野菜栽培管理情報【0602】

平成27年6月
高岡市農協野菜出荷組合
高岡農林振興センター
主要野菜の当面の管理
◇ 共通事項(畝間かん水)
 圃場が極端に乾燥している場合は、速やかに落水できる圃場に限り、畝間かん水を実施する。
 畝間かん水の注意点
①かん水後、速やかに落水できるように排水溝を事前に手直ししておく。
②気温が低くなる夕方に実施する。
→翌日の朝には、溝に水が溜まっていない状態にする。
③畦の1/3程度に水が溜まり、全体に水が行き渡ったら、
水口をしっかり閉め、速やかに落水する。
→畦が崩れるような水位でのかん水や、長時間、
畦の1/3程度まで通水
湛水状態にならないよ注意する。
◇ にんじん
 かん水:本葉 7 葉期までは乾燥すると根の肥大が抑制されるとともに、その後の降雨によっ
て裂根が多発することから、乾燥が続けば定期的に頭上潅水を行う。
 排水対策:降雨後、長時間滞水しないよう、排水溝の確認・手直しを行う。
 害虫対策:ヨトウムシの発生が見られれば、ランネート 45DF 等で防除する。
 黒葉枯病対策:定期的にダコニール 1000 等を散布して予防するとともに、発生が見られれば、
ロブラール水和剤やストロビーフロアブルで防除する。
◇ さといも
 かん水:乾燥が続いたら、早朝又は夕方に畝間かん水を行う。かん水後、畝間に滞水しない
よう、速やかに排水する。
 芽の整理:複数の出芽がみられる場合は、生育の良い芽を1本残し、残りは除去する。
 虫害対策:セスジスズメやハスモンヨトウの発生が見られれば、捕殺するかハクサップ水和
剤等で防除する。
◇ ばれいしょ
 疫病、軟腐病対策:梅雨期に多発することから、下表を参考に散布間隔が 10 日以上開かない
よう定期的に防除する。
 収穫時期:茎葉が黄変した頃が収穫時期の目安であり、必ず試し掘りを行い、肥大状況を確
認する。
 茎葉刈取:収穫時の剥皮を防止するため、掘り取り予定の 7~10 日前の好天日に茎葉を刈り
取る。処理高さは、培土を削らないように地際から 10cm 程度の高さで行う。
※茎葉処理後の疫病・軟腐病の発生を防ぐため、茎葉処理後にZボルドーを散布する。
 掘取・回収:晴天日からやや曇天日の圃場が乾いている状態の日に掘り取り、畝上で 2~3
時間乾かし、土が落ちやすくなってから回収する。
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【 防除スケジュール例 】
回
時
期
農薬名
希釈倍率
使用基準
①
6月中旬
カスミンボルドー
800倍
収穫7日前まで、3回以内
②
6月下旬
ランマンフロアブル
1000~2000倍
収穫7日前まで、4回以内
③
7月上旬~中旬
カスミンボルドー
800倍
収穫7日前まで、3回以内
◇ キャベツ
 Ca 欠症対策:乾燥が続けば、Ca 欠症の発生が懸念されるので、畝間かん水を行うか、水溶性
カルシウム剤(カルプラス 500 倍液)を葉面散布する。
 裂球対策:とり遅れないよう適期収穫に努める。
 コナガ、アオムシ対策:発生初期から、作用の異なる数種の薬剤をローテーション散布し、
防除効果を高める。今後、降雨日が多くなることから、晴れ間を見て定期的に防除を行う。
 アブラムシ対策:発生が見られれば、アディオン乳剤やモスピラン顆粒水溶剤等で防除する。
◇ ほうれんそう・こまつな
 温度管理:ハウス内が高温とならないよう換気を徹底する。
 かん水管理:適切な水分管理に努め、過乾燥・過湿にならないよう注意する。
 べと病対策(ほうれんそう)
:発生が見られたら罹病株を抜取り、直ちにアリエッティ水和剤
(収穫前日)等で防除を行う。
 アザミウマ類対策(ほうれんそう):発生が見られればスピノエース顆粒水和剤(収穫前日)
やアドマイヤーフロアブル(収穫前日)で防除する
 キスジノミハムシ対策(こまつな):播種時にフォース粒剤等を全面土壌混和するとともに、
成虫の発生が見られれば、スタークル顆粒水溶剤(収穫 3 日前)やモスピラン水溶剤(収穫
7 日前)等で防除する。
 コナガ対策(こまつな)
:コンフューザーV の設置により、交尾を阻害し、発生を抑える。発
生が見られれば、コテツフロアブル(収穫 3 日前)やアファーム乳剤(収穫 3 日前)
、バシレ
ックス水和剤等でローテーション防除する。
 アブラムシ対策:播種時にスタークル粒剤(こまつなの場合)等を土壌混和するとともに、
成虫の発生が見られれば、アグロスリン乳剤やアドマイヤーフロアブル等で防除する。
◇ だいこん
 キスジノミハムシ対策:成虫がみられる場合は、早期にスタークル顆粒水溶剤やモスピラン
水溶剤等で防除する。
 白さび病対策:降雨によって発生が助長されるので、降雨後には速やかにランマンフロアブ
ル等を散布する。
◇ 白ねぎ
 さび病対策:発生が見られれば、オンリーワンフロアブルやアミスター20 フロアブル等で防
除する。
 べと病、疫病対策:疫病対策を講じていない場合は、速やかにアリエッティ水和剤等を散布
する。発生が見られれば、リドミル MZ 水和剤等で防除する。
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




