営農情報局(広報誌「敦賀美方」2015年4月号より)

環境と調和した農業を目指しましょう!!
○バレイショ
●芽かき
草丈が5cm程伸びてきたら、優勢(生育良好)
な芽2本を残して、他の芽は土際を軽く手で押さえ、
もう一方の手
で全て引き抜いて下さい。
●土寄せ・追肥
土寄せは、
①土壌の通気性を良くし、
肥料成分の分解を促進させ、
子イモの着生数を増加させるとともに、
②緑化
イモ、
株の倒伏の防止、
③病害虫の侵入を防止するために行う重要な作業で、
最低2回必要です。1回目の土寄せは
晩霜の被害回避を兼ねて、
萌芽直後に行って下さい。2回目は着蕾期
(1回目の土寄せ後、
約2週間後)
に行いますが、
土寄せ前に畝に沿って追肥をして下さい。肥料はそさい5号を1株当たり5gを目安に施用して下さい。
○タマネギ・ニンニク
●追肥
2回目の追肥として、
球の肥大が始まる4月中旬を目途に、
そさい5号を4kg/aを施用して下さい。なお、
3月上旬
の1回目の追肥が遅れた場合は施用量を2/3∼1/2に減量し、未施用の場合は2割程度増量して施用して下さい。
球の肥大が悪い圃場ではそさい5号に塩化加里500g/a加えて施用すると球の肥大が良くなります。 なお、2回目の追肥施用が遅れると、地上部が過繁茂となり、病害の発生を助長し、球の貯蔵力が極端に低下する
ことがありますので、
施用時期は厳守して下さい。
●病害防除
近年、
全般に大敵のべと病やさび病の発生は多くない状況にありますが、
気温、
地温が上昇する今月上旬以降、
注
意が必要です。畑をよく観察し、
発病がみられたら早期防除を行ってください。
【べと病】
≪発生しやすい条件≫
・春の気温が例年より暖かくなるのが早い年は、4∼5月に多雨に遭遇すると発生
が多くなります。
・湿度95∼100%,
気温10∼20℃で発生しやすく、
とくに15℃くらいで葉上に
露滴が形成されるときに発生しやすくなります。
・発病がみられた苗床や圃場で連作すると発病が増加します。
・付近にネギ、
ワケギがあると、
そこからの感染で発生が多くなります。
≪防除≫
ジマンダイセン水和剤かヨネポン水和剤の500倍液を散布してください。
【さび病】
≪発生しやすい条件≫
・周辺にニンニク、
ネギなど本病の発生が多い作物が植えられている圃場では発生
しやすくなります。
・胞子の発芽と形成は24∼27℃が適温で降雨量の多い時に多発し、窒素過多で
発病しやすくなり、
肥料切れでも発病が助長されます。バランスのよい施肥を行う
ことが重要です。
≪防除≫
ジマンダイセン水和剤の400∼600倍液を散布してください。
○野菜残渣の除去
昨年も記載しましたが、
冬野菜の栽培跡圃場を見ると、
本年の降雪に伴う生育不良等により収穫できなかったダイ
コンやハクサイ等がそのまま放置されているのが目につきます。
これらを長期間そのままにしておくと、
病害虫の恰
好の棲家になってしまいますので、
早急に抜き取り、
畑を清潔に保って下さい。
○施設野菜
天候が非常に不安定な時期となるため、
こまめな温度管理が必要となります。油断していると天気が変わって思わ
ぬ大損害を受けることもありますので、
十分注意してください。
さつき半ば適期田植えのための健苗づくり
営農
情報局
野菜
○育苗計画
・稚苗の硬化日数は、15∼18日とやや短めを目安に、育苗作
業日の計画を立てて下さい。
・栽植密度は60株/坪、植付け本数は3∼4本/株を目安に、必
要な育苗箱数や準備する種子量を計算して下さい。なお、
コシ
ヒカリの播種量は120∼130g/箱が基準量です。
【ポイント】播種量が少ないと根のマット形成が弱くなるので、
適量播種に努めて下さい。
○育苗ハウスの準備
・ハウスは事前に、
①サイドは全開できるようにし、
②防鳥網と、
③防風ネットを張っておいて下さい。
・ハウスの床面を均平にし、育苗箱がガタつかないようにして下さい。箱が浮くと培土が乾きやすく、苗の生育が不
揃いになります。
・育苗管理は、
温度管理と水管理に尽きます。適正温度管理のためにハウス内には必ず温度計を設置して下さい。
○浸種・催芽
・不適切な浸種や催芽は育苗失敗の原因の一つとなります。両者を区別して確実に実施してください。
・浸種する際には必ず温度計を設置し、
水温を測定して下さい。浸種期間が短かったり、
水温が高いと吸水が不十分
となり、
発芽勢の良い籾だけが伸びて、
催芽が不揃いになりやすくなります。通常、
浸種期間
(時間)
は、
積算水温で
100℃が必要です。
<例>水温が10℃の場合は、
浸種期間は10日、
水温が15℃の場合は7日となります。
・催芽温度=適温30∼32℃=に留意し、芽の伸び過ぎに注意して下さい。自然条件で催芽する場合は十分に浸種
した籾を育苗箱などに広げて、
濡れ新聞紙やビニール等で覆ってビニールハウス等の暖かい場所に置くと、
1∼2
日で簡易に催芽できます。ただし、
外気温が高くなると、
短時間でハト胸状態になってしまうので、
外気温の高低に
留意して下さい。
○出芽・緑化
・出芽器で出芽させる場合は、
短時間で出芽することがあるので、
芽の徒長に注意して下さい。
・出芽した苗をハウスに並べる際、
通常は被覆資材を掛けて緑化を行いますが、
高温時の被覆は苗が焼けやすいの
で、
注意して下さい。
・
・
・さつき半ばの田植え用の苗は、
高温になりやすい時期の育苗になるので、
細心の注意が必
要です。外気温が高温で推移する場合、
被覆資材は必要ありません。
・苗が黄緑色になったら、
被覆資材は早急に除去して下さい。
・緑化期のハウス内の適温は、
昼=20∼25℃、
夜=15∼20℃です。
⇒緑化期から硬化期にかけて、各種の苗立枯病の発生を防止するため、
ハウス内の過湿に留意し、昼間強風日
以外はハウスのサイドを全開にし、
ハウス内の換気に努めて下さい。
○硬化
・硬化期のハウス内適温は、
昼=15∼20℃、
夜=10∼15℃以上です。
この頃になると外気温が急激に高くなる日
があるので、
苗焼けや苗の徒長に留意して下さい。
・苗の生育状況や床土の乾き具合を常時観察し、苗の葉先に露玉を持っていない場合は、午前中にタップリ潅水し
て下さい。
・健苗づくりのための潅水のポイントは、
①午後の潅水は苗が徒長するので、
できるだけ朝早く潅水すること②潅水
する回数は1日1回とし、
タップリ潅水する③硬化期前半は潅水量をやや少なめに、後半は多めの潅水をすること
です。
表.育苗ハウスの温度管理の目安
時期
昼間
夜間
管理のポイント
緑化
20∼25℃
15∼20℃
10℃以下や32℃以上にしない。
硬化
15∼20℃
10∼15℃
5℃以下や32℃以上にしない。
馴化
移植3日前頃から強風や低温時以外は外気温に馴らす。5℃以下や32℃以上にしない。
●代かきと田植えの間隔(日数)は極力短くするよう心掛けて下さい。
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敦賀美方農業協同組合広報誌
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