平成28年3月議会 一般質問原稿 成川正幸 どなた様もご苦労様です

平成28年3月議会
一般質問原稿
成川正幸
どなた様もご苦労様です。
発言通告に従いまして、3項目の質問をさせていただきます。
先ずは「オープンデータ推進について」です。
今年1月にオープンデータの先進地である鯖江市を視察し、また2月に南砺
市で開催された「コード・フォー南砺」主催の「カフェ・フォー南砺」という
イベントに参加してオープンデータの素晴らしさを実感してきました。
先ずその「オープンデータとは何か」ですが、
「誰もが自由に利用でき、再利
用や再配布が許可されているデータ」のことであり、市が保有する公共情報を
二次的利用のしやすいデータ形式にして営利目的、非営利目的問わず利用でき
るようにするということです。
これは総務省が「電子行政オープンデータ戦略」として進めている施策で、
富山県でも砺波市や南砺市などいくつかの自治体が進めており先日、富山市も
28年度にオープンデータ運用開始を目指すと新聞報道されたところです。
もっと分かりやすく言うと、自治体が保有するデータは市民の税金で作られ
たものであり、そのデータを自治体で抱え込まないで、データを開示し自由に
使えるようにするのがオープンデータです。
データで何が出来るのか、何をするのかは自治体から民間の知恵に預けます。
コンピュータの世界では開発して5年経てば古くて使いづらくなると言われ
ています。そういうものを自治体が公金で行うのにはリスクが大きいといえな
いでしょうか。だから自治体が全てやるのではなく、民間にゆだねる。つまり、
公開したデータで民間の方にアプリなど開発をしてもらおうという取り組みで
す。そういったアプリ開発などをする団体が、南砺市や氷見市、高岡市、富山
市など県内でも立ち上がり、「ハッカソン」「アイデアソン」や「マッピングパ
ーティーとやま」などみんなで楽しく関われるイベントを開催したりアプリ開
発をしたりしています。オープンデータを使って市民自らが住みやすくなるよ
うに工夫しながらアプリを作っていくのです。
他市で現在関わっている方々に聞くと、
「みんなで作れる」
「みんなで直せる」
「データを入れるのが大変だが、一人ではなく、みんなでわいわい言いながら
作るので楽しい」「色んな声、色んな知恵が入る」「1人1人によってまちの未
来が作れる」「必ず何かが生まれる。出来る」という意見でした。
私は、まちを作っていくのは民間・市民のチカラであって欲しいし、そして
それを後押しするのが行政であると思っています。
加えて、人口減少で UIJ ターンの若者がオープンデータを使って事業を興す。
そういう事になればもっともっと面白くなると思うし、新しい産業が生まれ、
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地域が活性化するのではないかと考えます。
昨今、地域連携、官民協働、官民連携、共助互助など地域と行政の関わりが
今まで以上に求められています。
そこで質問です。
オープンデータ推進こそ協働のまちづくりにふさわしいという考え方から、
黒部市としてもオープンデータを推進していただきたいと考えます。
オープンデータ推進についての見解を、総務企画部長に伺います。
次に図書館のあり方についてです。
黒部市では昨年 10 月に公共施設の再編に関する基本計画が策定され、黒部
市図書館は「耐震補強や大規模改修など長寿命化に取り組み、建物性能を確保
しながら、機能を強化。ただし、老朽化が著しく、長寿命化が困難な場合や費
用比較等で優位な場合に限り建て替え・複合化により機能集約、連携体制の強
化を図る」短期の取組として位置付けられました。
また、市長は 12 月議会の提案理由説明の中で「旧庁舎跡地に図書館をコアと
した複合施設の建設を目指す」として複合する施設に関しては今後検討してい
くと発言されました。
一方、図書館の話題として全国では神奈川県鎌倉市の図書館の公式アカウン
トから、司書のひとりがツイートした言葉に共感が広がり、賛同を示すリツイ
ートの嵐が吹き荒れたこと。
ツタヤを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が佐賀県の
武雄市図書館の指定管理者となり、年中無休、カフェ併設など民間ノウハウの
導入で来館者が増え注目を浴びましたが、選書で問題が発覚し、ツタヤの在庫
処分では、との疑惑が浮上。
「ツタヤ図書館」の 2 例目となる神奈川県海老名市の市立中央図書館がリニ
ューアルオープンしたが、共同運営する図書館流通センターが一時、ツタヤを
運営する CCC に関係解消を申し入れるなど揺れ動いた。
また、CCC との連携で新図書館建設の計画があった愛知県小牧市では、住民
投票の結果いったん白紙になるなど、
どんな図書館が自分たちの町に合っているのか。そしてどんなものが必要な
のかが全国各地で議論されているのです。
私は黒部市でも、よりよい図書館を作るためにはハード面だけでなくソフト
面にも目を向けていただきたいと願ってやみません。
そこで現在の図書館、今後目指している図書館像はどういったものなのか質
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問いたします。
1点目。
評価の高い図書館ほど,レファレンス、いわゆる(調べもの相談)デスクと
担当職員の配置を進めるなどのサービスに力を入れています。現在の司書の配
置人数は何人ですか。また今後、増員は考えていますか。
2点目。
未来の黒部市を担う子どもたちが故郷を知る場所としても図書館があります。
図書館に行ってもらうためには、日ごろから本にふれる事が重要になってき
ます。そういった観点からも図書館と学校図書館との連携が有効だと考えます。
