特 集 Ⅱ PART 01 情報通信月間行事報告 各地で開催された月間行事 情報通信月間(5月15日~ 6月15日)は、情報通信制度の改革を機に、情報通信の普及・振興を 図ることを目的として、昭和60年に設けられ、今回で31回目を迎えます。 今年は、 「スマート・ジャパン、拡げよう可能性、創ろう未来」 をテーマに全国各地で様々な行事が 開催されており、東北地方では、13件の行事が実施されました。ここではその一部をご紹介します。 ICTで創る新しい東北 ICT 推進フェア 2015 in 東北 東北情報通信懇談会は、放送事業者、ICT関係研究機関や関連企業などが、ICT の利活用による活 気ある東北のまちづくりと復興の着実な推進をテーマに、関連セミナーと関係ソリューションの展示及 びデモンストレーションの実施を東北総合通信局等の共催により、 「ICT 推進フェア 2015in 東北」を 6 月 17 日(水)及び 18 日(木)の 2 日間、仙台市(せんだいメディアテーク)で開催しました。 フェアの概要を報告します。 (講演等の概要は、http://www.mercato.gr.jp でご覧いただけます。 ) 基調講演 シンポジウム ICT利活用による被災者生活支援 地域のポテンシャルを高めるICTの利活用 ①MMWINシステムを活用した地域医療連携の新しい形 早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科 教授 気仙沼市立病院 脳神経外科 科長 三友 仁志 氏 成田 徳雄 氏 講演 放送の新展開と地域活性化への活用 ①放送サービスの高度化に向けて ②石巻市被災者自立支援システムの構築 宮城県石巻市 副市長 笹野 健 氏 日本放送協会 技術局計画部専任部長 今泉 浩幸 氏 ③タブレット活用による浪江町のきずな再 生・強化への挑戦 ②ラジオの強靭化に向けた地域連携モデル 福島県浪江町 復興推進課 主幹 小島 哲 氏 株式会社エフエム岩手 代表取締役社長 村田 憲正 氏 トークセッション 進行役 総務省 地域情報化アドバイザー ③スマートテレビ機能を活用した地域活性化の実証 酒井 紀之 氏 株式会社テレビユー福島 執行役員・経営企画室担当室長 辺見 俊彦 氏 講演 新たな街づくりにおける電波利用環境 LED照明・太陽光発電システム等からの不要輻射に関する 株式会社メディアキャスト 代表取締役 杉本 孝浩 氏 国際規格等の動向 首都大学東京 大学院理工学研究科 教授 多氣 昌生 氏 ディスカッション 放送の新展開の方向性 日本放送協会 技術局計画部専任部長 今泉 浩幸 氏 基調講演 オープンデータの利活用による地方創生 株式会社エフエム岩手 代表取締役社長 筑波大学 システム情報系社会工学域 村田 憲正 氏 教授 川島 宏一 氏 株式会社テレビユー福島 執行役員・技師長 名和 主税 氏 報告 住民への災害情報伝達の多様化に向けて ①「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシ ステムの技術的条件に関する調査検討会」の報告 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授 村田 嘉利 氏 3 ● Mercato 91 パネルディスカッション 地方創生と ICT ~ ICT の利活用による地域の活性化~ 〔パネリスト〕 総務省情報流通行政局 地域通信振興課 地域情報通信振興支援官 片桐 広逸 氏 長野県塩尻市 企画政策部情報政策課 サービスを体感できました。 課長 金子 春雄 氏 [日本放送協会、次世代放送推進フォーラム] 秋田県秋田市企画財政部情報統計課 ◆ ICT による安心安全な暮らしコーナー ICT 推進担当課長 畠中 良一 氏 ICT による災害に強い街づくりブース ・L アラートとスマートフォンアプリを連携 〔コーディネーター〕 総務省地域情報化アドバイザー 葛西 純 氏 特別講演 「イノベーションとは顧客の期待を超えること~ユーザー起 点によるイノベーションの興し方~」 株式会社野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 上席コンサルタント 北 俊一 氏 発表・報告「ICT 分野のイノベーション創出に向けた 研究開発の促進」 [戦 略的情報通信研究開発推進事業 (SCOPE) 地域 ICT 振興 型成果発表会] ・電波マーカを利用した悪天候時運転支援システムの研究開発 秋田県立大学 システム科学技術学部 教授 御室 哲志 氏 ・オープンソースハードウェアとセンサーネットワークによる 除雪支援システムの研究開発 会津大学 コンピュータ理工学部 上級准教授 齋藤 寛 氏 [SCOPE 成果事例報告] ・音声主導型看護医療システムと実用化製品開発について 秋田県産業技術センター電子光応用開発部 電子通信グループ主任研究員 佐々木 信也 氏 [I-Challenge !(イノベーション創出チャレンジプログラム) ] ・大規模・高速指紋認証技術「Liquid」〜ベンチャー企業と 事業化支援機関の取り組みについて〜 株式会社 Liquid 代表取締役 久田 康弘 氏 ・I-Challenge !の募集 総務省 情報通信 国際戦略局技術政策課調査係長 荒金 真史 氏 展示ブース ◆次 世代放送サービス「8K スーパー ハイビジョンを体感!」