数学的帰納法 「数学的帰納法」という言葉の中にある「帰納」とはどういう意味なのだろうか。 「帰納」は 「演繹」という言葉と対になっている。「帰納」とは多くの例を調べその間になり立つ法則を推 測してきっとこうに違いなという「仮説」を立てることである。 「演繹」は,成立することがわ かっている一般的な命題をもとに, 具体的,個別的な命題を推論によって証明することをいう。 「すべての自然数 の主な型は次の に対し条件 が成立する」 ことを証明する方法としての数学的帰納法 つである。 [基本型] が成立する。 が成立するなら より すべての が成立する。 に対して が成立する。 [応用型 ] が成立する。 が成立するならば より すべての に対して が成立する。 が成立する。 [応用型 ] が成立する。 が成立するなら より すべての に対して が成立する。 が成立する。 いずれの型で証明しようとしているのか,はっきりさせて論述しなければならない。 滋賀医科大(帰納法と極限) 正の整数 について,等式 を考える。 ある正の整数 が上の等式を満たすことを示せ。 が整数でないとき, の はただ一通りに定まることを示せ。 が整数でないとき, の に対して を求めよ。 京都府立医科大(漸化式と数列) 数列 は, かつ漸化式 をみたすものとする。自然数 に対して,実数 を かつ となるように定める。 が成り立つことを証明せよ。 が成り立つことを証明せよ。 を求めよ。 横浜国立大(整数解の有限性) 数列 を で定める 数列 の一般項 を求めよ。 東京工大(整数解の有限性) を自然数, を正の有理数とする。このとき, をみたす自然数の の組 の個数は有限であることを示せ。 上智・理工(数列と余り) 漸化式 で定まる 整 数列 が で割り切れることを証明せよ。 が 正整数 を考える。 で割り切れることを証明せよ。 について, を で割った余りを求めよ。 滋賀医大(複雑な数学的帰納法) とおく。自然数 が成り立つような に対して の個数を とする。 このとき,次のことを証明せよ。 すべての自然数 に対して である。 すべての自然数 に対して である。 横浜市大(複雑な数学的帰納法) 実数 に対して関数 で定義する。ここで実数 を に対して は を越えない最大の整数である。 関数 で定義する。 の範囲を を満たす整数 を 表す。すなわち, は をそれぞれ とするとき,つぎの問いに答えよ。 すべての に対して すべての に対して を証明せよ。 が成り立つことを証明せよ。 が成り立つことを証明せよ。 東大理系(証明の明確化) 関数 を次のように定める。 以下同様に, に対して関数 が定まったならば,関数 を で定める。このとき以下の問いに答えよ。 を実数とする。 を満たす実数 の個数を求めよ。 を実数とする。 を満たす実数 の個数を求めよ。 を 以上の自然数とする。 を満たす実数 の個数は であることを示せ。 京大後期理系(整式の係数と数学的帰納法) は の係数が である の 次式である。 相異なる がすべて有理数であれば, 個の有理数 納法を用いて示せ。 京大文理( 項数列の論証) すべては でない を満たすとき, 個の実数 , , , に対して の係数はすべて有理数であることを,数学的帰 があり, が成り立つことを証明せよ。 かつ
© Copyright 2024 ExpyDoc