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国際スケート連盟
Special Regulations & Technical Rules
シンクロナイズドスケーティング
2014
Rule 990 技術の定義、Rule 991 ショートプログラムとフリースケーティング、及び Rule 992
ショートプログラムとフリースケーティング(ジュニア、シニア)における要素の情報から抜粋
初版 2015/2/9
D.技術の定義
Rule 990
1.
a.
一般用語
Additional Features (アディショナルフィーチャー)
要素の難度を上げるために行われる技術を表す。ステップシークェンス、フリースケーティングムーブ、フリースケー
ティングエレメンツ、ポイントオブインターセクションなどのアディショナルフィーチャーは ISU コミュニケーションに記
載された難度によって分類される(Rule 990 paragraph 5参照)。
b.
Axis (アクシス: 軸)
氷面を分割する仮想の直線(ロングアクシス、ショートアクシス、斜めのアクシス、連続したアクシス)。アクシス上でタ
ーンもしくはパターンが行われる。
c.
Axis of Intersection (インターセクションのアクシス)
スケーターがお互いに通り抜ける/インターセクションする際のアクシス。コラプシング・インターセクション(四角や
三角など)の場合、インターセクションのアクシスとは、スケーターが角の部分を通り抜け始めてからインターセクショ
ンを出て(エグジット)、最後の角を通り抜けきるまでの形の中でのアクシスのことである。
d.
Change of Configuration (隊形変化)
ラインやスポーク、サークルの数が、要素の中で変わること。
e.
Configuration (隊形)
隊形とは、要素においてのラインやスポーク、サークルの数のことをいう。
f.
Difficulty Groups of Elements (要素の難度グループ)
シンクロナイズドスケーティングのすべての要素は、要素の中に含まれるフィーチャーの数によって、難度グループ
に分けられる。シンクロナイズドスケーティングの技術委員会によって、毎年または隔年に、要素の難度グループの
リストが ISU コミュニケーションとして発行される。
g.
Element (要素)
要素は、シンクロナイズドスケーティングのショートプログラムおよびフリースケーティングの一部となる構成要素であ
る。要素は難度グループに分けられる。
h.
Features (フィーチャー)
1つの要素の難度を上げる技術内容のことで、要素の難度グループの一部になりうる。
例)ボディムーブメント、ピボッティング、トラベリングなど
各要素のフィーチャーは毎年更新され、ISU コミュニケーションで発表される。
i.
Highlighting (ハイライティング)
1 人のスケーターまたは1組(ペア)のスケーターが、チームの残りのスケーターと離れ、対照的な動きを行った場合
のこと。ハイライティング動作は、クリエイティブエレメンツ及びフリースケーティングにおけるトランジション(つなぎ)
のみで許可される。
j.
Holds (ホールド)
使用されうる異なるホールドの例として、バスケット、キャッチ、ハンド、エルボー、ショルダー、ノーホールドがある。
k.
Mirror Image Pattern (ミラーイメージパターン)
チームが半分になり、同時に、時計回り、反時計回りの両方向を組み合わせて見せるパターン。
l.
Point of Intersection (ポイントオブインターセクション)
1
インターセクションエレメンツでのアディショナルフィーチャー。
m. Retrogression (レトログレッション)
チームが開始時の進行方向とは反対の方向へ動くこと。チームは開始時と反対の方向を示してから、元の進行方
向に戻らなければならない。
n.
Skating direction (進行方向)
フォアまたはバックのいずれかに滑ること(例:フォアのスパイラルとバックのスパイラル)。
o.
Sub-Grouping (サブグルーピング)
チームが付属的な、またはより小さいグループを形成し、チームの残りとはほとんど関係性のない状態であること。
また、チームが複数の小グループに分割されること。
p.
Syncopated Choreography (シンコペーションを用いた振付)
リズミカルに時間差で行われる振付または要素。
q.
Transitions (トランジション:つなぎ)
要素の中で、あるいは要素の入りと出、要素のつなぎ(下記ショートプログラムとフリースケーティングの項を参照)、
必須要素/オプショナル要素の間において行われるプログラムの一部のこと。
i. ショートプログラムにおいて、必須要素の入りと出の部分を含め、多様な、かつ/または複雑なフットワーク、リ
ンキングステップ、フォーメーションやほかのムーブメントでトランジションを行ってもよい。ショートプログラムの
必須要素をつなぐとき、基本的な要素の形(レベル Base となるもの)以外でつなぎのための他の要素を行うこと
は許可されない。
ii. フリースケーティングにおいて、トランジションでは多様な、かつ/または複雑なフットワーク、リンキングステッ
プ、ムーブメント、フォーメーションを使用してもよく、要素の入りと出の部分に含まれてもよい。プログラムのウ
ェルバランス中の必須要素/オプショナル要素全てでつなぎのための他の要素を行うことは許可される
(Rule 954 のショートプログラムとフリースケーティングを参照)。
2.
TURNS/ STEPS/ LINKING STEPS (ターン/ステップ/リンキングステップ)
a. Turns (ターン)
スケーターがフォアからバック、またはバックからフォアに変化する回転を伴う動きであり、片足でひとつのエッジ、アクシ
スを用いて行う。
i.
Bracket (ブラケット):アウトサイドエッジからインサイドエッジ、またはインサイドエッジからアウトサイドエッジへと片
足で行うターンで、入りのカーブと出のカーブは同じローブで続く。スケーターはカーブと反対方向にターンする。
ii.
Counter (カウンター):アウトサイドエッジからアウトサイドエッジ、またはインサイドエッジからインサイドエッジへと
片足で行うターンで、入りのカーブと出のカーブは異なるローブとなる。スケーターは入りのカーブとは反対方向
(すなわち出のカーブの方向)にターンする。
iii. Loop (ループ):スケーターが同じエッジを利用して楕円形を描く片足での動き。ループの入りと出は必ず交差して
いなければならない。ループはスクレープしたりとがったりせず、なめらかな形でなければならない。
iv. Rocker (ロッカー):アウトサイドエッジからアウトサイドエッジ、またはインサイドエッジからインサイドエッジへと片足
で行うターンで、入りのカーブと出のカーブは異なるローブとなる。スケーターは入りのカーブと同じ方向にターン
する。
v.
Three Turn (スリーターン):アウトサイドエッジからインサイドエッジ、またはインサイドエッジからアウトサイドエッジ
へと片足で行うターンで、入りのカーブと出のカーブは同じローブで続く。スケーターはカーブと同じ方向にター
ンする。
2
vi. Twizzle (ツイズル):1回転かそれ以上、すばやく連続的に(途切れることなく)回転しながら移動するターン。ター
ン中、体重はスケーティングフット上に保たれ、フリーフットはどのようなポジションでも良い。チェックのあるスリータ
ーンの連続は、連続した動きとならないので認められない。ツイズルの実行中に移動が止まった場合、そのツイズ
ルはソロスピンとされる。
b. Steps (ステップ)
チョクトーやモホークのような、両足を使って行われる回転の方法。
i.
Choctaw (チョクトー):一方の足から他方の足へ行われるステップで、入りのエッジのカーブと出のエッジのカーブ
は逆になる。足換えは、アウトサイドエッジからインサイドエッジ、またはインサイドエッジからアウトサイドエッジへと
行われる。入りのエッジと出のエッジの深さは等しくなる。
ii.
Mohawk (モホーク):一方の足から他方の足へ行われるステップで、入りのカーブと出のカーブは連続し、等しい
深さで行われる。足換えは、アウトサイドエッジからアウトサイドエッジ、またはインサイドエッジからインサイドエッジ
へと行われる。
c.
Linking steps (リンキングステップ)
片足または両足で行われる、氷上における目に見えるトレース。1つのエッジ、チェンジエッジ、シャッセ、クロスロール、
クロスオーバー、プログレッシブ、トゥステップ、ダンスジャンプ、スモールホップで構成される。リンキングステップは、ステ
ップシークェンスアディショナルフィーチャーや、フィーチャーの中で、ターンとターンの間のコネクティングステップとして
使われる。
i.
Change of edge (チェンジエッジ): 氷上における目に見えるトレースで、1つのはっきりしたカーブが別のはっきり
したカーブに足を換えることなく変わること。
ii.
