意見交換会 - いなべ市

【第1回いなべ在宅医療・介護連携研究会
「嚥下摂食に関すること
意見交換会における意見について抜粋】
歯科医師、歯科衛生士に尋ねたいこと」
1G
・高齢者で、歯科診療所に受診をする人は少ない。
・口腔ケアの指導はデイでは難しい。うがいのみの人もいれば、義歯を付けてこない人もいる。
・義歯が合っていない場合もある。
歯科医には自分の歯の具合を隠さず、たとえ言いにくいと思うことでも伝えることが重要。
日中、しゃべっているか、水分を取っているか等の情報から口腔ケアの必要性を判断する。
日中しゃべらない、お茶も飲まない人はうがいだけではだめ。飲まない理由がむせの場合
はもっと問題である。
声かけによって口腔ケアが進む人も多い(急に口元に持っていっても口を開けてくれない)
2G
・サービス提供時には、義歯の汚れや食後の清潔保持は義務付けているが、在宅時までは目が届
かない。
・義歯で困るような人は、義歯の作り直しに病院へ連れて行くのも困る人が多い。往診してくれ
る歯科医があっても、義歯を作るには時間がかかる。出来上がる頃には更に痩せてしまってい
ることもあるし、もう一度作るにも、一定の期間が経っていないと保険が利かないこともある。
・施設入所者で、
「わしは歯が 1 本やから磨かんでもええんじゃ」と言う人がいるが、大事な 1
本だからと言って磨いてもらっている。
・歯がなくても歯茎でうまく食べている人がいる。こちらも調理方法に気を付けて刻んであげる
と、漬物でも食べている。
・嚥下体操は、高いレベルのものは医師の指示も必要だが、リハビリのようにきっちりしたやり
方でなくてもよい。70 歳前半くらいまでなら、嚥下体操で状態が上がる人は上がる。
・「入れ歯を入れると痛いから」と言って入れ歯を入れない人がいるが、歯がなくてちゃんと食
べている人でも、入れ歯は入れるべきか?
→入れられるのであれば入れ歯は入れてほしい。最終的には、嚥下能力に合わせた食事の形態を
変えていくしかないと思っている。
「きんさんぎんさんは、歯がなくても好きなものを食べて
いたじゃないか」に行きつく。最後は「その人らしく」になるのではないか。
3G
・入れ歯が合わずに放置している場合どのように対応すべきか?
→直して噛んで食べることが重要。消化のよいものを
・入れ歯が落ちる場合、安定剤よりも合うものを作る。
グラつき具合をどのように判断してよいか?
→口を開けて落ちる場合は、合っていない。
・入れ歯を水に浸けるのは?入れ歯が割れるのを防止するためであるが、知らない人が多い。
・義歯の管理・・・寝る時は外し、口をきれいにする。ポリデントは、におい、滑りがある時。
・歯周病は、セルフケアと受診し、歯科衛生士によるケアを受けること。
・病院内での口腔ケアの勉強会の必要性を感じる。口腔ケアは主に看護師が行っているが、プロ
ではないし、いつの段階で歯科受診が必要かについては分からない。
4G
・デイサービスではみんな一斉に同じことを行っているため、必要な人に手をかけられていない。
・重症な方は歯科医院には来ない。
一般的には、①きれいにする ②機能維持向上 ③舌や頬の筋力アップ をし、誤嚥を起こさ
ないことが重要。
・認知症の方で違和感から義歯を外してしまう。義歯がなくても食べれる人の場合、義歯を作る
必要があるのか?
→矯正はしている。食べる時に痛みがあるようであれば、食べていないときに慣れた方がよい
のでは・・・
・認知症や末期のがん患者で、受診が難しい方
→機械があれば持っていける。ただし、この機械が少ない。
義歯の調整は、訪問診療の中では出来る。
・元気なうちからかかりつけ歯科医を持つこと。顔見知りならなお良い。
・歯科医師の高齢化、往診をすることに手を挙げるものがいない。
・口腔ケア、リハビリをしてくれる歯科衛生士となると人材的に少なくむつかしい。誰でも行え
るというわけではない。
・都市部では、患者の確保から車で治療を行う歯科医も出てきているが、厳しい規制もある。
5G
・脳梗塞後の片マヒにより、食物がマヒ側にたまる。嚥下障害はないが嚥下しにくく、歯科衛生
士に訪問してもらうことになった。
・デイサービスでの口腔体操を重視してもらうのもひとつの方法。
・桑名市で口腔ケアステーション(訪問口腔ケア等の紹介)を立ち上げる予定。松阪市では既に
行っている。
・口腔ケアを軽く考えている家族が多いのでは?本人と家族の意見が違う場合、施設では家族の
同意が必要
・専門家による口腔ケアを定期的に受けることが必要。
・歯がグラグラでも気にしていない人が多い。
・動物の毛の歯ブラシは雑菌がわきやすい。小さめの歯ブラシが使いやすい。
・歯磨きは10分間が目安。
6G
・在宅での口腔ケア後回しの印象が強い。
・在宅での嚥下の評価は実際は出来ていない。病院でも 1 回の評価で胃ろうになる場合が多い。
・在宅での歯科治療がどこまで可能かが興味のあるところ
・高齢者自身の口腔ケアの意識が低い。
・歯茎で食べていると入歯をいれようとしても入らない。
・病院での口腔ケアも難しい。さらに在宅となるとさらに難しい。
・口腔内の苔は、固くて取れないが、無理にとってもよいか?
