世帯 2,300万円
(全世帯平均の1.4倍)
※現在の50歳以上が高齢化する
2025年頃は、安定
(収入は低いが貯蓄・持家あり)
➣貯蓄する(使わない)のは、病気、介
護に備えるため
高齢者の消費の特徴:交際費(贈与金等)、保
健医療、光熱・水道、家具・家事用品が額・率
ともに高い、さらに教養娯楽の割合が高い、少
量・高品質志向
【健康状態】
・高齢者の約半数が、病気やけが等
での自覚症状あり
➣病気、けがの予防・治療が必要
➣日常生活への影響
➣安全性の問題、不安
日常生活動作:起床、衣服着脱、食事、入浴など
での不便、介護の必要
家事:炊事洗濯・家の手入れ・買い物等の不便
不測の事態:戸締り、火の始末、体調
外出:公共交通の不便、事故・怪我への不安
教養・学習:余暇があり、意欲も高い
運動:健康志向で適度な運動に意欲的、リハビリと
しての運動ニーズ、転倒・怪我への不安
<高齢化に伴う機能低下>
-運動機能
-生理機能
-認知・感覚機能
【社会関係・人間関係】
・全世帯の4割が高齢者世帯
その過半数が単身・夫婦のみ世帯
・孤立死(孤独死)問題
-単身世帯の4割:「身近な問題」
・リタイアによる社会参加機会の減
・社会関係脆弱(会話・近所づきあ
いが希薄)
➣会話への渇望
➣交流機会の不足
➣困ったときに頼れる人の不在
➣承認欲求、生きがい・生活の充実重視
➣消費トラブル・詐欺被害などの増加
【生活環境】
・建物、住宅の老朽化
・不要公共施設・公有地の増加
・居住環境へのニーズが変化
-高齢者事故の7割が家庭内
(居室45%、階段18.7%、台所・食堂17%)
・まちの空洞化、活力低下
・子どものいる家族世帯、就労世帯
向けのまちとのミスマッチ
-郊外型大規模店舗、交通量増に応じ
た道路網の整備、ミニ戸建 など
➣施設・住宅の建替え、リノベーション
➣高齢者の住まいの確保
➣多世代、循環居住型のまちづくりへ
➣まちの再生、活性化の仕掛け
➣公共施設・公有地の再編・再構築
課題解決型の政策分野、市場
◆
高
齢
社
会
の
普
遍
的
な
価
値
◆
◆
高
齢
者
ニ
ー
ズ
に
応
え
る
価
値
◆
◆
機
能
、
性
能
の
付
加
価
値
◆
◆
提
供
手
法
の
付
加
価
値
◆
製
・ユニバーサル
デザイン
・パーソナル
・コンパクト
品
・個人向けウェアラブルセンサー付デバイス等健康管理・測定機器
・健康関連測定機能付きトイレ
・医療機器(人工臓器、義足等生体機能代行・補助具)
・介護・福祉用具・ロボット・ベッド
・アクティブシニア向け衣料品(ファッション性と機能性を兼ねた服・靴等)
・ユニバーサルデザイン製品(日常生活用品・家電・家具・住居設備)
・センサー付き調理器具・家電(消火、On/Off)
・パーソナルモビリティ、自動運転乗用車
サービス
・安全
・オーダーメイドのヘルスケアプログラム提供
・アクティブシニア向け理美容サービス
・食事サービス(健康レシピ、配食、外食)
・家事代行(買いもの、家の手入れ、ペット など)
・リノベーション(建物の用途転換や住居のバリアフリー化
・見守り・警備サービス
・生活総合よろず相談(コンシェルジェサービス)
・住宅・自動車・機器等のシェアリング
・コミュニケーション
エンターテインメント、憩い
・Care と
Cure
・アクティブ
など)
・空き地・旧耕地を活用した農園、共同家庭菜園、園芸サービス
・高齢者サークル活動支援(健康・スポーツ、趣味(音楽、美術等))
・高齢者向け旅行の催行(一人参加限定、体験型)
生きがい、学び、職
・オート
・インテリジェント
・ICT
・シェア
・コーディネーション
・地域コミュニティの自主運営
・高齢者向けオープンカレッジ、専門講座など
・高齢者の新たな職の創出(生活、福祉・子育て、農業などでの
新たな活躍の場と年金以外の収入源)
ICT・金融等
・パーソナル・ヘルス・レコードの構築、共有
・遠隔診療システム
・住宅と医療・介護機関等を結ぶICT網、クラウド化
・安全運転支援システム