Chasse (シャッセ):連続した2つのエッジ(一般にアウトサイド、インサイド)であり、2つ目のエッジではフリーフット
がスケーティングフットのすぐそばに置かれるが、スケーティングフットの前または後ろにあってはならない。また、
フリーフットはブレードが氷面に平行になるようにあげられている。
iii. Cross Roll (クロスロール):フリーフットがスケーティングフットに横から近づける動きから始まり、それによりスケーテ
ィングフットに対してほぼ直角に氷に乗り出す形のロール。フォアの場合は前方で、バックの場合は後方で足がク
ロスして開始される。
iv. Dance Jump (ダンスジャンプ):足を換えたり、スケーティングの方向を変えるために行われる1回転未満の小さな
ジャンプ。
v.
Edge (エッジ):スケーターが1つのはっきりしたカーブ上で片足で滑ることによってできる、氷上における目に見え
るトレース。
vi. Flat (フラット):氷上における目に見える二重のトレースで、直線のもの(スケーターが片足で、ブレードの両側の
エッジにのって滑ることで生じる)。
vii. Progressive/ Run (プログレッシブ/ラン):フリーフットが氷の上に置かれる前にスケーティングフットを通り越す1
つのステップまたはステップの連続で、それにより新しいフリーフットは新しいスケーティングフットのトレース上で
氷から離れる。
viii. Small Hop (スモールホップ):回転を伴わない小さなジャンプ。
ix.
Toe Steps (トゥステップ):スケーターが片足のトゥピックから他方の足のトゥピックへジャンプせずに移行するステッ
プで、氷上を移動するときに回転を伴っても伴わなくてもよい。
3
d.
ターン、ステップ、リンキングステップを表す用語
i.
異なるターン/ステップ:リストにある種類のターンやステップそれぞれと、それらが実行される4つの異なる方法。
ii.
異なる種類のターンやステップ:リストにあるターンやステップそれぞれのこと。
iii. 難しいターン:ロッカー、カウンター、ブラケット、1回転半以上のツイズル。
iv. リストにあるターンやステップ:スリーターン、モホーク、チョクトー、ツイズル、ロッカー、カウンター、ブラケット、ル
ープ。
v.
実行の方法:それぞれのターン/ステップが実行されうる4つの異なる方法を表す。すなわち、a)フォアインサイド、
b)フォアアウトサイド、c)バックインサイド、d)バックアウトサイドのエントリーエッジによって判断される。
vi. ターンの方法:同じ/1つのローブ(ブラケット、スリーターン、ツイズル)、または2つの異なるローブ(カウンター、
ロッカー)で行われる1つのターンまたはステップの技術。各々のターンについては paragraph 2.a と 2.b を参照。
vii. ターン/ステップ:リストにあるターンやステップのうち、1つのみが要求される。
viii. 複数のターン/ステップ:リストにあるターンやステップのうち、最低2つ以上が要求される。
ix.
複数のターン/ステップとリンキングステップ:リストにあるターン、ステップ、リンキングステップのうち最低2つ以上
が要求される。
3.
要素の定義と要件
全ての要素の要求項目は 1 チーム 16 人で構成されていることを前提とする。
a. COMBINED ELEMENT (コンバインドエレメンツ)
コンバインドエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
最低 2 つの異なるシンクロナイズドスケーティング要素が認識された時点をコンバインドエレメンツの始まりとみな
す。
-
コンバインドエレメンツは異なる最低 2 つのシンクロナイズドスケーティングエレメンツで構成される。
-
2 つまたはそれ以上のエレメンツが相互に関係性を持っていなければならない。
- ブロック、サークル、インターセクション、ライン、ウィールの中から選択する。
- ブロックを行う場合、3 列以上かつ 8 人以上でなければならない。
- サークルを行う場合、6 人以上でなければならない。
- インターセクションを行う場合、最低 8 人がインターセクトしなければならない。
- ラインを行う場合、1 ラインの時は 8 人以上、2 ラインの時は各列に 4 人以上いなければならない。
- ウィールを行う場合、2 スポーク以上のウィールの時は各スポークに 3 人以上、又は 1 スポークウィールの時は 5
人以上いなければならない。
-
コンバインドエレメンツは別の要素の開始又は、トランジションへの移行をもって終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
-
コンバインドエレメンツの準備や実行をするために使用するアイスカバレージの制限は無い。
b. CREATIVE ELEMENT (クリエイティブエレメンツ)
クリエイティブエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
直前の要素からのトランジション(またはプログラムの最初の要素として行う場合はプログラムの開始時)をクリエイ
ティブエレメンツの始まりとみなし、次の要素へのトランジションを持って終了とみなす(またはプログラムの最後の
4
要素として行う場合はプログラムの終了時)。
-
クリエイティブエレメンツは 1 つ以上の創造的、革新的な動作の表現である。これに制限されるわけではないが、
例としては音楽を反映し、面白いやり方や順番で行われるフリースケーティングエレメンツかつ/またはフリースケ
ーティングムーブなどが挙げられる。
-
シンクロナイズドスケーティング要素をクリエイティブエレメンツ内に組み込んでも良い。
-
振り付けや音楽を強調するために異なるレベルの技や複数のサブグルーピングおよび/またはハイライティング
を使用してもよい。
-
全てのスケーターがクリエイティブエレメンツに参加していなければならないが、全員がフリースケーティングエレメ
ンツ/フリースケーティングムーブを実行する必要はない。
-
選択した動きは同時に行うか、タイミングをずらしたり全く別々に行ったりしても良く、個人、ペア、複数人によるグ
ループのどの形で行ってもよい。
-
スケーター(達)はクリエイティブエレメンツ中に止まったり、静止してもよいが音楽構成を表現したり強調したもの
であること。静止時間が長過ぎる場合、GOE そして/又はプログラムコンポーネントで減点される。
-
クリエイティブエレメンツに使われる時間は要素の構成内容によるため、時間に関する制限は無い。
アイスカバレージ/必須パターン
-
クリエイティブエレメンツの準備や実行をするために使用するアイスカバレージの制限は無い。
c. GROUP LIFT ELEMENT (グループリフトエレメンツ)
グループリフトエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
スケーターがリフトを上げるグループに分かれたところをグループリフトエレメンツの始まりとみなす。
-
全てのスケーターがリフトに、リフティッド側、又はリフティング側として参加するか、フリースケーティングエレメンツ
を行うことでグループリフトエレメンツに参加していなければならない。
-
2 つ以上のグループリフトを行う場合、同じ種類のリフト又は異なる種類のリフトを行ってもよい。
-
グループリフトは同時に上げなければならないが、下ろす時はフィーチャーの一部としてカウントされる必要がな
ければ、タイミングをずらして下ろしても良い。
-
フィーチャーを行う場合は、全てのリフトが同時にフィーチャーを行わなければならない。
-
グループリフトはグループリフトの定義に沿ったものでなくてはならない。(Rule 990 paragraph 4. a. vii b 参照)
-
リフトに参加しないスケーターが行うフリースケーティングエレメンツは、同じ種類でも異なる種類でもよいがグルー
プリフトと同時に行わなければならない。
-
リフティッドスケーターが下ろされた時点をグループリフトエレメンツの終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
-
グループリフトエレメンツまたはフリースケーティングエレメンツの準備や実行をするために使用するアイスカバレ
ージの制限は無い。
d. INTERSECTION ELEMENT (インターセクションエレメンツ)
インターセクションエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
インターセクションのプレパレーションを始めた時点をインターセクションエレメンツの始まりとみなす。
-
インターセクションエレメンツは全てのスケーターが他のスケーターとインターセクトしなければならない。インター
セクションにはいくつかの異なる種類/方法がある。
-
個々のスケーターがそれぞれインターセクションに参加していれば、お互いを同時に通り過ぎても少しずれ
5
て通り過ぎてもよい。
-
8 組のペアで互いの間を通り過ぎてもインターセクションエレメンツとはみなされない。
-
サークルインサークル(各円 8 人の二重円、同回転または逆回転)中のウィービングはインターセクションエレ
