ベトナムの食の安全を守る

平成 27 年 7 月 8 日
国際シンポジウムを開催
ベトナムの食の安全を守る
-薬剤耐性菌モニタリングシステムの構築に向けて-
【7 月 14 日(火)10:00~16:20@千里ライフサイエンスセンター】
 概要
大阪大学グローバルコラボレーションセンターは、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)※1
「薬剤耐性菌発生機構の解明と食品管理における耐性菌モニタリングシステムの開発」を実施しており、その研究成
果をもとに国際シンポジウム「ベトナムの食の安全を守る-薬剤耐性菌モニタリングシステムの構築に向けて」を開催
します。
急速な近代化とグローバル化が進むベトナムにおいて、食の安全を守る体制の構築は火急の問題となっています。
シンポジウムでは、本学をはじめとする日本とベトナムの大学・研究機関が協力して
取り組んできた、食品を中心とした薬剤耐性菌に関する研究成果をもとに、ベトナム
の食の安全と健康の問題について考えます。
食材生産消費過程における抗菌剤・薬剤耐性菌モニタリングシステムの試行結
果など、ベトナムの食の安全に関する最新のデータを発表するほか、前国立感染研
究所所長の渡邉治雄氏やベトナム保健省の幹部が登壇し、ベトナムと日本および
国際社会が連携した今後の対策のあり方について議論を行います。
つきましては、本シンポジウムの取材方よろしくお願いいたします。
 国際シンポジウムの案内
ベトナムの養豚場で家畜に使用される
抗生物質を調査するプロジェクト研究員
※プログラムの詳細は別添開催チラシをご覧ください。
日時:2015 年 7 月 14 日(火)10:00~16:20
場所:千里ライフサイエンスセンター6F 千里ルーム A(豊中市新千里東町 1-4-2)
*本シンポジウムは英語で開催されます(同時通訳はありません)。
ベトナムの食の安全についての現状と本研究の概要
難治性の感染症を引き起こす薬剤耐性菌の増加の発生原因は様々です
が、その一つとして、家畜や水産物の生産・流通における抗菌剤の乱用があげ
られています。特にベトナムでは、近年、住民の耐性菌保菌率が著しく増加し
ており、問題視されています。
多剤耐性菌とは、多くの種類の抗菌剤に対して耐性を獲得した菌のことです。
1942 年にペニシリンが実用化されて以来、様々な種類の抗菌剤が開発され、
ほとんどすべての抗菌剤に対して耐性菌が出現してきました。そして、21 世紀
の今日、多剤耐性菌は、新興再興感染症の一つとして全世界共通の保健衛
細菌の抗生物質感受性試験:菌が多剤耐性
化するとほとんどの抗生物質が効かなくなる。
生上の脅威となっています。
本研究は、現在、世界中で最も広く使われているβラクタム系※2 の抗生物質に対する耐性菌の一種である ESBL
産生耐性細菌※3 をターゲットとし、ベトナムにおける本菌蔓延の実態ならびに食品からの人への伝播機構等を微生物
学、薬学、人類学の視点から研究を実施しています。
また、研究だけでなく、人材育成やモニタリングシステムの構築といった、ベトナムと世界の未来のための社会実装
に向けての取り組みも盛んにおこなっています。
本シンポジウムの意義
本研究によって得られる薬剤耐性細菌の発生機構の解明ならびに本成果を基盤と
した薬剤耐性菌モニタリングシステムの構築は、食材生産課程における耐性菌汚染管
理を日常的に実施することを可能とするものです。また、本モデルシステムのベトナム全
国への将来的展開とそこから得られる成績を基にした公衆衛生政策により、耐性菌の
蔓延の防止が期待されます。
本シンポジウムでは、これらの研究成果をもとに、ベトナムの食の安全に関する最新
のデータを発表するほか、ベトナムと日本および国際社会が連携した今後の対策のあ
り方について議論を行います。
大量の鶏が一か所で飼育されるベトナ
ムの養鶏場:病気の予防に餌や飲み水
に抗生物質を混入
特記事項
このシンポジウムは、SATREPS(AMED/JICA)の支援で実施します。
本研究には、日本側は、大阪大学、大阪府立公衆衛生研究所、大阪府立大学、
琉球大学が、ベトナム側は、国立栄養院、タイビン医科大学、ニャチャンパスツール
研究所、ホーチミン市公衆衛生医療院、カントー大学といった、ベトナム各地の食品
の安全に関する研究を行っている機関が参加しています。
プロジェクトHP : http://www.satreps-mdrb.jp/index.html
用語説明
人材育成:日本で博士号取得を目
指している留学生が薬剤耐性菌に
関する発表で日本細菌学会優秀発
表賞を受賞した
※1 地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS):2008 年度より科学技術振興機構(JST)と国際協力機構
(JICA)とが連携して推進してきた、地球規模課題解決と将来的な社会実装に向けて日本と開発途上国の研究者
が共同で研究を行う 3~5 年間の研究プログラムです。2015 年より日本医療開発研究機構(AMED)が設立された
ことにより、同事業の感染症分野の研究領域は AMED と JICA の連携で行われています。
※2 βラクタム系抗生物質:βラクタム環を有する抗生物質の総称です。ペニシリン系、セフェム系などを含み、現
在、世界中で最も広く使われている抗生物質です。
※3 ESBL 産生耐性細菌:ESBL は、基質特異性拡張型βラクタマーゼという酵素の略号です。この酵素を産生する
細菌は、βラクタム系抗生物質を加水分解することができます。
本件に関する問い合わせ先
大阪大学グローバルコラボレーションセンター 准教授 住村欣範
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町 1-16 大阪大学 全学教育総合棟 I - 3 階
グローバルコラボレーションセンター(330 号室)
TEL:06-6879-4442 FAX:06-6879-4444
Email: [email protected]
URL:http://www.glocol.osaka-u.ac.jp/