「絆づくり」プログラムとは 本県の児童生徒の現状

平成26年度 宮城県総合教育センター
専門研究
教育相談・生徒指導研究グループ [ダイジェスト版]
研究の概要
本県が抱える生徒指導上の諸問題の一因として,児童生徒が人間関係を築くことに対して課題を抱
えていることが挙げられます。児童生徒の人間関係を築く力を高めるには,児童生徒と学級の実態に
応じた長期的・継続的な指導が必要です。
本研究は,よりよい人間関係を主体的に築く児童生徒を育成するために,小・中・高等学校の学級
活動・ホームルーム活動に日常の朝・帰りの会の活動を関連させた指導プログラムとして,「『絆づ
くり』プログラム」を開発し,その活用を提案します。
本県の児童生徒の現状
自分の言動に
自信をもてない
不登校児童生徒
の増加
いじめ認知件数
の増加
人間関係の築き方に課題を抱えています
「絆づくり」プログラムとは
「絆づくり」プログラムは,学級活動,ホームルーム活動を軸として,日常生活との関連を
図りながら,小学校(中学年,高学年),中学校,高等学校の発達段階に応じて,継続的に繰
り返し人間関係の築き方を学ぶものです。
絆アンケート
絆分析シート
第
回
年
小・中・高等学校の発達段階に応じた
6つの指導パッケージ
月
組
日実施
男 ・女
番
【小学校・高学年用】
これは,テストではありません。
このアンケートは,学校生活をよりよいものにしていくために,
みなさんが普段,どのように感じているかを質問するものです。
質問に答えるときは,時間をかけずに,自分の思ったとおり,
感じたとおりに答えてください。
【小学校】
50
48
【
自
分
づ
く
り
】
(
高
←
自
分
に
対
す
る
意
識
わ
6年1組
絆 分析シート(1回目)
自分づくり
自分のよさを知り,
自信をもって行動できる
小
学
他者のよさや違いに気付き, 校
聞き方
【Ⅰ】
28
44
中
学
校
学級開き
9
35
42
相互理解を深める
協力
い
38名
< 児童分布図 >
は,体
Ⅱ】
46
10
18
40
3
20
38
4
38
16
36
12
27
2
36
8
19
24
34
29
7
25
22
11
32
13
32
5
1
17
30
話し方
15
34
28
26
21
【Ⅳ】 33
26
24
23
自他
14
22
30
20
→
低 18
) 16
37
のよさ
31
6
14
12
友達づくり
【Ⅴ】
【Ⅲ】
10
10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50
【友達づくり】( 低←
対人意識 →高 )
合意
形成
高
等
学
校
「絆づくり」プログラム
よりよい人間関係を主体的に築く児童生徒を育成する
絆
【指導パッケージの例】
本研究では,学級活動・ホー
ムルーム活動に,朝・帰りの
会,ショートホームルームで
行う事前・事後の活動を関連
させた取組を考えました。
平成26年度 宮城県総合教育センター
専門研究 教育相談・生徒指導研究グループ
「お互いが心地よく話せる聞き方」を学ぼう
学級活動・ホームルーム活動
事前の活動
【授 業 案】
事後の活動
授業案やワークシート等を印刷
するだけで,本プログラムを実
践できます。
【ワークシート】
授業案や事前・事後の活動例に
は,教師の具体的な説明や指示
が,吹き出しに示されています。
児童生徒が
人間関係の
築き方を学ぶ!
準備が少なく,
手軽に
実践できる!
【絆アンケート】
「あなた自身」のことについて当てはまると思う
答えの数字に,○をつけてください。
①
わたし
じぶん
わたし
ともだち
わたし
じぶん
よ
し
1 私 は,自分 の良 いところを知 っています。
じぶん
せいかく
よ
みと
2 私 は,友達 から自分 の性格 や良 いところを認 められています。
3
き
べんきょう
せいかつ
もくひょう
5
4
3
2
1
そ
う
思
う
少
し
そ
う
思
う
ど
ち
ら
と
も
い
え
な
い
あ
ま
り
そ
う
思
わ
な
い
そ
う
思
わ
な
い
5
4
3
2
1
1 私 は,友達 の良 いところを見 つけるようにしています。
5
4
3
2
1
2 私 は,友達 に言 いたいことを,遠慮 して伝 えられないときがあります。
5
4
3
2
1
3 私 は,友達 と意見 が違 っていても,自分 の意見 や考 えを言 っています。
ご
5
4
3
2
1
4
後 までやろうとします。
じぶん
わたし
じぶん
かんが
いけん
はっぴょう
とくい
4 私 は,自分 の考 えや意見 を発表 することが得意 です。
5
すす
ともだち
はな
5
じぶん
もくひょう
しょうらい
ゆめ
む
4
3
2
1
5
ともだち
はなし
きも
たいど
ことば
わたし
ともだち
いけん
わたし
ともだち
えんりょ
つた
ちが
じぶん
すなお
いけん
い
かんが
かんしゃ
い
きも
2
1
あ
ま
り
そ
う
思
わ
な
い
そ
う
思
わ
な
い
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
つた
私 は,友達 に素直 に「ありがとう」と言 って,感謝 の気持 ちを伝 えていま
じぶん
わる
おも
い
じぶん
私 は,自分 が悪 いと思 ったときは,「ごめんなさい」と言 って,自分 から
あやま
わたし
わたし
ともだち
わたし
ともだち
すす
かかりかつど う
とうばん かつど う
3
2
1
6 私 は,学級 のために,進 んで係 活動や当番 活動 をしています。
5
4
3
2
1
7
5
4
3
2
1
8 私 は,誰 とでも協力 して,授業 や当番 活動 に取 り組 んでいます。
5
4
3
2
1
9 私 は,友達 の考 えや性格 などに違 いがあることを大切 にしています。
5
4
3
2
1
わたし
ともだち
いけん
あ
じぶん
かんが
お
私 は,友達 と意見 が合 わないときに,自分 の考 えを押 しつけてしまうことが
あります。
はなし
ともだち
はなし
さいご
き
なに
さそ
たの
じぶん
いや
ともだち
ことわ
たことは,友達 にはっきりと断 っています。
じぶん
い
わたし
だれ
わたし
ともだち
わたし
ともだち
きょうりょく
じゅぎょう
とうばん かつど う
と
く
10分で
実態把握!