メンツとはみなされない。
-
Angled Intersection (アングルドインターセクション): 2 列(以上)が平行な位置関係を保った状態で氷面の
反対側/端からインターセクションのアクシスへ互いに向かって進みながら行うインターセクション。
-
Collapsing Intersection (コラプシングインターセクション): 最低 2 つの異なるアクシスを持ち、スケーターが
互いに異なるタイミングで通り過ぎるインターセクション。コラプシングインターセクションの例としては四角や
三角のインターセクション等がある。
-
Combined Intersection (コンバインドインターセクション): サークルやウィールのようなローテーティングエレ
メンツとライン、あるいはサークルおよび/又はウィール同士を組み合わせて行うインターセクション。
-
Whip Intersection (ウィップインターセクション): 2 列が通り過ぎる前にお互いの列が鞭のようなしなりのアク
ションを伴うインターセクション。列の端のスケーターが反対/端のスケーターよりも速い速度でインターセクト
するために、お互いの列が正確な半円の状態からアプローチを始めなければならない。
-
インターセクションの各列は可能な限り等しい人数で構成されていなければならない。
例:
ウィップインターセクション;
-
各列が 8 人ずつでなければならない。
トライアングル(三角)インターセクション;
-
各列が 5 人、5 人、6 人で構成される。
コンバインドインターセクション;
-
サークルは 6 人以上、ウィールは 1 つのスポークに 3 人以上、ラインは 5 人以上で構成されなければならな
い。
-
インターセクションエレメンツは列が通り抜けた後のエグジットフェーズ(フェーズ 4)から次の要素へのトランジショ
ンまたはつなぎの要素に移行した時点で終了とみなす。
インターセクションエレメンツのフェーズ:
インターセクションエレメンツは 4 つのフェーズで構成される。これら 4 つのフェーズを含み、正確に行われていなければ
ならない。各フェーズにおける時間的制限は無い。
フェーズ 1-プレパレーション
フェーズ 2-アプローチ
フェーズ 3-ポイントオブインターセクション
フェーズ 4-エグジット
フェーズ 1: プレパレーション
-
プレパレーションフェーズはインターセクションの隊形の形成段階として定義される。インターセクションの隊形は
プレパレ-ション、アプローチ、エグジットフェーズの間維持されていなければならない。
フェーズ 2: アプローチ
-
アプローチフェーズは各列がインターセクションのアクシスに向かって動き始めた段階として定義される。
フェーズ 3: ポイントオブインターセクション (Rule 990 paragraph 1.1 参照)
6
フェーズ 4: エグジット
-
エグジットフェーズはインターセクションのアクシスを過ぎた瞬間として定義される。
アイスカバレージ/必須パターン
-
インターセクションエレメンツ中のアイスカバレージについて制限は無い。
e. MOVE ELEMENT (ムーブエレメンツ)
ムーブエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
ムーブエレメンツはフリースケーティングムーブの開始時点を始まりとみなす。
-
ムーブエレメンツは 1 つのフリースケーティングムーブにより構成される。
- 1つのグループと他方のグループが異なる種類のフリースケーティングムーブを行ってもよい。最大 4 種類の異
なるフリースケーティングムーブ(レベルが同じもの又は異なるもの)を同時に行うことが許される。ウェルバランス
プログラムの中に 2 回目のムーブエレメンツが含まれる場合、いかなるフリースケーティングムーブも繰り返され
てはならない。
-
ショートプログラムで要求されるフリースケーティングムーブは、ISU シンクロナイズドスケーティング技術委員会に
よって毎年決定され、ISU コミュニケーションで発行される。
-
フリースケーティングムーブはカウントされるために、要件を満たさなければならない。
-
フリースケーティングムーブでは、インターセクションの様なトランジションなども含め、どのようなトランジションも許
される。(Rule 992 paragraph 2, 3, Illegal and Non-permitted Elements 参照)
-
ムーブエレメンツはフリースケーティングムーブの完了時点を終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
-
ムーブエレメンツを実行するために使用するアイスカバレージの制限は無い。
f. NO HOLD ELEMENT (ノーホールドエレメンツ)
ノーホールドエレメンツは、ノーホールドで行われるアディショナルフィーチャー(ステップシークェンス)を含む。
ノーホールドエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
ノーホールドエレメンツは、スケーターが各列 4 人の 4 列のノーホールドのブロック隊形を形成した時点を開始と
みなす。ブロックは氷上のどの位置にあっても構わない。
-
リンキングステップ、フリースケーティングムーブ、ボディムーブメントなどは異なるものを、同じタイミング又は、違う
タイミングで行ってもよい。
-
ノーホールドエレメンツは必ずクローズドブロックで行われなければならない。
-
隊形変化は許されない。
-
ノーホールドエレメンツは次の要素へのトランジションまたはつなぎの要素が始まりブロック隊形が崩れた時点、又
は全て/数名のスケーターがそれぞれ意図的にホールドをした時点で、氷上のどの位置にいても終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
-
全てのスケーターが氷面の 1/2 又は、それに相当する距離をカバーしなければならない。
g. PAIR ELEMENT (ペアエレメンツ)
ペアエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
ペアエレメンツは 8 組のペアが形成された時に始まる。
-
ペアエレメンツはフリースケーティングエレメンツ、フリースケーティングムーブ、又はステップシークェンスやその
7
他のスケーティングムーブメンツによって構成される。
-
負傷者がいた場合(Rule 800 paragraph 2e 参照)は、7 組のペア、又は 7 組と 1 人のソロスケーターで行うことがで
きる。
-
ペアは1つのユニットとして動かなければならない。
-
全てのペアは同じタイミングで同じムーブメントを行わなければならない。
-
ペアエレメンツは 8 組のペアが離れ離れになった時点を終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
-
ペアエレメンツの準備や実行のために使用するアイスカバレージの制限は無い。
h. PIVOTING AND LINEAR ELEMENTS (ピボッティングアンドリニアーエレメンツ)
i) BLOCK ELEMENT (ブロックエレメンツ)
ブロックエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
- ブロックエレメンツは隊形が認識され、全てのスケーターがその隊形に整列した時点を開始とみなす。
- ブロック隊形は 3 列以上でなければならない。
- 平行に整列したクローズドブロック隊形(端が揃っていても、ずれていてもよい)でなければならない。
- 全てのスケーターがホールドしていなければならない(可能な限り)。
- ブロックエレメンツは次の要素へのトランジションまたはつなぎの要素が始まり隊形が崩れた時点を終了とみな
す。
アイスカバレージ/必須パターン
- 全てのスケーターが最低でも氷面の 1/2 又は、それに相当する距離をカバーしなければならない。
- パターン:どのようなパターンでも使用できる。(例:ストレートライン、ダイアゴナル、サーキュラー、サーペンタイ
ンなど様々)
ii) LINE ELEMENT (ラインエレメンツ)
ラインエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
- ラインエレメンツは隊形が認識され、全てのスケーターがその隊形に整列した時点を開始とみなす。
- 1 列又は 2 列のライン。
- 2 列のラインの場合、これら 2 列のラインが接続したり分離したり、互いにすれ違ったりしてよい。
- 各ラインのスケーターの人数は可能な限り同じ人数でなければならない。
- ラインエレメンツは次の要素へのトランジションまたはつなぎの要素が始まり隊形が崩れた時点を終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
- ラインエレメンツは最低でも氷面の 1/2 又は、それに相当する距離をカバーしなければならない。
i. SYNCHRONIZED SPIN ELEMENT (シンクロナイズドスピンエレメンツ)
シンクロナイズドスピンエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
-
シンクロナイズドスピンエレメンツはスピンの入りのエッジにのった時点を開始とみなす。
-
どのようなソロスピンを使用してもよい。
-
全てのスケーターが同じスピンを同じタイミングで行わなければならない。
-
各スケーターは最低でも 3 回転まわらなければならない(又はスピンの規定を満たさなければならない)。
-
スピンの回転方向は、時計回り、反時計回り、それらのコンビネーションでも構わない。
8
-
スケーターの回転方向は、同じ又は、異なる回転方向でよい。
-
スピンの入り、スピン、出の全てのフェーズにおいて、全てのスケーターの動きが完全にシンクロナイズ(同調)され
るべきである。
-
スピンの入りと出は全てのスケーターによって同じタイミングで行われ、明確に認識可能でなければならない。
-
シンクロナイズドスピンエレメンツはスケーターのスピンの回転が止まり、スピンの出(出のエッジを含む)になった
時点で終了とみなされる。
アイスカバレージ/必須パターン
-
シンクロナイズドスピンエレメンツでは、スピンの準備や実行のために使用するアイスカバレージの制限は無い。
j. TRAVELING AND ROTATING ELEMENTS (トラベリングアンドローテーティングエレメンツ)
i) CIRCLE ELEMENT (サークルエレメンツ)
サークルエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
- サークルエレメンツはサークルの隊形が認識され、その隊形に全てのスケーターが参加し回転し始めた時点を
開始とみなす。
- 最大 3 つのサークルを同時に行うことができる。
- 各サークルは 4 人以上のスケーターで構成されなければならない。
- サークルエレメンツは隊形が崩れ回転が止まり、次の要素へのトランジション又はつなぎの要素が始まった時点
を終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
- サークルエレメンツの要件を満たすためには、全てのスケーターが一方向の回転で最低 360°又は、両方向へ
の回転の合計でそれに相当する角度を回転しなければならない。
- サークルの大きさに制限はない。
ii) WHEEL ELEMENT (ウィールエレメンツ)
ウィールエレメンツは以下の基準を満たさなければならない;
- ウィールエレメンツは隊形が認識され、その隊形に全てのスケーターが参加し回転し始めた時点を開始とみな
す。
- 同時に最大 3 つの独立したウィールを行ってもよい。
- 各スポークに 3 人以上のスケーターがいなくてはならない。
- スポークはストレートでもカーブしていても違う長さでもよい。
- ウィール隊形のバリエーションは次のように定義される: 数名のスケーター達が基本のウィール隊形から外れて、
ウィールやスポークにつながり、ピボットポイントの周囲を回る。
- 基本のウィール隊形は以下の通り定義される:
-
1 スポーク、2 スポーク(または S ウィール)、3 スポーク、4 スポーク、5 スポークのウィール
-
インターロッキングウィール
-
2 ラインパラレルウィール
- ウィールエレメンツはウィール隊形が崩れ回転が止まり、次の要素へのトランジションまたはつなぎの要素が始ま
った時点を終了とみなす。
アイスカバレージ/必須パターン
- ウィール要素の規定を満たすためには、ウィールは最低 360°回転しなければならない。
9
4.
アディショナルフィーチャーの定義と要件
a) FREE SKATING ELEMENTS (フリースケーティングエレメンツ)
シンクロナイズドスケーティングでは、ジャンプ、ジャンプコンビネーション、ジャンプシークェンス、アシスティッドジャンプ、
スピン、リフト、デススパイラル、ペアピボット、ヴォルトを例としたフリースケーティングエレメンツを行うことが許される。フリ
ースケーティングエレメンツは、クリエイティブエレメンツ、グループリフトエレメンツ、ペアエレメンツなどの要素中や、要
素間のつなぎとして、トランジションの難度を上げたり、プログラムに多様性や複雑さをもたせたりするために行うことがで
きる。
i. Assisted Jump (アシスティッドジャンプ)
スケーター(達)が、別のスケーター(達)に対して、控えめな補助をして行う1回転を超えないジャンプのことをいう。
ジャンプのテイクオフは、ジャンプするスケーター自身の力で行なわれること。上昇と下降の動きは連続して行わ
れる。補助するスケーター(達)の手は肩の位置より上にあげてもよい。
ii. Butterfly (バタフライ: ペア又は個人)
胴体が跳び上がるときにはほぼ水平のポジションになっていること。フリーレッグは円弧を描くように上半身や頭よ
りも高い位置まで大きく、力強く振り上げる。跳躍から着氷までの間、胴体は水平のポジションを保つこと。着氷後
に回転する必要はない。
iii. Dance Jump (ダンスジャンプ)
Rule 990 paragraph 2c.iv 参照。
iv. Jump (ジャンプ)
回転する動作の1つで、両足が氷から離れた状態で最低1回転すること。ジュニアとシニアのフリーでは、ジャンプ
はいずれの回転数でもよい。
v. Jump Combination (ジャンプコンビネーション)
最低1回転のいくつかのジャンプを間にターンやステップ、あるいは短いフリーフットのタッチダウンなどを挟んで
連続して行うこと。
vi. Jump Sequence (ジャンプシークェンス)
2つ以上のジャンプ(回転数は問わない)を、間にスモールホップやダンスジャンプなどを挟んで、ジャンプのリズ
ム(膝の動き)が途切れないように、間隔をあけずにつなげて行うこと。ジャンプシークェンス中に、ジャンプとジャ
ンプの間にクロスオーバーやストロークを入れてはいけない。
vii. Lift (リフト)
スケーター(達)が、別のスケーターに持ち上げられ(高さは問わない)、そのまま2秒以上保持され、下ろされる
動きのこと。または、スケーター(達)が、別のスケーター達に胴体を支えられながら、自力で自身を持ち上げ(高さ
は問わない)、そのまま2秒以上保持する動きのこと。リフティング/サポーティングスケーターは、3 と 1/2 回転以
下であれば回転してもよい。リフトは、選んだ音楽の効果を高めたり、音楽の特徴を表現するべきものであって、
単なる曲芸になってはいけない。下品な動きやポーズは禁止されている。リフトは、シニアのフリーでのみ行ってよ
い(paragraph 4a.vii.a)参照)。
a) アクロバティックリフトは、シンクロナイズドスケーティングでは許可されない。アクロバティックリフトの定義は以
下の通り:
スケーターが(両)ブレードや(両)足、(両)脚や(両)腕のいずれかのみをホールドされて振り回される動き。
- リフティッドスケーター(達)が頭を下にして完全に逆さまの垂直ポジションをとるリフトはアクロバティックリ
フトとみなされ違反となる。
10
- リフティッドスケーター自身が回転するリフトは行ってよい。ただし、リフティッドスケーターが頭を下にして
完全に逆さまの垂直ポジションをとる場合は除く。
- 1人のスケーターが単独で腕を頭の上いっぱいに伸ばして他のスケーターを持ち上げるリフトは違反とな
る。
b) シンクロナイズドスケーティングにおけるグループリフトとは、1人あるいはそれ以上のスケーターが、2人ある
いはそれ以上のスケーターに高さは問わず持ち上げられ下ろされる動きのことである。リフティングスケータ
ー(達)は少なくとも片足を常に氷につけていなければならない。
c) シンクロナイズドスケーティングにおけるペアリフトとは、1人のスケーターが、別の1人のスケーターに持ち上
げられ下ろされる動きのことである。ただし、1人のスケーターが単独で、腕を頭上いっぱいに伸ばして他の
スケーターを持ち上げるペアリフトは違反となる。
d) シンクロナイズドスケーティングにおけるリフト(ペア又はグループリフト)の種類について
1.
ステーショナリーリフト (回転や氷上での移動を伴わない)
- ステーショナリーリフトとはリフティングスケーター(達)が定位置に留まって行われるリフトである。
2.
グライドするリフト (リフトの準備~終了の間、滑走し続ける)
- グループリフトに参加する全てのスケーター/ペアリフトに参加する両スケーターはリフトの準備をす
る間滑走していなければならない。
- サポーティング/リフティングスケーター(達)はリフトの際中、滑走し続けていなければならない。
- グループリフトに参加する全てのスケーター/ペアリフトに参加する両スケーターは、リフトを終える
間も滑走していなければならない。リフトは着氷しなければならず、着氷中も滑走し続けなければな
らない。
3.
定位置でローテーションするリフト
- 回転している間、定位置から動かないリフトのこと。
- グループリフトにおけるサポーティングスケーター/ペアリフトにおけるリフティングスケーターはター
ンなしで滑走してもよく、両足スリーターンや両足のモホークのようなステップを使用し前向きから
後ろ向きになる又は、その逆をしてもよい。
4.
