A- 2 急性期脳梗塞の MRI 機能画像—PET 画像との対比 分担研究者:畑澤順 (大阪大学大学院医学系研究科生体情報医学講座) 共同研究者:下瀬川恵久、豊嶋英仁、茨木正信、三浦修一 (秋田県立脳血管研究センター 放射線医学研究部) 【目的】脳梗塞急性期の MRI 灌流・拡散異常 量で 0.49、脳酸素消費量で 0.62 であった。拡 の病態生理学的背景を、PET による脳循環酸 散係数の低下は脳酸素消費量に比例して低 素代謝測定と対比して明らかにする。 下していたが、拡散係数から虚血中心域と梗 【方法】発症6時間以内の一側性脳底部主幹 塞拡大域を判別することは不可能であった。 動脈閉塞症 11 例(平均年齢 70.6±5.4 歳)に 【結論】救済可能な tissue at risk 域の脳酸素 おいて、MRI 拡散強調画像(DWI)、平均循環 消費量は、発症6時間以内で既に健側に比べ 時間画像(MTT、Gd 造影剤静注法)を撮影後、 て約 53%低下している。この領域では脳酸素代 PET による定性的脳血流量、脳酸素消費量、 謝の低下はイオンポンプの障害による水分子 脳酸素摂取率を測定した。最終梗塞巣は発症 の拡散低下に先行しており、発症6時間以上 3日後の T2 強調画像で決定した。MRI-PET 画 を経過すると不可逆性組織障害へと移行す 像間の registration 後、初回 MRI 灌流・拡散異 る。 常域を、1)虚血中心域:MTT 異常、DWI 信号 上昇、発症3日後脳梗塞、2)梗塞拡大域: MTT 異常、DWI 正常、発症3日後脳梗塞、3) 灌流異常域:MTT 異常、DWI 正常、発症3日 後非梗塞、に分類し、関心領域を設定して対 応する PET 画像の患側対健側比(L/C 比)を 算出した。【結果】虚血中心域、梗塞拡大域、 灌流異常域の平均 L/C 比は、脳血流量で 0.24±0.11、0.42±0.07、0.57±0.10、脳酸素 消費量で 0.30±0.13、0.53±0.07、0.76±0.10 であり、虚血中心域、梗塞拡大域の脳血流量 と脳酸素消費量は周辺域に比べて有意に低 下していた。脳酸素摂取率の平均 L/C 比は3 領域間で有意差を認めなかった。判別分析に よる梗塞拡大域-灌流異常域の閾値は脳血流
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