委員会視察 2015.05.12「交通空白地域対策(デマンド型 乗合タクシー)について」 町田市議会建設常任委員会の視察 2015.05.12 で千葉県市原市にお伺いしました。 市原市は、工業都市で巨大な石油精製・化学、造船・ガラス・電気・電力の工場が東 京湾上に並ぶ都市で、工場出荷額は愛知県豊田市に次いで全国第 2 位との ことで した。地域は平成 42 年の合併が最終で、面積 368 ㎢の広域都市ですが、人口密集 地と希薄地を併せ持つ自治体です。また、その人口希薄地には 33 のゴルフコースが あり、これは自治体では全国一とのことでした。と言うこともあって、2 年前まで地方交 付税の不交付団体であったとのことでした。 さて、この市原市では住民サービスの一環で、公共交通支援策として、二つの方法 が取り入れられていました。一つは、コミュニティーバスで、2 本のルート がありました。 地元の運営協議会の努力もあって、青葉台コミュニティーバスは一定の乗客が確保 され、3 年後には一般路線化の見込みになっているとのことでした。今回は、この事業 が視察の対象になっていなかったのが残念でした。一定の人口集積が前提にあるよ うでした。 もう一つが、今回の視察対象である、市原市の「交通空白地域対策(デマンド型乗 合タクシー)について」でした。人口希薄地で交通空白地(市原市の定義は以下の通 りでした。 JR・京成電鉄・小湊鉄道の各駅から 1km 圏以外かつバス停留所から 500m とされて いました。町田市の定義(*鉄道駅から300m、バス停より250m)とはだいぶ異なっ ています。以前の建設常任委員会で指摘したことでもありますが、町田市の定義は極 端すぎるものと思っています。 さて、市原市の「交通空白地域対策(デマンド型乗合タクシー)」については、地域住 民の検討があって運営協議会が組織され、二つの地域で実証運行が開始されている とのことでした。 まず、住民の中で登録者(登録料が必要です。基金化されています)を募り、その中 で必要が起きた時に利用すると言うものです。委託でタクシー会社が運行するもので すが、「運行委託料」が設定され、利用者は定額(パンフレットに 400 円と記載)を支払 うことになっています。 市原市が事務費を含む補助を行いますが、実際には地元負担も発生しています。 平均乗車人数は戸田地区で 1.62 人/運行、養老地区で 1.43 人/運行と のことでした。 市原市では、静岡県で採用されていると言う、1.2 人以下を運行採算分岐点と見なし ている様子でした。実際には、地域負担が増えることが課 題であり、利用率が低い 地区では反発もあるようです。そうしたこともあって、鉄道線に繋がる路線ではその補 填が見込まれる国庫補助金の要請も検討がされて いるとのことでした。地方創生の 事業にそうした事項が含まれるのだろうかと推測しました。 以上の経緯で、今回の視察では自分では質問に至りませんでした。 思うに、乗合タクシーである場合、複数が乗車した時は、一人で乗車するより 1 人当 たりの運賃負担が割引にされるのが常道ではなかろうかとの印象でした。 つまり、例 として、一人が乗れば 400 円、二人が乗れば 350 円、三人が乗れば 300 円、4 人が乗 れば 250 円とするのが民間の発想ではなかろうか、商売 の発想では無かろうかと言 う次第です。公共交通機関と言う乗合タクシーの運行で法律的に認められない可能 性もありますが、職務上、町田市議会での話題の際、もう少し詳しく考えたいと思いま す。 記:町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合
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