聖書の言葉に立つキリスト教会 発行・2015 年 6 月 28 日 稲の城 第 76 号 稲城聖書教会会報 〒206-0804 東京都稲城市百村 66-8 ℡.042(377)5546 【今月の黙想】 『What Time is it?』 ニュースである国の急 成長と貧困が報道されま した。成長と貧困、新興国 と言われる国々では一般 的に見られるものです。貧困はいろんな定義 がありますが、大きく絶対的貧困と相対的貧 困の二つの概念があります。絶対的貧困は、 一日あたりの生活費が 1.25 ドル未満の状態を 指し、主として途上国にみられる貧困のこと です(世界中で約 14 億人)。相対的貧困は、主 に先進諸国における経済格差に基づく貧困の ことです。例えば、日本でも相対的貧困層は 人口の 16%であると言われています。このよう に貧困の話をするのは、『今はどんな時代か (What Time is it?)』を考えてみるためです。 パウロは、「この世と調子を合わせてはいけ ません。」(ローマ書 12:29)、「機会を十分に 生かして用いなさい。悪い時代だからです。」 (エペソ 5:16)、と語りました。今はどんな時 代でしょうか? 今の時代を表す主な言葉として、消費主義 という言葉があります。経済の発展により生 まれたものです。経済成長は現代の一番目立 つ特徴の一つです。しかし、経済成長には道 徳や倫理が伴わないことを、世界大戦は私た ちに教えました。経済成長を通して、私たち は技術の進歩と経済的な豊かさを知ることは できましたが、これらが必ず私たちに進歩を もたらしたものではありません。モノの進歩 E-mail. [email protected] http://church.inagibch.com/ はありましたが、それは人間性の進歩とは無 関係なことです。例えば、親は子どもが使っ ているモノを子供のようには扱えません。 様々な技術が施されているからです。しかし、 最先端の技術を施したモノによって若い世代 がもっとすばらしい人格者になれるとは考え にくいことです。 私たちの社会は、多くのモノを作り、生産 し、消費するようにする仕組みです。戦後は 靴を二足持つことは考えられないことでした。 今は、どれほど持っていることでしょうか。 消費を、一つの満足、充実感を持たせるもの としています。今の時代は何でも多くのもの を消費し、続けて消費するようにと麻痺して いると話す学者もいます。流行もそうです。 ただ単に流行に合わないことで多くのモノが 処分されています。そして、流行に合う新し いモノで満足を得ようとします。広告は、新 しいモノを買うと幸せになれるかのように伝 え、私たちの欲求に訴えています。それらが なくても何ら問題ない生活ができるはずです が、それらがなければ満足できない、忠実な 生活ではないかのような思いをもたらせます。 今持っているモノに不満を感じさせ、より新 しいモノを買わせます。 ユダヤ人には聖なる所費という概念があり ます。それは、神様から与えられたことへの 感謝と、更に与えられることを求めるのでは なく、それをよく管理し、更に神様に感謝が できるようにすることです。いま持っている もので感謝ができる人生でありますように。 主の譬え話の学び 『譬え話⑥・地引き網と一家の主人』 (マタイ13:44-52) ◎ガリラヤ湖と地 引き網:「地引き網 の譬え」の舞台とな るガリラヤ湖は、淡 水湖です。この湖で 使われた地引き網 は、長さ 250~450m、幅 2 mほどで、長辺の 一方には沈むように重りが、他方には浮くよ うに軽い木が付けられていました。両端には 引き綱が付けられ、舟で仕掛けた網が一杯に なると引き綱を引いて、岸に引き上げました。 1.「地引き網の譬え」: 「神の支配で起こることは、地引き網で起こ ることと同じです。」という譬えです。 (6)「地引き網の譬え」と私たち:私たちも 以前は「悪い者」であったことを思い出して、 「悪い者」に対する神の憐れみを求めながら、 審きの時に私たちが、 「正しい者」として「器」 に入れられる者であるように、救いの完成を 待ち望む者でなければならないのです。 2.「一家の主人の譬え」 「神の支配の弟子となった学者で起こること は、一家の主人で起こることと同じです。」 (1)譬え話による説教の結び:イエス様は、 七つの譬え話による説教の結びとしてもう一 つの譬え話をお話しになりました。それが「一 家の主人の譬え」です。 (2)「天の御国の弟子となった学者」:弟子 たちは、「無学な、普通の人(使徒4:13)」 でしたが、イエス様の弟子となることによっ て、御国の知識を豊かに持つ者とされ、律法 学者よりもすぐれた「学者」とされたのです。 (1)警告の譬え:「地引き網」は、先行の四 つの譬えと同じ「天の御国は、‥‥のような ものです。」で始まりますが、世の終わりの 審きに焦点を絞って、厳粛に警告さばを与え ているのです。 (2)「地引き網」:詩篇66:11に、神がご自 分の民を網に引き入れるとありますが、神の 「地引き網」も、その網つまり福音宣教の網 と言ってよいかも知れません。更に、福音が 広がって生まれる共同体つまり教会を象徴す る、と言うことも出来るでしょう。 (3)「新しい物でも古い物でも」:「新しい 物」とは、この御国の奥義を通して旧約の教 えを読む、新しい理解のことで、「古い物」 は、律法学者たちの古い捕われた理解のこと です。「弟子となった学者」は、イエス様に 教えて頂いて、「自分の倉から新しい物でも 古い物でも取り出す一家の主人のよう」に、 「新しい物でも古い物でも」自由に取り出せ るようになり、それを人に伝えることも出来 るようになりました。 (3)「あらゆる種類の魚」:「あらゆる」と いう表現には、神の支配が、イスラエルだけ でなく、あらゆる国、あらゆる民族に広がる 可能性が暗示されています。 (4)「良いものも悪いもの」も:「地引き網」 には「良いものも悪いもの」も入っています。 「毒麦の譬え」と同様、この世での教会は、 両者が混在する状態で存続するのです。 (5)「岸に引き上げ」:「岸に引き上げ」と いう表現は、最終的な判決のために、世の終 わりの審きの座に、すべての人が引き寄せら れることを表わしています。 (4)「一家の主人の譬え」と私たち:「新約 の神様は愛と赦しの神様、旧約の神様は義と 怒りの神様。」と思い込んで、旧約聖書を敬 遠する人が時々います。でもこの譬えは私た ちに、旧約聖書と新約聖書が、互いに光を投 げかけ合い、それぞれの中に隠されている真 理を一層明らかにする、と教えています。イ エス様を信じ、イエス様に従おうとする者は、 この二つを自由に取り出すことが出来るはず です。取り出して、「永遠のいのち」という 素晴らしい宝を人に伝えることを求められて いるのです。 ✿こころに留まったみことば✿ インド短信⑱ 「介護福祉士」の魅力を伝える体験授業 片岡 政子 年に 2,3 回、東京基督教大学福祉学専攻学 生たちをつれて千葉県のある小さな小学校に 介護体験授業に行きます。昨秋もワゴン車に 車いす数台と歩行器などを積み込み出かけて 行きました。これは地域貢献と介護福祉の仕 事を子どもたちに知ってもらうことを目的に 行われている介護福祉士養成校協会の介護キ ャラバン隊というもので、小学校側からの要 請に応えたものです。車いすに触るのは初め てという小学 4 年生に大学生たちは懇切丁寧 に指導し、車いすに乗ったり押したり、坂道 を上ったり下ったり、他の体験コーナーでは 重りのコスチュームを身につけて高齢者体験 をしたり、視覚障がい者の体験をしたりして それぞれ大変興味を持って参加してくれまし た。 ”介護福祉士”という職業があることを初 めて知った子どもたちも多く、介護の仕事の 普及活動の大切さを思い知らされたことでし た。 子どもたちが夢を持つきっかけはいろいろ ですが、出会いや感動、今興味のあることや 取り組んでいることの延長線上にあるもの、 人の役に立つこと等であることを考えるとき、 高齢者が身近にいない現代の子どもたちが介 護の仕事に興味を持ったり、なりたい職業に 選ぶことは稀であると言わざるを得ません。 子どもたちが夢を持てる環境を整えることは 大人の責任です。介護の仕事はやりがいと誇 りの持てる、そして人々に喜ばれる、キリス ト者には何よりもみことばをそのまま実践で きる職業であることを知ってもらいたいと思 います。 子どもたちと過ごす 1 時間はあっという間 に過ぎていきます。