速くて綺麗な代かきで効率作業を実現

ササキコーポレーション
現場通信
ス ペ シ ャ ル
超耕速代かき機
マックスハローACE MAX391HA
新潟県長岡市飯塚 ㈲グリーン
代表取締役 平石 博
速くて綺麗な代かきで効率作業を実現
生 声
「爪の形が変わって砕土性
は抜群に良くなった。ワラ
の潜りも良い」
先頭を走るということはどんな気分なのだろう。辛いだろう
か、不安だろうか、あるいは楽しいことなのだろうか。日本農
業をマラソンにたとえて言うなら今は長い上り坂。その先頭集
団が見ている景色が未来の日本農業でもある。脱落する者もい
るし、飛び出す者もいるが、一群の意志はそれに向かってひた
すら前へ前へ。新潟県でそんな先頭集団を走る生産者を取材し
た。農業の明日へと進む中で、
代かき機にササキコーポレーショ
ンのマックスハローACEを導入。その選択にこれからの農業
を探る。
新しいことをどんどん取り入
れ実践してきたのが新潟県長岡
市飯塚で有限会社グリーンの代
表取締役を務める平石博(56
歳)さん。
「地域では高齢化が
進み地域農業を如何に守ってい
くかが大きな課題」となる中、
前へ前へと進み、様々なことに
挑戦し、農業を進化させてきた。
平石さんが経営しているの
は水稲 34ha で、有機JASが
3ha、残りは減農薬・減化学肥
料の特別栽培米。それに加えて
蕎麦が 3.8ha、カボチャ、トウ
モロコシ、
里芋、
トマト、
メロン、
アスパラ等。従業員 6 名と共に
奮闘している。また新潟県稲作
経営者会議の会長を務め、自身
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の経営だけではなく、それを超
えた枠組みの中でも意欲的だ。
後継者として「小さな頃から
田んぼに親しみ、学校を卒業し
てから専業農家の道へ」
。しか
しただ漠然と昨日と同じ事を
繰り返すような農業ではなかっ
た。当時から受託作業として代
かき田植えなどを請け負ってい
たが、作業の後に代金の精算な
どがあり、手間がかかること
から、パソコンなどで処理する
ことを考える。当時新潟大学に
通っていた弟さんと共同で農業
ソフトプログラムの開発に取り
くみ、稲の生育診断、圃場コス
ト、農業簿記を作った。1980
年代の半ば、少しずつ世の中に
AMJ 2015.10
平石さん(左)と若い従業員
コンピューターが浸透していっ
た頃で、日本初の農業プログラ
ムとなった。その後その技術は、
農業ソフトのソリマチに引き継
がれていくことになる。平石さ
んは弟さんが大学を卒業すると
有限会社グリーンを設立し、会
社として農業に取り組む。平石
さんが田んぼを持つ地域は傾斜
地にあり、
「平場の条件の良い
所で耕作する人たちにどうやっ
たら追いつけるかと常に考えて
いた」
。その中で取り組み始め
たのが、消費者への直接販売だ。
「そうなると買って下さる方の
声が聞け、本当に美味しかった
などと言われるとがぜん頑張れ
るようになる」
。現在は通販の
会社と組んで直接販売してい
る。また取り扱い量が増えるに
つれ、自分の所だけでは賄えな
くなるので、地域の仲間に声を
かけ、越路コシヒカリ栽培研究
会を作り、量を確保すると共に、
直接販売の利益を地域農家と分
かち合っている。
直接販売するということは消
費者と向き合うことになり、距
離も近くなる。その中で取り組
み始めたのが有機栽培米。
「農
薬も化学肥料も一切使っていな
▼タイヤ跡を綺麗にけしていく
ダブルワイパーブレード
▶ウルトラロング
レーキ&ショート
レーキ
◀高速作業を追求
した超耕速CK爪
「カットと叩きで砕土」す
Point:
ることで、大きな稲株を砕くと
同時に代かき内部での砕土性を
向上。また反転性が優れ稲株・
