ZENSHIREN BULLETIN ZENSHIREN BULLETIN

毎月2回発行
VOI.607
全肢連情報
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ZENSHIREN BULLETIN
2015年
□編集・発行
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12月 1日発行
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第75回社会保障審議会・障害者部会開かれる
厚生労働省社会保障審議会・障害者部会が第75回障害者部会が11月9日(月)に開催さ
れ、(1)障害児支援について、(2)その他の障害サービスの在り方等について、の協議
が行われた。以下、概要について報告する。
(1)障害児支援について
論点の整理(案)
○家族支援や医療的なケアが必要な障害児への支援も含め、障害児支援の在り方について
どう考えるか。
<検討の視点(例)>
・保護者のレスパイトや就労支援の観点
・重症心身障害児に当たらない医療的ケアが必要な障害児
○医療的ケアが必要な障害児や重症心身障害児をはじめ、障害児支援の質の向上をどのよ
うに図っていくか。
<検討の視点(例)>
・福祉と医療・教育等の関係機関との連携
・障害種別ごとの専門性と人員配置基準等の支援体制
・障害福祉計画における位置づけ
現状・課題
○障害児支援については、平成24年児童福祉法改正において、障害児や家族にとって身近
な地域で必要な発達支援を受けられるよう、障害種別ごとに分かれていた障害児の給付
体系が通所・入所の利用形態別に一元化されるとともに、放課後等デイサービスや保育
所等訪問支援が創設された。
○保育所や放課後児童クラブにおける障害児の受入れについては、例えば、放課後児童ク
ラブの受入数が約2万8千人(平成26年5月)となるなど着実に進んでおり、また、乳
児院や児童養護施設等の児童福祉施設に入所する障害児数が増加するなど、一般施策等
における対応が拡大している。
- 1 -
○しかしながら、乳児院や児童養護施設等の児童福祉施設の障害児や重度の障害や疾病等
により外出が困難であるために在宅で生活する障害児に対する発達支援については、必
ずしも十分に届いていない状況にあるとの指摘がある。
○また、医療技術の進歩等を背景として、NICU等に長期間入院した後、人工呼吸器等を
使用し、たんの吸引などの医療的ケアが必要な障害児(医療的ケア児)が増加している。
このような医療的ケア児が在宅生活を継続していこうとする場合、必要な福祉サービス
が受けにくいほか、医療、福祉、教育等の関係機関との連携が十分ではないこと等から、
家庭に大きな負担がかかっているとの指摘がある。
○放課後等デイサービスについては、量的な拡大が著しく、その費用額は1,024億円(平
成26年度)で対前年比5割近くの伸び、その事業所数及び利用者数は対前年比で3割近
くの伸びとなっており、特に営利法人が数多く参入している。
さらに、単なる居場所となっている事例や、発達支援の技術が十分ではない事業所が軽
度の障害児を集めている事例があるとの指摘がある。
○障害福祉計画については、障害児支援に関するサービスの必要量の見込み等について記
載するよう努めることとされている。
検討の方向性
●個々の障害児やその家族の状況及びニーズにきめ細かく対応するため、また、障害児
支援のうち特に放課後等デイサービスなどの障害児通所支援の質の向上を図るため、以
下のような方策を検討することとしてはどうか。
●乳児院や児童養護施設等に入所している障害児に対して必要な支援を提供するため、乳
児院や児童養護施設等を訪問して実施する発達支援を推進する方策の在り方を検討する
こととしてはどうか。
また、重度の障害等のために外出が困難な障害児に対しても、自宅を訪問して発達支援
を実施する方策の在り方を検討することとしてはどうか。
●重症心身障害児に当たらない医療的ケア児について、障害児に関する制度の中で適切に
位置づけ、必要な支援を推進する方策の在り方を検討することとしてはどうか。
●医療的ケア児等について、その家族の負担も勘案し、医療、福祉、教育等の必要な支援
を円滑に受けることができるよう、都道府県・市町村や関係機関の連携の在り方を検討
することとしてはどうか。
●放課後等デイサービスなどの障害児通所支援については、真に発達支援を必要とする障
害児のニーズに的確に対応するため、放課後児童クラブや日中一時支援事業との役割分
