アルケミージャパン - URBAN RESORTS JAPAN

特集
■資料 対面接客に移行後の売上げ実績例
40%
30%
ホテルA
20%
2009年 11月フロント対面業務開始
10%
0%
-10%
-20%
回転率
-30%
-40%
オープンフロントによる対面接客スタイルを導入
40%
30%
20%
部屋売上
9月 10月11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
2009年
2010年
ホテルB
2009年 11月フロント対面業務開始
10%
0%
-10%
-20%
回転率
-30%
-40%
部屋売上
9月 10月11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
2009年
2010年
ことによるホテルの資産価値の低下と、
去などの取組みを行ない、5年前に取得
資金調達環境の悪化を第一にあげてい
した千葉県のホテルでは、オープンフ
る。
ロントによる対面接客をいち早く採用
「これまでファンドをはじめ多くの資金
している。
がレジャーホテル業界に注入されてき
一方、オペレーター企業であるアー
ホテルの流動性を確保すべく
ましたが、そのほとんどは新法ホテル
バンリゾーツ㈲は、新法ホテルとして
所有14店舗を新法ホテルとして
に対してです。個人富裕層や一部の企
の営業継続のポイントとして、①客室
営業を継続
業が、その現金利回りと高い減価償却
内の自動精算機の撤去と、②フロント
効果に注目し、大量の資本投入を行なっ
での対面接客の2点をあげている。
てきたわけです。その一方で、4号営
「当社の運営受託ホテルは、ロビーや
業ホテルは、風俗関連業種ということ
レストラン面積の確保はもとより、客
で、もともと融資環境は厳しく、投資
室内の設備においてもコンプライアン
家も敬遠する傾向にありました。今回
スを徹底させてきました。そのため今
アルケミージャパン㈱は、アセット
の政令改正では、多くの新法ホテルが
回の追加要件への対応として、客室内
マネジメント企業として14軒の新法ホ
4号営業ホテルの届出を行なうと予想
の自動精算機を撤去し、キーの受け渡
テルを所有し、ホテルの運営受託企業
されますが、それによって4号営業ホ
しと金銭授受をフロント対面、フロン
として、アーバン リゾーツ㈲が全ホテ
テルの件数がふえ、ますます流動化が
ト設置の自動精算機で行なうスタイル
ルの運営を担当している。両社は、今
むずかしくなると考えられます」
(アル
に移行すれば、新法ホテルとしての営
回の政令改正に当たって、それぞれオー
ケミージャパン㈱代表取締役ミロ・ミ
業継続が可能になります」
(アーバンリ
ナー、オペレーターの立場から、既存
ヤトビッチ氏)
。
ゾーツ㈲代表取締役・林貴志氏)
。
ホテルを新法ホテルとして営業継続す
同社は、とくに外資系の投資企業に
問題は、対面接客による集客力の低
事例1
アルケミージャパン㈱/
アーバン リゾーツ㈲
業界参入当初から
コンプライアンス経営に注力
下という考え方であるが、同社はすで
るという選択を行なっている。
アルケミージャパンは、その理由と
要なキーワードであり、既存ホテルに
に北海道、神奈川、名古屋の3ホテル
して、4号営業ホテルの届出を行なう
おいても、アダルトグッズ自販機の撤
を対面接客に変更している。そのうち
18 レジャーホテル No.90
当初はメンバーズカードやクレジットカードへの対応といったことも考え
たが、対面接客に移行することで全室の自動精算機は撤去した
対面接客に移行しても安定集
客を維持すべく、高品質なホテ
ル運営に注力
1ホテルでは導入直後に若干の集客減
に際して、①フロント精算、②フロン
タッフトレーニングも行ない、フロン
がみられたもののすぐに回復し、他の
ト設置の自動精算機、③フロント精算
ト常駐の専門スタッフを配している。
2ホテルではその影響はみられなかっ
とフロント設置の自動精算機の併用、
その一方で、同社は1組当たりの人件費
たという(資料参照)
。
の3つのパターンを、施設の規模・形態、
(フロント、清掃、飲食の各部門の人件
「ホテル利用客のプライバシーへの配慮
周辺環境などに対応して行なっていく
費を算定)を1,200円としており、その
としている。その際のコストとしては、
枠内で数値を抑える取組みも行なって
として言われてきました。ただ、それ
客室内の自動精算機の撤去費用が1室
いる(売上げに占める人件費率は25%
が果たして常識なのかということです。
当たり5万円以内、フロント設置の自
以内。全ホテル平均23%)
。
ホテルのターゲットを、20 ∼ 30代と
動精算機が1台当たり約350万円として
さらに、フロント精算への移行に際
40代以降にわけた場合、たしかに40代
いる。
して、その日の売上げと現金残高の照
以降の層はプライバシーを重視する傾
「当社ホテルの場合、自動精算機のリー
合をコンピュータ管理し、オーナー企
向があります。その一方で、20、30代
スが終了していることが大きなポイン
業にリアルタイムで報告する「マネジ
の若者層は、プライバシーに対する意
トになっていることも事実ですが、こ
メント・インフォメーション・システ
識は希薄になっています。当社ホテル
れまでコンプライアンス運営に注力し
ムMIS」を採用するなど、現金管理
では年間で合計100万人以上の顧客を得
てきたことで、比較的に低額なコスト
のセキュリティ面にも細かく配慮した。
ていますが、その詳細なプロファイル
での新法ホテルとしての営業継続が可
「40代以降の客層が全体の過半数を占
を行なうと、20、30代の若者層が全体
能となっています」
(林氏)
。
めるようなホテルや、地方都市でマー
の約70%を占めます。つまり、対面接
もちろん、それと同時に、リーズナ
ケットが極端に小さい場合はむずかし
客にすることでごく一部の客層の利用
ブルさを感じさせる料金システムの変
いかもしれませんが、マーケティング
は減るかもしれませんが、その分、20、
更や、20、30代の若者層をメインにし
と、それに伴う運営戦略に注力するこ
30代の層にアピールする運営に取組め
た空間・サービスのさらなるブラッシュ
とで、新法ホテルの多くが顧客数や収
ば安定集客は十分に可能と判断したの
アップ(3Dシステムの早期導入/
益の損失なしに新法ホテルとして営業
です」
(林氏)
。
Ipod speaker / Wi-Fiなど)にも注力。
継続を行なうことは可能であり、当社
さらに、グループ全体で飲食のクオリ
の取組みがそれを立証しています」
(ミ
ティアップにも取り組んでおり、飲食
ロ氏)
。
売上げは1年で3%から6%に伸びて
同社は、年内までに既存ホテルを全
いる。
て対面接客スタイルに改善し、新法ホ
また、対面接客に移行するためのス
テルとしての営業を目標としている。
集客力を低下させずに
対面接客スタイルへ移行
原則として同社は、対面接客の導入
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