中国環境情報2015年1月

2015 年 1 月 号
国 (国 務 院 、環 境 保 護 部 等 )における環 境 政 策 の動 き
1.新規《環境保護法》施行の全国テレビ会議を開催
2015 年 1 月 1 日から施行予定の改正《環境保護法》を控え、2014 年 12 月 30 日、環境保護部、全
国人民代表大会環境・資源委員会、全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会は共同で全国
テレビ会議を開催した。
最高検察院、国家発展改革委員会、工業と情報化部、民政部、財政部、住宅と都市農村建設部、
水利部、国有資産監督管理委員会、国家税務総局、国家林業局、中国銀行監督管理委員会、国家
海洋局、解放軍環境保護局など部門の関係者、および環境保護部相関司(局)の責任者らが会議
に参加した。各省、自治区、直轄市と財政計画独立市の環境保護庁(局)、新疆建設兵団の環境保
護局はそれぞれ分科会場を設置し、地方の人民代表大会、法制弁公室、法廷、公安、発展改革な
どの関連部門の代表は会議に参加した。
出典:《中国環境報》 2014.12.31
2.新規《環境保護法》施行
2015 年 1 月 1 日から施行する改正《環境保護法》は学術界から史上最も厳しい《環境保護法》であ
ると言われている。
「罰金に上限がなく、違法汚染物質排出者は、人身の自由を失う処罰を下される可能性がある」な
どの条項があり、汚染物質の違法排出は日割りで計算して罰し、かつ最高限度額が設定されておら
ず、隠蔽の地下パイプを通じて汚染物質を排出し、あるいは監視測定データを改ざんする責任主体
は、公安部門に拘留されるかもしれなく、犯罪になった場合は刑事責任を問われる。
出典:《中国環境報》 1.4
3.2014 年度省エネ目標は超過達成の見通し
先日、国家発展改革委員会の関係責任者は、2014 年度の単位GDP当りのエネルギー消費量が
4.6%~4.7%下がり、年度任務(3.9%以上削減)を超過達成することができる見通しと述べた。
出典:《証券日報》 1.5
4.2014 年の全国大中都市固形廃棄物汚染防止年報を発表
環境保護部は先日《2014 年全国大中都市固形廃棄物汚染防止年報》を発表した。
《年報》の対象年度は 2013 年であり、対象都市は固形廃棄物汚染防止情報を公表している 261
の大、中都市であり、その中に、60 の環境保護重点都市、47 の環境保護模範都市、その他 154 都
市を含む。
統計によると、2013 年度、261 都市が公表した産業廃棄物の発生量は 238,306.23 万トン、工業危
険廃棄物の発生量は 2,937.05 万トン、医療廃棄物の発生量はおよそ 54.75 万トン、家庭ゴミの発生
量はおよそ 16,148.81 万トンである。
出典:《中国環境報》 1.5
5.最高人民法廷は環境民事公益訴訟事件の審理に関する司法解説を発表
1 月 6 日、最高人民法廷はプレス発表会において《環境民事公益訴訟事件の審理に適用する法律
に関する解説》を発表した。
《解説》は計 35 条があり、主に次の内容を含む。
① 民間組織は環境民事公益訴訟を提訴することができる。
1
② 環境民事公益訴訟事件は行政区画にまたがって審理することができる。
③ 同一の環境汚染行為に対する私益訴訟は公益訴訟に附けて審理することができる。
④ 訴訟費用における原告の負担を軽減する。
出典:《中国環境報》 1.7
6.《汚水処理費徴収使用管理弁法》発表
財政部、国家発展改革委員会、住宅と都市農村建設部は共同で《汚水処理費徴収使用管理弁
法》を発表し、2015 年 3 月 1 日から施行する。
《弁法》によって、汚水、廃水を排出する機構と個人は都市と町の下水施設及び汚水処理施設に
汚水処理費を支払い、さらに汚染物質排出費を納める必要がなくなる。しかし、都市と町の汚水処
理施設に排出する汚水が国あるいは地方の排出基準を超える場合は、法律に基づいて処罰する。
《弁法》は、地方政府が規則違反を犯し、企業の汚水処理費を減免したり、あるいは徴収を延期す
ることを厳禁とし、すでに発表した汚水処理費の減免、あるいは徴収延期に関する地方行政の政策