グライドしながら同時にローテーションするリフト
- グライドしながら同時にローテーションするリフトは、リフティングスケーター(達)が氷上を滑走しなが
ら回転するリフトのことをいう。
- グループリフトに参加する全てのスケーター/ペアリフトに参加する両スケーターは、リフトの準備を
する間滑走していなければならない。リフトは回転中も滑走していなければならない。回転前から回
転後までのアイスカバレージに制限はない。
- グループリフトにおけるサポーティングスケーター/ペアリフトにおけるリフティングスケーターは両足
スリーターンや両足のモホークのようなステップを使用し前向きから後ろ向きに、又はその逆へター
ンをしなければならない。
- グループリフトに参加する全てのスケーター/ペアリフトに参加する両スケーターは、リフトを終える
間も滑走していなければならない。リフトは着氷しなければならず、着氷中も滑走し続けなければな
らない。
5.
アンサステインドグループリフト
アンサステインドグループリフトとは、1人のスケーターが持ち上げられて下ろされるリフトであって、上
昇と下降を途切れずに行うリフトである。リフティッドスケーターがリフトされるのは 3 秒未満でなればな
11
らず、また着氷するまで2人以上のスケーターによってリフトされていなければならない。この種類のリ
フトは、動かずに行なってもよく、又は滑走しながら行ってもよい。サポーティングスケーターは回転し
てはいけない。リフティッドスケーターはヴォルトをしながらリフトに上がったり、下りたりしてもよい。アン
サステインドグループリフトはジュニアとシニアのフリースケーティング中に、1回のみ行うことができる。
アンサステインドグループリフトは、シニアのフリースケーティングにおいて許可されている 3 回のリフト
のうちの1つとしてはカウントされない。
viii. Pivot (ピボット)
ピボットは単独又は、ペアで行われる。ピボットは1人のスケーターがピボッティングをしているときに行われる。
ペアピボットは2人のスケーターによって行われ、1人のスケーターがピボッティングしサポートされているスケータ
ーがそのピボットの周囲を滑走する。ピボットは一か所に留まっている必要はなく氷上を進んでいてもよい。ピボッ
ティングしているスケーターのバリエーションは、ピボットポジションが保たれている限り許される(後ろ向き、前向き、
または両方向の組合せ)。サポートされているスケーターは多様なポジションを使用して滑走してもよい。
これらのポジションはアップライトポジション、スパイラルやアップライトポジションでない他のポジションも含む。
このポジションの難度はペアピボットの難度レベルとして判定される。
a)
デススパイラル
デススパイラルをしているスケーターは氷面に身体と頭を近づけクリーンなエッジで滑らなければならない。
しかし、そのスケーターは頭を氷に接したり、身体の他の部分やフリーハンドで自身をサポートしたりしてはな
らない。腕のホールドのバリエーション(片手でのホールド、両手でのホールド)やピボットポジションのバリエ
ーション(後ろ向き、前向き、または両方向の組合せ、トゥピックの有無)は可能である。
ix. Spin (スピン)
少なくとも3回転を定位置にて片足(クロスフットスピンを除く)で、かつ正確なポジションで中断なく行う回転動作
のことをいう。
a.
スピンの種類
1. ソロスピン: スケーターは中断なく片足で各々1人でスピンする。
2. 足換えまたは姿勢変更ありのスピン: 足換え又は姿勢変更ありのスピンは、1回の足換えまたは1回の
姿勢変更から成り、各姿勢、又は足換えの前後で各足少なくとも3回転以上あること。さらに、スピンをし
ている全てのスケーターは同時に、足換えや姿勢変更を行わなければならない。
3. スピンコンビネーション: スピンコンビネーションは3つの基本姿勢すべて(シット、キャメル、アップライト
またはそれらの様々なバリエーション)を含み、各基本姿勢で少なくとも2回転、かつ各足少なくとも3回
転以上している足換えが 1 回のみ含まれていなければならない。足換えは、踏み換えで行ってもジャン
プの形態で行ってもよい。足換えと姿勢変更は同時に行っても別々に行ってもよいが、スピンをしてい
る全てのスケーターは同時にそれを行わなければならない。
4. ペアスピン: ペアスピンは2人のスケーターが同時に共通の軸で、中断なく、定位置で3回転を行う。ス
ピンは片足で開始し片足で終了しなければならない。パートナーのうちの1人、又は 2 人は異なるスピン
ポジションでもよく、どのようなホールドでもよい。もし、1組より多くのペアがペアスピンを行うならば同様
のスピンポジションにて、同時に行わなければならない。
b.
スピンポジションの種類
1. キャメルスピン: スケーターは回転中スパイラルポジションを保つこと。フリーレッグ(膝と足を含む)は腰
の高さの位置、又はそれより高い位置で保たれていること。
2. シットスピン: スケーターは回転中シットポジションを保つこと。サポ-ティングレッグは少なくとも90°は
12
曲がっていなければならない。スケーティングフットの太ももは氷面に対して平行でなければならない。
3. アップライトスピン: スケーターは最低3回転をアップライトポジションで回転すること。腕やフリーフットは
どのようなポジションでもよい。
c.
アップライトスピンのバリエーション
1. クロスフットスピン: スケーターの足が両方とも、スピン中に氷上についているアップライトスピンポジショ
ン。その両足は前でクロスしていても後ろでクロスしていてもよい。
2. レイバックスピン: スケーターは身体の中心のアクシスから頭を傾け後ろに倒さなければならない。身体
は明確な背中のアーチが見えていなければならない。
3. サイドウェイズリーニングスピン: サイドウェイズリーニングスピンは胴体から少なくとも45°の角度に倒
した状態でなければならない。
4. A フレームスピン: スケーティングレッグの膝の近くに頭を近づけ、ウエストを前に折り曲げた状態のスピ
ンのことをいう。フリーレッグはサポ-ティングレッグの近くに保つこと。フリーレッグと/又はサポ-ティン
グレッグはサポートありでもサポートなしでもどちらでもよい。
d.
アップライトスピンの難しいバリエーション
難しいバリエーションはアップライトスピンを行うにあたり、フリーレッグの動きが肉体的強さや柔軟性を必要と
するもので、そのため体幹部のバランスに影響を与える。
1. ビールマンスピン(スピン中のビールマンポジション): スケーターのフリーフットが、片手または両手によ
って、後方から頭より高く頭の天辺に向けて引き上げられ、スケーターの回転軸近くに位置しているスピ
ン。
2. スパイラル135°スピン: フリーレッグをスケーティングレッグに対して135°の角度にして、上体をアッ
プライト姿勢で保つ。フリーレッグは前でも横でも可。フリーレッグもスケーティングレッグも伸びているこ
と。フリーレッグはサポートありでもサポートなしでもよい。
e.