担にも留意しつつ、質の向上と支援内容の適正化を図る観点から、制度面・運用面の見
直しを検討することとしてはどうか。
●障害児のニーズに的確に応える観点から、障害児支援に関するサービスの必要量の見込
み等について、計画への記載を促進させる方向で検討することとしてはどうか。
向性
(2)その他の障害福祉サービスの在り方等について
論点の整理(案)
○障害者総合支援法の障害者の範囲についてどう考えるか。
<検討の視点(例)>
・障害者基本法等の他の法律における障害者の定義との関係
○既存の障害福祉サービス等について、制度・運用面の見直しについてどう考えるか。
- 2 -
<検討の視点(例)>
・障害福祉サービス等の体系や対象者等
・障害福祉サービス等の人材育成、質の向上
・障害福祉サービス等における報酬の支払いや給付費の負担の在り方
・障害者の医療ニーズへの対応
○障害福祉サービス等の財源の確保を含めた制度の持続可能性についてどう考えるか。
<検討の視点(例)>
・国の財政健全化との関係
・目指すべき障害福祉サービス等の在り方
・サービスの効率化・重点化
・サービスの費用対効果等の精査や質の向上の取組
○ 障害福祉サービス等の利用者負担の在り方についてどう考えるか。
<検討の視点(例)>
・利用者の負担能力との関係
・他制度との整合性・公平性
○都道府県及び市町村が作成する障害福祉計画をより実効性の高いものとするため、どの
ような方策が有効か。
<検討の視点(例)>
・地域の関係機関や関連する他の計画(介護保険事業計画や医療計画等)との連携
・PDCAサイクルの確保
・地域ごとのサービス提供体制
現状・課題
○障害者総合支援法については、平成25年4月に、制度の対象として難病等が追加され、
順次、対象となる疾病の拡大が図られており、本年7月には151疾病から332疾病に拡
大されている。一方で、障害者総合支援法における「障害者」の定義を、障害者基本法
における「障害者」の定義に合わせるべきではないかとの意見がある。
○障害福祉サービスの利用者が多様化するとともに、サービスを提供する事業所数も大幅
に増加している中、利用者が個々のニーズに応じた良質なサービスを選択できるような
仕組みや、事業者が提供するサービスの質の確保・向上を図る取組が重要となる。特に、
サービスの質の確保に当たっては、情報の透明性の確保や適正な執行の確保が重要な課
題となっている。例えば、実地指導について、施設は2年に1度、その他のサービス事
業所は3年に1度行うこととされているが、自治体間で実施率に開きがあり、実施率の
向上が課題となっている。
○都道府県と市町村では、障害福祉サービス等の提供体制の確保に向け、必要なサービス
等の見込み量等を記載した障害福祉計画を作成することとしている。第4期障害福祉計
画(平成27年度~29年度)に係る基本指針では、PDCAサイクルを導入しているが、
各自治体において、実効性ある取組を推進していく必要がある。
○政府は、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、2020年度(平
成32年度)までに黒字化を目指すとの財政健全化目標を掲げており、社会保障関係費に
ついては、平成32年度に向けて、その伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げと
併せて行う充実等に相当する水準におさめることを目指すこととされている。財政制度
等審議会では、障害者総合支援法の見直しに当たっては、サービス提供の在り方や財源
・利用者負担の在り方等について幅広く検討を行い、制度の持続可能性の確保を図るべ
きと建議されている。
- 3 -
○障害福祉サービスについては、義務的経費化を行うことで、支援を必要とする障害者等
に対し、安定的にサービスを提供することができるようになった。一方で、障害福祉サ
ービス関係予算額が10年間で2倍以上に増加している。社会保障関係費全体について制
度の持続可能性の確保が求められている中、障害福祉サービスについても、障害者に対
して必要な支援を確実に保障するため、サービス提供を可能な限り効率的なものとする
こと等により、制度を持続可能なものとしていく必要がある。
現状・課題
●障害者の利用者負担については、順次軽減され、平成22年度より低所得者等(93.3%)
の利用者負担は無料となっており、給付全体に占める利用者負担の割合は0.26%となっ
ている。また、障害者自立支援法の創設時に、激変緩和措置として経過措置(食事提供
