夢の島熱帯植物館 ニュース vol.31 2015年 9月 【榎本館長からのメッセージ】 今年の夏も暑かったですね!35℃を越す日が続き、外に出ることが危険なくらいの暑さでした。これからの時期は、夏から秋へと 移り変わる季節ということもあり、気温の変化も大きく、体調を崩しやすくなるので十分お気を付けください。 さて9月になると熱帯植物館には、恒例のあの大きなオレンジ色の物体がやってきます。そう、「お化けかぼちゃ」です。今年も中頃 には、産地である常陸大宮市へ取りに行ってまいります。ここ数年は100kgを超えるものは出来ておりませんが、今年はどのくらい 大きさに育っているか楽しみです。また大きさもさることながら、その形は自然が生んだ芸術です。ぜひお気に入りの「My かぼちゃ」を 見つけてみてください。なるべく多くのお化けかぼちゃを調達してまいります!! 館長 屋外で見られる熱帯植物の紹介(副館長:矢部) ▲アトランティックジャイアント 花(上段)、実(下段) 焼けつくような日差しも落ち着き、空高い秋となりました。秋といえば沢山の『おばけカボチャ』 が並ぶ光景が、毎年植物館の目玉となっています。今年も9月23日頃、前庭に100個のおば けカボチャが登場します。これは茨城県日立大宮市で開催されるオバケカボチャコンテストにエ ントリーしたカボチャ達。毎年ご協力を頂いて、ハロウィンの雰囲気を盛りたててくれています。 日本でも大変親しまれているカボチャですが、渡来したのは今から470年ほど前。ポルトガル 船によって、カンボジア産のカボチャが持ち込まれました。日本に最初に渡来したものを日本カ ボチャと呼びますが、その原産地は中央アメリカといわれています。 『おばけカボチャ』は植物館でも、隣地の畑で栽培しています。森の学校の講座の一環とし て、小学生の皆さんと植え付けを行いました。肥料をたっぷり与えた土づくり、水やり、余分な実 の取り除きを順次おこなっており、残した実が大きくなり始めます。 この畑では「アトランティックジャイアント」と「ギネスポンキン」という種類のおばけカボチャを 栽培しています。果肉が肉厚で強大なこれらのカボチャは家畜の飼料としても利用されます。 人間も食べられなくはありませんが煮込んでもホクホクとした食感やカボチャ独特の風味が感じ られず、とてもお勧めできません。 昨年は直径50cm 程に成長した実を収穫しました。たくさんのおばけカボチャが前庭に入る までは、栽培しているこちらのカボチャが日に日に育つさまをご覧ください。 温室で見られる熱帯植物の紹介(植物館植栽担当:横平) 暑さがひと段落した頃お勧めしたいのは、夢の島マリーナを臨む屋外にある 北側花壇の「パンパスグラス」です。 南アメリカ原産の多年草で、高さは 2~3 メートルにもなります。葉の縁は鋭 く素手で触るととても危険です。耐寒性があり、夢の島では冬に葉が枯れてし まいますが、地下部は生きていて春に新しい葉を出して立派な姿になります。 銀白色の花は開くとふわふわとしていて柔らかいです。雌雄異株で観賞する のは雌株の方であり、花穂の長さは 40~80 センチと大きく、円錐型です。一 方、雄株の花は貧弱なピラミッド型になるそうです。ススキよりも花穂が目立 ち、観賞用として生け花やドライフラワーにも利用されます。また庭園等に植 栽されたり、南米ではパルプの原料として栽培されるそうです。その他、斑入り の葉や、花穂が赤紫色や紅色になる園芸品種もあります。当館では、花穂の 色がそれぞれ違う 5~6 品種ほどが植栽されています。シロガネヨシ(白銀葦) という和名にふさわしいものから赤みがかった紫色のものまで様々です。 ▲パンパスグラス(イネ科) 今 月 の キノコ ♪ この時期の人気者 ♪ ▲ツブカラ カサタケ ▲ 仁 王 シメジ ▲ エ ノキタケ 予告: 次回は 9/25 の発行予定です。 秋の気配にときめいているのは、 木の実好きのネズミと、キノコたち ではないでしょうか。雨降りあとの 公園では、様々なキノコに出会え ます。地面に妖精の輪を形作る 「カラカサタケ」。昨年あちこちで発 見された巨大キノコ「仁王シメジ」。 野生だと実は茶色「エノキタケ」。 植物館の「ヤコウタケ」も 涼しさとともに元気回復♪ 実りの季節の到来を 告げてくれます。
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