原子力安全専門部会の審議結果の報告内容 <伊方発電所3号機の新規制基準への適合性審査> 1 審議の経過 原子力安全専門部会では、平成 25 年7月以降、計 15 回の専門部会開催 3回の現地調査実施 ○現地調査確認事項 ・ハード面の安全工事の確認 ・ソフト面では、訓練の実施状況を確認 マニュアルの作成のみならず、それが確実に実施されるためには訓 練が不可欠 7月 15 日に、原子力規制委員会が伊方3号機の原子炉設置変更許可を行っ た以降、実際に審査を担当した審査官から直接審査結果及びその判断根拠等の 説明を受けた。 2 国に確認すべき事項(国の回答に対する原子力安全専門部会意見) ・常に安全に対して取り組む意識・行動を継続するといった安全文化醸成をはじ めとした安全性向上に資する取組の促進を図ることが重要であること。 ・原子力規制委員会、事業者のみならず、県関係者、我々専門部会委員も、この 安全文化醸成を担う一員として、行動、議論を深めることが必要であること。 ・科学技術を社会的に利用する上では、そのリスクに関し社会的合意が図られる よう、リスクコミュニケーションの推進が重要であることから、国として取組 を進める必要があること。 3 安全性の審議結果 (1)耐震性能 基準地震動 650 ガル 基準地震動については、最新の科学的・技術的知見を踏まえ、不確かさも考 慮して、地震工学的見地から適切に策定されていると判断した。 (2)耐津波性能 3号機敷地前面の最大津波の高さは 8.7 メートルとされており、敷地の高さ は 10 メートルであり、安全性に影響を及ぼさないことを確認している。 また、仮に津波が敷地高さを超えても水密扉の設置による浸水対策や重大事 故等対処設備により、原子炉を安全に停止できる対策を確認している。 (3)その他 専門部会では、火山、竜巻、外部火災、電源、シビアアクシデント対策を重 点的に確認しており、いずれも妥当と判断している。 4 まとめ 伊方発電所3号機について、 運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保さ れていることを確認したとする原子力規制委員会の新規制基準適合性審査の結 果は妥当なものであると判断する。 ○安全文化醸成とリスクコミュニケーション 専門部会は、伊方発電所の安全対策を確認することが役割と認識しているが、 「安全文化醸成」と「リスクコミュニケーションといった取組」は、直接的に 伊方発電所の安全対策に関わるものではないものの、重要な点と考えている。 したがって、 『県においては、国において社会的合意を得るためのこうした取 組が進められるよう求めていくことを望む』という、専門部会の要望を付言し ている。 <伊方3号機の更なる揺れ対策に係る取組み> 安全上重要な機能を有する 195 設備について、概ね 1,000 ガルの揺れに対する 耐震性が確保されることを確認したものであり、四国電力の評価手法及び評価結 果は妥当であることを確認した。 当専門部会としては、こうした取組みを審議することは、ひとつの見方だけで なく異なる角度から確認し、多方向から安全性を議論する観点であることから、 非常に有効なものであると考えている。 なお、四国電力の耐震性向上工事はまだ完了していないことから、工事完了次 第、専門部会として現地確認をする予定である。
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