会 員 各 位 平成 27 年 2月 吉日 (CPD 2 単位予定) 一般社団法人名古屋建築設計研究会 代表理事 黒川喜洋彦 環境委員会担当理事 成田 益美 講演会開催のご案内 サステナブル建築「環境に配慮した中小規模オフィス」 拝啓 会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じ上げます。 また、日頃より本会の活動にご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。 さて、この度環境委員会活動の一環として、サステナブル建築として省エネルギー等に顕 著な成果を上げている「環境に配慮した中小規模建築」について先般見学会を行いました。 今回はこの建物の計画経緯と竣工後3年を経過した状況等について講演会を企画いたしま した。ご多忙中とは存じますが、会員及び会員事務所の所員の皆様にもご参加頂きますよう ご案内申し上げます。 中小規模オフィスにおける省エネルギーを阻む課題を解決する「エコモデル」の提案 ◆ 住居地域に立つ、風と光と水の恵みを身近に感じる低層オフィスの取り組み ◆ 中小規模オフィスにおける省エネルギーの現状と課題 ■ 日 時 平成 27 年 3 月 19 日( 木 )18:00~19:30 受付時間 17:30~18:00 ■ 場 所 名古屋市中区丸の内 1-15-15 桜通ビル 6 階 LEC ホール ■ 講演内容 ①六合エレメックの建築・環境計画 ②六合エレメックの設備計画・省エネルギー検証 ■ 講 師 株式会社 日建設計 設計部門 設計部 主管 奥宮由美 様 エンジニアリング部門 設備設計部 主管 田中宏明 様 ■ 定 員 30 名 先着順(参加費無料) 参加の申込みは 3 月 10 日(火)までに下記の宛先へ MAIL 又は FAX でご連絡下さい。 (お問合せ先)名古屋市中区千代田1-5-3 (株)ナリタ設計 成田益美 T E L:052-251-8537 F A X:052-251-8539 M A I L:[email protected] ********************************************************************************* 平成 27 年 3 月 19 日 NSK 講演会 参加申込書 平成 年 月 日 会 社 名 参加者氏名 TEL 中小規模オフィスにおける省エネルギーを阻む課題を解決する『エコモデル』の提案 六合エレメック本社ビルは『中小規模オフィスビル におけるエコモデル』の実現をめざして建設された 延床面積 1,100㎡ 4 階建てのオフィスビルです。 低炭素化社会の実現にはストックが多く省エネの 取り組みが十分でない中小規模オフィスビルの 省エネルギー促進が急務であり、業務部門挙げて の重要課題です。 六合エレメック本社ビルでは、中小規模オフィス ビル特有の省エネルギーを阻害する課題に対して 3 つの解決策を提案しました。 ◆省エネルギーを阻む課題 ①立地や建物高さの制約により自然換気を効率的に利用できない ③エネルギーマネジメントが十分でない ≪3つの課題解決策≫ 集風ウォールと PCM活用型 自然換気システム 1次エネルギー消費量 40%削減 【課題解決策 2 】 空調省エネメニュー拡大策 病院 6% ホテル旅館 5% 事務所 5 千㎡ 以上 10.4 % 学校 卸小売 20% 飲食店 24% 4% 2千∼5千㎡ 事務所 劇場娯楽場 3% 5000㎡未満 の事務所比率 約 16% 2千㎡ 未満 5.3 % その他 0.2 5.2 % 事務所 5 千㎡ 以上 10.1% 病院 12% ホテル旅館 デパートスーパー 1% 11% 図:業務建築部門の床面積 卸小売 19% 学校 飲食店 7% 9% 事務所 2千∼5千㎡ 5000㎡未満 の事務所比率 約 9.2% 3.9 % デパートスーパー 2% 1 次エネルギー消費量 40% 削減(791MJ/㎡年) 2012 年 1 月~ 12 月における年間1次エネルギー消費量は 791MJ/㎡年となり、DECC データベースで公表されている 2,000㎡未満の民間小規模オフィスビルの平均値 1,300 MJ/㎡年と比べて 40% の削減実績を達成しました。 