視 点 ひたちなかテクノセンターにおける 中小製造業支援の取り組み 株式会社 ひたちなかテクノセンター 代表取締役専務 栗田 則夫 ひたちなか地区は、自動車用制御・電子機器や、医療・分析装置、エレベータ 等を製造する日立グループと、その部品等を製造する協力企業、また、原子力研 究開発機構で使われる実験装置等を設計・製造する企業が集う企業城下町として 発展してきました。当社は、県北地域産業の高度化と、情報サービス業やエンジ ニアリング業等の知識集約型企業の集積促進を目的に、頭脳立地法に基づき1990 年10月に設立されました。茨城県や中小企業基盤整備機構、関連市町村、民間企 業から出資を受け、地域中小企業の発展のお手伝いをしています。 研修事業では、離転職者・求職者に向けた即戦力につながる職業訓練、社内監 査員等の養成や3D-CAD技術者育成等の企業ニーズに即したセミナー、多くの受 講者が活躍している地域の企業と大手企業や大学・研究機関等とを結びつける 「コーディネータ」の養成講座を開催しています。 地域企業への直接的支援事業では、各分野のエキスパートが地域企業を訪問し て行う技術的な相談対応の他、補助金等の申請支援、大学や試験研究機関との仲 介等を行い、ひたちなか市と東海村では、それぞれ独自のコーディネータを配置 し、地域企業に密着した活動を展開しています。 販路開拓支援では、専門のコーディネータが、ドイツや東京等の国内外の展示 会への出展を支援するとともに、東アジア地域へも同行しています。 新技術・成長分野では、次世代自動車分野への参入支援や、ロボットの基本技 術を中小企業の自動化や省力化に応用する支援を進めています。 原子力分野では、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の産業利用の促進支援や、 県内中性子利用連絡協議会の運営、協議会会員へのメール配信を行っています。 メール配信ではJ-PARC関連の入札案件の紹介も実施しており、年間10億円超の 受注につながっています。今年度からは、利活用事例の発信も開始しました。 合わせて、企業が特許等の知的財産を申請・取得する際の相談を受け、調査や 助言等を行う知的財産相談窓口の設置や、中小企業のデザイン力向上を支援する デザインセンターの運営も行っています。 その他、若者や地域の女性・シニアが、地域企業で活躍できる場を提供するた めの人材確保支援等、多くの事業を国や県、市町村、大学、金融機関、関連産業 支援機関等と協力して推進しています。 今後とも、関係機関との緊密な連携のもとに事業を進め、茨城県の地域産業の 発展に貢献していきたいと考えております。 15.9 ’ 3
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