ワラなどスキ込み性も大幅向上。
ここが一押し
高速作業を実現し
大規模面積の
作業時間短縮、コス
トダウンに貢献
優れた砕土性と反転・スキ込み性
いお米はありませんかとお客さ
んに言われ、最初はできません
と答えましたが、よく考えたら
やっている人はいる」
。それな
らばと取り組み始めた。
「最初
は全くうまくいかず、草取り
で田んぼをはいずり回る日々」
。
紙マルチ田植機を導入し、試行
錯誤を繰り返し「今でも安定し
た栽培とは言えない」そうだが、
お米のコンテストでは金賞を取
るまでになっている。
状況に向き合い、それを良く
するためにどうすれば良いのか
と考え、実践してきた道程のよ
うに思える。その中で今シーズ
ンから導入したのがササキコー
ポレーションの代かき機マッ
クスハローACE MAX391HA。
それまでは 3.4m のドライブハ
ロー 3 台で作業を行っていた
が、今年は 3.9m のこの新型と
もう 1 台を加えて「殆ど 2 台
で作業ができました」と効率的
な作業を実現している。新たな
爪の開発で、ハイスピードでの
作業を実現。
「写真とカタログ
を見ただけで、これは絶対に良
いなと思って購入」を決定。砕
土性と埋め込み性の向上によ
り、
「少ない回数で作業を済ま
すことができ、時間の短縮に繋
がった」とその期待を裏切って
いない。
実作業では「田植機のスピー
ドが速くなってきているので仕
事を滞りなく進めるためには、
代かきがネック」となっている
が、ACEの導入で「田植班が
滞ることなく、作業を進めるこ
とができた」
。また作業全体に
余裕が生まれ、紙マルチをする
田んぼでは、代かき後、一旦干
す時間がとれるようになった。
「そうすることで紙マルチの端
から泥が押し出される事なく、
抑草に繋がる」
。効率的な代か
きが中間管理の手間を削減する
事にも繋がっているようだ。
実作業を経ての平石さんの感
想は「すごく良い機械だと思う」
ときっぱり。
「爪の形が変わっ
て砕土性は抜群に良くなった。
ワラの潜りも良い」
。また少し
重く感じるようだが、
「爪の幅
やつけ根ホルダーが厚い」から
と耐久性のアップとして捉えて
いる。そうでなければハイス
AMJ 2015.10
▪超耕速マックスハロー ACE
《主な特長》 ①従来の“叩いて砕く”
方法に“カット”機能を追加。大きな土塊・
稲株・ワラをカット&叩きで砕き、次にま
だ粗い土塊を抱え込むようにして持ち上げ
内部スペースの中でさらに面で叩き、撹拌
する事で土塊を砕く。高い砕土性を獲得し、
カットを加えた事で、稲株を砕き、稲株・
ワラなどの反転性、埋没性も大幅に向上。
②爪は板厚アップと従来比145%の広幅設
計で耐久性約2倍。新爪ホルダーも板厚2倍
で高耐久。③ウェーブコントロールラバー
とカバー内部を拡大し最適化。十分な土量
で、タイヤ跡や凹凸等を残さず均平に仕上
げる。④可変式一体型ウルトラロングレー
キとステンレスショートレーキを同じ第一
レベラーに装備。またロングレーキの間に
ショートレーキを配置することで、稲株や
ワラ・土塊などを2段階で確実にすき込む。
ピード作業は難しい。また「タ
イヤ跡を消すワイパーブレード
がすごく良い」と好評価。
新しい機械による新しい方法
が平石さんの農業をまた一歩前
に進めたようだ。管理している
田んぼは 270 枚、
地主は 105 人。
効率作業で地域農業を守る力と
なりそうだ。
▪連絡先
▷㈱ササキコーポレーション:
〒034-8618 青森県十和田市大
字三本木字里ノ1番地259 農 機 営 業 部 製 品 窓 口 TEL =
0176-22-0170 F A X = 017625-3127
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