土寄せ:土寄せを行い、畝間に排水溝を設ける。但し、土寄せ量は、生育量に応じて決定し、
寄せすぎによって生葉数が減少しないよう、最下位葉の分岐点以下までとする。
排水対策:雨水が速やかに排水されるよう、額縁排水溝の確認・手直しを必ず行う。土寄せ
後にも条排水と額縁排水溝を確実につなぐ。
軟腐病対策:7月上旬までの土寄せ時にオリゼメート粒剤を必ず株元散布する。また、2 回
目のオリゼメートの散布の目安は、1 回目散布の 1 ヶ月後の土寄せ時とし、使用時期(収穫
30 日前まで)を考慮して行う。
ネキリムシ対策:被害の発生が見られれば、直ちにネキリエース K 等を株元処理する。
アザミウマ類対策:下表を参考に、系統の異なる剤でローテーション防除する。
6月
7月
8月
9月
土寄せ
土寄せ
土寄せ
収穫
粒剤防除
ダントツ粒剤
スタークル粒剤
ベストガード粒剤
液剤防除
カスケード乳剤
ハチハチ乳剤
(即効性)
ディアナSC
◇ えだまめ
 排水対策:降雨後、長時間滞水しないよう、排水溝の確認・手直しを行う。
 着莢・莢肥大促進:露地普通栽培など、LP 尿素を基肥に施用していないほ場では、着莢や莢
の肥大を促進するため、開花期に畝間に尿素(20kg/10a)を施用する(尿素は茎葉に直接か
からぬよう注意する)とともに、開花期以降、乾燥すれば畝間かん水を行う。
 茎疫病対策:発生が見られれば、直ちにフェスティバル C 水和剤等で防除する。
 害虫対策:開花期以降、トレボン乳剤やダントツ水溶剤等で 3 回程度、定期的に防除し、莢
への食害発生を防ぐ。
◇ かぼちゃ
 整枝:子づるは重ならないように1方向に配置する。つるが込み合い、葉陰が多くなると、
充実した雌花が確保できないので、10 節までの孫づるは小さいうちに除去し、着果の促進や
過繁茂の防止に努める。
 摘果:着果節位は10節前後とする。変形果は早めに摘果する。
◇ たまねぎ
 収穫:茎葉が 70~80%倒伏してから、1週間後を目安に収穫する。掘り上げ後、畝上で 1~2
日地干しし、できるだけよく乾かしてから回収する。
◇ スイートコーン
 かん水:乾燥が続いたら、夕方又は早朝に畝間かん水を行う。かん水後、畝間に滞水しない
よう、速やかに排水する。
 追肥:1回目は草丈30~40㎝(本葉7~8枚のとき)
、2回目は雄穂抽出はじめに、1回
あたりチッソ成分で5kg/10a を畝間に施用する。
 害虫対策:アブラムシの発生が見られたら、オルトラン水和剤やモスピラン水溶剤等で、ア
ワヨトウの発生が見られたら、アグロスリン乳剤やトレボン乳剤で防除する。
※ アワノメイガ対策:①雄穂抽出はじめにパダン粒剤4、②雌穂の絹糸抽出時にダイアジノン
粒剤5、③収穫7日前にパダン粒剤4を、株の上から均一に散粒する。
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◇ トマト
 追肥:最終果房肥大終期まで追肥を行い、果実肥大を促す。
 尻腐果対策:水溶性カルシウム剤(カルプラス 500 倍液)を葉面散布する。
<参考>マルハナバチに配慮した防除体系例
殺虫剤
育苗期間
殺菌剤
アブラムシ コナジラミ アザミウマ
ベストガード
粒剤
○
○
他作物では
登録あり
スタークル
粒剤
○
○
他作物では
登録あり
○
○
○
○
○
○
オオ
葉かび 灰色かび
タバコガ 病
病
上
4月
中 定植
下
上
5月
7月
8月
ダコニール
1000
○
○
○
○
○
○
○
○
○
他作物では
登録あり
○
○
○
○
○
○
○
○
中
ベルクート
水和剤
カスケード
アフェット
上
乳剤
フロアブル
アファーム
フルピカ
中 収穫
乳剤
フロアブル
スピノエース ゲッター
下
顆粒水和剤 水和剤
アミスター20
上
混用しない
フロアブル
中
下
上
下
6月
モスピラン
水溶剤
ウララDF
◇ きゅうり
 梅雨の寡日照対策:日照が少なくなるので、摘心・摘葉により受光体勢を整える。ただし、
草勢が低下している場合は、強い摘心・摘葉は行わない。
 うどんこ病対策:ダコニール 1000 やフルピカフロアブル等で予防するとともに、発生が見
られれば、初期はサプロール水和剤等で防除し、発生の拡大が見られれば、アミスター20 フ
ロアブル等で防除する。ただし、薬害発生の恐れがあることから、アミスター20 フロアブル
には機能性展着剤を加用しない。
 褐斑病、灰色かび病対策:ダコニール 1000 やフルピカフロアブル等で予防する。
 ハダニ対策:発生が見られれば、カネマイトフロアブルやピラニカEW等で防除する。
◇ なす
 排水対策:降雨後、長時間滞水しないよう、排水溝の確認・手直しを行う。
 かん水:乾燥すれば、畝間かん水を行う。
 病害対策:梅雨期には褐色腐敗病等が発生しやすくなるので、ランマンフロアブル(収穫前
日)、プロポーズ顆粒水和剤(収穫前日)等で防除する。
 灰色かび病対策:ダコニール 1000 等で予防するとともに、発生が見られればゲッター水和
剤で防除する。
 アブラムシ対策:アグロスリン乳剤やアドマイヤー水和剤等で防除する。
 チャノホコリダニ対策:アファーム乳剤やコテツフロアブル等で防除する。
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