石油価格が金融政策を左右する可能性 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 7 月 24 日
石油価格が金融政策を左右する可能性
利上げが近付いている米国や英国に対し、7 月に入りカナダ、ニュージーランドが今年 2 回目の利下げに踏み切
るなど、先進諸国の中でも、金融政策の方向性の違いが顕著になってきています。加えて、日銀、欧州中央銀行(E
CB)は量的緩和政策を当面継続する見込みで、三者三様です。
日、米、英、欧の中央銀行は、物価については総じて、
“原油価格下落の影響で一時的に低迷しているものの、原
油価格下落の影響剥落に伴い、物価目標の水準に戻っていく”との見通しとしています。
NY原油は 3 か月ぶりに 1 バレル=50 ドル割れ、ドバイ原油は 55 ドル割れと、7 月に入り軟調な動きが続いて
います(図表 1)
。米国の生産の高止まりなどから需要を供給が上回る中(図表 2)
、イランの核開発をめぐる協議が
合意し、同国の原油生産が回復するとの見通しに加え、中国経済減速による需要減への警戒が要因として挙げられ
ます。また、米国の利上げ開始観測から、緩和マネーの商品市場への流入が細るとの警戒も、下押し材料になって
いる模様です。
日銀については、7 月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)の中間評価で、2015 年度~2017 年度の物価見
通しを 4 月から引き下げました。もっとも、引き下げ幅は 0.1%と小幅で、2016 年度前半との物価目標 2%の達成
時期を変えるまでには至っていません。
日銀の物価見通しは、
“原油価格(ドバイ)については、1バレル 60 ドルを出発点に、見通し期間の終盤にかけ
て 70 ドル程度に緩やかに上昇していく”ことを想定しています(図表 3)
。7 月に入ってからの原油価格の下落は、
やや想定外。原油安が長引けば、追加緩和圧力が強まりそうです。長期金利が上昇しにくくなるとともに、円高の
動きも抑制しそうです。
(100万バレル/日)
96
需要
供給
94
92
90
(見通し)
88
86
84
15/1
14/1
13/1
12/1
11/1
10/1
09/1
08/1
07/1
06/1
05/1
04/1
03/1
02/1
01/1
(年/月、日次)
00/1
図表3. 原油価格(ドバイ)と日銀の想定
9.0
120
2013
2015
2014
(年)
(出所)国際エネルギー機関(IEA) よりデータ取得し、しんきん投信作成
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
(ドル/バレル)
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
20112012
(参考)政策金利推移
(%)
8.0
110
7.0
100
6.0
90
5.0
80
70
日銀の想定
60
50
4.0
NZ
3.0
豪
2.0
加
1.0
米
(年/月、日次)
(注)直近の米政策金利は0~0.25%
15/1
14/1
13/1
12/1
11/1
10/1
09/1
16/1
15/10
15/7
15/4
15/1
14/10
14/7
14/4
14/1
(出所)QUICKよりデータ取得し、しんきん投信 作成
08/1
0.0
40
07/1
160
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
図表2. 世界の原油の需要と供給
図表1. NY原油
(ドル/バレル)
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
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投資環境
2015 年 7 月 24 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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(参考) 各国の金融政策の方向性
中央銀行
米連邦準備制
政策の方向性
【金融政策の方向性】 年内利上げ開始の可能性
度理事会
経済が予想通り前進していけば、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標引き
(FRB)
上げが適切になる可能性が高い。
【物価見通し】 インフレ低迷は一時的
最近の個人消費支出(PCE)物価指数の低迷は、年初の原油価格の急落やエネルギー以外の輸入
品価格などの一時的な影響による可能性。インフレは中期的には 2%物価目標へと緩やかに戻っていく。
イングランド銀
行(BOE)
【金融政策の方向性】 早ければ年末にも利上げを判断する可能性
ただ、利上げは緩やかなペース。中期的な金利水準は過去の平均(4.5%)の半分程度にとどまるとの見
通し。
【物価見通し】 年末にインフレ加速
英国のインフレ率は現在、ゼロ近辺を推移。ただ、原油安の影響が剥落する年末に著しく加速すると予想。
日本銀行
(BOJ)
【金融政策の方向性】 「量的・質的金融緩和」継続
日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点ま
で、「量的・質的金融緩和」を継続する。
【物価見通し】 物価見通し引き下げ
エネルギー価格下落の影響から、当面 0%程度で推移。
原油価格下落の影響が剥落するに伴って、「物価安定の目標」である 2%に向けて上昇率を高めていく。
欧州中央銀行
(ECB)
【金融政策の方向性】 量的緩和政策継続
月 600 億ユーロの資産購入は 2016 年 9 月末まで、そしていかなる場合でも、中期的な物価上昇率が
2%弱という政策目標に沿って持続的に持ち直していくまで続ける。
【物価見通し】 数か月は低水準も、その後は上昇
原油先物の価格などの情報を基にすると、消費者物価指数(HICP)の上昇率は今後数か月は低
水準にとどまり、その後は年末に向けて上昇する。
今後の景気回復やユーロ安、先物価格から予想される原油価格の上昇を考慮に入れると、物価は 16~
17 年に一段と上昇。
オーストラリア準
【金融政策の方向性】 5 月会合で利下げを実施した後は、2 回連続で金利を据置き
備銀行
追加利下げはなおも議論の対象。5 月会合では、商品相場安や景気減速懸念を踏まえ、追加緩和が最
(RBA)
適と判断。
【物価見通し】 目標水準で推移
雇用コストの伸びはかなり低調で、インフレ率は今後 1、2 年間、仮に為替が下落した場合でも、中銀目標
(2~3%)に一致した水準で推移する。
ニュージーランド
【金融政策の方向性】 6 月、7 月と、2 回連続で政策金利引き下げ
準備銀行
インフレ率低下や経済軟化を考慮すると、利下げが適切。現時点では、一段の緩和が今後実施される可
(RBNZ)
能性。乳製品価格急落やインフレ率低下が逆風。
【物価見通し】 2016 年初頭には 2%近くに戻る
インフレ率は、NZドル高や国際石油価格安を主因に、中銀目標 1~3%を下回っている。インフレは年率
で、最近のNZドル安などを背景に、2016 年初期に2%近くに戻る見通し。
カナダ銀行
(BOC)
【金融政策の方向性】 7 月、今年 2 回目の政策金利引き下げ
原油価格下落の影響で上半期に景気が縮小、完全な回復はほぼ 2 年先になる見通し。
【物価見通し】 下振れリスク拡大
カナダ経済の成長見通し低下で、インフレの下振れリスクが拡大。
(出所)各種資料より、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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 その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有
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