コーナー 東京オリンピック・パラリンピックが開 催される 2020 年の本格普及を目指す 8K スーパーハイビジョ させた避難誘導システム [株式会社 NTT ドコモ、株式会社協和エクシオ ] ・災害に強い情報通信技術の研究開発成果 (耐災害ワイヤレスメッシュネットワー ク、対災害 SNS 情報分析システム、災 害時に有効な衛星通信ネットワーク、大 規模災害時に通信の即時回復可能にする 移動式 ICT ユニットなど) [国立研究開発法人情報通信研究機構耐災害 ICT 研究セン ター、 東北大学電気通信研究機構・スカパー JSAT 株式会社、 日本電信電話株式会社未来ねっと研究所 ] ・電気通信事業者が災害時に提供するサービス等 [株 式 会 社 NTT ド コ モ 東 北 支 社、 KDDI 株式会社、ソフトバンクモバイ ル株式会社、東日本電信電話株式会社 宮城事業部 ] ・920MHz 帯無線マルチホップを用い た音声データ伝送システム、中小河 川向け河川監視システム [沖電気工業株式会社、総務省東北総合通信局 ] 防災と暮らしに役立つ無線システムブース •公衆無線 LAN 自動切替えシステム、公共 ブロードバンド可搬型移動無線システム [富士通ネットワークソリューションズ 株式会社、株式会社日立国際電気 ] •防災用の各種無線システムとアプリ [アイコム株式会社、一般財団法人移動 無線センター東北センター、株式会社 NTT ドコモ、株式会社デジタス仙台、 日東通信株式会社、 八重洲無線株式会社 ] ◆ ICT による元気な街づくりコーナー •インバウンド観光の増加や地域経済の 活性化を目的に制作した海外展開放送 コンテンツを上映 [総務省東北総合通信局 ] ン、4K 放送や放送と通信が連携したハイブリッドキャスト Mercato 91 ● 4 ・ICT と自転車(GPS 搭載音声ガイドナビ端末「ナビチャリ」 、 ビーコン検知システム「森のともだち」 、ワイヤレス給電に よる電動アシストレンタサイクルなど) ◆ ICT 研究開発によるイノベーション創出コーナー • 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の研究成果と なる製品・パネルの展示 [有限会社 forte、株式会社ベルニクス、日 音声主導型看護医療システムの開発(点 本コンピュータ・ダイナミクス株式会社 ] 滴センサ、 農業への応用化製品(パネル) 、 航空宇宙関連製品の展示) • スマートテレビによる買い物支援双方向サービス [秋田県産業技術センター ] [株式会社テレビユー福島] ・オープンソースハードウェアとセンサーネットワークによる • 多言語音声翻訳システムと聴覚障がい者 除雪支援システムの研究開発(パネル展示) 支援システム(音声翻訳アプリ「Voice- [会津大学 ] Tra」 、 聴覚障がい者支援アプリ 「こえとら」 ・ 「SpeechCanvas」 ) ・電波マーカを利用した悪天候時運転支援システムの研究開発 [国立研究開発法人情報通信研究機構 ] (パネル展示) [秋田県立大学 ] ◆船舶の航行の安全を支える通信システムコーナー 国の関係機関で構成する「東北地区漁船海難 ・JGN-X/StarBED3 の紹介(パネル展示) 防止連絡会」の取り組みや、小型船舶の安全 [国立研究開発法人情報通信研究機構 ] 航行を支援する無線機器を紹介しました。 ◆地域の情報化を推進する東北総合通信局コーナー • 簡易型 AIS システム、船舶共通通信システム [東北地区漁船海難防止連絡会、アイコム株式会社、株式会 社ゼニライトブイ、古野電気株式会社、 八重洲無線株式会社 ] • 被災地における ICT 関連の復興状況(パネル展示) • 東北地域における ICT 推進の現状(パネル展示) • 電子申請・体験ブース >> ICT を活用した情報発信の方法 ICT 活用講座 特定営利活動法人 ICT 支援 NPO ネットワーク宮城 事務局長 遠藤 一恵 開催にあたり、地域の課題解決や活性化のため活動している NPO 等団体のうち、ICT 活用が困難な団体では、有効な情 報発信や効率的な業務運営が思うように進んでいないため活動内容を広く広報できていなかったり、情報整理等の業務に支 障をきたしている場合も一部であり、今回は、これらの団体に対して、安価な受講料かつ、宮城県内複数地域で ICT 活用 講座を開催することが可能になるのではと考え、実施しました。 宮城県内で活動している NPO や市民団体を対象に ICT リテラシー向上と、ICT を活用した情報発信のポイントや実用的 なオフィスソフトの使い方を学べることをテーマとし、開催は、宮城県内2ヵ所で2回ずつ開催し、のべ32人が参加しま した。 講座内容は、アプリケーションの操作方法だけではな く、ICT 機器を使った情報発信の有効な方法を中心に行 いました。インターネット媒体の活用事例や、活用方法、 またワードで効果的なチラシを「どのようにつくればよ いのか?」 「どうすれば伝わるのか?」など具体例を示 しながら、さらにはオフィスソフトの操作を交え行いま した。 受講者からは、 「さまざまな情報発信方法があること が分かった」 「さっそく SNS を活用したいと思う」など の感想があった一方で、通常のパソコン操作講習会を想 定していた方もいらっしゃったようでした。 5 ● Mercato 91 ▲講座の模様
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