県外の取り組みですが、学校それぞれに司書を配置するのではなく、図書館
から派遣しているところがあります。派遣するだけでなく資料の提供、研修な
ども行っています。1 人仕事だと誰にも相談出来ないことが想定されますが、こ
うしたスタイルで行うことによりヨコのつながりもでき、お互いに高め合い、
支え合う良好な関係になります。
日ごろから子ども達と接している学校司書が図書館を拠点にすることで図書
館と学校の連携が活発になるのではと考えますがどうですか。
3点目。
全国的にも商工会議所の図書館や中小企業の資料室が閉鎖・縮小される傾向
にあり,中小企業や個人事業者、さらにはビジネスのスキルアップや起業を考
えている人がビジネス情報を入手しにくくなっているため,図書館にビジネス
情報の提供が求められています。 だからこそ、これからの図書館はビジネス
支援、さらには医療健康情報サービスなどの課題解決型のサービスなどに対す
る要望にも応えて行く必要があり、専門書などの選定など今後、企業や各種団
体との情報交換が必要であると考えます。今後、そのような連携などの考えは
ないですか。
4点目。
地域としっかり寄り添った図書館、学校・保育所ともタッグを組んで読書普
及に取り組む図書館。そうなって欲しいと思いますが簡単にはいかないと思っ
ています。かなりの時間と労力が必要であり、短期で考えるのではなく長期で
考える必要があると考えます。そういった事から図書館は今、全国で増えつつ
ある指定管理ではなく直営で行うべきだと思いますが、現時点での市の考えは
どうですか。
5点目。
現在、黒部と宇奈月の2館があります。2館を1館に集約するという考え方
もありますが、子ども図書館を別に整備した滑川市など、役割分担的な導入も
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あるのではないかと考えます。
図書館から自宅が2キロ以上離れると利用は激減するということ。また、宇
奈月館近辺には書店もないため、宇奈月館がなくなると、この辺の市民が図書
や雑誌に触れることができなくなるという1館集約にはデメリットがあります。
これは市民の読書環境的には非常に危機的だと考えます。そういった観点から、
たくさんの新しい本は黒部、子ども連れや郷土資料は宇奈月など、双方の良さ
を最大限生かしていけるような図書館づくりも良いのではないかと考えますが、
どうですか。
6点目。
今まで行政視察で伺い印象に残った図書館が2つあります。
佐賀県の伊万里市民図書館と東京都の武蔵野プレイスです。
どちらも多くの市民・団体が関わっている図書館で、年代問わず沢山の人で
賑わっています。私も黒部市の図書館は、こうであったら良いなと思っていま
す。
そこで建設するに時には、市役所内部の検討だけでなく、市民の関心も高め、
ともに作っていくなど住民と積極的に話し合っていただきたいと思いますが、
市としてどんな図書館像を描いていますか。
以上、6点を教育部長に伺います。
次にインバウンド観光についてです。
先日、富山県観光未来創造塾のOB会に参加し、県内の観光に携わっておら
れる方々と北陸新幹線開業後の動向と今後の対策などの情報交換をしてきまし
た。
そこでインバウンド観光の重要性をあらためて思ったのであります。
そんな折、京都で人気の通訳ガイドにお話を伺う機会がありました。京都に
来る外国人旅行者はひとくくりにするのではなく国によって目的が違うし、感
じる事も違うという事を教えていただきました。
例えば、アメリカやヨーロッパからの旅行者の目的は、
「深く日本を知りたい」
「わびさびを知りたい」「日本庭園を見たい」「アート・芸術を体感したい」で
あり、不満なのは「夜にすることがない」
「思ったよりわびさびが無かった」な
ど。
オーストラリア・ニュージーランドからの旅行者は、
「とにかくカラダを動
かしたい」
「サイクリングをしたい」などであり、不満なのは「お寺ばかりで退
屈」。
アジアからの観光客は「レンタル着物を着てみたい」「自撮りや SNS で発
信したい」なのだそうで、不満なのは「お寺ばかりで退屈」だという事です。
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また全ての人共通目的は、「ツーリスティな場所を避けたい」「京都ならで
はの体験をしたい」だそうで、不満なのは「ツーリスティのお店ばかりでつま
らない」「人情味の無いおもてなし」「観光客多すぎ」などだそうです。
また、観光庁や様々な調査会社も違いを分析しており、同じように国によ
って好き嫌いがあり、求めるニーズとアピールする内容にミスマッチがあると、
その場所には訪れないと伝えています。
黒部市でもトロッコ電車や温泉、キャニオニングなどのアウトドア、松桜閣、
生地など国によって好き嫌いの度合いが違っているのではと考えます。
そういった事から自分たちの商品やサービスが、どこの国に受けが良さそう
なのか見極めてターゲティングしていくことが大切だと考えます。
そこで3点質問します。
1点目。
黒部市のインバウンド観光の現状はどうなってますか。
2点目。
国別の施策の考えはありますか。
また今後インバウンド観光誘致をしていくために、重要だと考えますがどう
ですか。
3点目。
黒部市内だけで観光客を囲い込もうとするのに限界があり、自治体を超える
連携の必要性を強く感じます。インバウンド施策について先ずは観光圏など地
域連携をしている枠組みで真剣に話し合う必要があると感じますがどうですか。
以上3点を産業経済部長に伺います。
私の質問は以上です。
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