様式 国立循環器病研究センター 治験・臨床研究推進事業 患者レジストリ構築における 仕様策定等支援業務委託契約 仕様書 1. 調達の背景・目的・要求要件の概要 国立循環器病研究センター(以下、「当センター」という。)では、循環器病を制圧することを使命 としているが、そのために必要となる循環器病の情報を全国の医療機関から広範囲に収集するた め、平成 26 年4月1日に循環器病統合情報センターを開設した。循環器病統合情報センターの 主な目的は(1)全国の循環器病の情報を収集し、罹患等の情報を正確に把握すること、(2)循環 器病の詳細な情報を収集するための循環器病院内登録を整備すること、(3)収集した情報を予防 や治療に関する研究に広く利用・活用できるようにし、その成果を国民に還元すること、(4)共通リ スク因子をもつ脳卒中と心血管疾患を同一のデータベースで収集することである。平成 26 年度に はこれら循環器病統合情報センターの活動を支える情報システム基盤の整備を行った. 本業務では,このような循環器病統合情報センターの活動を支える具体的なシステムとして,3 つの患者レジストリおよびその周辺システムの開発を行うために必要なコンサルティング業務を委 託するものである.また作成する調達計画書案等の内容は,当センターと十分協議し合意形成に 努めるとともに,特定の者に依存しない中立・公平性を確保した記載となっている必要がある. 2. 履行期間 契約日から平成 27 年 8 月 31 日まで(約3ヶ月間) ただし一部仕様書案についてはこれより早い〆切日を設定する場合がある. 3. 履行場所 本委託業務を履行する場所は以下のとおりとする. 1. 国立循環器病研究センター 1/7 所在地:大阪府吹田市藤白台5丁目7番1号 2. その他,本業務の遂行に必要と考えられる場所 4. 委託業務内容 4.1 治験・臨床研究推進事業(患者レジストリ構築)のために必要なシステム等の全 体像の策定支援・調達計画書案の策定及び各調達案件の要求仕様書記載事項の 策定および関連作業(コンサルティング業務) 患者レジストリ及びその周辺システムの全体像・調達計画書案及び各調達案件の要求仕様書 記載事項の策定においては,以下の【検討の視点】【導入システムの規模】の内容を十分に意識し た上で,これに基づき【策定に当たって検討すべき項目】について実施・組込の可否を含めた内 容・予算配分・調達方法の検討を行う.調達は、最終的に策定したシステム全体像に合致し機能を 満たしていれば、複数案件に跨っても構わない。また各調達案件の仕様等策定に際しては可能な 限り複数社から見積もりを取得すること. 【検討の視点】 平成26年度に導入済みの循環器病統合情報センターシステム基盤(図1)を最大限に 活用したシステム構成とすること. 現状のシステム基盤およびネットワーク回線を最大限活用することとし,新たな専用線 の敷設等を必要としないシステム構成を検討すること. 当センターが設置・運用するシステムのみを検討対象とする. 患者情報の安全性が確保できること. 収集したデータの活用に支障のないパフォーマンスを発揮できること. 【導入システムの規模】 A) 成人先天性心疾患レジストリ 患者数は全国に45万人(推計),毎年1万人づつ増加(推定). 全国60施設程度から患者の8割程度の情報を登録する. 年度毎の新規発症数の調査に関しては,DPC 情報またはレセプト情報の収集を検討. またこれらをデータウェアハウス上に蓄積し経年変化を追えるようなシステムを検討. また名寄せにより個人の経年変化も追えるようなシステムとする. 循環器病診察実態調査(JROAD)と連携した国内全数調査が可能なシステムを作り上 げる.そのために必要な JROAD のデータマートを構築する. 600〜700 施設,合計 300〜500GB(予想) 様式1,様式3,様式4,D ファイル,EF ファイル,解析用データセット B) 脳卒中ネットワークおよび脳卒中データバンク 米国 NIH StrokeNet を参考に,全国200施設程度からのデータ収集を想定する. 協力病院と国立循環器病研究センター間でセキュアな情報交換が可能なシステムを 構築する. C) 胎児不整脈レジストリおよび治療ネットワーク 100施設程度からのデータ収集を想定する. 