男鹿みなと市民病院経営健全化計画評価委員会 中間意見書 平成27年7月 Ⅰ はじめに 男鹿みなと市民病院の経営健全化を推進するにあたり、患者サービスの向上 や収益の向上、医師をはじめとした医療スタッフの確保、価格交渉の見直しや 集中管理による材料費などの経費削減等、多面的改革を断行する必要がある。 「地域住民の生命と健康を守り続ける」ため、病院職員の間で、これらの認 識を共有し、市当局との連携の下で、院長を先頭に全職員が盤石な協力体制を 構築することが最重要である。 Ⅱ 男鹿みなと市民病院経営健全化計画評価委員会における検討の経緯 男鹿みなと市民病院経営健全化計画評価委員会の要旨は以下のとおりである。 「第 17 回:平成 26 年 11 月 21 日開催」 入院・外来患者数の推移。地区別入院・外来患者数。入院・外来科別稼 働の状況(4 月~9 月)。平成 26 年 9 月までの実績と計画との比較について。 「第 18 回:平成 27 年 2 月 12 日開催」 入院・外来患者数の推移。地区別入院・外来患者数。入院・外来科別稼 働の状況(4 月~12 月)。平成 26 年 12 月までの実績と計画との比較につい て。平成 27 年度当初予算総括表。 「第 19 回:平成 27 年 7 月 28 日開催」 平成 26 年度入院・外来患者数の推移。平成 26 年度地区別入院・外来患者 数。平成 26 年度入院・外来科別稼働の状況。平成 26 年度決算状況につい て。平成 27 年度入院・外来科別稼働の状況(4 月~6 月)。平成 27 年 6 月までの実績と計画との比較について。市長へ中間意見書提出。 1 Ⅲ 経営健全化計画の評価について 昨年度の実績は、市の人口が減少していることも影響してか入院患者、外来 患者については、どちらも前年度を下回っている状況にあり、収益を大きく増 加出来なかった一因と考えられる。そのような中、単年度収支をプラスとし計 画以上に丌良債務を大きく減らしたことは評価できる。今後は、更なる経営健 全化を推し進め、収支の改善を行うにあたっては、収入の増加に加え費用の抑 制の対策を実施し計画の最終年度にあたらなくてはならない。 平成 26 年 4 月から診療報酬改定が行われ、診療報酬本体はプラス改定であっ たものの、これは消費税増税への対応が主なもので、材料費等の経費を考える と実質マイナス改定と言えるものである。このような中、新たな加算に対応し た取り組みや、診療単価の向上により収益の増加を図ることと同時に、経費の 削減については、価格交渉により良質な医療材料を安価に購入することや集中 管理による適正な在庫把握に努め、医療の質を落とさず、医療材料費と医薬品 費の削減に努めることを期待するものである。 最重要課題である医師の充足については、平成 26 年度 6 月に外科医 1 名の採 用が実現し、平成 27 年 4 月からは医師等修学資金の貸不者 1 名が外科医として 入職し、現在は、常勤医師 14 名の体制を維持している。このことは、最大限評 価できるものであり、当局に敬意を表するものである。また、非常勤麻酔科医 を確保したことで、手術日を設けて集中的に手術を行うことで、手術件数の増 加にも繋がっており、市民への高度医療の提供へ寄不するもので、大いに評価 できる。しかしながら、平成 27 年度 10 月には泌尿器科の常勤医が退職すること が決まっており、それに加え、定年退職を迎える常勤医師や専門分野の拡充な どを視野に入れ、医師の確保と体制の維持については、計画的に充足に努めて いただきたい。さらに、看護師については、経常的に丌足の状況であり、今後 とも、県内外の看護養成機関等に働きかけるなど看護師の充足に、最大限努め ていただきたい。 平成 26 年度の経営状況については、計画との比較で、総収益 4 億 1,467 万 8 千円の増加となったものの、総費用が 4 億 3,330 万円の増加となっており、経常 収支では 1,862 万 2 千円の減少となった。しかし、平成 25 年度比較では、総収 益で 1 億 3,400 万 1 千円の増加で、総費用は 1,187 万 9 千円減少しており、経常 収支では 1 億 4,588 万円の増加となった。これに特別利益と特別損益を加えると、 計画との比較では 7,036 万 9 千円下回っているものの、平成 25 年度比較では 9,483 万 9 千円の増益となっており、収支の改善の兆しが見られる。丌良債務の額は 2,303 万 1 千円であり、計画との比較では 2,646 万円改善されており、平成 25 年 度比較で 5,756 万 5 千円の改善が見られる。引き続き収益の確保に努めていただ きたい。 2 計画最終年度となる今年度は、単年度収支の黒字化及び丌良債務の解消を必 ず達成するため、収益的収入の増加と費用の減少に努め、一方では新規医療機 器の購入などによる新たな患者の増加に結びつく諸施策を推進するとともに、 国の医療制度改革の動向を注視し、目標達成に向けて、地域の医療機関との連 携を図りながら、医業収支比率の上昇に努めていただきたい。また、今後とも 一般会計の依存からの早期脱却を心掛け、将来的に、収益的収支が黒字化に転 化することを強く望むものである。 平成 27 年 7 月 28 日 男鹿みなと市民病院経営健全化計画評価委員会 委 員 長 佐 藤 金 文 副委員長 夏 井 八洲夫 委 員 半 田 委 員 佐 藤 哲 彦 委 員 仲 村 キ ミ 3 信
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