フライングスピン
このスピンはスピンの入りの間、跳躍(Fly)しなければならない。跳躍する前に氷の上で回転することは許さ
れない。フライングポジションはどんなポジションでもよいが、全てのスケーターは同時に同じフライングポジ
ションを行っていなければならない。踏み切る前にスリーターンを行なった場合はフライングスピンとみなされ
ない。着氷の後、スピンとしてカウントされるためには、全てのスケーターは同じでかつ正しい姿勢を3回転保
持しなければならない。
x. Throw Jumps (スロージャンプ)
スロージャンプは1人のスケーターが別のスケーターによってテイクオフの際に空中に投げられパートナーの補助
なしで後ろ向きのアウトサイドエッジで着氷するジャンプをいう。 スロージャンプは1回転を超えて回転してはいけ
ない。
xi. Vault (ヴォルト)
ヴォルトは 1 回転を超えてはならず、スケーター(達)が別のスケーター(達)に控えめな補助を与え、カートウィー
ル、サマーソルトのような動きにより、逆上がりのような要領で回転する動きのことをいう。この動きには、ヴォルトし
ているスケーターの自転や周転による上昇と下降の連続した動きがある。
控えめな補助をしているスケーター(達)の手は肩の高さの位置よりも高く上がっていてよい。ジュニアとシニアの
フリースケーティングの中でのみ2回行うことが許される。
13
b) FREE SKATING MOVES (フリースケーティングムーブ)
ランジ、スパイラル、イナバウワー、スプレッドイーグル、ハイドロブレーディング、ビールマンスパイラル、シャーロット、シ
ュートザダックのようなフリースケーティングムーブはシンクロナイズドスケーティングで許可されているフリースケーティン
グムーブの例である。フリースケーティングムーブはクリエイティブエレメンツや、ムーブエレメンツのような要素で使用で
き、また要素間や要素中のトランジションの動きにおいてトランジションの難度を上げたり、プログラムの多様性や複雑性
を加えたりするために用いられる。
アウトサイドエッジで行ったフリースケーティングムーブはインサイドエッジで行った同じ種類のフリースケーティングムー
ブとは異なるものとみなされる。前向きで行われたフリースケーティングムーブは後ろ向きで行われた同じ種類のフリース
ケーティングムーブとは異なるものとみなされる。
フリースケーティングムーブの実施を認定されるには、少なくとも3秒間、正しいポジションかつ正しいエッジでそれぞれ
のムーブが保持されなければならない。
1回のチェンジエッジありのフリースケーティングムーブは各エッジで最低2秒間、合計4秒間保持されなければならない。
スケーターが異なるタイミングでチェンジエッジをする場合は、すべてのスケーターは各エッジで最低2秒フリースケーテ
ィングムーブを保持しなければならない。
i. Hydroblading (ハイドロブレーディング)
スケーターは少なくとも 90°(氷面と並行)に曲げられたサポーティングレッグと、氷面に接していないフリーレッグ
と両手で釣り合うバランスをとっている、低いシットのようなポジションを見せなければならない。スケーターの肩を
含む胴体は円の中心に向かって大きく傾き、フリーレッグは円の外側に置かれている。この動きは片側のエッジで、
片足にて行わなければならない。
ii. Ina Bauer (イナバウワー)
イナバウワーは、スケーターが一方の足を前向きのエッジ/トレーシングで、もう一方の足を後ろ向きの対応するエ
ッジで、平行する別のエッジ/トレーシングで氷上を移動するという両足の動きである。
iii. Lunge (ランジ)
ランジはサポ-ティングレッグは曲げている状態(スケーティングレッグの太ももとすねの角度が少なくとも 90°で
あること)で、前向き又は後ろ向きで、片側のエッジ又はフラットで、もう片方の足を氷上に靴やブレードを接しなが
らすぐ後ろに置いた状態で氷上を移動する動きである。スケーターの胴体はアップライトであっても、前に屈んで
も、後や横向きに反ってもよい。フリーレッグはまっすぐ伸ばしても曲げてもよい。フリーフットはどのようなポジショ
ンでもよい。
iv. Shoot the Duck (シュートザダック)
スケーターは、サポ-ティングレッグを少なくとも 90°(氷面と平行)に曲げ、氷面にフリーレッグを接しない低い姿
勢を見せなければならない。スケーターの胴体はアップライトや前に屈んでよい。フリーレッグは伸ばしても曲げて
もよく、前方又は横においてもよい。この動きは片側のエッジにのり、かつ片足で滑走しなければならない。
v. Spirals (スパイラル)
スパイラルはアラベスクポジションで前向き又は後ろ向き、インサイド又はアウトサイドエッジで長く滑走するもので
ある。スパイラルとしてカウントされるためには、フリーレッグは(膝や足を含め)腰よりも高い位置で保たれていな
ければならない。フリーレッグポジションは後ろでも前でも横でもよい。
1. ビールマン
ビールマンポジションとコールされるためには、スケーターのフリーフットが、後方から頭より高く頭の天辺に
向けて引き上げられ、スケーターの中心軸に近づけていること。
2. シャーロット
14
シャーロットとは前向き又は後向きで、片側のエッジ又はフラットで滑走することをいう。スケーターの身体は
アップライトから前に倒され、頭と胸をサポーティングレッグに近づけなければならない(少なくとも 135°)。
フリーレッグとサポ-ティングレッグはまっすぐ伸ばされ、かつフリーレッグは後方に最低 135°の位置に保
持されているべきである。フリーレッグはサポートありでもサポートなしでもよい。
3. チェンジエッジおよびフリーレッグポジションチェンジありのスパイラル
チェンジエッジおよびフリーレッグのポジションチェンジありのスパイラルでは、フリーレッグはポジションチェ
ンジの際も少なくとも腰の位置の高さに保持されなければならない。フリーレッグポジションは前から横、又
は後ろ、その他どのような組合せでもよい。
4. スパイラル 135°
スパイラル 135°は前向き又は後ろ向き、インサイド又はアウトサイドエッジで滑走することをいう。スケータ
ーの身体はアップライトの状態を保持しながら、フリーレッグはスケーティングレッグに対して 135°の角度
を保持しなければならない。フリーレッグは前、又は横に保持されてもよい。フリーレッグやスケーティングレ
ッグはまっすぐ伸ばされているべきである。フリーレッグはサポートあり(スケーター自身、又は別のスケータ
ーによる)又はサポートなしでもよい。
5. スパイラルバリエーション
フリーレッグの位置が前、横、後ろにあり、曲げられており、サポートあり(スケーター自身、又は別のスケー
ターによる)又はサポートなしのスパイラルポジション。フリーレッグは腰の高さよりも高く保持されていなけ
ればならない。(膝や足を含む)
vi. Spread Eagle (スプレッドイーグル)
スプレッドイーグルは、前向きのエッジで滑っている足と、同じトラック上で対応する後ろ向きのエッジで滑っている
もう片方の足との、両足の動きである。(例:アウトサイドとアウトサイド)
c) POINT OF INTERSECTION (ポイントオブインターセクション)
ポイントオブインターセクションとは、スケーター達がインターセクションのアクシス上で行う動作/ローテーションのタイプ
(種類)と定義される。
- 全てのスケーターはポイントオブインターセクションにて同じターン/リンキングステップを行う、またはチームの半
分が同じターン/リンキングステップを行い、チームの他方の半分が異なるターン/リンキングステップを行うことも
可能である。
- ポイントオブインターセクションの難度グループは幾つかあり、ISU コミュニケーションにて更新される。
d) STEP SEQUENCE (ステップシークェンス)
ステップシークェンスとは、スリーターン、ブラケット、チョクトー、カウンター、ループ、モホーク、ロッカー、ツイズル、リン
キングステップ(Rule 990 paragraph 2 参照)などの異なるターンの手法と、ノーホールドエレメンツなどの要素に使用され
る短いフリースケーティングムーブ(Rule 990 paragraph 4c 参照)のコンビネーション/シリーズ と定義される。
- クロスオーバーの使用は最小限にとどめなければならない、かつ連続では 1 回のクロスオーバーのみ組み込ん
でもよい。
- ステップシークェンス アディショナルフィーチャーの最中では、ミラーイメージパターンの開始又は終了の際を
除いて、全てのスケーターは同じ進行方向に、同じエッジで同じステップ/ターン、を同時に行わなければなら
ない。
- リンキングステップや、フリースケーティングムーブなどは異なるものを使用してもよい。
15
- ただし、フィーチャーとして要求されている場合はチーム全員がフリースケーティングムーブ又はリンキングス
テップ(同一又は異なる種類)などを同時に行わなければならない。
- ステップシークェンス アディショナルフィーチャーの最中では、ミラーイメージパターンの使用が許可される。ミラ
ーイメージパターン中のターンは、ステップシークェンス アディショナルフィーチャーを終了せず、ステップシー
クェンス アディショナルフィーチャーのレベルにも反映されない。
- 短いフリースケーティングムーブをステップシークェンス アディショナルフィーチャーの中で行うことは許されて
いるが、3 秒未満に留めなければならない。
- ステップシークェンス アディショナルフィーチャーのレベルの要件は、ステップシークェンス アディショナルフィ
ーチャーとしてカウントされるために正しく行われなければならない。(要件については ISU コミュニケーションを
参照)
アイスカバレージ
- ノーホールドエレメンツ中のステップシークェンス アディショナルフィーチャーに対するアイスカバレージの制限
はない。
ターンの要件
ステップシークェンス アディショナルフィーチャー/レベルを獲得するためのターンの要件は以下のとおりである:
