重要なお知らせ 当基金では、国よりも手厚い年金給付による皆様の福祉の向上を目的に事業を行ってま いりましたが、平成25年6月に国会にて厚生年金基金制度の見直し法案が成立したことで 事業を継続することが困難となりましたので、代議員会でやむなく解散の方向性を議決し、 解散認可に向けた手続きを進めていくことになりました。 厚生年金基金制度は、老齢厚生年金を国に代わって運営し、独自の上乗せを行う制度です。 その給付は掛金収入と運用収益により賄われています。運用環境は、基金設立当初とは大きく 異なり、株価や為替の影響で変動が大きく、期待する運用収益を確保することが難しくなって います。これまで、事業主の皆様に度重なる掛金引き上げのお願いをすることで不足金解消 にむけて対応してきましたが、今般の法律改正では、基金が高い水準で積立金を保有し、さら に不足に関しても早期に穴埋めすることが求められることになりました。 このようなことから、当基金では法律改正前から基金の今後について検討を重ねてまいり ましたが、基金の運営を継続することでこれ以上企業の負担が大きくなると、企業の存続や 雇用そのものに影響を及ぼすことが懸念されることから、苦渋の決断ではありますが基金 の解散方針を議決いたしました。 当パンフレットでご説明いたします通り、基金を解散すると、基金独自の上乗せ給付は終了 となりますが、給付のうち大きなウエイトを占めている代行部分については国に返還され ることになり、国の厚生年金として支給されるようになります。 長らく皆様の福祉向上に一役担ってきた厚生年金基金を解散することは誠に遺憾であり、 皆様方には大変なご心配とご迷惑をおかけしますが、何卒趣旨ご勘案の上、ご理解賜ります ようお願い申し上げます。 なお、一旦基金を解散した後、新たに業界共通の企業年金制度を設立することを目指し、 現在検討を進めているところです。解散に伴う今後の取り扱い・新制度の詳細等につきま しては、後日改めてご案内いたしますのでよろしくお願い申し上げます。 神奈川県電設厚生年金基金 平成 26 年 4 月に施行された改正厚生年金保険法(以下、改正法)では、厚生年金基金に対し、財政上 の厳しい存続基準が課されることとなりました。 基金の年金資産が、代行部分の給付に必要な額に満たない、いわゆる「代行割れ基金」は、改正法施 行から5年以内に早期解散することとされました。 また、 「代行割れしていない基金」についても、改正法施行から 5 年後以降も存続するためには、毎年 度の決算で存続基準を満たし続ける必要があります。 基準に抵触した場合、速やかに積立不足を補わなくてはならず、補えない場合は国から解散命令が 出される可能性があります。 ※厚生年金基金のしくみについて詳しくは 4 ページをご覧ください。 ■改正法による基金の存続基準 5年後以降の存続基準 純資産÷最低責任準備金≧1.5 または 純資産÷最低積立基準額≧1.0 5年以内の存続基準 純資産÷最低責任準備金≧1.0 《健全な基金》 代行部分に対する積立状況 《代行割れしていない基金》 ・ 存続 ・ 他制度への移行 ・ 解散(通常解散) 1.5 ・ 存続 ・ 他制度への移行 《代行割れ予備軍》 ・ 他制度への移行 ・ 解散 (通常解散) 1.0 厚生労働大臣が第三者委員会 の意見を聴いて解散を命令 《代行割れ基金》 ・ 5年以内に特例解散 制度等による解散 施行日 (平成26年4月1日) 施行日から 5年後 施行日から 10年後 用語説明 代 行:厚生年金基金は、厚生年金保険料の一部を国に代わって徴収・運用し、基金独自の上乗せを加えて 年金を支給しています。このしくみを 「代行」 といい、国に代わる部分を 「代行部分」 といいます。 最低責任準備金:基金が代行部分の給付のために積み立てておくべき額のことです。基金の積立資産が最低責任 準備金を下回ることを「代行割れ」といいます。 最低積立基準額:最低責任準備金が代行部分の債務であるのに対し、最低積立基準額は、代行部分に基金独自の上 乗せ部分(プラスアルファ部分・加算部分) も加えた給付全体に必要な額のことです。 2 基金の現状 当基金の財政状況は、平成25年度決算(平成 26 年3月末現在)において以下の通りです。当基金は、 「代行割れ基金」ではありませんが、5 年後以降の存続基準を満たしていません。基準を満たすために は、事業主負担の掛金を大幅に引き上げるなどして、不足を補う必要があります。 純資産額÷最低責任準備金=1.45 純資産額÷最低積立基準額=0.84 6,933百万円 11,582百万円 純資産額 37,171百万円 最低責任準備金 25,589百万円 純資産額 37,171百万円 最低積立基準額 44,104百万円 ※数値は平成26年3月末現在のものであり、最終的な数値は解散時の計算結果によります。 