該当症例の情報(動画データ含む)を集約・データベース化できるシステムを構築す 2/7 る. 協力病院と国立循環器病研究センター間で,胎児心臓超音波動画データを共有で きる遠隔コンサルテーションシステムを導入する. 【策定に当たって検討すべき項目】 (ア) 前提条件 • 導入目的,基本方針 • 関連法令(含むガイドライン)の明示,遵守 • 稼働時期 • その他 (イ) 先天性心疾患レジストリシステムについて • DPC・レセプト情報処理システム • 名寄せシステム • 国内調査 Web システム (ウ) 脳卒中ネットワークおよび脳卒中データバンク • 患者データバンクシステム (エ) 胎児不整脈レジストリおよび治療ネットワーク • レジストリシステム構築 • 遠隔コンサルテーションシステム (オ) 共通基盤 • ネットワークシステム構築 • データセンター構築 当センターの電子カルテと連携し,かつ電子カルテベンダーに依存しないデー • タ形式によるデータウェアハウス・データマート構築 • システム間連携基盤 • 匿名化基盤 • 認証基盤 • リモートメンテナンスシステム • 監査システム • 文書管理システム • 事務局支援システム 3/7 図1:循環器病統合情報センターシステム :循環器病統合情報センターシステム基盤 全体構成 4.2 治験・臨床研究推進事業(患者レジストリ)のために必要なシステム等の仕様書 治験・臨床研究推進事業(患者レジストリ)のために必要なシステム等の 策定等支援に関する作業の実施 (ア) 本支援業務に関して,実施体制・スケジュール・成果物・制約条件および前提条件・標 準的管理要領(文書管理/情報セキュリティ対策/進捗管理/変更管理/品質管理 等)及び計画の改定手順からなるプロジェクト実施計画書を作成すること. (イ) 適切な調達の順序及び調達単位案を確定の上,調達の依存関係(ドキュメントの依存 関係を含む),調達単位毎に設計・開発する情報システムの方式,設計・開発の工程 における分離調達の内容,ハードウェアとソフトウェアの分離調達の内容,設計・開発 の工程管理に関する内容,全工程のスケジュール・入札制限の内容 の工程管理に関する内容,全工程のスケジュール・入札制限の内容等についての, 調達計画書案を作成すること. (ウ) 仕様書概要版,及び構築業者選定に資する関連資料を作成すること. (エ) 調達手続上必要となる場合は、(ウ)でとりまとめられる仕様書案の内容に関する,評価 ポイントの提示及び評価基準の策定を支援すること.要求仕様書に記載された内容に (オ) 関する,報告会の実施とそれに伴う関連作業,及び技術的支援(随時)を行う事. その他,構築業者の選定支援に際して想定される作業等 4.3 本委託作業の成果物と納入期限 委託作業の成果物と納入期限 (ア) プロジェクト実施計画書を契約後1週間以内に プロジェクト実施計画書を契約後1週間以内に概要案を,契約後4週間以内に確 契約後4週間以内に確 定版を納入すること. 4/7 (イ) 調達計画書案を契約後8週間以内に納入すること. (ウ) 要求仕様書案を契約期間内に納品すること.なお,予算配分・調達方法を検討し た結果,複数の仕様書に分かれることも想定されるが,その場合には適切なタイ トルを付与した上で全ての要求仕様書を納品すること.また、調達手続き上必要 となる場合は、評価基準案及び評価ポイント案を合わせて納品すること。 (エ) 全ての納入成果物は,日本工業規格 A 列 4 番(又は A 列3番)で日本語により作 成の上,内容を記録した電子媒体(CD-R または DVD-R)を納入すること.電子媒 体による納入のファイル形式は Microsoft Office 形式とすること. (オ) 全ての納入成果物の様式及び記載内容については,事前にセンターと協議し,承 認を受けた上で決定すること. 4.4 その他の注意事項 ① 構築に係わる入札参加の制限について 当該委託業務を受託した者及び、平成 27 年 8 月 31 日現在でこの当該委託業務を受託した者 と以下の各号のいずれかの関係にある者は、当該業務終了後に予定される患者レジストリ構築業 務等への入札への参加はできないものとする。 (ア) 会社法(平成 17 年7月 26 日法律第 86 号)第2条の3及び4に規定する、親会社と子 会社の関係にある場合 (イ) 同様に、会社法第2条の3及び4に規定する、親会社を同じくする子会社どうしの関係 にある場合 ② その他 上記に記載のない事項については,センターと受託者双方が協議するものとし,成果物の 作成及び納品に当たっては,その最終イメージについて事前に十分な合意形成を行う事 ができるようにつとめること. 5. その他 5.1 機密保持 機密保持に関連して,契約者(受注者)は,本業務に携わる全ての作業者(契約者が下請けす る業者を含む)に以下に示すポリシーを理解させ,尊守し行動するよう管理できること. • 作業中に知り得た調査対象システムに係るセキュリティ情報(システム設定・ネットワーク設 定・利用者情報・セキュリティ管理区域入室等に関するもので,電磁的記録及び印刷情報, 口頭伝達情報を指す)については守秘事項とする. • 作業中に知り得たプライバシー情報(職員に関するもので,電磁的記録及び印刷情報, 口頭伝達情報を指す)については守秘事項とする. • 本センターが特別に許可する場合を除き,本センターのネットワークに,外部から持ち込 んだ機器を接続することや電話回線等を通じて外部から接続することを禁ずる. • 上記に違反する行動が明らかになった場合には,本センターが契約者に対し,違反により 生じた損害の賠償を請求することができる。 5/7 5.2 ドキュメント・マニュアル・プログラムなどの仕様・改変権利 契約期間内に契約者の作成したドキュメント等は,契約終了後もセンターにて利用可能とし,改 変して利用やセンター外への公開も可能とする. 6. 応札者に求められる条件について 本業務を遂行するに当たり,応札業者は①情報処理技術に加えて②医療情報データの取り扱 いに精通していることが求められる.本業務の実施体制を書面で示すとともに,以下の必須要件を 満たすことを証明する書類を提出すること. 6.1 従事者に関する条件 情報処理技術に関する有資格者(1名必須) 情報処理技術者試験のうち,高度な知識・技能に分類されるもの 医療情報データの取り扱いについて有資格者が従事することが望ましい. 医療情報学会認定 医療情報技師 6.2 受託者に関する条件 過去5年間に、1,000 名程度の利用者が想定される医療又は健康情報に係わる業務シ ステムのコンサルティング業務を実施した実績があること(1件必須) 過去5年間に、本業務と同様に医療機関 10 施設以上の情報を収集しデータベース化 するシステムのコンサルティング業務を実施した実績があること(1件必須) 6.3 再委託 受託者は、業務の全部又は業務における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理部 分を第三者に再委託することはできない。業務の一部を再委託する場合は、競争参加資 競争参加資 格確認書類受領期限までにあらかじめ再委託の相手方の商号又は名称及び住所並びに 格確認書類受領期限まで 再委託を行う業務の範囲、再委託の必要性及び契約金額(又は本件業務の受託金額に占 める再委託先への支払額の比率)について記載した「再委託に係る承認申請書」を当セン ターに提出し、承認を受けること。なお、再委託先への支払額は、本件業務の受託金額の 50%を超えることはできない。 受託者は、再委託の相手方から更に第三者に委託が行われる場合には、当該第三者の商 号又は名称及び住所並びに委託を行う業務の範囲を記載した「履行体制図」を当センター に提出すること。 受託者は、機密保持、知的財産等本仕様書に定める受託者の義務に関して本仕様書が 定める受託者の責務を再委託先事業者も負うよう、必要な処置を実施し、当センターに報 告し、承認を得ること。 第三者に再委託する場合は、その最終的な責任を受託者が負うこと。 6/7 7. 本仕様書に対する疑義 本仕様書に疑義等が発生した場合,あるいは合理的な理由により本仕様書により難いと判断さ れる場合は,速やかにセンターと協議しその指示を受けること. 7/7
© Copyright 2024 ExpyDoc