を廃止するべきと決めた。
出典:《中国環境報》 1.7
7.新規《環境保護法》の実施弁法も施行
環境保護部は記者会見を開いて、新規《環境保護法》の 4 つの実施弁法について説明した。
環境保護部が 2014 年 12 月 19 日に発表した《環境保護主管部門が日割り連続処罰を実施する
弁法》(環境保護部令第 28 号)、《環境保護主管部門が差し押さえ、取り押さえを実施する弁法》(環
境保護部令第 29 号)、《環境保護主管部門が生産制限、生産停止改善を実施する弁法》(環境保護
部令第 30 号)と《企業と企業体が環境情報を公開する弁法》(環境保護部令第 31 号)は、改正《環境
保護法》とともに 2015 年 1 月 1 日から施行した。
出典:《中国環境報》 1.9
8.《河川湖沼生態環境保護プロジェクト資金のパフォーマンス評価暫定弁法》発表
財政部、環境保護部は連合で《河川湖沼生態環境保護プロジェクト資金の効果評価暫定弁法》を
発表し、中央財政の河川湖沼生態環境保護特別資金に支援されるすべてのプロジェクトに対してパ
フォーマンス評価を行うように求めた。
現在まで、中央財政は 95 億元の河川湖沼生態環境保護特別資金で全国 29 省(自治区、直轄市)
における 64 湖沼の生態環境保護を支援している。
出典:《中国環境報》 1.9
9.気象局と環境保護部は共同でスモッグ予報を発表
12 日 18 時、中国気象局と環境保護部は共同で北京・天津・河北地域とその周辺部の汚染天気予
報を発表し、12 日夜~15 日、北京市の大部分、天津市の大部分、河北省の中南部、山西省の中南
部、山東省の北西部において、大気環境拡散の気象条件がとても悪くて、「重度汚染」の天気が続
き、その中、北京の南部、河北の中南部などは「深刻汚染」に達し、16 日から、上述の地区の大気汚
染は北から南へ弱まると予報した。
出典:人民ネット 1.13
10.気象局と環境保護部は共同でスモッグ予報を発表
環境保護部は先日第 2 陣の《大気汚染物質発生・排出リストの編さんに関する技術マニュアル》を
発表し、PM10 の発生と排出、道路自動車の排出、船舶・飛行機等非道路移動源の排出、バイオマ
2
ス燃焼源の排出、粒子状物質の巻き上げなどに関連する。
これは環境保護部が「清潔大気研究計画」を実施して、《大気粒子状物質発生解析》、及び《PM2.5、
VOCs、NH3 の発生・排出リスト》と《大気汚染源優先抑制技術マニュアル》を発表した後、各地方が
大気汚染物質発生・排出リストを編さんするに規範的な方法、ツールを提供するために、発表する
第 2 陣の重要な書類である。
出典:《中国環境報》 1.13
11.環境保護部はテン池汚染対策の遅れで昆明市政府に行政相談を行う
先日、環境保護部南西環境保護建徳検査センターは環境保護部の依頼を受けて、テン池流域水
質汚染防止について、昆明市政府に行政相談を行い、昆明市政府が一部地域で水汚染関連の新
規事業に対する審査許可を一時停止するように令した。
2015 年は「十二五」期間の最後の一年であり、昆明市のテン池流域における汚染対策プロジェクト
の完走率は 30%に達していない。
出典:《毎日経済新聞》 1.14
12.国務院は通達を出して環境汚染対策第 3 者実施の推進を求める
1 月 14 日、中国政府は環境汚染対策第 3 者実施の推進に関する国務院弁公庁が 2014 年 12 月
27 日各地方政府に出した通達全文をインターネットに掲載した。
環境汚染対策第 3 者実施を推進するために、国務院は次の条目でコメントを出した。
①
全体要求について、
②
環境公用施設の投資と運営の市場化を推進する。
③
企業の環境汚染対策を第 3 者から実施するメカニズムを革新する。
④
環境汚染対策第 3 者実施の市場を健全にする。
⑤
政策の誘導と指示を強化する。
⑥
組織と実施を強化する。
出典:中国政府ネット 1.14
13.《土壌環境基準》(改正案)はパブリックコメントを求める
現行の《土壌環境基準》(GB15618―1995)の改正案である《農用地土壌環境基準》と《建設用地土
壌汚染リスク評価指導値》はすでに原稿を完成し、1 月 14 日からパブリックコメントを求める。