帰り際子どもたちが学生 に握手を求め、ある学生が言います。 「○○ち ゃん、介護の仕事にむいてると思うよ!」 雨宮 敬子 インドに熱波がおこり多数の人が死んだと か、治安の悪さ等のニュースが流れると、の り子さん達は大丈夫?という心配になってし まう。インドといっても広いわけだし、一部 のエリアの情報とは思ってみてもどうしても、 ふりまわされてしまう。 そんなことも含めてのり子さんにインド短 信を依頼。が、忙しく、書くのは難しいとの こと。ただ熱波に関する私の質問にこの様な 返信がありました。 その部分を紹介し ます。 のり子さんも 「日本におけるイ ンドの情報がかな り偏っていると常 に感じていて、周 りの日本人も同じ ことを思っているのでぜひご紹介下さい」と 言っています。 「こちらデリーではモンスーン間近で湿度 が高くなり、一時の 45 度近くはあっても湿度 が低く日陰なら問題なく過ごせる日々よりず っと体力を消耗する季節になりました。日本 でインドの熱波がなぜあれ程騒がれるのか、 正直こちらにいる人間としては不思議でなり ませんでした。少なくともデリー周辺ではこ の数年と比べても気温は低く、暑さで体調を 崩す人の話は聞きませんでした。死者の多く は他州の湿度が例年よりかなり高い地域に集 中していたようです。」 情報を読み取る難しさを私はいつも感じて います。情報が氾濫している現代、情報は得 るものではなく、自分から発するものという 思いを強く持ちます。そのような生き方をし たいものです。 のり子さんからの返信の最後は「教会堂の ことは杏花と毎日祈っています」という言葉 で結ばれていました。 6月の向陽台集会報告 お知らせ 今回は初参加の方が2名あり、9名の出席 ✿9 月 20~21 日に一泊キャンプを行います。 でした。 今年は奥多摩バイブルシャレーになります。 長崎あやさんと、もう一人ドイツから帰国 キャンプテーマややりたいこと等、アイデ され、島根県からちょうど上京中の小田さん ィアを募集中です。吉川南潤兄まで。 という女性でしたが、なんと稲城市立病院で 生まれた方でした!神様は私たちにびっくり ✿クリスマスバザー準備始めています。品物 する出会いを下さいます。 のアイディアを募集中です。吉川歩姉まで。 金牧師からみことばを頂き、自己紹介など して賑やかな学びと交わりの時となりました。 ✿教会堂の移転に向けて、ふさわしい場所が導 (岩崎三恵子) かれますように、お祈りください。 ✿教会のホームページが変わりました。7 月から は毎週の礼拝説教を音声で聞くことができます。 新しくなった教会のホームページです。 http://church.inagibch.com/ また、稲城聖書教会 G+でも聞くことができ ますので、用いてください。 7月の奉仕者 5月会計報告 献金(収入)総額は 362,124 円 主日献金 83,224 円 月定献金 236,900 円 感謝献金 30,000 円 特別献金 0 円 指定献金 2,000 円 前月の繰越金 459,210 円 支出総額は 329,238 円 牧師謝儀 160,000 円 会堂家賃 95,000 円 伝道集会他 74,238 円 来月への繰越金 606,284 円 繰越金には会堂移転指定献金 30 万も含まれて おります。会計に関するご質問は、会計担当 までお問い合わせください。 7月の予定 7 月 5 日、聖餐式、聖書の学び 12 日、世話人会 19 日、信徒会 (司会者) (感謝祈祷) (会堂掃除) 7 月 5 日、岩崎兄 菊地姉 南潤兄 12 日、金牧師 永守(み) 吉川姉 19 日、松永兄 片岡姉 松永兄 26 日、岩崎兄 南潤兄 岩崎兄 編集後記 4 月から永守めぐみさんの下で編集にたず さわることになりました。私と山崎のり子さ んではじめたこの奉仕が、のり子さんはイン ドに行かれ、私は体調をくずし一時はどうな ることかと心配でしたが、今まで一回も休む ことなく発行され、ある面で教会の歴史をつ づってきたことに本 当に感謝しています。 これからも教会会 堂は変ることがあっ ても、稲の城のつな がりは変ることのな いようにと祈ります。 (雨宮)
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