『第 24 回 防災コミュニティ研究会』報告書 講師 一般社団法人 - i

『第 24 回 防災コミュニティ研究会』報告書
講師 一般社団法人マンションライフ継続支援協会(MALCA) 専務理事
飯田太郎様
日時 2015 年 6 月 18 日(木) 18:00~20:00
場所 千代田プラットホームスクエア 5F
今回は一般社団法人マンションライフ継続支援協会(MALCA)専務理事の飯田太郎様をお招きし、
「マンシ
ョンの地区防災計画の進め方」というテーマで講演をしていただきました。地区防災計画とは、平成 26
年 4 月 1 日に地域コミュニティでの防災活動推進の観点から創設された制度。商店街や小学校区、マン
ションなど、市町村よりも小さな地区の居住者及び事業者が行う自発的な防災活動に関する制度です。
まずは、地区防災計画制度の解説と MALCA の取り組みについて。
地区防災計画制度の概要と創設の背景についての説明の後、実践的な話として平成 26 年度に内閣府から
15 のモデル事業に指定され、MALCA が手掛けた「神奈川県横須賀市よこすか海辺ニュータウンソフィア
ステイシア自主防災会」の地区防災計画策定についての話や、MALCA として平成 27 年度に取り組むふた
つの指定モデル事業についての解説をされました。
次に、マンションの地区防災計画の作成を急ぐ必要性についての話題。
2つの大地震「南海トラフ巨大地震」と「首都直下地震」は、どちらも発生確率 30 年間に 70%という予
想や、それぞれの被害予想額(
「南海トラフ巨大地震」が 240 兆円=GDPの 5 割、「首都直下地震」が
95 兆円=国の一般会計当初予算と同じ)などのデータ、想定には含まれていない「東京湾コンビナート
炎上」や「ラッシュアワーの地下鉄」の被災予想など、想像を超える事態をイメージすることの重要性、
またそれら災害への対応力(消防や救急)の限界についての話がありました。
それらをふまえた上で災害対策を考える必要があること、中でもマンションは建物の安全性から、社会
資本として行政等による公助を補完する役割もあるという考え方を紹介。地区防災計画制度を活用して、
マンションの防災計画をベースに、地域のことも考えていく可能性について、説明されました。
最後は、防災に取り組む姿勢の話でした。
日本列島に暮らす私たちの課題は<災害との共生>であり、過度に深刻にならず余裕をもって防災に取
り組む姿勢の大切さ、江戸の人々のゆとりとユーモアに学び、防災を文化にしたいという話で締めくく
られました。
その後のグループワークでは、参加者が「築25年、15階建て、100戸のマンションの防災委員」
だと仮定して、マンションの地区防災計画を作成する作業を行い、活発な議論が交わされました。
最後に i-tec24 から、次回の研究会「地震発生!エレベーターは?」
(弊社佐藤が講師)の案内をさせて
いただき、閉会させていただきました。