夢の島熱帯植物館 ニュース vol.29 2015年 7月 【榎本館長からのメッセージ】 初めに、近年ゲリラ豪雨に加えダウンバースト・落雷と言った異常気象が増え、更に場所によっては急激な火山活動の活発化な ど、生活に多大な被害を受けている方がいらっしゃいます。その様な皆様には、この場をお借りしてお見舞い申し上げます。 さてやっと梅雨らしい季節となり、紫陽花も心なしか彩りを増しています。そんな景色も後わずか!いよいよ暑い夏の到来です!! 植物館の夏と言えば、スコール体験&夜間開館。今年は夜間開館が特に注目!!7/24~8/29 までの毎週、金曜・土曜に開催! 月見草のプレゼント、ナイトガイドに加え、熱帯落語や、精霊の宿る樹木のライトアップ、親子で楽しむカフェビールなど、昨年以上の 面白さを揃えてお待ちしております。ぜひ親子連れ、カップル、友達同士で夏の熱帯植物館&夜間開館をお楽しみください。 館長 夢の島公園で見られる植物の紹介(副館長:矢部) ▲ヤタイヤシ(ヤシ科) 梅雨が明けると暑い夏!熱帯植物館にふさわしい季節となりました。 熱帯の樹木の代表は何と言っても「ヤシ」ではないでしょうか。ココナッツの実った姿を思い浮か べる方も多いはず。そんなココヤシばかりでなく、植物館の大温室の中にはダイオウヤシ、ユス ラヤシ、ニッパヤシなど見ごたえのあるヤシが皆様をお待ちしております。温室を出た前庭でも ヤシがお待ちかねです。今回はその中で『ヤタイヤシ』を取り上げます。 この、ゴツゴツした重厚感ある木肌をした植物の原産はアルゼンチンなど南米ですが、東京 の戸外でも十分育ちます。当植物館では両側の前庭の奥、芝生の終端にあります。 初夏に野球のバットのような太い鞘(さや)を葉が群生しているあたりから伸ばし、裂けます。こ の中から竹ぼうきのような花序が出てきて小ぶりな花を咲かせます。秋には桃に似た甘い香り のするオレンジの実をつけます。 果実は原産地では生食にされます。スモモとオレンジを混ぜて少し濃厚にしたような、たとえ づらい熱帯感あふれる味がするそうです。果実酒としても美味しく召し上がれます。 ココナッツは飲 み物や油 、繊維は加工品に。サトウヤシからは砂糖。サゴヤシからはデンプ ン。アブラヤシからは油脂などヤシ類は多様な利用をされています。建材としても優秀で、温室 ドーム内の休憩所の屋根はニッパヤシの葉で葺かれています。 熱帯植物の紹介(植物館植栽担当:横平) ブーゲンビレアは自分のサイクルで花をつけます(周年開花)が、花数が多い この時期が一番の見頃です。 前庭のブーゲンビレア 植物館の中でもあちこちに植栽しており、前庭では建物を登るように仕立て (オシロイバナ科) ています。そして大温室にあるうちの一つは、樹高が5メートルはあるガジュマ ルにからみついてよじ登っています。そのてっぺんから枝を出し、枝垂れさせて いるため、丸くなっているガジュマルの上部がピンク色の笠をかぶったような華 やかな姿になっています。その様子は室内でありながら勇壮であり、熱帯植物 ▼花のアップ の強い生命力を感じさせます。 ツル性または低木植物で、長さ0.5から1.5センチの太い刺で他の植物に からみつき、高くよじ登ります。 花のように見える部分は、実は花弁ではなく苞と呼ばれる部分です。実際 の花は、3枚の苞に囲まれたその中心にある筒状の部分になります。開花し た後も残り、色があせるまで長く楽しめます。 今 月 の 花 と 果 実 ♪ この時期の人気者 ♪ ▲ レンブ ▲ ホウガンボク ▲ イビセラ 予告: 次回は 7/25 の発行予定です。 梅雨の湿気に葉を潤しながら、 夏を待つ熱帯の花たち。大温室で は、源平カズラ、ヘリコニア・ロスト ラータ、レンブ、台湾ハマオモトが 見頃を迎えています。 今年は夜間開館が会期拡大。 7月末から夜咲きの花が大集合。 夏の人気者といえば食虫植物! 左写真のイビセラは別名が 「悪魔の爪」。とても可愛らし い花で、そのギャップに、 ファンになること 間違いなし♪
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