中学校 1 単元名 2 単元の目標 第3学年 社会科学習指導案 国の政治のしくみ ・ 国の政治に対する関心を高め,それを意欲的に追及し,民主的な政治について考えようとする。 (① 社会的事象への関心・意欲・態度) ・ 議会制民主主義の意義について考えるとともに,国の政治にかかわる様々な事例から課題を 見いだして,対立と合意,効率と公正などの見方や考え方を活用して多面的・多角的に考察 し,その過程や結果を適切に表現する。 (② 社会的な思考・判断・表現) ・ 国会,内閣,裁判所の仕事に関わることについて,新聞記事など様々な資料を収集し,有用 な情報を適切に選択して,読み取り図表などにまとめる。 (③ 資料活用の技能) ・ 国会・内閣・裁判所の仕組みと働きについて理解し,その知識を身に付ける。また,議院内 閣制を中心とする三権分立の仕組みとその意義について理解する。 (④ 3 社会的事象についての知識・理解) 指導にあたって (1)教材観 本単元は,新学習指導要領の「(3)私たちと政治 イ 民主政治と政治参加」にあたる。 これまで学習してきた歴史的分野での政治制度は,ごく一部の支配者によって政治が担われ てきたが,現在の日本の政治制度は,国民主権のもと議会制民主主義によって進められてい ることを学び,その基本的な制度やしくみについて学習する。また,公民的分野に入ってす ぐに学習した「(1)イ 現代社会の見方や考え方」の「対立」「合意」「公正」「効率」 という基礎的概念を活用するように求められている単元でもある。 そして,これらの学習を通して,「人間を尊重し自由と権利を保障する民主政治を守り発 展させようとする意欲と態度を養う」ことをねらいとし,「必要な公民的資質の基礎を育て」 ていく大変意義のある単元といえる。 (2)生徒観 現在の3年生は,これまで社会に対して好意的に授業を受けている生徒が多い。ただ,本 単元の政治的分野に関していえば,多くの生徒は,本単元がさきほど述べたように大変重要 であるにもかかわらず「難しい」というイメージを持っている。それは生徒にとって,国の 政治に直接関わる場面が少なく,イメージがわきにくいからと考えられる。実際,小学校で 本単元の基本的な部分は学習しているが,アンケートでは国会,内閣は「何をしているとこ ろなのか」という質問も多く,本時の三権分立についても,そのしくみについて深く理解し ていないと思われる。 また,これまで資料を活用し,根拠をもって説明する場面を設定する時間を設けているが, 自分の考えを説明できるようになってきているものの,他者の意見を参考に考えを深め合う までには至っていない。 (3) 指導観 生徒が「難しい」というイメージをできるだけ解消していくために,本単元では生徒の興 味・関心が高まるような資料等を活用し,自分や身の回りの生活に置き換え,課題意識をも って取り組ませるようにしていく。また,グループ活動など学習形態を工夫し,考えを深め 合う場面を設定していく。 本時でも,これまで学習した国会,内閣,裁判所の仕事をまとめた資料を活用して,根拠 をもって自分の考えを発表し,そこからグループで考えを深め合う展開とした。グループで 意見交換が進まないであれば,教師の方で質問を投げかけるなどして,考えを深め,三権分 立の意義についてより理解が深まるようにしていく。 国会の地位としくみ (評価方法) 国会の会議と議決 国会のはたらき 2 単位時間ごとの評価規準 国会の地位やしくみ,議決について理解 ○ している。(発言・ワークシート) 1 国民の代表機関としての国会 二院制 知識・理解 技能 主な学習内容 次 思考 ・ 判 断 ・ 表 現 単元の指導・評価規準(総時数8時間) 関心 ・ 意 欲 ・ 態 度 4 法律の制定 予算の審議・議決 ○ 内閣総理大臣の指名 法律の制定や予算の審議,議決,内閣総 理大臣の指名の流れについて,図表など にまとめている。(発言・ワークシート) それ以外の国会の仕事 行政のしくみと内閣 3 行政と内閣 内閣の組織 ○ 議院内閣制 行政改革 4 行政権の拡大 公務員 行政改革 ○ 裁判所のしくみと働き 5 社会生活と法 司法と裁判所 司法権の独立 違憲審査制 ○ 裁判の種類と人権 6 民事裁判 刑事裁判 裁判と人権保障 裁判員制度 7 司法制度改革 裁判員制度 裁判新 ○ 制度の定着に向けて 三権の抑制と均衡 8 三権分立 三権の関係 本 時 ○ 省庁のホームページなどを利用して,内 閣の仕事と役割,権限などについて調べ, わかりやすくまとめている。 (発言・ワークシート) 新聞記事やテレビのニュースをもとに, 現在の行政の抱える課題や行政改革の取 り組みについて,的確に読み取っている。 (発言・ワークシート) 法や公正な裁判の保障が,権利を守り, 社会の秩序を維持する意義を持つこと を,身近な事例を通して多面的・多角的 に考察している。(発言・ワークシート) 裁判の種類と手続きのあらまし,裁判に ○ おける法曹三者の役割について理解して いる。(発言・ワークシート) 将来自分も裁判員に選ばれる可能性があ ることに気付き,裁判員制度に関心を持 っている。(発言・ワークシート) 三権は互いに影響を及ぼし合い(抑制と 均衡),国民が最大の力を持っていること を表現している。 (発言・ワークシート) 5 本時の学習(第8次) (1)小単元名 三権の抑制と均衡 (2)本時のねらい 三権が互いに抑制しあい,均衡を保っているとともに,国民主権のもと三 権分立が成り立っていることに気付く。 (3)準備・資料等 資料,ワークシート,三権分立図(模造紙) (4)本時の展開 過程 導入 (8) 学習内容や予想される生徒の活動・思考 1.三権分立図をつくる。 指導上の留意点・と評価△ ・これまでに学習した国会,内閣, ・内閣総理大臣は国会で選ばれるんだよね。 裁判所の仕事の内容を想起させ ・衆議院を解散できるのは内閣総理大臣。 て取り組ませる。 ・つまずきを少なくするために あらかじめ語句を与え,選択 2.ペアで確認する。 して取り組むようにする ・三権分立図のそれぞれの矢印 展開 (35) 3.本時の課題をつかむ。 の向きに注意させる。 国会,内閣,裁判所のなかでもっとも強い力をもっているのはどこか? 4.課題に取り組み,そう考えた理由も書く。 ・国 会…国の最高機関って習ったから 内閣総理大臣を選ぶことができるから ・内 閣…内閣総理大臣が政治を決めるから ・裁判所…違憲審査権を持っているから 5.ネームプレートをはり,自分の意見を明らかにする。 ・根拠を示させることによって 三権の関係に気付くようにす る。 評価の観点(②思判表) 三権は互いに影響を及ぼし 合い(抑制と均衡) ,国民が 最大の力を持っていること を表現している。 6.グループで意見交換し深め合う。 (ワークシート) ・国会から内閣総理大臣が選ばれるのだから,やっぱり 国会だ。 ・国会は法律も作ることができるし,憲法も変えること ができる。 ・政治を行うのは内閣(総理大臣)だから,内閣(総理 大臣)だと思う。 ・4人グループとし,生徒から それぞれの立場に対して意見 を出させる。意見が出ないよ うなら,教師側で考えが深ま るような質問を投げかける。 ・憲法改正の最終決定は国民がするし,国民はすべてに ・グループの意見がみんな同意 影響力を持っているから国民だと思う。 7.みんなで意見を深め合う。 見であれば,他の考えに対し, 反論を考えるよう促す。 ・三権はどれも抑制し合っているから強いと言えない。 ・反論がどんどん出すようにし, ・政治を決定するのは国民だから,国民だと思う。 まとめ (7) 考えを深め合うようにする。 8.まとめる 三権は互いに影響を及ぼし合い(抑制と均衡),国民が最大の力を持っている。 ・生徒の言葉を生かしてまとめ る。 (5)板書計画 国会,内閣,裁判所,国民のなかでもっとも強い力をもっているのはどこか? [ 三権とその関係 ] (問2)課題について理由とともに考えよう! (問1)三権の関係をまとめてみよう! 国会… 国の最高機関って習ったから 内閣総理大臣を選ぶことができるから 国会 内閣… 内閣総理大臣はやっぱり一番偉そうだから 裁判所…違憲審査権があるから 国民… 国民主権って習ったから 国会議員は選挙で選んでいるから 国会や内閣などすべてに対して強い力を持 内閣 裁判所 っているから 三権は互いに影響を及ぼし合い(抑制と均衡),国民が最 大の力を持っている。 8.三権の抑制と均衡 [ 三権分立 ] (問)次の【 】にあてはまる言葉を答えなさい。また①~⑦の( )には下のア~キ の中から選び、記号で答えなさい。 国 【 ①( 】 ③( ) 【 】 規則、命令などの違憲審査 イ 最高裁判所長官の指名 裁判官の弾劾裁判 衆議院の解散 オ 内閣総理大臣の指名 カ 法律の違憲審査 キ 内閣不信任の決議 ) ) ⑥( 閣 ④( ア ) ウ エ ⑤( ) ②( 内 会 ) 裁判所 ⑦( ) 【 】 [ 三権の関係 ] 自分の考え ( ) 理 由 ・友達の意見を聞いて考えが同じだったこと、疑問に思ったこと まとめ
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