稲城市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正を求める陳情 (陳情事項) 「稲城市都市計画マスタープラン」を順守して、稲城市の街づくりを市、市民、事業者が協 働して推進できるようにするため、稲城市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条 例にマスタープラン等の順守を明確に規定する一部改正を行っていただきたい。 たとえば、条例第3条第2項として以下を追加する。 「2 地区整備計画区域においては、それぞれ計画地区の区分に応じ地区計画の目標及 び土地利用の方針の項に不適合な施設及び建築物を、設置又は建築してはならない。 」 上記文言は参考例であって、都市計画マスタープランや地区計画の理念順守を規定する ものであれば、これらの文言には拘らない。 (陳情理由) 1.先の「稲城市長峰二丁目1-1において進行中の「あすか創建稲城事務所(仮称) 」建設計画 を認めないことを求める陳情」 (平成27年1月20日提出)は3月市議会で趣旨採択された。 これは「趣旨は了解した」 、すなわち、 「稲城市都市計画マスタープランや地区計画に不適 合な建設計画を認めず、代替地での実施を指導してほしい」という趣旨が了解されたとい うことである。 2.今回の陳情理由は、趣旨採択にもかかわらず、都市計画法に基づく都市計画マスタープラン 及び、それを地区毎に具体化した地区計画の目標及び方針に適合していない建設計画(以下、 脱法建設計画という)が容認される危険が高く、それはこれまでの街づくりの成果の破壊に繋 がるばかりでなく、今後の稲城市全体の街づくりに関係する重大な問題であるからである。 3、都市計画マスタープラン及び地区計画には街づくりの憲法と言うべき理念が明記されている。 理念抜きで長期にわたる街づくりはできない。本件にはその理念を無視する重大問題がある。 ①地区計画の一部である地区整備計画記載の建築規制対象に該当しないからとの理由で、 上位規定である街づくりの理念に不適合な計画を容認してしまう問題。 ②街づくりの理念にあたる都市計画マスタープラン等は単なる誘導目標に過ぎず、これら の順守を指導できない、ということも本末転倒であり問題である。 4.当然順守すべき理念を順守できず、脱法建設計画を容認せざるをえないということがまかり 通るとするならば、それは下位規定である地区計画整備計画や条例に、都市計画マスタープラ ンを阻害し理念を順守できない重大な不備-理念順守を当然のこととして規定しなかったこ と-がある、ということになる。脱法建設計画はこの隙間を狙った悪質なものである。 そうであるならば、間違っても脱法建設計画を容認することのないよう、また、理念であ る都市計画マスタープラン及び地区計画を順守して街づくりができるように地区計画整備 計画や条例を改正すべきである。それは市議会の責務であり権限でもある。 5.先に市長は、本会の公開質問状に対して「マスタープランの観点からは必ずしも十分とは言え ない」と回答されている。不十分さ容認は修正しなければならない。1.の趣旨採択を活かして、 脱法建設計画の参入を阻止し稲城市を無法の街にしないため、地区計画整備計画や条例に当 然の内容である前記の趣旨の文言等を明記する改正をしていただきたい。 6.この改正によって、稲城市の街づくりが都市計画マスタープラン及び地区計画の理念を順 守して適切に行えるようになることを願うものである。 以上陳情する。 3 補足: 条例に関連して「建物のない駐車場は建築物が無いので規制の対象にならない」とする考え方 がある。この考え方では、現在条例で規制されている自動車教習所、自動車車庫、畜舎、工場、 風俗業、倉庫について、以下のように建物を建てなければすべての業種が許可されることにな るが、これらは明らかに法や条例の趣旨に反する。これらを規制しないことは問題である。 1.建物が無い自動車教習所のコースだけを設置し、事務所を隣の用地に建てれば、認められる。 この場合、管理のための事務所をコースと同じ用地に建てることは、教習所の一部とみなされ るので認められない。 ところが、 2.建築物の無い平置きの駐車場を設置することは、認められる。 この場合でも、管理のための事務所ということなら、それを建築することは認められる。 3.建物を建てず、牛、豚、鶏などを放し飼いにする施設を設置する畜産業は、認められる。 この場合でも、管理のための事務所を建築することは認められる。 4.作業を屋外で行い、それに付属する事務所を建築する工場は、認められる。 5.建物を建てず、トレーラー方式等で風俗関係の業務を行うことは、認められる。 この場合でも、管理のための事務所を建築することは認められる。 6.建物を建てず、コンテナ等を置いて行う倉庫業は、認められる。 この場合でも、管理のための事務所を建築することは認められる。 このように都市計画マスタープランや地区計画に示された街づくりの理念に適合しない建設計画 (脱法建設計画)が許されるなら、都市計画や条例はあってもない同然となる。 上記と全く同じ論理で、事務所と称して工事用車両基地が建築されようとしている。それを許容す ることは、これまでの街づくりの成果の破壊に繋がるばかりか、稲城市が無法の街になる危険が ある。大丸問題も街づくりへの配慮を欠いた点で同根である。更に広がる前に元を断たねばなら ない。 稲城市都市計画マスタープランを絵に描いた餅にしないため、適切な対応が必要であり、本陳情の 条例改正はその一つの手段である。 4
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