出典:《中国環境報》 1.15
14.「2015 年全国環境保護工作会議」開催
1 月 15 日、「2015 年全国環境保護工作会議」が北京で開催された。会議の目的は、中国共産党
第 18 期中央委員会議の第 3 回全体会議、第 4 回全体会議と中央経済工作会議の精神を貫徹し、
習近平総書記の一連の重要な講演と李克強総理、張高麗副総理の重要な指示精神を実行し、2014
年の事業進捗を総括して 2015 年の重点的な任務を配置することにある。
環境保護部長の周生賢は、2015 年の環境保全事業について、次の重点的な任務を出した。
①
力を集中して、大気汚染防止、水質汚染防止と土壌汚染防止の「三大戦役」をしっかり推
進する。
②
正真正銘に主要汚染物質排出削減の任務を完成する。
③
総合的な措置をとって経済発展を合理化する。
④
環境法制を強化する。
⑤
生態保護と農村環境保護を強化する。
3
⑥
原子力と電磁輻射の安全に対する管理監督をしっかり推進する。
⑦
全面的に組織人材、予算、成果普及、環境監視、広告教育などの保障措置を強化する。
⑧
党風と行政の清廉を強化して、汚職腐敗を反対する。
⑨
《「十三五」環境保護計画》の制定を推進する。
⑩
全力で生態環境保護分野の改革をしっかり推進する。
出典:《中国環境報》 1.16
15.2014 年環境保護の数量ノルマはすべて完成
1 月 15 日開催した「全国環境保護工作会議」によると、2014 年に全国で淘汰した「黄色マーク車」
と老朽車は 700 万台を超え、石炭燃焼の小型ボイラーは 5 万台余り、2014 年 11 月末まで、都市と
町の汚水処理能力 900 万トン/日が新たに増加し、2014 年《政府活動報告》にあげた環境保護の数
量ノルマはすべて完成した。
「当面の環境状況は人民群衆の期待と比較し割と大きいギャップがある。都市の大気環境はあま
ねく基準を超え、地域型の深刻なスモッグ汚染は頻発している」と、環境保護部長の周生賢ははっき
り言った。
出典:《人民日報》 1.16
16.環境保護部は千丈岩ダム汚染事件の調査結果を公表
1 月 20 日、環境保護部の関係責任者はメディアに 2014 年 8 月 13 日に発生した湖北省の鉱山廃
水による重慶市の千丈岩ダム水質汚染事件に対する調査結果を公表した。調査によって、これは企
業の違法生産、違法排出によって誘発された省境にまたがる重大な環境汚染事件である旨認定さ
れた。
出典:《中国環境報》 1.21
17.周生賢は環境保護系統の党風清廉建設と腐敗反対を強調
1 月 21 日、環境保護部党組織会議は第 18 期中央紀律検査委員会第 5 回全体会議の要旨を学
習した。環境保護部党組織書記、部長の周生賢は、真剣に習近平総書記の重要演説と第 18 期中
央紀律検査委員会第 5 回全体会議の要旨を学習し貫徹して、率先して政治紀律と政治規範を守り、
適切に党風清廉建設を推進する政治責任を引き受け、環境保護系統の党風清廉建設と腐敗反対
を推進して新しい効果を得るように強調した。
出典:《中国環境報》 1.22
注)中国共産党第 18 期中央紀律検査委員会第 5 回全体会議は 2015 年 1 月 12~14 日北京で開催
し、《法律に基づいて国を治め、規則に基づいて党を治め、確固不動として党風清廉建設と腐敗反
対闘争を推進する》活動報告を採択した。
18.環境保護部は 2014 年突発環境事件の概況を発表
2014 年、全国で 471 件の突発環境事件が発生したが、2013 年に比べて 241 件減らした。その中、
「重大事件」は 3 件、「大事件」は 16 件、「普通事件」は 452 件であった。
「重大事件」3 件とは、広東省茂名市茂南区公館鎮で 97 名の教師と学生が不明ガスに汚染された
空気を吸い込んで体調を悪化させた事件、湖北省漢江の武漢区間水域でアンモニア性窒素の水質
基準超過事件、湖北省恩施自治州建始県の鉱業会社による重慶市巫山県の千丈岩ダム水質汚染
事件である。
出典:環境保護部ウェブサイド 1.23
4
18.汚水処理料金基準発表
1 月 26 日に国家発展改革委員会、財政部、住宅と都市農村建設部は共同で出した《汚水処理料