・地域内キャッシュフリーシステム
・ヘルスケアリート
・リバースモゲージ
インフラ
・不要地・未利用公有地等の利活用促進
・老朽化施設の移転・建替えの推進
・まちのバリアフリー化(段差解消、階段改良等)
・道路利用の見直し
・コミュニティバス、オンデマンド交通
総務省「家計調査」「貯蓄動向調査」、内閣府「高齢社会白書」等を参考に作成
63
《スマートエイジング・シティを実現するための様々な仕掛けのイメージ》
都市政策
◆戦略6◆ 具体的な戦略イメージ②
立地促進
・都市計画、建築に関する環境整備
-地域マスタープランの策定と整備、地域循環居住の実現
-モデル地域の指定
-エリアマネジメントの推進
-駅前等の中心地や交通至便地の再開発
-用途地域の変更、運用柔軟化
-容積率緩和などの建築基準法上の規制緩和、運用柔軟化
・企業や大学等の立地魅力の向上
-不要地、低利用・未利用公有地での定期借地権設定、暫定利用の仕
組み、払下げなど、優遇条件の整備
-大規模施設建替え予定・跡地の情報収集、提供
-空き家・空き店舗のブランチオフィス(実証拠点等)としての利用促進
住宅政策
・駅周辺と郊外をつなぐ交通ネットワークの形成
-オンデマンド交通の普及
-乗り合いタクシー・路線バスの規制緩和
・郊外における高齢者の移動の課題に対応するパーソナルモビリティの普及
(一般走行環境の整備や運用規制の見直し)
-道路交通法の規制緩和・運用柔軟化
-緑道を利用した専用道路の形成・整備
-特定エリア内の自家用車通行制限
・住宅ストック(公的賃貸住宅、戸建)の老朽化対策
・高齢者が住み慣れた地域で住み続けられる仕組み
-賃貸住宅のバリアフリー化
-高齢者への住宅支援制度の充実
-リバースモゲージ制度・保証人引受制度の整備による高齢者の住替え支援
-住替え後の空き家活用(若年世帯への賃貸など)
・若年世帯の流入を促す魅力ある住宅環境の創出
-賃貸住宅におけるリノベーションフリーの促進
-SOHO、環境共生住宅など多様な生活・就労スタイルに対応する住宅整備
促進
-空き家活用によるシェアハウス、家賃補助など、安価な住宅の供給促進
ストックの活用
・活用用地の創出
-老朽化する公営住宅・学校等の公的施設建替えによる用地創出
-大規模施設建替え予定・跡地の情報収集、提供
-空き家条例の活用による土地の創出
・優良な都市基盤(道路・公園・学校・公共施設等)の活用
-動線や空間の連続性を強化し、利用度の低い公園・空間の魅力・ポテン
シャルを向上
-緑道を活用した歩車分離の実現
-歩行空間と沿道施設の一体的な整備
・道路・公園等の老朽化対策
移動・交通システム
情報通信技術(ICT)
・医療、産業、生活全般を支えるICT基盤の確立
-病院、医療機関、介護施設、住宅等を結ぶICTネットワーク、無線通信網の
整備、クラウド化の推進など標準プラットフォームとサービス技術の確立
-ICT弱者を支援する「ICTサポーター」の育成と組織化
-公共アンビエント端末の整備、普及促進
人の交流、多様化
・世代、職業など多様な住民がつながりながら活躍できる場と機会の創出
-アクティブシニアが活動する機会の創出(子育て支援、経験・技術を活か
した後進指導、教育への参加 など)
-シニアのビジネスでの活躍支援(起業・ソーシャルビジネス展開など)
-NPOの活動(高齢者見守り、交流イベント、まちづくり)
-空き地を活用した園芸・農地の創出、空き家、空き店舗を活用した日常
的な交流、イベント・アート等の活動の場の創出
-企業・大学等の実証支援(安全性確認やマッチング等プラットフォーム整備)
既存の公的資源を最大限に活用しながら、住民、企業、大学、NPO、行政などの多様な担い手が参画するPPP(Public-Private Partnership)の
手法を取り入れ、自立したまちづくりのマネジメントを行う。
➡ ●住み慣れた地域で、老いても安心して生活 ●多世代の住民がアクティブに生活 ●まちが活性化・再生(高齢化による空洞化、寂れの解消) 64
“スマートエイジング・シティ”具体化を推進