基金の現状 解散方針を議決いたしました こうした状況を受け、当基金では、基金運営委員会を開催し、基金の今後の方向性について、約1年 にわたって検討を重ねてまいりました。 その結果、改正法による積立水準を永続的に達成することは運用リスクの面から難しく、また不足を 短期間で解消することを求められることで、加入事業所に多大な負担を求める可能性があることなど から、基金を継続していくことは困難であるとの結論に達し、平成 27 年 2月25日開催の代議員会で 基金を解散する方針を議決いたしました。 基金解散の概要 ● 当基金は代議員会において基金解散方針を議決しました ● 今後、年金記録の整備、事業主・加入員のみなさまからの同意取得など解散に向けた準備を 進めてまいります ● 基金解散後、代行部分の資産は国に返還され、国の厚生年金から支給されます ● 基本プラスアルファ部分、加算年金の給付は、基金解散により終了します ● 国へ代行部分の資産を返還後、残余財産があった場合は分配金を支給します ● 基金に納めていた代行部分の掛金は、基金解散後、国に厚生年金保険料として納めます 3 厚生年金基金は、国の年金とは別に、企業が集まって設立・運営する企業年金の一種です。皆様は、 国の厚生年金・国民年金に加えて、神奈川県電設厚生年金基金にも加入しています。 基金は、国の厚生年金の一部を国に代わって運用し(「代行部分」といいます ) 、独自の基本プラスア ルファ部分を加えた基本年金を給付しています。 また、事業主・加入員の皆様が負担する加算掛金をもとに、基金独自の加算年金の給付も行ってい ます。 【基金に加入していない人】 【基金に加入している人】 加算年金 代行 厚生年金 (再評価・スライド部分) 国民年金 国民年金 (参考)厚生年金保険料と基金の掛金 基金に加入している場合、 【基金未加入の場合】 厚 生 年 金 保 険 料 17.474% (平成 27 年 8 月までの率)の うち、3.7%を代行部分の掛 金として基金に納めます(事 業主と加入員で半分ずつ負 担)。また、加算年金等の掛 金として、事業主は 3.65% 事業主負担 8.737% 合 計 17.474% 【基金に加入している場合】 国に納める 事業主負担 合 計 基金に納める 基本掛金 加算年金等 6.887% 1.85% 3.65% 6.887% 1.85% 0.65% 3.7% 4.3% 厚生年金保険料 本人負担 4 8.737% 本人負担 を、加 入 員 は 0.65% の 掛 金 を納めています。 国に納める 厚生年金保険料 13.774% (国の代行部分) 国から支給 国から支給 厚生年金(再評価・スライド部分) 代行部分 厚生年金の 報酬比例部分 基本年金 厚生年金 (報酬比例部分) 基金から支給 基本プラスアルファ部分 当基金からの給付は、基金解散後、下記のようになります。 ●基金が国の厚生年金を代行している「代行部分」の給付については、基金が保有する資産を国に返還 するため、国から老齢厚生年金として支給されます。 ●基金独自の上乗せ給付である「基本プラスアルファ部分」および「加算年金」は、基金解散に伴い終了 となります。 ●国に代行部分の資産を返還した後に、残余財産がある場合は、規約に基づいて加入員・受給者・待期者 の皆様に分配されます。 ●お勤めの事業所が新規に設立される企業年金制度に加入する場合は、分配金を年金原資として新制度 に持ち込むことになります。 ●脱退一時金については、支給事由に該当する場合、基金の解散認可(平成 30 年 3 月予定) までお支払い します。 《現行の給付》 《基金解散後の給付》 加算年金 解散に伴い終了 解散に伴い終了 基本プラスアルファ部分 基本年金 基金から支給 終了 代行部分 厚生年金の 報酬比例部分 国に返還 変わらず 国から支給 国から支給 国民年金 新制度へ ( ) 持込可 厚生年金 (報酬比例部分) 厚生年金 (再評価・スライド部分) 厚生年金(再評価・スライド部分) 残余財産が あった場合は 分配 国民年金 新企業年金制度について 解散する厚生年金基金に代わる企業年金制度として、新制度を設立する予定です。お勤めの 事業所が新制度に加入する場合は、分配された残余財産を、年金原資として新制度に持ち込む ことになります。 新制度の詳細については、後日改めてご案内いたします。 5 基金を存続していくためには、国の厚生年金の運用利回りを常に上回らなければならないという 運用リスクが付きまといます。さらに、今般の法改正により、基金がより高い水準で積立金を保有 し、積立不足が発生した場合は早期に穴埋めすることが求められるようになりました。