22001155 年 年 1111 月 月 1155 日 日号 号( (第

22001155 年
年 1111 月
月 1155 日
日号
号(
(第
第 1199 号
号)
)
目 次
中国高齢者産業ニュース
【中央政府政策・動向】
全国老齢弁及び国家中医薬局、中医薬健康養老サービス発展の協力協議を締結 ........ 2
来年度から医療保険指定店の認可取り消しへ ...................................... 2
民政部、養老サービス及び社区の市民サービス試行企業・地点を決定 ................ 2
【地方政府政策・動向】
湖南省、2014 年度老齢事業発展統計を発表 ....................................... 3
山東省、養老サービスの政府調達に関する弁法を制定 .............................. 3
煙台市、養老産業の多様化へ向け「スマート化」推進 .............................. 3
青海省、養老サービスに対する政府調達の予算 2.2 億元に .......................... 4
【産業動向】
北京市、初の「公設民営」による大型養老院が開業 ................................ 4
延華智能と長春市長発展投資有限公司が 1.5 億元の養老総合クラウド情報プラットフォーム
プロジェクト調印 ............................................................. 4
養老関連不動産企業の利益圧迫-3 つの課題 ...................................... 5
昆明市、第三回中国健康サービス業・養老サービス業博覧会を開催 .................. 5
トピックレポート
展示会レポート「第二回中国国際シルバー産業博覧会(SIC2015)
」 .................. 6
中国高齢者産業ニュース
中央政府政策・動向
全国老齢弁及び国家中医薬局、中医薬健康養老サービス発展の協力協議を締結
2015年10月21日、全国老齢工作委員会弁公室常務副主任の王建軍氏、国会衛生計画生育
委員会副主任、国家中医薬管理局局長の王国強氏は、北京にて「全国老齢工作委員会弁公
室と国家中医薬管理局の中医薬健康養老サービス発展の推進に関する協力協議」に署名し
た。
同協議では、両部門が有するリソースを相互に活用して、共同で中医薬健康養老サービ
スの発展を推進するとしている。(※「中医薬」とは主に漢方を指す)
王建軍副主任は「中医薬は健康状態の把握、健康管理の強化、健康促進、療養・リハビ
リ過程で効果が高く、高齢者に広く活用されている。今回の協力協議は、国民の健康管理、
高齢者の生活の質の向上、中医薬文化の伝承、中医薬の発展に積極的な効果をもたらす」
としている。
国家中医薬管理局では、今後、高齢者の健康を中医薬産業発展の第13次五カ年計画に盛
り込み、社区や家庭への普及に努めるとしている。
<全国老齢工作委員会弁公室 http://www.cncaprc.gov.cn/contents/2/81698.html>
来年度から医療保険指定店の認可取り消しへ
2015年10月14日、国務院は62項目にわたる行政許認可事項の取り消しを決定した。今回
の対象には、基本医療保険の適用対象の薬局が含まれており、今回の決定によって、医療
保険指定の薬局は行政許認可の取得が不要となる。
これによって、基本医療保険を利用できる薬局が現在から大幅に増加することが見込ま
れる。例えば、現在、広州では、6,000店舗以上の薬局のうち、医療保険の指定の薬局は1,728
店舗であるものの、今後、60%以上の店舗で保険が適用できる見込み。
<養老網 http://www.yanglao.com.cn/article/53654.html>
<国務院 http://www.gov.cn/zhengce/content/2015-10/14/content_10222.htm>
民政部、養老サービス及び社区の市民サービス試行企業・地点を決定
民政部は、インターネット等の通信技術を活用した養老サービス及び社区におけるサー
ビスの充実、ユーザーの満足度向上を目的に、養老サービス及び社区サービス情報試行プ