金基準などの制定と調整に関する通知》によって、2016 年末までに、都市汚水処理の料金基準は住
民が 0.95 元/トン以上、非住民が 1.4 元/トン以上を原則として調整し、県政府のある町、重点的な行
政鎮において、住民 0.85 元/トン、非住民 1.2 元/トン以上を原則として調整する。
出典:《毎日経済新聞》 1.27
19.「環境専門家」の陳吉寧は環境保護部に赴任
1 月 28 日夜、環境保護部公式サイトの発表によると、当日、中央組織部副部長の王尓乗は環境保
護部に赴き、陳吉寧を中国共産党環境保護部党組織の書記に任命した。また、周生賢の中国共産
党環境保護部党組織書記の職務を免除する中央の決定を宣言した。
現在 51 歳の清華大学学長の陳吉寧は環境保護の造詣が深く、今回、閣僚級官吏の退職年齢を
迎えた 65 歳の周生賢を引き継ぐ形で、環境保護部党組織の書記を担当し、その後の全国人民代表
大会常務委員会の認可を経て、環境保護部長を拝命する見込みである。
出典:中新ネット 1.29
20.省エネと環境保護を促進するため電池、塗料消費税を徴収
省エネと環境保護を促進するために、国務院の許可を得て 2015 年 2 月 1 日から電池、塗料消費
税が徴収される。
電池、塗料を消費税の徴収対象にし、その製造、委託加工と輸入に対して消費税 4%を徴収する。
しかし、無水銀一次電池、金属水素化物のニッケル蓄電池(水素ニッケル蓄電池)、リチウム一次電
池、リチウムイオン蓄電池、太陽エネルギー電池、燃料電池とバナジウムレドックスフロー電池は免
税とし、鉛蓄電池に対しては消費税の徴収を 2015 年 12 月 31 まで延期して、2016 年 1 月 1 日から
税率 4%を徴収し、工事中に揮発性有機物含有量が 420g/L より低い塗料に対して消費税の徴収を
免除する。
出典:《人民日報》 1.29
地 方 政 府 等 の環 境 情 報
1.遼寧省 都市汚水の排出を全天候で監視
新年始め、遼寧省 14 市における 160 基の都市汚水処理場はビデオモニタリングシステムを導入し
た。今後、都市汚水の排出は 24 時間リアルタイムで環境保護部門に監視される。
遼寧省の汚水排出総量は年間 25 億トンであり、その中の 2/3 の生活汚水は、各地の都市汚水処
理場の集中的な処理を経てから河川に排出する。
出典:新華ネット 1.4
2.上海市 122 社の重点企業を汚染源監督情報プラットフォームに組み入れ
現在、上海市はすでに 122 社の重点企業における 1.15 万件の汚染物質排出データを汚染源監督
情報プラットフォームに組み入れ、これを基にして、次第にリアルタイムに汚染源の排出データを公
表する予定である。
出典:《中国環境報》 1.5
3.河北省 四大業界における大気汚染対策重点プロジェクトは 9 割近く完成
先日、河北省環境保護庁は全省の電力、鋼鉄、セメント、ガラス業界における大気汚染対策重点
プロジェクトの進展状況を発表した。2014 年 11 月末の時点で、2014 年度の 606 件の計画プロジェク
5
トのうち 528 件は完成し、計画の 87.13%を占める。
出典:《中国環境報》 1.5
4.北京市 PM2.5 年平均濃度が 4.0%下がる
1 月 4 日、北京市環境保護局は 2014 年度大気汚染対策の成果を公表した。過去一年に排出削
減の強化によって、大気環境は持続的に改善し、PM2.5 年平均濃度が 2013 年度と比べて 4.0%下が
ったとのこと。
出典:《人民日報》 1.5
5.広東省 大気汚染防止目標責任制審査細則を発表
1 月 4 日、《広東省大気汚染防止目標責任制審査弁法実施細則》が発表された。
《細則》は、2017 年まで各地方の PM2.5 年平均濃度の目標を明確に規定した。2017 年、広州市、
東莞市、佛山市と順徳地区の PM2.5 年平均濃度は 2013 年に比べて 20%程度の削減、深セン市、江
門市、中山市と肇慶市はそれぞれ 15%程度、恵州市と珠海市は 8%程度の削減を目標とする。
出典:《人民日報》 1.6
6.陝西省 今年の排出削減目標を発表
