平成27年1月号 平成27年1月20日 鎌 田 公 認 会 計 士 事 務 所 公認会計士 鎌 田 直 善 税 理 士 鎌 田 ふくみ 久しぶりに雪の少ない冬に、これぞ函館、と納得するのですが、積もっては融け、冷え てはまた積もる、を繰り返すので、路面がツルツルなのが困りもの。転びませんように、 と念じる日々です。今年もよろしくお願いいたします。 平成 27 年度税制改正大綱について 公認会計士 鎌田 直善 昨年末ぎりぎりの 12 月 30 日、平成 27 年度税制改正大綱が発表されました。税制改正 与党案ではありますが、このまま確定するのが例年のならいです。 大きなところでは、法人税率が下がる一方、財源確保のため、いくつかの増税傾向の見 直しがされています。本号では、法人税に関連し何点かご紹介いたします。 (↑増税:↓減 税:→現状維持) ↓・法人税率 現行 25.5%→23.9%に引下げられる →・中小法人の軽減税率(年 800 万円以下の所得に対する税率=19%)を 15%とする特例 は 2 年延長される ↑・受取配当等の益金不算入制度の改正(株式等) 現行の不算入割合:完全子法人・関係法人(保有割合 25%以上)100%、その他 50% 改正案:完全子法人・関係法人(保有割合 1/3 超)100%、非支配(保有割合 5%以下) 20%その他 50% ↑・受取配当等の益金不算入制度の改正(証券投資信託の収益の分配) 現行の不算入割合:収益分配額の 1/2(1/4)につき 50% 改正案:全額益金算入…ただし、特定株式投資信託(上場株式投資信託・EFT)につい ては、上記株式等(非支配)として扱い、20%益金不算入 ↑・欠損金の繰越控除に現在 80%制限がかけられている法人(中小法人以外)については 平成 27 年 4 月 1 日から平成 29 年 3 月 31 日までに開始する事業年度:65% 平成 29 年 4 月 1 日以後開始事業年度:50% と、繰越控除限度額が引下げになる ↓・平成 29 年 4 月 1 日以後開始事業年度で生じた欠損金の繰越期間は 10 年(現行 9 年)と なる なお、地方税については、外形標準課税拡大も予定されています。これは資本金1億円 超の法人に限りますが、その他の法人についても、均等割の見直しがあります。詳しくは 次号で。税制改正の背景についても次号でお伝えできればと思います。 美術品等の減価償却の取扱い改正について スタッフ 中.島.弓.枝 減価償却資産とは「事業に供している資産で、時の経過によってその価値が減少するも の」です。これまで美術品は原則として「時の経過により、その価値が減少しないもの」 として減価償却資産に該当せず、減価償却費を経費に計上することができませんでした。 今回その取扱いが改正され、 平成 27 年 1 月 1 日以後に取得する美術品等について一部を 除き、取得価額が 100 万円未満であれば減価償却資産として取り扱う事ができるようにな りました。(平成 27 年 1 月 1 日以後最初に開始する事業年度が適用初年度となります。) 減価償却資産の判定は以下の通りです。 歴史的価値又は希少価値を有 No 取得価額が、1 点 100 万円以上である Yes No 時の経過により、その価値が減 少することが明らかである Yes 時の経過により、その価値が減少しない No 非 減 価償 却 資 産 Yes し、代替性のないもの ことが明らかである Yes 非 減 価 償 却 資 産 No 減 価 償 却 資 産 なお経過措置として、平成 27 年 1 月 1 日前に取得した美術品等について、上記判定に 従って、適用初年度から減価償却資産に該当するものとしている場合には、今回の改正が 適用されます。 これに伴い、 〈中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例〉について は、適用初年度開始の日に取得し、事業の用に供したものとする事ができます。 例:3 月決算法人の場合 ①従前より取得価額 50 万円の絵画を非減価償却資産としている場合 平成 27 年 4 月開始事業年度から減価償却資産とする事ができ、当年分の減価償却費 を計上できる (耐用年数 8 年) 。 ②従前より取得価額 25 万円の絵画を非減価償却資産としている場合 平成 27 年 4 月開始事業年度において、 25 万円の減価償却資産を取得したものとし、 25 万円を一括損金算入する事ができる。 営業時間等のおしらせ 土・日・祝日が定休日です。12 月~5 月の営業時間は 9:00~18:00 です。よろしくお 願いいたします。 バックナンバーは、http://www.kamada-cpa.jp/でご覧いただけます。
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