地区医師会長連絡協議会報告 平成27年7月17日(金) 尾﨑会長より 6 月 21 日からの新執行部紹介、新地区医師会長紹介があった。 ◎日本医師会活動報告 (1)日本医師会「院内調査費用保険」他について 日本医師会副会長 今村 聡先生 【1.日本医師会「院内調査費用保険」について】 平成 27 年 10 月 1 日施行予定の医療事故調査制度は医療に起因し、または起因が疑わ れる死亡・死産であって管理者が予期しなかったものが発生した場合に、院内事故調査 を実施し、院内調査結果を患者の遺族に説明することになる。 この院内事故調査に伴う「初動の支援(支援団体による対応)」 、 「初動の調査(外部施設 への依頼)」 、 「院内事故調査(調査委員会、報告書作成)」の費用が発生するが、日本医師 会 院内調査費用保険の支払の対象となる費用は、院内事故調査に際して医療機関が支 払った費用のうち、当該医療機関が外部に支払ったもの、 (例)遺体の保管、搬送、Ai (死亡時画像診断)、解剖、院内調査の外部委員に対する謝金、交通費等である。日医A1 会員で、診療所、99 床以下の病院の開設者・管理者に該当する先生は、個別の手続きや 保険料の支払いなく、自動的に 500 万円までの保険が適用となる。日本医師会が保険契 約者となり、対象となるA1会員を被保険者とする契約を保険会社と締結する。保険期 間は平成 27 年 10 月 1 日から 1 年間、毎年更新。 現在、 100 床以上の病院の開設者・管理者向けのものは、個別に低廉な価格で加入 できる保険を用意すべく、日医が主導して保険会社と開発中である。同様な民間の保険 の勧誘があるが契約する必要はない。 【2.後発医薬品の質の担保について】 後発医薬品の使用を促進するための環境の整備としては、後発医薬品の質が担保され ているかが課題である。このことは平成 27 年 5 月 19 日、第 1 回都道府県医師会長協議 会において協議された。この都医からの質問である「後発医薬品の質の担保について」 は、第 4 回歳出改革WG重要課題検証サブ・グループ(平成 27 年 5 月 21 日)にも提出さ れ、後発医薬品の使用を促進するためのその他の環境整備として、①後発医薬品の情報 提供体制。②後発医薬品の安定供給と低価格維持。③政策提言者である政府関係者も率 先して後発医薬品を使用することであると主張したとの報告があった。 【3.日本医師会「医師主導による医療機器の開発・事業化支援」について】 「日本再興戦略」改訂 2015 が閣議決定された。日本医師会は平成 27 年 6 月 10 日よ り「医師主導による医療機器の開発・事業化支援」を開始した。支援事業実施のための 連携強化として、厚生労働省以外の行政等との連携を強化し、地域医師会への支援に展 開する。医師への支援では四つの支援業務を行う。①医師のアイデアを募集・登録し、 その案件の目利きを行う業務。②案件を国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AME D)に橋渡しする業務。③案件を登録した医師に対する特許申請等の相談業務。④案件を 登録した医師に対して、 専門的知識を有する事業者(コンサルタント事業者等)に橋渡しす る業務である。 この事業を 6 月 10 日に開始したところ、既に 40 件(H27.7.15 現在)の登録がある。 1/4 (2)児童生徒の健康診断マニュアルについて 日本医師会常任理事 道永 麻里先生 日本学校保健会が文部科学省からの委託を受け、 「児童生徒の健康診断マニュアル」 の改訂を検討した。6月中旬に検討を終え、8月末には発刊となる見込み。特に現場の 関心の深い項目は運動器と色覚であろう。運動器に関しては、家庭からの保健調査票を 重視し、学校の体育、養護、担任教諭の観察を合わせ、学校医が検診を行うことになる。 必要のありそうな生徒については整形外科の受診を勧める。学校医の負担を大きくしな いことに留意したものである。色覚検査については、 必須項目から外れた経緯があるが、 プライバシーに配慮しつつ、 保護者に検査を受けるように、 積極的に勧める必要がある。 マニュアルについては、日本学校保健会が東京と大阪で、教育関係者を対象に説明会を 開くが、学校医の方々にも出席していただきたい。 ◎都医からの伝達事項 (1)平成27年度東京都在宅療養研修事業(東京都委託) 「東京都医師会在宅療養地域リ ーダー研修」の開催について 9 月 27 日TKPガーデンシティー竹橋で開催予定。