ロジェクト単位・地区を決定した。
試行プロジェクトを通じて、養老情報サービスや社区養老サービスのレベル向上を推進
する。今後、技術指導規則や評価指標等を制定し、各プロジェクトに対する技術や業務指
導を行う。
<民政部 http://www.mca.gov.cn/article/zwgk/mzyw/201509/20150900875297.shtml>
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地方政府政策・動向
湖南省、2014 年度老齢事業発展統計を発表
2015 年 10 月 20 日、湖南省民政庁、湖南省老齢工作委員会弁公室は、プレス発表会を開
催し、
「2014 年度湖南省老齢事業発展統計公報」を発表した。
同発表会では、「湖南省による『中華人民共和国高齢者権益保障法』実施弁法」が 2016
年 1 月 1 日から施行されることが発表された。同弁法では、①政府の責任及び社会的責任、
②家庭におけるケアの責任、③高齢者向け社会福利制度の充実、④養老サービス体系の整
備の 4 点を重視する内容となっているという。
<全国老齢工作委員会弁公室 http://www.cncaprc.gov.cn/contents/10/81646.html>
<湖南省民政庁
http://hunan.mca.gov.cn/article/mzywxz/mzyw/201510/20151000884484.shtml>
山東省、養老サービスの政府調達に関する弁法を制定
山東省は、「養老サービスの政府調達に関する通知」を発表した。政府調達を実施する
養老サービス試行地点プロジェクトの目録を制定し、生活ケア、リハビリ及び高齢者ケア
要員のトレーニング等を重点項目とする。具体的には、飲食補助サービス、入浴衛生サー
ビス、医療サービス等の在宅養老サービス、デイケア、リハビリ等の社区養老サービス、
生活困難な高齢者向けのサポート、ケアサービス等の施設ケア要員の訓練等を含む。2020
年までに、全省において政府調達の養老サービスを整備し、より効率的に活用できるサー
ビス体系の確立を目指す。
<中華人民共和国財政部
http://www.mof.gov.cn/xinwenlianbo/shandongcaizhengxinxilianbo/201509/t20150929_
1482737.html>
煙台市、養老産業の多様化へ向け「スマート化」推進
山東省煙台市では 2015 年上半期までに、市内の養老機構は 228 カ所、各種ベッド数は 4.8
万床、
高齢者千人あたりのベッド数は 33 床に達し、
第十二次 5 カ年計画の目標を達成した。
市内 5 カ所の養老機構では、いわゆる「医養結合」として医療機関が併設されており、
86 カ所の養老機構では医務室が設置され、28 カ所は医療保険が適用される拠点となってい
る。
また、養老サービス産業の多様化へ向けて、スマート化による在宅サービスが進められ
ている。現在 10 カ所に在宅養老情報サービスプラットホームが設置され、さらに 3 カ所が
建設中。参加企業は 7,500 社、参加高齢者は 8.8 万人に達しており、低所得の高齢者には
無料で呼び出し携帯を支給している。さらに都市部ではデイサービスセンターの建設を進
めており、現在、214 カ所を設置、29 カ所は建設中となっている。
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<煙台中小企業網
http://www.jiaodong.net/company/system/2015/10/20/012929459.shtml>
青海省、養老サービスに対する政府調達の予算 2.2 億元に
青海省民政庁、財政庁等は 2015 年 9 月 26 日、西寧市中心広場で養老サービスの広報活
動を開催した。約 50 社の養老関連サービス企業が参加し、養老政策に対する質疑応答やサ
ービスの現地体験等が行われた。
青海省では常住人口 583.42 万人のうち、60 歳以上の高齢者人口は 65.39 万人、省内全人
口の 11.21%に達している。2020 年までに高齢者人口は 79.2 万人、高齢化率は 12.98%に
達するとみられている。
2014 年 5 月に同省政府は「養老サービス業発展に関する実施意見」を発表しているもの