提言に示された、互いに関連する7つの戦略を、特定の
地域をモデルとして、重点的に具体化することで、相乗
効果を期待している

府と市(町村)が連携協力して、新たな視点を加えたまち
づくりをハード、ソフトの両面から検討、推進する

地域の事情に合わせ、地域の資源を活かして、具体的
な事業を考える

長期的な視点を持ちながら、できるところから、どんどん
実行する
65
スマートエイジング・シティのモデル地域
~①河内長野市南花台団地再生モデル事業
66
平成27年3月7日事業説明会 河内長野市作成資料より
67
平成27年3月7日事業説明会 河内長野市作成資料より
68
平成27年3月7日事業説明会 河内長野市作成資料より
69
平成27年3月7日事業説明会 河内長野市作成資料より
スマートエイジング・シティのモデル地域
~②大阪市東淀川区内のモデル地域での取組み
70
平成27年4月2日記者会見 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成資料より
先行モデル事業の紹介
71
平成27年4月2日記者会見 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成資料より
72
平成27年4月2日記者会見 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成資料より
73
平成27年4月2日記者会見 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成資料より
74
新会社ミッション:地域包括ケアシステムの構築のモデル化を
2025年に先駆けて東淀川区及び隣接区周辺で実現すること
①
②
まちのメディカル
ハウス
在宅医療の
バックアップ
(一部委託予定)
③
④
まちケア
ステーション
まちケア
ステーション
⑤
まちの保健室
まちカフェ他
よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成 事業説明資料より
新会社事業 ~まちのメディカルハウス~
■コンセプト
①家庭と病院の間を繋ぐ生活の場
②住み慣れた土地で住まい続ける
③地域を単位とし、家庭とつなぐ
■概念図
まちケアステーション
病院
一体的運営
まちのメディカルハウス
急性期に
おける
治療、
救急医療
など
時々入院
①医療依存度が高い方も入居できる
②入居期間は、入居者が決める(賃貸)
③看取りまでサポート可能
ほぼ在宅
よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成 事業説明資料より
新会社事業 ~まちケアステーション~
■コンセプト
①訪問看護を中心とした各種在宅医療・介護サービスの総合提供
②多職種連携によるチーム地域ケア
■概念図
まちのメディカルハウス
地域
一体的運営
まちケアステーション
高齢者、
障がい者、
医療弱者
在宅サービス
訪問看護
ステーション
その他職種
PT、OT、ST
管理栄養士、
ソーシャルワーカー
等
多職種連携によるサービス提供
ケアプラン
センター
地域
とのかかわり機能
まちカフェ
まちの保健室
訪問介護
ステーション
よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成 事業説明資料より
新会社事業 ~まちカフェ~
■コンセプト
①地域交流の空間
②地域協働ネットワークづくり
③地域の予防医療
■概念図
④生きがい・自己実現づくり
⑤ひとづくり
行政
大学
企業
連携
連携
連携
まちのメディカルハウス
一体的運営
まちケアステーション
地域とのかかわり
シニアの
学びの場
まちカフェ
地域
ボランティ
ア活動
生活行為
向上支援
プログラム
(地域の高齢者が主役)
交流
の場