- 素早いテンポのためエッジが保持されないターン/ステップも、明瞭/明確なエントリーとエグジットエッジにて行
なわれていればカウントされる。
- 質の良いスケーティングをするチームが、短くそして素早いエッジを使用した場合、GOE で減点されてはならな
い。
- ステップシークェンス にてターン/ステップ、とリンキングステップが使用された場合、それらのターン/ステップと
リンキングステップはステップシークェンス アディショナルフィーチャーの中でバランス良く分布していなければ
ならない。
5. FEATURE(フィーチャー)の定義と要件
a. Back-to-Back Preparation and Approach(バックトゥバックプレパレーションアンドアプローチ)
プレパレーションフェーズの終わりとアプローチフェーズの全てを通して、スケーター達の背中(両肩と腰を含む)が、
進行方向とは独立して、インターセクションのアクシスに向いていること。バックでのピボッティングエントリーも、各列
が 90°以上ピボットすればバックトゥバックプレパレーションアンドアプローチとみなす。
b. Balancing Lift (バランシングリフト)
リフティッドスケーターがポジション(姿勢)を自身の強靭さで安定させていること。リフティッドスケーターのポジションが
不安定で、バランスに影響を及ぼすポジションであること。
c. Body Movement (ボディムーブメント)
ボディムーブメントとはターンやリンキングステップを行っている際に様々な身体の部位(腕、脚、頭、胴体)を使うこと
である。身体のコアが、バランスを身体の中心で取っている体勢から変化していること、そしてその動作がブレード上
の体重移動に著しい影響を及ぼしていること。
d. Change of Position during a Free Skating Move (フリースケーティングムーブ中のチェンジオブポジション)
チェンジオブポジションはフリースケーティングムーブの際中に全てのスケーターによって実行されなければならない。
もし 1 人のスケーターがあるスケーターの右側から開始した場合、そのスケーターは同じスケーターの左側へとポジシ
ョン(位置)を変更しなければならない。それぞれのスケーターはチェンジオブポジションをする対象のスケーターとス
ケーティングトラックを交差する前に各々のスケーティングトラック/カーブを滑走していなければならず、そして交差し
16
た後にも、再度各々のスケーティングトラック/カーブを滑走していなければならない。
e. Change of Position of a lifted Skater (リフティッドスケーターのチェンジオブポジション)
リフティッドスケーターの身体が、胴体がリフティングスケーターの頭上に維持された状態で、最低でも 180° (水平方
向または垂直方向に)向きを変えること。
f. Extra Features (エクストラフィーチャー)
エクストラフィーチャーとは短いフリースケーティングムーブ、ダンスジャンプ、トゥステップ、スモールホップなどのこと
をいう。
g. Interacting and pivoting Lines(インタラクティングアンドピボッティグライン)
2 つのラインが互いにピボッティングとインタラクティング(位置の交代)を同時に行う動きのことをいう。
h. Pivoting (ピボッティング)
ラインやブロックなどのピボッティングエレメンツが、ピボットポイントの周囲を、隊形の低速で動いている側が静止せ
ずに氷面を移動そして/又は横切りながら、1 方向に継続してターン/回転するアクションのことをいう。
i.
Change of Pivot Point (チェンジオブピボットポイント)
ブロック又はラインエレメンツにて、ピボットポイントが列の一方から他方に変化することをいう。ピボットポイントは
ライン(単数または複数)の進行に伴い移動することが許される。レトログレッションはピボットポイントの変更の最
中は許可されない。スケーターはピボットポイントの変更をする際に自らが描いた古いスケーティングトラックを交
差してはならない。
i. Travel (トラベル)
サークルやウィールなどのローテーティングエレメンツが要求された距離を定まった方向または進路に動くアクション
のことをいう。ローテーションとトラベルは同時に行わなければならない。進路はカーブ、又は直線でもよい。全てのス
ケーターはトラベリングの最中に同じリンキングステップ/ターンを同じ進行方向に同時に行わなければならない。
i.
各スポークのチェンジオブポジション(ウィールエレメンツ):
それぞれのスポークのスケーター全員が、要素の開始時点と順番が逆になるようポジション(位置)を変更しなけ
ればならない。 (すなわち、スポークの外側で開始したスケーターはウィールの中心に移っていなければならな
い、など)。奇数人数のスケーターで構成されるスポークの場合(例:5 人のスケーター)は、スポークの真ん中の
スケーターは同じポジションにいることができる。
ii. トラベル中のウィービング (サークルエレメンツ):
全てのスケーターは位置を同時に変更しなければならない。もし、外側のサークルで開始した場合は、内側の
サークルに移らなければならない。
17
Rule 991
ショートプログラムとフリースケーティング
1.
要素の数
a) シニアのショートプログラムは最大 6 の必須要素で構成される。
ジュニアのショートプログラムは最大 6 の必須要素で構成される。
要素の順序は任意。
b) シニアのフリースケーティングは最大 11 の要素で構成される。
ジュニアのフリースケーティングは最大 10 の要素で構成される。
2.
ショートプログラムとフリースケーティングの一般要件
a) 歌詞を使用したボーカル入り音楽の使用は許可される。しかしながら、チームは音楽に合わせて滑走しなければなら
ない。拍手喝采や声援の効果音を追加することは許可されない。
b) 要素がベースレベルの最低限の要件に満たない場合はその要素を試みたとはみなされない。
c) クリエイティブな新しい動きやバリエーションはフィーチャーではないがそれらをトランジションや必須要素の中に組み
込むことは許可される。クリエイティブで新しい動きはプログラムコンポーネンツに反映される。
d) チームは主に1つのユニットとして動かなければならない。いくつかのユニットへチームを分けることは、クリエイティブ
エレメンツとトランジションの際は許可される。さらに、いくつかのユニットはトランジションが必要な要素のための、短
いトランジションとして使用することができる。 (すなわち、インターセクションのプレパレーションまたはクリエイティブ
エレメンツの開始)。
e) リニアーエレメンツ(ブロックやライン)およびローテーティングエレメンツ(サークルやウィール)におけるクリエイティビ
ティとして、要素の最低人数が維持されていれば、チームの最大 1/2 が要素を離れて、再度その要素に戻ってくるこ
とができる。
f)
フィーチャーやアディショナルフィーチャーは各要素で1回のみカウントされる。
g) 全てのスケーターはフィーチャーがカウントされるために、その間スポーク、ライン、サークルなどに参加/整列してい
なければならない。
h) いくつかのフィーチャーは他のフィーチャーと同時に行うことができる。それぞれの要素で、許可されていない場合を
確認すること。
i)
ミラーイメージパターンは要素とトランジションで許可されている。(Rule 990 paragraph4.d 参照)。
j)
複雑で多様なステップシークェンスを、要素とトランジションの最中、どちらで使用してもよい。
k) ターン/ステップと、リンキングステップを要素の最中に使用してもよい。
l)
シンコペーションを用いた振付を使用してもよい。(ステップシークェンス アディショナルフィーチャーまたはフィーチ
ャーの最中で、難度を決定するためにターン/エッジが正しく行われる必要がある場合を除く)
m) 振付と要素はアイスリンクの全ての方向に向けて行われるべきである。
n) 必須要件を満たさないプログラムは罰せられる。
3.
ショートプログラム要件
a) チームは多様なホールドを使用しなければならない。最低3つの異なる明瞭で明確なホールドがジュニアとシニアの
ショートプログラムでは要求される。ホールドは要素又はトランジションの最中どちらで行うことも可能で、チーム全体で
3 秒以上示されなければならない。
18
b) 規定にない、又は追加の要素、又は失敗した要素の繰り返し、は許可されず採点されない。もしいずれかの要素が
含まれていた場合は減点を科せられる。 (Rule 843 paragraph 1 n 参照)。基本的な要素の形(レベル Base)は規定に
ない又は追加の要素とは判断されない。
c) 要素をつなぐために必要なトランジションは許可される。
d) いくつかのフィーチャーとアディショナルフィーチャーは、ショートプログラムではそれぞれの要素ごとに規定されてい
る。ショートプログラムでは、それぞれの要素ごとに規定されているフィーチャーとアディショナルフィーチャー以外は
レベルを決定する際に考慮されない。許可されていないフィーチャー そして/又は アディショナルフィーチャーがも
し含まれていた場合は、規定に沿っていない要素として(NAR)減点をされる。 (Rule 843 paragraph 1 n 参照)。この
減点は要素のスコアからひかれる。 (現行の ISU コミュニケーションを参照)。
e) フィーチャーとアディショナルフィーチャーは、試みが見られない場合は、省かれたものと見なされる。
f)
間違った形を使用した要素は減点を受ける。 (Rule 843 paragraph 1 n 参照)。
g) あらゆるタイプのリフト、ヴォルト、1 回転以上のあらゆるジャンプ、そして/又はアシスティッドジャンプは許可されない。
(Rule 992 paragraph 2a、3a 参照)。
4.
