NAV-G工法【PDF形式:451.9 KB】

補修後も覆工表面のひび割れ等が見える剥落防止工
NAV―G工法
NEXCO トンネル施工管理要領適合工法
1
はじめに
本工法は、アクリル系樹脂接着剤デンカハードロックⅡをガラスクロスに塗布含浸することにより透明度
の高いFRPを覆工表面に形成でき、施工後も覆工表面の既存ひび割れの進展状況や、新たなひび割れの
発生等を目視観察することができる新しい剥落防止工です。日々の点検作業の中で、実施した対策工の効
果を継続して確認し、追加対策工の必要性を判断することが可能となります。NEXCO トンネル施工管理要
領に適合した工法です。
大きな土圧は作用していないが材料劣化等
によりひび割れの発生したトンネル
覆工表面の観察ができない!
従来の剥落防止工
ひび割れの発生により
剥落の危険性がある箇所
新剥落対策工
施 工後も 覆 工表 面の ひび
割れ等の観察が可能!
2
特
長
① 可視性
●従来の当て板工に無い透明性が確保されます。
●長期間にわたる可視性の持続が期待できます。
② 工期短縮性
●アクリル系接着剤デンカハードロックⅡは速硬化性、低温硬化性で、寒冷地、時間制限のある工事で
工期の短縮が期待できます。
③ 力学特性
●剥落防止抵抗性、付着強さに優れます。
④ 安全衛生
●耐火性に優れ、燃焼時に有毒なガスが発生しません
●接着剤のデンカハードロックⅡは皮膚刺激性が低く、環境ホルモン物質を含有しておりません。
⑤ 経済性
●ガラスクロスは従来の当て板工で使用されている炭素繊維・アラミド繊維に比べ経済的です。
3
仕
様
本工法の構造は一般的な繊維シート接着工法と同様であり、特殊な施工手順、機械を必要としません。
【基本構造】
①下地処理工(ディスクサンダー掛け)
トンネル覆工
②プライマー工
NAV レジン1
③段差修正工 NAV レジン2+AS380
④下塗り工
NAV レジン2
⑤補強シート
⑥上塗り工
NAV-G シート
NAV レジン1
【標準仕様】
工程
①
②
下地処理工※1
プライマー
塗布工
③
段差修正工
(必要に応じて)
④
下塗り工
⑤
シート
貼り付け工
⑥
上塗り工
※1
材料
標準使用量
施工間隔
施工方法
2
(混合は重量比で記載)
[kg/m ]
(20℃)
(コンクリート表面の洗浄、乾燥、研磨、段差/欠損部処理、止水・導水処理)
NAV レジン1 A 剤/B 剤
0.2
ローラー
10 分~30 日
A:B 混合比=1:1
NAV レジン 2 A 剤/B 剤
A:B 混合比=1:1
~1.0kg/㎡
+増粘材 AS380
コテ
1時間~30 日
(必要量)
NAV レジン 2:AS380 混合比
=100:2※2
NAV レジン 2 A 剤/B 剤
0.4
ローラー
0~30 分
A:B 混合比=1:1
NAV-G シート 200g/㎡
1層
脱泡ローラー
直ちに
(1 ㎡/㎡)
NAV レジン 1 A 剤/B 剤
ローラー
0.2
-
A:B 混合比=1:1
ゴムゴテ
既設コンクリートに著しい変状、漏水等を伴う場合は予め下地処理をして下さい。また、断面修復に用いる
補修材料はデンカRISシリーズを使用して下さい。なお、詳細については事前にご相談ください。
※2
作業の状況によっては AS380 の添加量を微調整して下さい
4
荷
姿
●NAV レジン1 :5kg、30kg セット
●NAV レジン2 :5kg、30kg セット
●NAV-G シート:厚さ 0.25mm×幅 100cm×100m
●AS380
:5kg セット
NAV-G シート
2軸織りメッシュシートでのガラスクロスです。下地コンクリートへの追従性に優れ、施工性に
優れております。
NAV-Gシート
5
性
シート拡大状況
能
【可視性】
意図的にひび割れを発生させたコンクリート平板上の可視性を確認しました。
施工前
施工直後
施工後 5 日
【試験結果】
項目
規定値
No
測定値
最大荷重時 0.7kN時の
1.1kN時の
0.8kN時の変位
最大荷重
の変位
変位
変位
(mm)
(kN)
(mm)
(mm)
(mm)
判定
1
2.84
5.2
1.24
1.29
2.1
合格
2
4.28
10.8
0.13
0.16
0.22
合格
3
3.68
6.5
0.45
0.47
2.13
合格
状態
規定値
No1
No2
No3
判定
付着強さ(N/mm )平均値
湿潤
1.5N/ mm2
4.4
5.2
4.7
合格
付着強さ(N/mm2)平均値
温冷繰返
1.5N/ mm2
3.7
5.0
3.8
合格
項目
延焼時間
延焼時間
消炎時間
左右
上端
判定
No
(分)
(分)
(mm)
(mm)
1
10
0
350
480
合格
2
10
0
320
450
合格
変 位 が
押し抜き試験
50mm以下
項目
2
規定値
消炎時間:30秒以内