40 % 791 0 36 % エコウォール バルコニー (集風ウォール) 2000 A B+ ①参照値 B- 環境品質 Q S C 環境負荷 個別計算 ②建築物の取組み ☆☆☆☆ 建設 ☆☆☆ 修繕・更新・解体 運用 ☆☆ オンサイト 100% 空調 55% WC 六合の庭 63% ④上記 63% 室外環境 敷地内 ( 年・ ) このグラフは、一般的な建物(参照値)と比べたライフサイクル CO2 排出量を評価者自身の計算(個別計算)により算出した結果 を示しています。LCCO2 の算定条件等については、「LCCO2 算定 ( 条件シート(個別計算)」を参照されたい 敷地外環 境 エネルギー 資源・ マテリアル 18 19(h) N 階段室上部へ P LAN 自然風のルート(平面図) SA ダクト接続口 150Φ×2 PCM 組込み 放射パンチングメタル ▽FL 空冷パッケージ PCM 平板 RA SA SA ▲放射パンチング天井面 冷暖切替え ダンパ 天井チャンバー PCM 組込チャンバー内の温度風速分布(CFD) 30 室温 28 PCMによる 冷却効果 26 △天井 アネモ 吹出口 PCM 組込 SA チャンバー (天井アルミパンチング) 24 放射パネル表面空気温度 2.4 ℃低下 22 20 放射パネルSA チャンバ 18 16 PCM表面空気温 14 12 空調フロー ▽FL 9.0 パッケージ吹出温度 9.5 10.0 10.5 11.0 時刻 (h) 図:PCM の冷却効果実測値 ■ エネルギーの見える化 ■ オリジナルエコパネル (kWh) 5 全館に LED 照明を採用しています。 全館 LED 照明 自然光 昼光センサー 人感センサー エコパネル 4 2面採光のオフィスでは「昼光センサー」により 自然光に合わせて調光し、 トイレでは「人感センサー」を設置し、 消費電力を軽減します。 3 2 1 0 トイレには 人感センサーを設置 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1415 1617 18 19 20 21 22 23 24(時) 事務室照明電力使用量実績 ( 本日 ) 現在の照明消費電力 オフィスには 昼光センサーを設置 雨水貯留 環境啓蒙活動 4kW 蛍光灯の場合の消費電力 削減効果 14.74kW 73 % 北面採光による 安定した光 CO2 排出量削減効果 5.6% LED 3.4% 昼光センサー 2.2% 人感センサー 1.1% 今月の省エネルギー実績 今月の電力使用量 屋上テラス 1838 kWh 37 % 目標に対する削減率 (kWh) 実績値 目標値 700 560 (kWh) 80 420 64 48 280 32 140 16 0 照明 空調 換気 コンセント 前日の電力使用量の内訳 雨水貯留タンク 雨水利用 (見える化タンク) 屋上緑化 壁面緑化 屋上太陽光発電 3KW 高効率空調機 自然採光+昼光 センサーによる 調光制御 外装一体型 太陽光発電 3KW 南コア化による 断熱性向上 PCM 組込型放射冷房 空気汚れセンサー による外気量制御 全館 LED 照明 自然換気内 エコランプ 南北断面(A-A´) エコパネル PCM 活用 ソーラーチムニー による浮力換気促進 自然換気逆流防止壁 太陽光発電 3KW B 風除室 EVホール 西壁面化に よる高断熱化 ピロティ A A 65% ③上記 ②以外の 17 ▽GL 公道 室内環境 16 PCM 表面のサーモ画像 2-3 大項目の評価(レー ダー チ ャー ト) 超 ☆ オフサイト 15 