体制加算、障害児サービスにおける補足給付の特例、医療型個別減免の特例)が設けら
れており、これらは平成30年3月31日までの措置となっている。
●自立支援医療の経過的特例措置は、平成18年度の自立支援医療制度創設時に、若年世帯
が多い育成医療の中間所得層及び一定所得以上の「重度かつ継続」対象者の医療費負担
が家計に与える影響等を考慮し、激変を緩和するという観点から負担上限が設定されて
おり、これらは平成30年3月31日までの措置となっている。
●地域生活支援事業については、地域の実情に応じた取組が行われており、その事業ニー
ズが増大している。裁量的経費であり、予算額の伸びには一定の制約がある中で、地方
公共団体や当事者団体から予算の確保を強く要望されている。一方で、任意事業で実施
率が低く、必要性が低下したと考えられる事業については廃止するなど、従来から見直
しが行われており、引き続き見直しを行っていく必要がある。
●その他、障害福祉サービス等の制度・運用面について、以下のような課題が指摘されて
いる。
・補装具・日常生活用具の適切な支給等に向けた取組
・障害福祉サービス等を担う人材の確保や資質向上
・障害福祉サービス等における報酬の支払い(昼夜分離と報酬の日払い方式の考え方)
・女性の障害者に対する配慮等
なお、次号では11月13日(金)に開催された第76回社会保障審議会障害者部会、障
害者総合支援法施行3年後の見直しに係る議論の整理①(案)、1.常時介護を要する障
害者に対する支援について、2.障害者等の移動の支援について、3.障害者の就労支援
について、4.精神障害者に対する支援について、5.障害者の意志決定支援・成年後見
制度の利用促進の在り方について、6.手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機
能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者に対する支援の
在り方について、概要掲載予定。
独居に巡回訪問~GHは重度者向けに~
厚生労働省は15日、障害者総合支援法の見直しに関連し、グループホーム(GH)から
一人暮らしへの移行を目指す人などを対象とした定期的な巡回訪問と随時に対応するサー
ビスの創設を検討する考えを明らかにした。
一方、GHは重度の人が暮らす場と位置づけ、軽度の人は利用対象から外すことも視野
- 4 -
に入れる。知的障害者、精神障害者の重度化・高齢化に対応できるようサービスを再編す
る。
11月15日開催された第75回社会保障審議会障害者部会では、2016年通常国会
への改正法案提出に向け、委員の意見を集約する段階に入っているが、これまで議論して
きた論点のうち①常時介護を必要とする人への支援②移動支援③就労支援について厚労省
が見直しの方向性を示した。
定期的な巡回訪問と随時に対応するサービスは「常時介護が必要な人」への対策として
浮上。GHで暮らす人の7割弱を占める知的障害者、2割を占める精神障害者のうち、軽
度の人が一人暮らしできるよう支える。
専門のスタッフがアパート探しなど衣食住を支えるほか、日常的な健康管理、対人関係
の調整などを担う。
横浜市の「自立生活アシスタント」(利用登録879人、支援事業者数38。2014
年度実績)がその具体例という。また、「地域生活支援拠点」(体験宿泊、緊急時の受け入
れ、相談、コーディネート)の整備も加速させる。
GHには障害支援区分の軽い人が多いとの指摘があるが、厚労省は重度の人でも暮らせ
る場にしたい考え。軽度の人については一人暮らしできる体制を整えることを前提に、G
Hの利用対象者から外すことを模索する。
委員からは「経度者を追い出すことありきではいけない」とクギを刺す声のほか「横浜
市は、お金をかけ過ぎだ。過疎地で定期巡回をやるのは無理」といった意見が上がった。
生活支援拠点の整備も「賛成だが、国が誘導しないと普及しない。より実効性を伴うも
のにしてほしい」「重要なことだが、地方に丸投げの現状では絵に描いた餅だ」という意
見が上がった。
◆就労支援はメリハリ◆
移動支援は就労移行支援、障害児通所支援(いずれも個別給付)で通勤・通学の訓練を
実施するよう誘導する。現在、通院の支援は個別給付の対象だが、通勤や長期にわたる外
出の支援は対象外となっている。
就労支援の各サービスは一般就労への移行、工賃の向上が大原則だが、事業所によって
内容、工賃、一般就労への移行率などにバラツキがある。厚労省は、障害者やその家族が
適切に選択できるよう、事業所にそうした情報の公表を義務づける方向で検討する。