事業主のみな さまには、すでに度重なる掛金引き上げをお願いしており、これ以上の負担増大は企業の経営や雇用 に重大な影響を及ぼすおそれがあり、基金を存続していくことは困難であるという判断により、解散 方針が議決されました。 現状では、代議員会において基金解散方針が議決された段階です。今後、事業主ならびに加入員 のみなさまの 3 分の 2 以上の同意を得たうえで解散の議決を行い、国へ申請し、認可を得て基金 解散が確定することとなります。当基金がおかれた現状にご理解をいただき、何卒基金解散にご 同意いただきますよう、お願い申し上げます。 基金の基本年金のうち、代行部分の給付は国に支給義務が移転され、国の厚生年金から支給され ます。 基金独自の給付である基本プラスアルファ部分、および加算年金の給付は、解散に伴い支給終了 となるため、その分、基金が継続される場合に比べて年金額は減少します。 国に代わって基金が運営していた代行部分の資産は、解散に伴い、すべて国に返還されます。よっ て、国からの年金額は、基金に加入せず厚生年金のみに加入していた場合の額が保証されます。 当基金は、先般の代議員会において解散方針を議決しました。今後は、基金解散について事業 主ならびに加入員のみなさまの同意をいただき、また、年金記録の整備が仮完了した時点で国に対 して基金解散の認可申請を行い、認可を受けた時点で解散となります。 現状では、年金記録の整備にどの程度の時間を要するか正確に予測できませんが、解散認可まで には3年程度を要し、事務局閉鎖までにはさらに1年半程度を要するものと思われます。 6 基金からの給付がなくなるのは、国から解散認可を受けた後です。代行部分の年金は、国の厚生 年金から支給されます。 お勤めの事業所の退職給付規程等において、基金の加算部分の給付がどのような扱いであるか によって異なります。 基金の代行部分の掛金は、厚生年金保険料の一部を国に代わって基金が徴収するものなので、 解散後は、国に厚生年金保険料として納めることになります。 加算年金等の掛金は、加入員負担分・事業主負担分ともに廃止となります。 今後、同意の取得、記録整備が仮完了の後、国に解散申請を行い、解散認可を受けて基金解散と なりますが、国から解散認可を受けた日の前月分までは基金に掛金を納めることになります。 当基金の加算部分の予定利率は3.5%と、一般的な厚生年金基金の5.5%より低いことから、 過度なリスクをとらない分散運用(資産分散・時間分散・運用機関の分散)に努めてまいりまし た。過去にはリーマン・ショック等の大幅市場変動により大きなマイナス運用となるなどご心配 をお掛けしましたが、現在は比較的安定した状況にあります。今後も安定運用を心掛けてまいり ます。 いいえ。事業所ごとの任意加入です。新制度である「確定給付企業年金基金(総合DB)」は、 事業主・加入者の皆様にとってメリットのある制度です。厚生年金基金同様に多くの事業所で実施 することから、コスト面などに規模のメリットが働きます。また、事業主掛金は全額損金算入が可 能です。ぜひ、参加をご検討ください。 7 平成26年 4 月 改正法施行 平成27年 2 月 代議員会において解散方針議決 平成27年 4 月∼ 記録整備開始 ∼平成29年12月 解散同意書の回収 平成30年 1 月 国(厚生労働省)へ解散認可申請 平成30年 3 月 解散認可 平成30年 4 月 新企業年金制度発足 平成31年 5 月∼ 残余財産の分配(残余財産がある場合) 基金からの給付終了 (代行部分は国から給付) 記録整備にご協力をお願いします 現在、当基金では、解散に向けて国へ返還する額を確定するため、基金が管理するみなさまの年金記録と 国の年金記録との突合を進めています。みなさまには確認作業においてお手数をお掛けすることもあるかと 思いますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 同意のお願い 基金の解散には、全設立事業所の事業主様の 3 分の 2 以上の同意および、加入員総数の 3 分の 2 以上の 同意が必要です。みなさまにおかれましては、何卒基金の解散方針についてご理解をいただき、解散にご同意 いただきますよう、お願い申し上げます。 同意書の提出方法等につきましては、詳細が決まり次第、改めてご案内をさせていただきます。 ● お問い合わせ ● 基金解散等については、 コールセンター までお問い合わせください。 フリーダイヤル コールセンター 0120 - 382 - 273 お問い合わせ時間 平成27年 3 月 2日 ∼ 3 月31日 平日 9:00 ∼ 17:00
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