(ピンピンコロリ)
一体的運営 (地域の集まり、
情報発信)
まちの保健室
認知症
カフェ
認知症
予防
サービス
療養食
の
提供
世代間
交流
女性雇
用、
障がい者
雇用の新
たな場
よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成 事業説明資料より
新会社事業 ~まちの保健室~
■コンセプト
①高齢者、医療弱者の生活を地域の中で見守る
②医療・看護・介護とスムーズに繋ぐハブ機能
③24時間365日の対応
行政
大学
企業
■概念図
連携
連携
連携
まちのメディカルハウス
地域とのかかわり
まちの保健室
一体的運営
まちケアステーション
見守り機能
一体的運営
相談機能
①介護する家族の看護・介護相談
要援護者を見守る視点
②がん療養生活相談
~3つのリスクから~
③女性のための健康相談
①外出先で突然倒れた時に ④健康生活相談
②認知症の方の徘徊などに ⑤子ども・家族の療養生活相談
③自宅での急変時に
①お元気セルフチェック
②健康セルフチェック
③もの忘れセルフチェック
まちカフェ
健康づくり機能
よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成 事業説明資料より
■地域包括ケアまちづくり~全体イメージ~
◇他の介護サービス事業者
東淀川区における上新庄・淡路地区を中心とする地域包括ケアネットワーク
《よどきり医療と介護のまちづくり会社(仮称)》
生
活
支
地援
域・
ヘ
◇東淀川区
社会福祉協議会 包 ル
括ス
◇東淀川区医師会
ケケ
◇こぶしネット
アア
のサ
拡ー
充ビ
ス
の
◇調剤薬局
(東淀川区薬剤師会) 充
実
医療強化型の高齢者の住まい
◇東淀川区役所
(地域活動協議会)
◇他の介護施設
「時々入院、ほぼ
在宅」を実現
(医療対応、介護対応、看取り)
★病院と家庭を繋ぐ
まちの保健室
REVIC
(地域経済活性化推進機構)
(チーム在宅医療研究、”まち臨床”など)
ファンド支援等
★大阪府市医療戦略の公民連携拠点機能
訪問看護ステーション移転
・8名体制 ⇒ 20名体制に強化
・臨床訪問看護実習等、高度看護人材の育成強化
大阪府市
医療戦略会議
(新規) 在宅系サービス拠点機能
事
業
会
社
の
使
命
②
・訪問栄養指導、訪問リハビリテーション、嚥下指導
・在宅薬剤管理、訪問服薬指導など
(新規) まちづくり推進機能
・地域包括ケアのまちづくりを総合的に推進
・産学公病院連携による医療・看護周辺事業創造
・プロトタイプ事業モデルの地域実装&実証
※その他
高齢者の生活支援サービス、地域と行政・医師会等が集う拠点
高齢者見守りサービス、まちカフェなども検討
事
業
会
社
の
使
命
①
連携・協力
◇他の診療所
◇他の病院
・630床
・大阪府がん拠点病院
・地域医医療の中核的役割
・おとな15床/こども12床
・独立型ホスピス病院 (アジア初)
淀 川 キ リ ス ト 教 病 院
(本 院)
・一般:60床/認知症:40床
・在宅復帰強化
淀 川 キ リ ス ト 教 病 院
淀 川 キ リ ス ト 教 病 院
ホスピス・こどもホスピス病院
予防医療~治療・回復
「全人医療」の理念
~地域に根差し、世界に目を向ける~
老
介護・看護~看取り
人
保
健
施
設
リハビリ・在宅復帰~介護・看護
80
平成27年4月2日記者会見 よどきり医療と介護のまちづくり株式会社作成資料より
(参考)以前から、先進的な取り組みが…
 大阪市の東成区医師会の取組み
(平成24年度 厚生労働省在宅医療連携拠点事業も活用)
・医師会内に「地域医療連携室」を設置
-かかりつけ医を紹介、コーディネート
・「おまもりネット手帳」
-在宅に必要な情報共有
・「新道パトリ」の開設、運営
-憩い、交流、ふれあい、防災や暮らしの支援
81
(参考)介護保険と自費、地域での支え合い