また、工賃や一般就労への移行率が高い事業所には障害報酬で高く評価するなどメリハ
リを付ける方針だ。
◆自立生活アシスタント◆
横浜市が一人で暮らす知的障害者の住宅支援として2001年度から始めた事業。後に
精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者を対象に追加した。
アシスタントは同市独自の拠点「地域活動ホーム」「生活支援センター」などに配置さ
れ、24時間体制で対応する。衣食住、健康管理、金銭管理、対人関係などに関する相談
に応じる。利用料は原則無料。半年から1年ごとに個別支援計画を見直す。一拠点当たり
の登録人数は25人、アシスタントは2人、事業費は年間約1,000万円。障害者総合
支援法の既存サービスには、この事業の機能と部分的に似たものがある。
※自立生活アシスタントとは・・・
横浜市が一人で暮らす知的障害者の在宅支援として2001年度から始めた事業。後に
精神発達障害者、発達障害者、高次脳機能障害者を対象に追加した。
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アシスタントは同市独自の拠点「地域活動ホーム」「生活支援センター」等に配置され、
24時間体制で対応する。衣食住、健康管理、金銭管理、対人関係に関する相談に応じる。
利用料は原則無料。半年から1年毎に個別支援計画を見直す。一拠点当たりの登録人数は
25人、アシスタントは2人、事業費は年間約1000万円。障害者総合支援法の既存サ
ービスには、この事業の機能と部分的に似たものがある。
障害者の高齢化に関する課題検討委員会 意見集約
全国社会福祉協議会・障害関係団体連絡協議会に設置されている「障害者の高齢化に関
する課題検討委員会」(委員長:石橋吉章)では、11月13日に第4回検討委員会を開き、
社会保障審議会障害者部会において検討の方向性が協議されている「高齢の障害者に対す
る支援の在り方」に関する意見についての取りまとめを行った。
本取りまとめ意見書は、「介護保険優先原則に関するサービス利用上の課題」など9月
に都道府県肢連宛てにアンケート協力を依頼をし、意見として取りまとめ、反映された内
容であるが、この度、障連協加盟団体のうち社会保障審議会障害者部会に部会員を派遣し
ている7団体等の委員を通じて障害者部会の中で障害者の高齢化に関する課題として発信
をしていく事とされたものである。以下はその内容である。
「障害者の高齢化に関する課題検討委員会」整理による意見
【大前提の意見~制度体系~】
1.
介護保険制度と障害福祉サービスとの一元化(統合)を前提としない、とりまとめと
するべき
【サービス適用にかかる自治体運用の徹底】
2.
障害福祉サービスと介護保険サービスの適用関係について、厚生労働省通知に基づき、
一人ひとりの障害特性に適合した柔軟かつ適正な対応がなされるよう、自治体に徹底す
る対策をとるべき
3.
介護保険サービス移行後にサービス量が減らないよう、また継続的な支援が受けられ
るよう適切なマネジメントが行われる仕組みとするとともに、自治体における上乗せ、
横出しの柔軟性を担保するための一層の対応を講じるべき
[追補意見]
介護保険サービスとの併用の場合であっても、サービス量が減ることなく、従前の
サービス量が確保されるような仕組みとするとともに、障害福祉サービスによる上乗
せ、横出しの柔軟性を担保するための一層の対応を講じるべき
【利用者負担】
4.
利用者負担について、介護保険サービスに移行した際においても、低所得者に配慮し
た措置等を講じるべき
[追補意見]
利用者負担について、介護サービスの併用の場合であっても、低所得者に配慮した
措置等を講じるべき
- 6 -
5.
利用者負担について、障害者の負担能力に応じた負担の在り方を慎重に調査したうえ
で、見直しの議論につなぐべき。なお、その際には所得面だけでなく、障害特性ゆえの
支出面についても着目したものとすべき。
【介護支援専門員、相談支援専門員の資質向上と連携等】
6.
介護支援専門員の障害者理解を進められる資格取得カリキュラムおよび研修体系を構
築すべき。これをもって65歳以上の障害者の、一人ひとりの障害特性に適合したサー
ビス調整が行なえるようにすべき
7.
介護支援専門員と相談支援専門員との連携を図る体制の整備を進めるべき。
8.
相談支援専門員等、さまざまな障害福祉サービスの支援にあたる者の確保対策および、
障害特性を理解したうえでの支援のための資質向上を図るための研修体系の充実、強化
を図るべき
【その他】
9.