延焼性
自己消火性
延焼範囲:上端方向に
600mm以下
延焼範囲
項目
規定値
A
B
判定
発生ガスの
安全性
建築基準法に定める防火材料の性能
要求基準のうち「避難上有害な煙又
はガスを発生しないこと」を満たす
(マウスの平均行動停止時間Xsで判定
6.8分以上で合格)
8.4
7.8
合格
NEXCO トンネル施工管理要領 基準試験項目
試験方法: トンネルはく落防止用繊維シート接着工の押し抜き試験方法 734
トンネルはく落防止用繊維シート接着工の湿潤接着強さ試験方法 735
トンネルはく落防止用繊維シート接着工の温冷繰り返し接着強さ試験方法 736
トンネル補修材料の延焼性試験方法 738
本工法は (独)土木研究所、鹿島建設㈱との共同開発です。
特願:2005-167751 号
電気化学工業株式会社 本社
〒103-8338 東京都中央区日本橋室町 2-1-1 特殊混和材部 電話 03-5290-5363
警 告
● ハ ー ドロ ックⅡ は 消 防 法 の 危 険 物 に相 当 し ま す の で 作 業場 は 火 気 厳 禁 と し てくださ い。
● 一 度 に多 量 の 接 着 剤 を 硬 化 さ せ る と 激し い発 熱 が 生 じ ま す の で注 意 し てくださ い。
● 皮 膚 や 衣 服 に付 着 す る と か ぶ れ る 恐 れ が あります の で 早 め に石 鹸 で 洗 ってくださ い。 万 一 か ぶ れ た
場 合 は 医 師 の 手 当 てを 受 けて くださ い。
● 作 業 場 所 は 換 気 を 良 くし 、保 護 眼 鏡 、 保 護 手 袋 、 必 要 に応 じ て 有 機 ガス用 マ スクな ど の 保護 具 を 着
用 し て くださ い。
● 目 に入 れ たり、飲 ん だりは 絶 対 にし な いで くださ い。 誤 って目 に入 った場 合、 15分 以 上 流 水 で 洗 浄 し 、
医 師 の 手 当 てを 受 けて くださ い。ま た、誤 飲 し た場 合 、 吐 か せ て医 師 の 手 当 て を 受 けてくださ い。
● 湿 気 や 金 属 と の 接 触 を 避 け、 密 栓 の 上冷 暗 所 に保 存 し て くださ い。
● 廃 棄 す る 場 合 は 、 A/B剤 を 少 量 づ つ 混 合 し 硬 化 さ せ て か ら捨 て てくださ い。 また混 合 し 、 硬 化 し た(硬
化 中 )の 樹 脂 は 廃 棄 す る ま で水 の 中 に浸 漬 さ せ て くださ い。
● 接 着 剤 が 付 着 し た可 燃 物 (ウェス、 段 ボ ー ル 、 養 生 シー ト等 )、 注 入 用 器 具 も廃 棄 す る まで 水 に浸 漬
さ せ て 下さ い。
● 本 製 品 の 硬 化 物 を デ ィ スク サ ン ダー 等 で研 磨 し た場 合 、 研 磨 し た粉 末 を 集 め たま ま 放 置 する と 自 然
発 火 す る おそれ が あります 。 積 もった研 磨 粉 は 、 掃 除 機 は使 用 せ ず に、 ほ うき等 で集 め た上 、廃 棄 す る
まで 十 分 な水 に浸 けておき、 早 め に専 門 の 廃 棄 物 処 理 業 者 に処 理 を 委 託 し て 下 さ い。
自 然発火 の注意
・ デ ィ スク サ ンダー 等 による研 磨粉 は 掃 除 機は 使 用 せず ほ う
き等 で集 め て十 分な 水 に漬 けて廃 棄 してください。
・ 樹脂 の 付 着 したウェス 、ダンボー ル 、 ロー ラ ー 、 刷 毛等 は
十 分な 水 に浸 漬させ て廃 棄 して 下さい。
・硬 化 時 に発 熱を伴 いま す 。
◇ デ ー タ等記 載 内 容についての ご注 意 ◇
■本 書記 載の データ 等 記載 内容 は 、代 表的 な実験 値 や調 査に基 づくもの で、その 記
載内 容につ い てい か なる 保 障を なすものでは あり ませ ん。
■ご使 用に際し ては 、必 ず貴社 にて自 薦にテストを 行い 、使 用目 的に適合 する か どう
かお よ び安 全性 につ い て貴 社の 責 任にお い て ご確認 くださ い 。
■本 書記 載の 当 社製 品お よ びこれ らを 使用 した製品 を 廃 棄する 場 合 は、 法令 に従っ
て廃棄 し てくださ い 。
■ご使 用になる 前 に、詳 しい 使 用方 法や 注意 事 項等 を 技 術資 料・ 製 品安 全 データ
シートで確 認 して ください 。これ らの資 料は 、弊 社の 営 業担 当部 門で ご用意 し てお り
ますので 、お 申し つ け くださ い 。
■本 書の 記載 内 容は 、新 しい 知 見によ り断 り なく変更 する 場 合が あり ますの で、ご 了
承くださ い 。