習慣的飲酒が発症要因と考えられた胃食道逆流症によるびまん性嚥下

―症例報告―
習慣的飲酒が発症要因と考えられた胃食道逆流症によるびまん性嚥下
性細気管支炎の 1 例
著者名:梅谷俊介,佐藤竜一,竹中和弘,奥野恵子,中村美保,船田
泰弘
所属:愛仁会高槻病院
呼吸器内科
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要旨
症 例 は 47 歳 ,男 性 .慢 性 咳 嗽 と 胸 部 異 常 陰 影 の た め 紹 介 受 診 と な り ,
胸 部 CT に て び ま ん 性 小 葉 中 心 性 粒 状 影 を 認 め た . 気 管 支 鏡 検 査 で は
特異的な所見は得られず経過観察していたが,半年後に陰影の増悪を
認めた.胸腔鏡下肺生検を施行し,病理所見で細気管支を中心に多彩
な異物型肉芽腫を認め,びまん性嚥下性細気管支炎と診断した.詳細
に問診したところ,就寝前に飲酒し、夜間の嘔吐を繰り返していたこ
とが分かった.また,上部消化管内視鏡検査で食道裂孔ヘルニアを認
め た .断 酒 に よ っ て 夜 間 の 嘔 吐 は 著 明 に 減 少 し ,画 像 所 見 も 改 善 し た .
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キーワード
びまん性嚥下性細気管支炎,胃食道逆流症,食道裂孔ヘルニア,うつ
病,飲酒
Diffuse aspiration bronchiolitis, Gastroesophageal reflux disease,
Esophageal hiatal hernia, Depressive disorder, Alcohol drinking
短縮タイトル
胃食道逆流症によるびまん性嚥下性細気管支炎の 1 例
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