フリースケーティング要件
a) フリースケーティングは、音楽の特徴を反映し、かつ/又は、チームが選択したコンセプト、ストーリー、テーマ、アイデ
ィアを表現する要素とつなぎの動きによって構成された、ウェルバランスプログラムからなる。良いプログラムには、ブ
ロック、サークル、クリエイティブエレメンツ、インターセクション、ライン、ムーブエレメンツ、ペアエレメンツ、シンクロナ
イズドスピンエレメンツ、ウィールなどの要素が含まれ、それらは多様なトランジションによってお互いに調和し、最小
限の両足滑走で実行される。シンクロナイズドスケーティングは、スケーティングの質、ユニゾンの重要性、フォーメー
ションの正確さ、チームの精密さを表現し、規定された時間制限のプログラムの中に全てが組み込まれる。
b) フリースケーティングのプログラム中に他の要素を組み込んでもよく、それらはプログラムコンポーネンツのトランジシ
ョンおよび/又はコリオグラフィーの項目でジャッジされる。
c) フィーチャーとアディショナルフィーチャーは、フリースケーティングのウェルバランスプログラムでは任意である。フリ
ースケーティングの必須要素の難度を上げるため、フィーチャーとアディショナルフィーチャーをフリースケーティング
の要素に組み込むことができ、その場合テクニカルパネルによってコールされ、ジャッジによって評価される。
d) チームは多様なホールドを使用しなければならない。ジュニアのフリースケーティングでは、異なる3つの明瞭で明確
なホールド、シニアのフリースケーティングでは異なる4つの明瞭で明確なホールドが要求される。ホールドは要素又
はトランジションの最中どちらで行うことも可能で、チーム全体で 3 秒以上示されなければならない。
e) リフトはシニアのフリースケーティングでのみ行ってよいが、最大3回までとする。3回のうち1回がペアリフト、残り2回
がグループリフトであってもよいし、3回全てがグループリフトであってもよい。(Rule 990 paragraph 4,a,vii a、b 参照)2
つまたはそれ以上の異なるグループリフト(またはペアリフト)が同時に実施されたときは、1回のグループリフトとして
数えられる。1つのグループリフトと1つのペアリフトが同時に実施されたときは、2回のリフトとして数えられる。
f)
アンサステインドグループリフトは、シニアとジュニアのフリースケーティングで行ってもよいが、最大1回までとする。
g) ヴォルトは行ってもよいが、最大2回までとする(Rule 992 paragraph 2 b、c、および 3 b、c 参照)。
19
Rule 992
ショートプログラムとフリースケーティング(ジュニア、シニア)における要素の情報
1.
要素のリスト
a) ショートプログラム
ジュニアとシニアのショートプログラムにおける必須要素は、下記シンクロナイズドスケーティングの要素のリストから毎
シーズン選択され、ISU コミュニケーションとして毎年発行される。
1.
コンバインドエレメンツ
2.
クリエイティブエレメンツ
3.
インターセクションエレメンツ
4.
リニアーエレメンツ(ブロックまたはライン)
5.
ムーブエレメンツ
6.
ノーホールドエレメンツ
7.
ペアエレメンツ
8.
ピボッティングエレメンツ(ブロックまたはライン)
9.
ローテーティングエレメンツ(サークルまたはウィール)
10. シンクロナイズドスピンエレメンツ
11. トラベリングエレメンツ(サークルまたはウィール)
b) フリースケーティング
ジュニアとシニアのフリースケーティングプログラムは下記のリスト(必須要素のリストとオプショナル要素のリスト)から
選択され、最大数の要素から構成される。
必須要素のリスト
i.
1.
クリエイティブエレメンツ
2.
グループリフトエレメンツ
3.
インターセクションエレメンツ
4.
リニアーエレメンツ(ブロックまたはライン)
5.
ムーブエレメンツ
6.
ノーホールドエレメンツ
7.
ペアエレメンツ
8.
ピボッティングエレメンツ(ブロックまたはライン)
9.
ローテーティングエレメンツ(サークルまたはウィール)
10. シンクロナイズドスピンエレメンツ
11. トラベリングエレメンツ(サークルまたはウィール)
オプショナル要素のリスト
ii.
1.
クリエイティブエレメンツ
2.
コンバインドエレメンツ
3.
グループリフトエレメンツ
20
2.
4.
インターセクションエレメンツ
5.
ムーブエレメンツ
6.
ペアエレメンツ
7.
リニアーエレメンツ(ブロックまたはライン)
8.
シンクロナイズドスピンエレメンツ
9.
ローテーティングエレメンツ(サークルまたはウィール)
ショートプログラムとフリースケーティングの違反要素 /フィーチャー/アディショナルフィーチャーおよびムーブメンツ
a) シニアとジュニアのショートプログラム
i.
Rule 990 paragraph 4 a.ⅶ, a に定義されるイリーガルリフト
ii.
後ろ向きのスパイラルで行うインターセクション(ムーブエレメンツも含む)
iii. チーム全員でのフライングキャメルスピン
b) シニアのフリースケーティング
i.
Rule 990 paragraph 4 a.ⅶに定義されるリフト
ii.
後ろ向きのスパイラルで行うインターセクション(ムーブエレメンツも含む)
iii. チーム全員でのフライングキャメルスピン
c) ジュニアのフリースケーティング
i.
アクロバティックリフト
ii.
後ろ向きのスパイラルで行うインターセクション(ムーブエレメンツも含む)
iii. チーム全員でのフライングキャメルスピン
3.
ショートプログラムとフリースケーティングの許可されない要素 /フィーチャー/アディショナルフィーチャーおよびム
ーブメンツ
a) ジュニアとシニアのショートプログラム
i.
あらゆるバラエティーのリフト(アンサステインドグループリフト含む)
ii.
スロージャンプ
iii. ヴォルト
iv. アシスティッドジャンプ
v.
1回転以上のあらゆるジャンプ
vi. 開始や終了の際や、プログラム中に、氷上に長く(3秒よりも長く)横たわること、又は膝をつくこと(片膝、又は両
膝)
vii. ポイントオブインターセクションで行うジャンプ
viii. ハイライティング(Rule 990 paragraph 1.ⅰ参照)(クリエイティブエレメンツでのみ可)
b) シニアのフリースケーティング
i.
アディショナルリフト(3 回を超える)
ii.
アディショナルアンサステインドグループリフト(1 回を超える)
21
iii. アディショナルヴォルト(2 回を超える)
iv. 1回転を超えるアシスティッドジャンプ
v.
1回転を超えるスロージャンプ
vi. 開始や終了の際や、プログラム中に、氷上に長く(3 秒よりも長く)横たわること、又は膝をつくこと(片膝、又は両
膝)
vii. ポイントオブインターセクションで行うジャンプ
viii. ハイライティング(クリエイティブエレメンツとトランジション中のみ可)
c) ジュニアのフリースケーティング
i.
あらゆる種類のリフト
ii.
アディショナルアンサステインドグループリフト(1 回を超える)
iii. アディショナルヴォルト(2 回を超える)
iv. 1回転を超えるアシスティッドジャンプ
v.
1回転を超えるスロージャンプ
vi. 開始や終了の際や、プログラム中に、氷上に長く(3 秒よりも長く)横たわること、又は膝をつくこと(片膝、又は両
膝)
vii. ポイントオブインターセクションで行うジャンプ
viii. ハイライティング(クリエイティブエレメンツとトランジション中のみ可)
22