Low-ε 複層ガラス 1 次エネルギー消費量の内訳 BEE = 2.5 ☆☆☆☆☆ 14 東側換気窓 エコウォール による 風力換気の促進 基準階平面図(3 階)1/400 隣地境界線 ★ 13 東側換気窓 3 階オフィス換気回数実測値 EV WC サービス性能 ★★ 12 天井パス (廊下へ) 自然換気用 エコランプ 事務室 その 他 5% 照明 10 % 換気 7% 54 % 2-1 建築物の環境効率( BEEランク&チャート)2-2 ライフサイクルCO (温暖化影響チャート) ★★★ 11 オフィス 東側換気窓 六合エレメックは、電子機器・電気機材などの販売を行うエレクトロニス&メカトロニクスの専門商社です。閑静な高級住宅街である 白壁地区に約 30 年建つ本社ビルの建替えに際し、戸建住宅が近接し間口が限られた低層オフィスの課題をふまえた、「手が届く、 身近な環境配慮」に取り組みました。 N コン セント 23% 500 1000 1500 1次エネルギー消費量 (MJ/㎡ 年 ) 1 次エネルギー削減効果実績 ★★★★ 10 東側換気窓 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 1213 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31(日) 今月の電力使用量 自然換気ランプ 建物概要 ■ 環境性能評価(CASBEE) ★★★★★ 0 中央監視装置を設置することが少ない中小規模オフィス ■ 雨水の見える化 では、省エネルギー検証に必要な用途別 ・ 時刻別の エネルギー消費データの入手は困難です。この課題 屋根の水を タンクに溜める に対し、太陽光発電パネルに標準装備されているデータ 収集装置と見える化モニターに電力消費量等の収集機能 ポンプ タンク を付加することで低コストで維持管理の容易な EMS を 構築しました。 屋上緑化 壁面緑化 さらに、憩いの場である屋上テラスに設置した「雨水 雨水利用のイメージフロー 貯留デザインタンク」や、オフィスの「自然換気エコ 雨水タンク ランプ」 、風除室に配した「エコパネル」 、企業カラー で彩られた「エコウォール」など、 「見せる環境デザイン」 の採用により環境配慮の姿勢をアピールしました。 隣地境界線 人感センサーに よる消灯制御 節水型便器 B N 1,112 六合エレメック 初年度実績 1000 排気窓 10 8 6 4 2 - 小 規 模 低 層オフィスにおける E MS 促 進 策 EVホール 1300 設計目標値 2000 東側換気窓 小 規 模 低 層オフィスにおける空 調 省エネ ルギー拡 大 策 ■ 1 次エネルギー消費量実績 1737 6648 13.1 13.2 13.9 12.0 12.5 14.3 13.5 12.5 12.6 給水ポンプユニット 環境性能 ベースライン ① DECC 4000 6335 6270 3000 11.0 図:業務建築部門の1次エネルギー消費量 ベースライン ① 省エネセンター 5000 5272 北側換気窓 6488 20 18 5969 6020 16 14 5726 12 汎用モニターのカスタマイズ化による EMS(エネルギーマネジメントシステム)構築 汎用モニターの カスタマイズ化による EMS構築 事務所 その他 0.1 6004 6000 6840 P C M (潜熱蓄熱材)組 込 型 空 気 対 流 式 放 射 冷 房 システム 課題解決策③ 【課題解決策 3 】 EMS促進策 PCM組込型空気対流式 放射冷房システム 課題解決策② 部分負荷運転時間の短縮による省エネを図れます。 2012 年 7 月 の 実 測 結 果 よ り、 室 温 27 ℃ の 時 に MRT=24℃、PMV=0 ~ 0.2 の快適な温熱環境を実現し、 空調機が送風モードになるサーモオフ時でも冷放射パネル 表面の温度上昇を防ぐことができ PPD を半減しました。 