数学難問解説

向陵中3年 1学期期末 過去難問解説
個別ゼミWill宮の森校 作成
【問題】
平成26年度 向陵中3年 1学期期末より
で表される自然数Nがある。Nの約数の個数が962個であるとき、○、□、に
N  ab c
○
□
に当てはまる自然数を求めなさい。ただし、a、b、cは異なる素数とする。
【傾向】
この問題は中3の数学教科書p33ページ、【約数の求め方】の単元での出題となっている。
この単元の出題可能性は高く、100点を狙うなら必須の単元であり、確かな理解が必要。
テストでは「考」の応用問題が、30~35点分出題がある。ここで点が取れるかで結果が大きく変わる。
【考え方】
まずは、教科書同様に具体的な数字で確認していこう。
約数の個数は、素数の組合せから考えていく。約数に2を0個、1個、2個使うと考
えると3通りとなる。同様に3は0個と1個の2通り、5も2通りとなっていく。
つまり、累乗(指数)部分はその数のかけている個数を表しているので、0個から全部使うまでの個数
(累乗部分+1)通りとなる。ここから、組合せ数=3通り×2通り×2通り=12通りとなる。
このようにして、約数の個数=12個と求める。
教科書では樹形図を使っているが、ここでは積で考えないと解くのが難しくなってしまう。
この問題であれば、約数の個数=(aの累乗+1)×(bの累乗+1)×(cの累乗+1)
この式を利用して○□の法則性を見つけて解いていく。
60=2 2  3  5
【解答】
N  ab
【解法のポイント】
○
c□
a  b○  c□
a、b、cが異なる素数より、素因数分解した式と考えることができる。
つまり、約数の個数=2×(○+1)×(□+1)となる。
これが素因数分解の形とイメージする
aのように累乗がないときは1乗となる
問題で約数は962個と指定してあるので、
2(○+1)(□+1)=962
両辺を2で割ると、
(○+1)(□+1)=481
A×B=481 となるA、Bを考える。
ここで481がどんな数の積か考えてみる。
481=13×37 と素数の積となる。
481は1ケタの数では割れない。
そういう時は2ケタの素数で割る。
(○+1)(□+1)=13×37
特に、13で割ってみることがオススメ!
(○+1)(□+1)=(12+1)×(36+1)
この状態からでは、○□どちらが12かわからないため、
答えは2パターン出てくる。
○=12
□=36
答
○=36
□=12
【問題】
平成25年度 向陵中3年 1学期期末より
x のとき、
 y  6 xy  3
2(x  y)
の値を求めなさい。
2
【傾向】
式の値の問題は、「考」の分類で毎年出題がある。つまり、多少いじった問題が出題される。
この和と積の値が与えられている問題は、3年前にも似た問題が出題されている。値を求める式の形
は見たことがない子も多いだろうが、必ず使ったことがある知識だけで解けるようになっている。
【考え方】
x  y  6 xy  3
x y
の2つの値を使って、 の値を求める解き方を利用して解いていく。
2
2
x  y  6
x y
の両辺を2乗して、 の値を求め、その値を代入することで求めたい式の値
2
2
の答えを求めることができる。このタイプの問題は、2乗をすると解けることが非常に多い。
x2  y2
ですので、 の値の求め方をしっかりと理解しておくことがとても大事。
式変形だけで解こうとすると難しいが、式変形だけで解く方法もある。
【解答】
【解法のポイント】
まず、問題で与えられている式を展開してみよう。
乗法公式
2( x  y) 2  2( x 2  2 xy  y 2 )
(a  b) 2  a 2  2ab  b 2
右辺の( )の中の順番を入れ替えて、
2( x  y) 2  2( x 2  y 2  2 xy) ・・・・・・①
x  y  6 xy  3 から、
( x  y ) 2  (6) 2
x y
右辺の中で値がわからないのは、 だけ。
その値を別に計算して求めていく。
2
2
x 2  2 xy  y 2  36
xy  3
ここに を代入。
( x  y) 2  36
x 2  2 xy  y 2  36
xy  3
ここに、 の値を代入。
2
x  6  y 2  36
x
2
 y
2
と与えられていたとしても、
x  y  6
( x  y) 2  (6) 2 と同様に計算して、
x 2  y 2 の値を求めることができる。
 30
使っている知識自体は、学校の授業
で取り扱っているものです。
ただ、そのままでは出ません。向陵
中では、このような応用題が必ず出
題されます。
の値がわかったので、これを①に代入すると
x2  y2
2( x  y) 2  2(30  2  3)
2( x  y) 2  48
答 48
しかし、「考える力」がないとこのよう
な応用題は解けません。
Will宮の森校では、生徒に自分が得
た知識をどう使っていけるか考えさ
せる授業を大切にしています。
【別解】
2( x  y) 2  2( x 2  2 xy  y 2 )

 2( x  y)
 2 ( x 2  2 xy  y 2 )  4 xy
これに代入して完了。
2
 4 xy