在宅療養における職種間、地域 間の課題について意見交換を行う。今年度は、昨年度、当該研修未受講の地区医師会の 参加を特に依頼している。医師会ごとに、医師 2 名、多職種(歯科医師、薬剤師、訪 問看護師、ケアマネージャー、介護福祉士、療法士、地域包括センター職員等)3~4 名、区市町村職員 1 名で構成する計 5~7 名のチームを組み参加の申し込みをする。大 学医師会は個人参加を可として、勤務先の大学病院が所在する近隣の医師会のグループ ワークに参加をお願いする。 (2)災害時安否確認システムについて 大地震等の災害時安否確認システムについては、従来より東京都医師会独自のシ ステムを運用してきた。しかし、スマートフォン等への対応が遅れるなど旧式とな っていたため、昨年度から、救急委員会等で検討を行ってきたところである。この たび、大地震等を含む災害時の安否確認だけでなく、各種通知等も可能な携帯電話、 スマートフォン、PC等に対応できる安否確認システムを導入することとした。緊 急時、特に災害時の連絡網のためのものである。日本社宅サービス株式会社の安否 確認システムを導入したもので、携帯メール等を使用したシステムである。このシ ステムの特徴は一定規模以上の大地震が発生した場合、日本気象協会の情報に基づ き、自動的に会員にメールを送信、集計することである。東日本大震災の際には、 発生直後のメール送信は 90 分間で配信を全て完了した経緯がある。メールを送れば 停滞していても時間がかかっても必ず届く特徴がある。地区医師会単位で会員の安 否が確認できる。8 月中に説明会を開催し、9 月から運用を開始する予定である。 (3)「駐車禁止等除外標章(緊急往診車用)」の適正使用の周知徹底について 2/4 警視庁より本会会員に係る標章の不適正使用の連絡が2件あった。 状況としては、 ①会員(申請者)でなく家族が私用で使用していた(使用できるのは、申請者本人のみ、 使用目的は緊急往診に限定。)、 ②会員本人が緊急往診時に使用したものであるが、 路側帯のある道路で左端に寄せて駐車していた(歩道が設けられていない路側帯に 駐車する場合は 75 ㎝以上空けなければならない。)ため、標章を交付されている会 員へ標章の適正使用についての注意をお願いしたい。 (4)東京都蚊媒介感染症対策行動計画の策定について 東京都では、行動計画を策定し、報道発表を行うとともに東京都のホームページ に掲載した。 東京都ホームページ(東京都蚊媒介感染症対策行動計画を策定) http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2015/06/70p6n100.htm (5)デング熱及びチクングニア熱に関する対応について デング熱の検査は限定的に保険適応となったが、デング熱の診断が広く可能にな ったとは言い難い状況である。行政検査の要件に該当する場合は、医療機関の所在 地を管轄する保健所へ連絡をしてほしい。 ◎地区医師会からの報告 (1)中央ブロック (2)城東ブロック ①学校健診について (江東区医師会) 運動器検診を実施して欲しいが、内科校医だけが行うのではなく、積極的に養護 教諭、担任教師、保護者にも実施してほしい。 (3)城西ブロック ①「東京都医師会会員等への支援事業(テスト事業) 」について (中野区医師会) (4)城南ブロック ①第七回大田区医学会報告について (大森医師会) (5)城北ブロック ①小児在宅難病の取り扱いについて (板橋区医師会) ②追加発言:マイナンバーの情報提供をお願い。 (6)多摩ブロック (7)大学ブロック ◎出席者による意見交換 3/4 (板橋区医師会) ◎その他 <行事予定> (1) 8月の地区医師会長連絡協議会 休 会 (2) 9月の地区医師会長連絡協議会 日 時:平成27年9月18日(金)午後2時 場 所:東京都医師会(住友商事竹橋ビル13階) (3) 10月の地区医師会長連絡協議会 日 時:平成27年10月16日(金)午後2時 場 所:東京都医師会(住友商事竹橋ビル13階) (4) 11月の地区医師会長連絡協議会 日 時:平成27年11月20日(金)午後2時 場 所:東京都医師会(住友商事竹橋ビル13階) (5) 12月の地区医師会長連絡協議会 日 時:平成27年12月18日(金)午後2時 場 所:東京都医師会(住友商事竹橋ビル13階) 4/4
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