問い合わせ先 第八管区海上保安本部 電話 広報地域連携室 左近 実 ・ 寺井 雄 0773−76−4100 (内線 2111・2117) 平成28年3月24日 第八管区海上保安本部 シーズン間近!プレジャーボート事故に注意!! ∼ ミニボート事故、八管区は全国最多 ∼ ◇過去5年間に発生した船舶事故のうち、プレジャーボートの占める割合 は八管区が最高 。また ミニボートの事故隻数も全国最多。 ◇マリンレジャー活動が活発になる時期を迎え、例年プレジャーボート事故 が増加。特に、冬場等あまり使用していなかったボートを久しぶりに動か すような場合には、 機関故障やバッテリー上がりなどに注意が必要 。 ◇プレジャーボートを安全に楽しむために、 シーズン前整備と発航前点検 等の確実な実施 を!! 1 プレジャーボート事故の傾向 (1)八管区内において過去5年(平成23∼27年)に発生した船舶事故を 船種別に見ると、全体の8割以上が小型船舶の事故であり、特にプレジャ ーボートの事故については全体の5割以上を占め、全管区の中でも八管区 が一番高い割合となっています。 また、ミニボートの事故隻数は、全国最多となっています。 ミニボート事故隻数(全管区 過去5年) 60 49 48 50 40 35 28 30 21 20 12 26 21 18 14 9 10 0 一管 二管 三管 四管 五管 六管 七管 八管 九管 十管 十一管 船種別事故隻数(全管区 過去5年) 2500 2036 1917 2000 1469 1500 1276 1000 648 613 765 721 680 473 500 908 783 0 153 138 一管 二管 638 731 399 341 三管 四管 五管 プレジャーボート 436 207 六管 七管 八管 九管 漁船 遊漁船 その他 340 十管 153 十一管 船種別事故隻数比率(全管区 過去5年) 100% 8% 90% 21% 29% 29% 25% 28% 30% 26% 5% 80% 6% 70% 3% 4% 15% 60% 50% 3% 22% 2% 20% 2% 4% 17% 17% 3% 2% 25% 6% 32% 36% 37% 21% 34% 50% 34% 44% 40% 30% 53% 50% 50% 20% 10% 55% 47% 44% 44% 36% 24% 23% 一管 二管 35% 0% 三管 四管 五管 プレジャーボート 六管 漁船 七管 遊漁船 八管 その他 九管 十管 十一管 (2)八管区内における過去5年(平成23∼27年)のプレジャーボートの 事故隻数を月別に見ると、春から秋にかけて事故が多く発生しています。 5月は4月と比べると約3倍となるなど、GW期間を始め、特に5月以 降に大きく増加する傾向があります。 プレジャーボート事故隻数(八管区 過去5年) 120 101 100 90 88 84 80 67 50 60 40 20 49 3 1月 48 29 63 20 0 49 18 60 46 77 46 25 11 11 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 プレジャーボート 漁船 遊漁船 38 31 16 9月 10月 11月 12月 その他 (3)八管区内における過去5年(平成23∼27年)のプレジャーボートの 事故原因を見ると、準備の不足によるもの(点検整備の不足、気象や海域 等の情報収集不足)が5割以上を占めています。また、ミニボートについ て見ると、その割合は約7割に上ります。 プレジャーボート事故の原因(八管区 過去5年) 不可抗力等, 70隻, 18% 運航上の不注意にかかるもの, 117隻, 29% ミニボート事故の原因(八管区 点検整備にかかるもの, 141隻, 35% 情報収集にかかるもの, 71隻, 18% 過去5年) 不可抗力等, 5隻, 10% 点検整備にかかるもの, 15隻, 31% 運航上の不注意にかかるもの, 11隻, 22% 情報収集にかかるもの, 18隻, 37% (4)プレジャーボート事故の種類を見ると、「機関故障」「運航阻害(バッテ リー過放電、燃料欠乏、無人漂流等)」「乗揚」の順で割合が高くなってい ます。 プレジャーボートの事故種類(八管区 過去5年) その他, 32隻, 8% 転覆, 19隻, 5% 機関故障, 96隻, 24% 安全阻害, 30隻, 7% 推進器障害, 33隻, 8% 運航阻害, 63隻, 16% 浸水, 34隻, 9% 衝突, 45隻, 11% 乗揚, 47隻, 12% (5)プレジャーボートの機関故障について故障箇所を見ると、電気系、燃料 系、冷却水系が全体の約8割を占めています。 また、運航阻害のうち、バッテリー過放電では、シーズン始めや運航前 に十分に充電せずに出港したケースのほか、バッテリーの寿命を超えて使 用していたケースもありました。 無人漂流では、係留中のボートが係留の不備のほか、係留索の切断によ り流出する事故も多く発生しています。 プレジャーボートの機関故障箇所(過去5年) その他, 2隻, 3% その他, 10隻, 11% 空気系, 3隻, 3% プレジャーボートの運航阻害内訳 (過去5年) 電気系, 27隻, 28% 燃料欠乏, 8隻, 13% 軸系, 7隻, 7% 冷却水系, 22隻, 23% 燃料系, 27隻, 28% バッテリー過 放電, 16隻, 25% 無人漂流, 37隻, 59% 2 事故防止のために特に注意すべき事項 マリンレジャーシーズンを迎え、安全に、安心してプレジャーボートで海 を楽しむために、特に次の事項に注意してください。 (1)事前の点検整備(普段の定期点検、通常整備) ・バッテリーの充電、定期交換 ・冷却水ポンプのインペラなど部品の点検、定期交換 ・冷却水や燃料経路の詰まりや漏れなどの点検 等 (2)発航前点検(出港前の点検) ・エンジン始動前の船体や機関の点検 ・エンジンのオイル漏れや冷却水の循環状況の確認 等 (3)その他 ① 出港前準備・海上における情報収集 例年5月頃までは天候の安定しない日も多く、気象が急変するこ とがあるので、出港前はもとより、海上においてもこまめに気象情報 を収集する。(MICSの活用) ② 活動海域の事前確認 事前に航行予定海域の定置網の設置状況や工事作業の有無などの 情報を収集する。(MICSの活用) ③ 自己救命策の確保 衝突や乗揚を防止するため、船上における見張りを徹底するとと もに、万一に備えて、ライフジャケットを着用するなど自己救命策を 確保する。 ④ 入港後の点検整備 入港後は、エンジン冷却水経路や船体の真水洗いや防錆処置など、 次回の運航に備えた整備を行うとともに、係留索の点検を実施して 係留状況を確認するなど、船体の流出に注意する。
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