→無理に剥がすと口腔粘膜を傷つける。沢山付いてしまうとどうしようもない。
・自歯がある場合、1~2 日でも入歯を外すと、自歯が動きはまらなくなる。
・口腔内が乾燥していると、汚れが付きやすい。
・絶食の人は、食べている人よりも口腔内が汚れやすいい。
・口腔内が汚れている人は、まずガーゼやスポンジで拭き取り、ブラッシング。それをせずにブ
ラッシングをすると、汚れが体内に入ってしまう。
・入歯の洗浄は、ポリデントだけでは、汚れは取れないので入歯専用ブラシで磨くこと。
7G
・「パタカラ」
「あいうべ体操」ただ言っているだけで効果があるのか?
→口の周りの筋肉を鍛える体操であるため、鼻呼吸ができることが基本。ただ言うのではなく、
口を大きく開け、出来るだけおおげさに。
・実際、体操を始めてむせなくなってきた。デイなど大勢の中でやるのはやる人やらない人が出
る。
・入院中や認知症の人でコミュニケーションが困難な場合は、基本は食べて鍛える、絶食期間を
作らない。意識をしてあいうべ体操、パタカラで声を出してもらうことが重要。
・病院での口腔ケアはなかなか出来ない。
・在宅への訪問もむつかしい。
・介護職でも、回数を行うことで効果があがるため、口腔ケアは出来る。
8G
・口腔ケア時に口を閉じてしまう人に対して
→ちょっと開けた時に、水道のホース(硬め)などを噛ませる
・認知機能が低下した方で、入歯が合わない場合は、
→入歯の調整には認識力が必要。特に新しいものになると理解出来ず、受け入れが出来ず、外し
たがる。個別に対応していくしかない。
・脳梗塞で誤嚥がわからない(むせなし)の人に対しては、
→1口の量の判断がつかない人には食事の介助が必要であるが、誤嚥についてはわかりにくい。
発熱で判断していくが。定期的に検査を受けることもよい。
・介護職に口腔ケアの大切さを理解してもらい、現場で実施してもらえるとよい。
・在宅ケアを受けている場合には、家族や本人に口腔ケアの大切さを伝えていくことも重要
9G
・義歯が合わない人には
→どうしても合わない人はいる。安定剤で変わることもあるのでいろいろ試してみては
・退院時、入院前の義歯が合わない
→長期間入院していると歯茎がやせるため、安定剤でよい場合もある
・高齢になって自歯を磨けず汚い人がいる。この場合入歯にした方がよいのか?
→自分の歯が明らかに咀嚼力も高く、色々な物も食べられるので栄養状態も保てる。
・部分入歯もかけている歯が汚れ、弱ってくるので休ませる必要がある。
・口腔に塗布し唾液を誘発するものもあるし、菌を抑える効果のものもある。
10G
・数ケ月に 1 回、誤嚥をするが・・・
→少しでも改善できたら低下するのを少しでも緩やかにすることができる
・口腔ケアで魔法を期待する人が多いが、予防が第1である。
・施設での嚥下訓練はなかなか出来ない
→優先度を選び実施すればよい。
11G
・摂食ができても嚥下ができない
・入歯を入れていることで飲み込みにくい場合がある。
・歯科は特殊・訪問用ユニットを持っているところが少ない。
・口腔ケアに注意がいくのは嚥下障害が起こってきてから
・デイサービスは昼食後に口腔ケアを行うが、スタッフにどれだけスキルがあるかが問題
・看護職ではなく介護職ではどこまで行うか?