中小規模オフィス エコモデルの実現 10.4 % 事務所 2013/05/27 < 集 風 ウ ォ ール> 汎用パッケージ空調機に PCM と放射冷房を組み合わせるこ とで快適・節電システムに進化させました。 特徴①:PCM の調温効果により冷放射パネル表面の温度変動 を小さくできるため、吹出温度の変化が激しいパッケージ 空調機でも安定した冷放射効果を得ることができます。 特徴②:低負荷時には PCM に蓄えた冷熱と送風運転 のみで室温と放射パネル表面の温度上昇を防ぐことができ、 【課題解決策 1 】 自然換気促進策 2千㎡未満 7000 北西の卓越 風を集めて風力換気効果を促進 中央監視を設置することは稀で、大規模ビルに比して建築設備の監視制御の IT 化 が遅れているため、エネルギーマネジメントを十分行うことができない。 劇場娯楽場 2% 換気回数を達成できることを確認しました。 8000 P C M の調温効果により夜間の浮力換気を促進 北側換気窓 3階自然換気流入風量 換気回数 EVホール 規模的に個別分散空調方式を採用する場合が多いため省エネメニューの選択肢が少な く、省エネ性能を個別空調機の単体性能に頼っているのが現状といえる。 <PC M 活用 ソ ー ラ ー チ ム ニ ー > 廊下 ②利用可能な省エネルギー方策が限定的である 風の流れをモチーフにした緑と風のスクリーン『集風 ウォール』により、隣地住宅に対するプライバシーの配 慮と社員のリフレッシュ効果を得ると共に、中間期には 北西風を建物の東窓まで導いてから室内に取り組み 風力換気を促進させます。さらに、階段トップライトに 設置したPCM(潜熱蓄熱材)ルーバーにより太陽熱を 蓄熱し、夜間の煙突換気を促進させることで日合計の 自然換気効果を高めます。 2013 年 5 月の実測結果より、オフィスの自然換気 回数は昼に最大 14 回 /h、日射量が少なくなる 17 時でも 12 回 /h の換気回数を確保でき、夕方以降も昼間と同等の 北西風 応接室 中小規模ビルは隣棟間隔が狭い場合が多く、自然換気窓の設置位置が制約される。 さらに建物高さも低く浮力換気を促進しづらい。 集 風ウォー ル + P C M (潜熱蓄熱材)活 用 型 自 然 換 気 システム PCM組込ルーバー 集風ウォール 事務室 国内における 5000㎡未満の中小規模オフィスビルの業務建築部門における床面積は 16%、エネルギー消費比率は 10%弱を占めます。中小規模オフィスビルのストック とエネルギー消費量は大きく、業務部門の温暖化対策にはその省エネルギー化は必須 の課題です。 集風ウォール 換気回数[回/h] ◆中小規模のエネルギー消費の現状 小 規 模 低 層オフィスにおける自然 換 気 促 進 策 温度 (℃) 中小規模ビル特有の省エネルギーを阻む課題 課題解決策① 3階自然換気流入風量[㎥/h] 背景と課題 配置兼 1 階平面図 1/400 トップライト による 階段室自然採光 太陽集熱暖房 多目的室 エコパネルによる 省エネ見える化 WC 六合エレメック 本社ビル 建 築 主 六合エレメック株式会社 設 計 者 株式会社日建設計 施 工 者 (総合)株式会社竹中工務店 (空調)ダイダン株式会社 (電気)西山電気株式会社 性 能 検 証 名古屋大学環境学研究科 奥宮正哉研究室 名古屋大学環境学研究科 飯塚 悟研究室 所 在 地 主要用途 構 造 階 数 敷地面積 延べ面積 最高高さ 竣工年月 愛知県名古屋市東区白壁三丁目 18 番 11 号 事務所 鉄骨造 地上 4 階 527.02㎡ 1,155.33㎡ GL+17.45m 2011 年 12 月 WC 六合の庭 東西断面(B-B´) SOLAR GREEN VENTILATION RAIN LED PCM
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