流体力学 I 中間試験解答例

流体力学 I 中間試験解答例
1.
[各7点]
(1) 比重が 0.820 なので,密度は 820kg/m3 である。
(2) 密度=質量/体積 だから,質量=密度×体積である。
m = 820kg/m3×20.0×10–3 m3 = 16.4 kg (∵1 リットル=10–3 m3)
(3) 動粘度=粘度/密度 だから,
ν = 28.5 mPa・s÷820 kg/m3 = 3.48×10–2 mPa・s・m3/ kg = 3.48×10–5 m2/s
2.N = kg・m/s2,J = N・m,Pa = N/m2 であることより
(b) Pa = kg/(m・s2)
[各7点]
(a) J = kg・m2/s2
3.
[各5点]
(a) ピストンの半径は d/2 だから,V = dω / 2 である。
(b) 距離(D – d)/2 の間で速さが 0 からまで変化するので,速度勾配は
V/((D – d)/2) = dω /(D – d)
(c) τ = μ・dω /(D – d) である。
(d) ピストンの側面積 S は S = π d・l = π dl である。
(e) ピストンに作用する粘性による力はτ・S = μπ d 2lω /(D – d)となる。よって,ト
ルクは
M = (d/2)τ S = μπ d 3lω /[2(D – d)]
で与えられる。
4.
[20点]A—A の高さにおける左側の管の圧力は
pA = p1 + ρgH
一方,同じ高さにおける右側の管の圧力は
pA = p2 + ρg(H–H’) + ρ’gH’
同じ水位にある同一流体なので両者は等しいことを用いると,圧力差は
p1 – p2 = (ρ’ – ρ) g H’ = (13.56 – 1.00)×103 kg/m3×9.80 m/s2×0.203 m = 2.50×104 Pa
5.
[20点]比重計が原油に浮かんでいるときの力の釣り合い(重力=浮力)は,
原油の密度をρo とすると
(1)
m g = ρo V g
比重計をアルコール(密度をρa とする)に浮かべた時の力の釣り合いは
(2)
m g = ρa [V + (π/4)d2 h]g
(1)(2)式より V を消去して,h について解くと
1 ·
§ π 2 ·§¨ 1
¸
h = ¨m
d ¸¨
−
4
©
¹© ρ a ρ o ¸¹
具体的な数値を代入すると,
h = 0.0247 m = 24.7 mm