NPO法人グレースケア機構[東京都三鷹市]
代表:柳本文貴 ※介護福祉士23名はじめ63名の職員が在籍
事業概要:プレミアムケアサービス、ケアエイド・キャンペーン
アドボカシー活動、コンサルティング

介護保険は生活のごく一部、保険以外の部分を誰がど
のような形で担うかが今後の大きな課題という問題意識
・制度外サービスを提供、収入の7割を占める
‐身体介護と生活援助 3000円/H(自費)
・ヘルパー指名制あり(演技、ペットケア、整理収納等特技)
・コミュニティサロン&カフェ(新しい公共支援事業)
82
同法人のHP及び『地方自治職員研修』(2012.6)の記事を参考に作成
自助、互助、共助、公助の
多層的・多重的なサービスとコミュニティ
「ときどき入院、ほぼ在宅」の実現
入院か、施設か、在宅か、ではない
83
『地域包括ケア研究会報告書2013年版』より 田中滋座長作成の図
地域包括ケアシステムは最重要インフラ
地域包括ケアシステムは、最重要インフラと認識
 的確な実情の把握と将来予測

-需要、ニーズ
-資源
-定性的観測
-将来推計、見通し、見極め
地域の実情に応じた創意工夫
 マネジメント力
 エナジャイザー的役割と環境整備

84
田中滋先生によると…
 入院患者像の変化
→既存システムのパフォーマンス低下
医療と介護の多連続工程化
長期的・継続的なケアニーズに対応
 在宅療養の促進
→医療ニーズを持つ要介護高齢者増加
医療と介護の同時工程化
医療(疾病管理)と介護は不可分
85
介護報酬改定の方向性が求めるもの
 基本サービス(必要なサービス評価)の
適正評価
 処遇改善の充実
 その他、種々加算の充実
・評価、カンファレンス重要
・マネジメント重視
・質の高いサービスを評価
86
大阪では私的病院に期待できる

大阪では、急性期から慢性期まで、対象疾患領域も幅広く、私的病院が
極めて大きな役割を担う。今後、益々その役割は重要になり、より最適な
医療・介護連携、さらには、まちづくりにおいて中核的役割・機能を期待

とりわけ、小規模病院(100床以下)は、医療機能、法人体制等運営の見
直し・再編の時期。地域密着での高齢者医療や在宅医療バックアップ機
能の強化なども一つの方向性・・・「地域包括ケア病棟」が増える?
【現在、積極的に連携している機関】
87
【将来、積極的に連携したい機関】
『私的病院の運営課題等に関する調査結果』(平成26年2~3月に大阪府が病院団体の協力を得て実施)より
プロフェッショナルへの期待
 個人や家族の自己決定を支援
専門知識・情報、経験知、客観性、冷静さ
そして、共感と情熱

「鳥の目」:全体の把握、大局的視野
「虫の目」:部分の把握、複眼思考
「魚の目」:流れの把握、変化に敏感に
 着眼大局、着手小局
眼のつけどころは大きく、実践は小さく
88
地域経済圏の再生が重要
89 『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(富山和彦著 PHP新書)の内容を(社医)生長会田口副会長がまとめられたものを借用
(おまけの参考) 包括ケアシステムとはⅡ
□地域包括ケアとは、サービスが連携して、利用者の視点か
ら一体的に提供される状態
□連携とは、サービス提供者間の顔の見える関係
□顔の見える関係とは、多職種協働による地域における総合
的なチーム医療介護であり、安心と信頼の基盤
□安心と信頼の基盤とは、サービス利用者が次のサービスス
テージの見通しがたつこと
□地域包括ケアは、制度によってではなく、マネジメントに
よってつくられる
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平成26年8月31日:高石市での講演 厚労省唐沢保険局長
ご清聴、ありがとうございました。
私たちは、自分が誉められるためにではなく、私たちが選んだ
この仕事に名誉をもたらし、それを前進させるために、
心を打ち込んで事を成し遂げていこうではありませんか。
(ナインチンゲール)
今後とも、格別の御理解と御協力のほど、
よろしく御願い致します
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お問い合わせ先:大阪府政策企画部戦略事業室 医療戦略担当 06-6943-8077