の社会全体に優遇政策が十分に理解されておらず、特に政府の補助などに関して広報活動
を推し進める予定。今年、同省では高齢者に対して 2.5 億元の補助金を投入、政府調達に
対しては 2.2 億元の予算を投入している。
<青海新聞網
http://www.qhnews.com/newscenter/system/2015/09/29/011832138.shtml>
産業動向
北京市、初の「公設民営」による大型養老院が開業
2015年10月21日、北京で初となる「公設民営」方式による大型養老院が開業した。開業
したのは北京一福寿山福海養老服務センターで北京市大興区内に建築面積33,000㎡、総ベ
ッド数648床の規模。そのうち、要介護者向け202床、認知症向け174床、その他半自立の高
齢者向け272床と全て介護型ベッドの構成となっている。また、施設内に高齢者リハビリ、
医療向けベッド40床を備えている。
入居費用は1,900~2,700元、その他に食事、高齢者の身体状況に応じて介護や医療にか
かる費用がかかる。また、入居時には別途10万元程度の保証金が必要となる。
同施設は北京市が建設、北京恒坤寿山福海投資発展有限公司が運営する。
<養老網 http://www.yanglao.com.cn/article/53669.html>
<人民日報 http://bj.people.com.cn/n/2015/1022/c82840-26879603.html>
延華智能と長春市長発展投資有限公司が 1.5 億元の養老総合クラウド情報プラ
ットフォームプロジェクト調印
中商情報網の報道によると、ソフトウェア大手の上場企業・上海延華智能科技株式有限
公司と長春市長発展投資有限公司は「長春市養老総合クラウド情報プラットフォームプロ
ジェクト契約書」に調印した。これによって上海延華智能科技株式有限公司は長春市の同
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プロジェクトの受注企業となり、契約額は同社の 2014 年の営業収入の 18.21%に相当する
1.501 億元に達する。
同プロジェクトは長春市長発展投資有限公司が投資する医養一体型の総合養老システム
プロジェクトのコアとなるものであり、建築面積は 24.87 万㎡に及ぶ。プロジェクトには、
大型総合養老サービス施設 1 カ所、託老サービスセンター9 カ所、在宅養老サービスセンタ
ー379 カ所における健康測定機器のスマート化などが含まれる。
<中商情報網
http://www.askci.com/news/finance/2015/10/19/16552xawf.shtml>
養老関連不動産企業の利益圧迫-3 つの課題
中国投資諮詢網は、高齢者関連の不動産企業への取材を通じ、同業界について三つの課
題を報じている。
第一に、政府の支援政策の不足。現在の政策は、非営利性施設のみに対して優遇措置が
供与されており、ほとんどの営利性施設は優遇制度を享受できない。第二に、利益回収の
問題。高齢者関連の不動産は投資コストが高い一方、投資回収率は極めて低いのが現状。
北京の太陽城など利益を得ているプロジェクトも生まれつつあるものの、ほとんどは利益
を出しておらず、ビジネスモデルが確立していない。第三にサービス品質の向上。サービ
スを提供する上で、施設の設計だけでなく、高齢者のケアなどが重要となる。現段階では
産業自体が黎明期にあり、サービスの向上には改善点が多いといわれている。
今後は収益性のビジネスモデルを確立し、企業を上場させることで外部資本を受け入れ
る必要があるという意見も出ている。
<中国投資諮詢網 http://www.ocn.com.cn/chanjing/201510/xolus22095313.shtml>
昆明市、第三回中国健康サービス業・養老サービス業博覧会を開催
2015年12月18日~20日、雲南昆明国際会展にて「第三回中国健康サービス業・養老サー
ビス業博覧会」が開催される(主催は全国医薬技術市場協会等)。同博覧会は、2013年の
北京市、2014年江蘇省揚州市での開催に続いて第三回目となる。
雲南省は温暖な気候に恵まれており、外地の高齢者向けの施設が多く建設されている。
同博覧会では、養生保健、リハビリ、生活用品、旅行・レジャーのカテゴリーに分けら