おも
私 は,友 達 に何 か を誘 わ れ た り ,頼 ま れ たり した とき に,自 分 が嫌 だ と 思 っ
じぶん
がっきゅう
4
で
私は,友達と話をしているときに,かっとなると,その気持ちがすぐに態度や言葉などに出
わたし
み
5
てしまいます。
8 私 は,友達 と話 をしているときに,友達 の話 を最後 まで聞 いています。
9
い
3
ど
ち
ら
と
も
い
え
な
い
謝 っています。
6 私 は,自分 の目標 や,将来 の夢 に向 かってがんばっていることがあります。
わたし
よ
ともだち
わたし
す。
7
ともだち
わたし
4
少
し
そ
う
思
う
す。
かか
私 は,自分 から進 んで友達 に話 しかけたり,関 わったりするようにしていま
わたし
わたし
5
そ
う
思
う
さい
私 は,自 分 で決 め た勉 強 や生 活 の目 標 は , う ま く いか ない こと があ って も最
わたし
あなたが,「友達との関係」で当てはまると思う
答えの数字に○をつけてください。
②
指導パッケージは,
①学級活動・ホームルーム活動の授業案
②児童生徒用ワークシート
③朝・帰りの会に行う事前・事後の活動例
④自己評価シート
の4点で構成されています。
じしん
10 私 は,自分 がすることや,自分 が言 うことに自信 をもっています。
かんが
まち が
せいかく
しっぱい
ちが
たいせつ
ひ
10 私 は,友達 の間違 いや失敗 を冷 やかしたりからかったりしていません。
しつもんはこれで終わりです。
書き忘れがないかどうか,たしかめてください。
絆アンケートの
自分承認群
「絆アンケート」は,「自分
づくり」と「友達づくり」の
領域から,個人と学級の状態
を把握できるものです。
結果(数値)を入力
バランス良好群
5つの群
バランス良好群
中間群
要配慮群
友達意識群
・おおむね学校生活に満足している。
・積極的に諸活動に取り組んでいる。
自分承認群
・友達との関わりよりも,自分に対する意識が高い。
・自分への自信を強く示す。
友達意識群
・気遣いのできる,学級のリーダー的な存在。
・友達の言動に影響を受けやすい。
・友達に気を遣って言いたいことが言えない。
中間群
要配慮群
【絆分析シートの児童生徒分布図】
児童生徒の特徴
実態に応じて
パッケージ
を選択!
・どの群にも属する可能性がある,中間的な存在。
・学校を休みがちな児童生徒が多い。
・自分自身や友達との関係で何らかの問題を抱えている。
「絆分析シート」は,児童生徒の実態把握の他にも,指導パッケージ
の選択や授業の提示資料にも活用できます。
「絆アンケート」の結果は,教
師が指導パッケージを選択する
際の補助的な資料となります。
【6つ指導パッケージを実施する順序性と適切な時期】
よりよい人間関係を主体的に築く児童生徒を育成する
絆 「絆づくり」プログラム
「絆づくり」プログラム
検索
「絆づくり」プログラムは,宮城県総合教育センターのWebサイトからダウンロードができます。
URL http://midori.edu-c.pref.miyagi.jp/soudan/kizuna/
「絆づくり」プログラムとは
本プログラムの概要を知ることができま
す。また,研究論文をここからダウンロー
ドできます。
小・中・高等学校の指導パッケージ
授業案,ワークシート,事前・事後の活
動例等をここからダウンロードできます。
宮城県総合教育センター
〒981-1217
宮城県名取市美田園二丁目1番4号
TEL:022-784-3541 FAX:022-784-3571
URL http://www.edu-c.pref.miyagi.jp/
絆アンケート,絆分析シート
児童生徒の実態を把握できる絆アンケー
ト,絆分析シートをここからダウンロード
できます。
活用ガイド
「絆づくり」プログラムの進め方や年間
指導計画例をここからダウンロードできま
す。
平成26年度 教育相談・生徒指導研究グループ
専門研究員
指導主事
角田市立桜小学校
東松島市立矢本第二中学校
宮城県白石工業高等学校
教育相談班
教育相談班
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佐藤 隆史
中鉢 卓志
平野 伸一
及川
徹
山内 芳明
万城目直樹