65歳以上になって初めて障害を有する状態になった場合の障害福祉サービスの利用
については、現行の介護保険優先原則の下で整理すべき
10. 住所地特例の見直しを行うべき
11. 施設・事業者、支援関係者において、障害特性に応じたコミュニケーション支援(思
疎通支援、情報収集支援を含む)の必要性の理解促進と、支援スキル習得のための研修
体制の整備を図るべき
12. 難病や医療的ケアが必要な障害者について、必要とするサービスを十分に受けられ
るような丁寧な検証が必要
社会保障費抑制へ 財政制度等審議会
財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)は11月24日、平成28年年度予算編成に向
けた県議をまとめ、吉川洋会長が麻生太郎財務大臣に提出した。
社会保障関係費については平成27年度比6,700億円増の概算要求を5,000億
円弱の増加に抑えるよう要請。診療報酬はマイナス改定を求めた。また、介護保険、生活
保護などの改革スケジュールの提案にも踏み込むなど、例年以上に社会保障抑制一色の県
議となった。
政府が6月末に策定した財政健全化計画は、社会保障費の伸びを平成28年度から30
年度の3年間で1兆5,000億円程度抑制する目安を定めている。建議では社会保障の
集中的な改革もこの3か年で行うとしている。そこには「我が国の債務累増の主因は社会
保障の給付と負担のアンバランス構造。これを放置する事は将来世代への負担の先送りだ」
との考えが背景にある。
その上で、平成28度の社会保障関係費の伸びを「確実に高齢化による増加分の範囲内
(5,000億円弱)にしていくことを求めたい」とし、健全化計画の目安達成に向けた取
り組みを要請した。
具体的には平成28年4月の診療報酬マイナス改定を明記。介護保険、生活保護につい
ては平成29年以降の法改正のスケジュールまで書き込んでいる。
介護保険については現在、原則として介護報酬の1割が自己負担となっているが、建議
は65~75歳は2割負担にするように提案がされている。軽度者(要介護1、2)の通所
- 7 -
介護などを地域支援事業に移行する事なども求めている。この2点を含む複数の改革事項
について「平成28年末までに結論を得て、遅くとも平成29年通常国会に所要の法案を
提出する」とレールを敷き、既定路線とする構えを見せている。
生活保護については今年4月に始まった生活困窮者自立支援制度とともに在り方を検討
し、平成30年の通常国会に両制度の改正法案を提出するように求めている。保護受給者
への就労への誘導、医療扶助の適正化(頻回受診の抑制、後発医薬品の使用促進)、生活扶
助の見直しを改革事項としている。
そのうち障害福祉サービスについては改革時期までは個別に明記しないものの、障害支
援区分の地域差、放課後等デイサービス、就労支援などの是正策などが提案されている。
障害者総合支援法について厚労省では、28年通常国会での改正に向けて社会保障審議
会障害者部会を続いて開催しているが、利用者負担増や給付抑制を検討の方向性として示
し、年内に結論を出すスケジュールで動いている。
1 2月 の 行 事 予 定
01
2日(水)
3日(木)
3日(木)
4日(金)
5日(土)
5日(土)
5日(土)~6日(日)
9日(水)
16日(水)~19日(土)
17日(木)
18日(金)
21日(月)
28日(月)
29日(火)
第7回キッザニア甲子園招待事業
キッザニア甲子園
平成27年度厚生労働大臣表彰式典
厚労省講堂
えとうせいいちと明日を語る会
都市センターホテル
第78回社会保障審議会障害者部会
TKPガーデンシティ会議室
兵庫県肢連創立50周年式典
パレス神戸
沖縄県肢連創立30周年式典
ユインチホテル南城
東海北陸ブロック指導者育成セミナー
福井パレスホテル
オリパラ障害者芸術文化振興懇談会
国際フォーラム会議
第34回肢体不自由児者の美術展
東京芸術劇場
おもちゃ図書館財団臨時評議員会
浜松町東京會舘
第28回内閣府障害者政策委員会
中央合同庁舎4号館
平成27年度第3回全肢連常任委員会
東京在宅サービス
いずみ144号発行日
仕事納め
事 務 局 よ り
11月2日付にて「平成29年度心身障害児者に関する重点要望書の提出」について各県
肢連にご依頼をさせていただいています。各県肢連から該当となるブロック事務局への
提出期限を11月27日(金)、各ブロック事務局より全肢連事務局への提出期限を12月4
日(金)としています。ご多忙の折恐縮ですがご協力のほどよろしくお願いいたします。
また平成28年度第49回全国大会(神奈川大会)の参加見込み人数並びに分科会参加見込
み人数の聞き取りのお願いをさせていただいています。締切期限が短い中で申し訳ござ
いませんが、現時点で凡その人数でも結構ですのでご協力のほどよろしくお願いします。
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