→ブラッシング
・嫌がる人に無理に口腔ケアをして、嫌われると後の介護に影響する。
・思うように時間をかけられない。
(口腔ケアについて)
①最初はスポンジを乾いたまま
②歯茎マッサージで唾液を出す
自分でできる人には自分で、また出来ない部分を補助的に手伝う
毎日行うことが重要。汚れがついてしまうと歯ブラシでは役にたたない。
12G
・認知の低下したデイサービス利用者が、口腔内の痛みを訴えていたが次の日は何ともなかった。
→歯に問題があれば痛みは続くことが多い。入歯の問題であれば何かがはさかっていたり、口内
炎等の可能性もある。
・意思疎通の取れない方に口腔ケアを行いたいが口を開けてくれない。
→唇に水を少し湿らせるとか、リップクリーム、ワセリンなど利用してもよいのでは。
・夜間、唾液による誤嚥性肺炎をこさないよう、口腔ケアを促すが、他に指導するポイントは?
→口腔内に食べ物が残っていることが危険性を高くするため、それを指導する。
・介護職やケアマネジャーにお願いしたいことは、まずは口腔内を見て、どんな状態であるかを
知ること。まずはそこから始めてほしい。あとは歯科医師、歯科衛生士に指導を受ける。
13G
・誤嚥性のリスク、どのように食事をしてもらえばいいか、食事の形態等、専門職と連携を図っ
ていきたい。
・介護職として食事の介助が一番怖い。慎重に対応しているが、ガラガラとなる方はこのままで
いいのかと心配になる。
・食事介助時に入歯を外す時、残歯が折れないか怖い。出血もする。
→入歯の取り扱い
入歯が入ったままだときれいにならない。歯肉炎にもなる。
入歯を入れる時、外す時のくせがある。入歯にはバネがあり、かみ合わせのところに親指をお
いて、かかえている金属の下を持って引き上げるとよい。
入歯も歯垢だけではなく、歯石もついている。歯石は取れない。
・スクリーニングをみんなでしようと言われたが、できるだろうか?見られると緊張してしまう。
・家族も入歯か残歯かわからない。家族の意識も変えていく必要がある。
14G
・施設では、歯は2の次になっている。うまく磨けていない人もいる。
歯科受診も家族の送迎が基本のため、家族がいないと難しい。
・家族が、診療所に割れた入歯だけを持ってきて、本人がいないときもある。直すが本人にあってい
るか、疑問が残る。
(往診が出来るとよいが)
・訪問歯科医はいるのか?
→歯科医師会で名簿は作成されているが、まだ周知できていない。
・作った入歯をすぐに失くした方がいたが、すぐには作れないと聞いたが・・・
→保険の関係で半年間は作れない。しかし保険組合に連絡し、証明ができれば再度作成することは可
能。
・施設では他の人と、入歯が入れ替わることがあるので注意が必要
・デイサービスでは、昼食後歯磨きをしているか?
→最近では、連絡帳に記載もあり行っていると思われる(CM)
・若いころから歯磨きをしている人は意識が高い。
・認知が低下してくると、痛みに対して鈍感になるので、歯の問題が分かりにくい。
・スクリーニングの後のどのように対応していけばいいのか?そこがわからない。
・嚥下食、
「あい~と」はあるが 1 食の価格が高く、現実的ではない。
15G
・介護職員であっても入歯を洗うことに抵抗を持つ人が多い。
→入歯を洗うことは歯磨きと同じ
・嚥下評価、テスト等、介護施設で実際に行っているのか?
→聞き取りでの対応であり、テストは行っていない。
・一人の利用者に対して情報共有が重要(疾病経過、服薬等)
本人の嚥下状態に応じた内服薬が処方されていないので、むせる。
・施設内でむせの情報をどのように共有しているか?
→連絡ノートに何でどのタイミングでむせが見られたか記入している。
・高齢者はむせを確認した時点で、誤嚥性肺炎を起こしている場合がある。介入段階が難しい。
(観察ポイント)
①入歯は正しく装着
②口腔内が乾燥していると入歯が上手くつかない
③体重減少は歯茎もやせさせてしまい、栄養状態も関係する。
16G
・認知症、要介護5 歯が2本残存しているが、残しておいた方がよいか
→体の状態によって決める。状態によっては、抜歯した方がいい場合もある。
・認知症の方はちゃんと服薬できているのか?
→処方する薬袋には番号を付けて管理すべきではないか。
嚥下が難しい人は小さなタブレットでも飲み込めない
ゼリー状など飲みやすくする工夫も薬剤師にお願いしたい。