れサービスや商品が展示されるほか、パネルディスカッション、海外のサービス紹介、政
策の解説などのイベントも併せて開催される予定。
<養老網 http://www.yanglao.com.cn/article/53631.html>
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トピックレポート
展示会レポート「第二回中国国際シルバー産業博覧会(SIC2015)」
~日本企業 11 社・団体が出展~
広州事務所 趙飛
「第二回中国国際シルバー産業博覧会(SIC2015)
」が 11 月 6 日~8 日、広東省・広州市
で開催された。中国老齢産業協会、中国保利集団公司、広東省老齢工作委員会が主催し、
ジェトロ広州事務所も後援機関として参画。国内外から、昨年の第一回開催時(約 100 社)
の約2倍となる 200 社強が出展した。3 日間の延べ来場者数は 28,221 人だった。
日本企業の出展は、TOTO、パラマウントベッド、アイリスオーヤマなど 11 社・団体。
介護用ベッド、福祉用品、健康食品等の物販企業の他、介護施設の設立・運営・技術支援
等のサービス提供企業まで幅広い分野の企業が出展した。ジェトロ広州事務所は広報ブー
スを出展し、日本企業の製品やサービスを紹介するパネル等の展示を行った。
出展した日本企業からは、
「当社は中国の北方地域(北京や上海等)では多くの実績があ
るが、広東省はまだ実績がない。今回の展示会を通じて華南地域の市場動向や業界情報を
入手することができた」
「国土の広い中国では地域によって消費行動も大きく異なる。今回
は関連業者以外に一般来場者もたくさんブースに来てくれたため、地元消費者のニーズが
分かり有益であった」「出展者の間でも提携できる可能性を見つけることが出来て良かっ
た」などのコメントがあった。
会期中に併催されたフォーラムでは、日本企業 2 社が介護施設の設計や訪問介護サービ
スをテーマに講演を行った。優れたノウハウや経験に基づくサービスを提供する日本企業
のプレゼンは聴衆を引きつけていた。
同フォーラムで基調講演を行った保利集団(主催者)傘下の保利不動産の宋広菊・董事
長は、高齢者産業を「医薬・医療」
「介護サービス」
「福祉用品」の 3 つの事業分野に分け、
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「中国で将来的に主要な利益をもたらすのは介護サービスであり、介護サービス事業の健
全な発展は中国の高齢者産業における最も重要なポイントである」と語った。ちなみに、
保利不動産は現在、広州市蘿崗で高齢者産業拠点の建設を計画している。ここには人材育
成の専門機構も設立する予定だ。
また宋董事長は、中国は膨大な数の高齢者人口を抱えていることから、「福祉用品」の潜
在市場も極めて大きいと強調。保利不動産は既に福祉用品関連の子会社を設立し、市場参
入に向けた準備を進めているという。なお、講演の中で宋董事長は、介護・福祉用品にお
ける日本企業の製品開発力と技術力を高く評価していた。
2014 年末時点における中国の高齢者人口(60 歳以上)は 2 億 1,200 万に達し、総人口の
15.5%を占めるまでとなった。2050 年頃には高齢者人口数がピークに達し、4 億人を上回
るとの予測もあるなど、中国の高齢化問題は深刻化している。
問題解決に乗り出した中国政府は 2011 年に高齢者事業を「第 12 次 5 カ年規画」に組み
入れ、民間資本の高齢者産業への投資を奨励する政策等を相次ぎ公布している。高齢者ビ
ジネスは今後の経済成長の牽引役の一つとしても見られており、近年では不動産デベロッ
パーや保険会社、機関投資者等が続々と市場に参入している。他方、施設や設備のみに重
点を置きサービスを軽視している企業も散見される他、稼げるビジネスモデルが確立され
ていない企業もあるなど、健全な市場拡大に向けてはクリアすべき課題も少なくない。
同分野で 20 年以上の経験を有する日本企業のノウハウに対する中国側のニーズも大きい
ものの、日本企業単独による中国での事業拡大は決して容易ではないのも事実だろう。日
本企業の持つ経験やノウハウと、そうした強みを生かす中国企業との日中企業間連携の推
進が期待される。
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