陝西省政府は先日《2014~2015 年省エネ・排出削減と低炭素発展行動実施方案》を発表し、今年
度化学的酸素要求量、アンモニア性窒素、二酸化硫黄、窒素酸化物の排出量は 2013 年に比べてそ
れぞれ 2.5%、3%、1%、9.5%下げる目標を出した。
《方案》によると、2015 年、非化石燃料消費量の割合を 10%まで引きあげて、天然ガス消費量を 10%
まで達し、石炭消費量を 70%まで下げる。
2015 年末までに、エネルギー消費の重点企業とオンライン監視システムとのデータ交換を実現し、
国級の汚染源の排出に対して「ICカード式」の総量管理を実行する。
出典:《中国環境報》 1.6
7.甘粛省 企業の環境違法を告発する市民に賞金
蘭州市は先日規定を出し、市民は市街区のいかなる工業企業による環境違法行為を発見したら、
いつでも告発でき、その事実が確認された場合は、奨励金を現金でもらえる。
出典:新反ネット 1.6
8.湖南省 排出停止を拒否する企業責任者を拘留
1 月 4 日 8 時 30 分、湖南省湘潭市雨湖区環境保護局と公安支局の法律執行人員は先鋒郷金塘
村と先鋒村において法律執行状況の検査を行ったところ、2 社の不用プラスチック回収・加工企業と
1 社の食品加工企業がいかなる環境保護施設も設置しないまま依然として不法に汚染物質を排出
していることを発見した。
法律執行人員はその場で行政拘留書を出し、3 人の企業責任者は公安機関に連行された。
これは新《環境保護法》が施行した後に、湖南省が初めて行政拘留書を出したものである。
出典:《中国環境報》 1.7
9.上海市 大気粒子状物質発生源解析の結果を公表
上海市は大気粒子状物質発生源解析の結果を公表した。上海市の PM2.5 に対して、現地汚染物
質排出の寄与率は 64~84%であり、平均 74%である。
現地汚染物質排出源の内訳は、移動源 29.2 、工業生産、石炭燃焼、粉塵巻き上げはそれぞれ
6
28.9%、13.5%、13.4%を占め、その他の農業生産、バイオマス燃焼、民生面源と自然排出は 15.0%
を占める。
出典:《中国環境報》 1.9
10.広東省 大気汚染防止審査実施細則を発表
広東省の環境保護庁、発展改革委員会、経済と情報化委員会などの 5 部門は共同で《広東省大
気汚染防止目標責任審査弁法実施細則》を発表した。
《細則》は、審査項目として 2017 年まで各地方の PM2.5 年平均濃度の改善目標の達成状況、大気
汚染防止重点任務の完成状況、自動車汚染防止に関する要求を決めた。
出典:《中国環境報》 1.12
11.陝西省 環境違法行為の告発者に賞金を
陝西省の財政庁と環境保護庁は合同で《陝西省環境違法行為告発賞金実施弁法》を発表し、10
種類の環境違法行為の告発者に最高額 1 万元の賞金を与えることを決める。
出典:《中国環境報》 1.12
12.甘粛省 蘭州市政府は違法排出の石化会社を激しく非難
中国石油天然ガスグループ会社の蘭州石油化工会社は第 1 回五年計画期間に国の 156 重点プロ
ジェクトの一つに指定され、新中国の石油精製工業と石油化学工業の「ゆりかご」と呼ばれ、蘭州市
の功績企業である。2014 年 8 月以来、蘭州石油化工会社は環境汚染事件が頻発し、蘭州市政府に
厳しく非難された。
1 月 8 日夜、蘭州石油化工会社はばい煙発生施設における機器の故障でトーチガスの燃焼が発
生し、もくもくと黒い煙を排出し、蘭州市局部で大気汚染は著しく悪化した。この半年間、同社は何度
も環境汚染事件を発生させている。
1 月 9 日、蘭州市政府は、「わずか数ケ月の間に何度も環境違法を頻発させ、中央企業として社
会的責任を問いたい」と、公に厳しく蘭州石油化工会社を非難し、そして公開謝罪をするように求め
た。
出典:《人民日報》 1.14
13.青海省 《生態文明建設促進条例》発表
先日、青海省初の生態文明に関する立法である《青海省生態文明建設を促進する条例》が青海
省第 12 期人民代表大会常務委員会の第 16 回会議に採択され、今年 3 月 1 日から施行される。
《条例》は、7 章 76 条からなり、それぞれ青海省生態文明建設の責任主体、計画と建設、保護と対
策、確保メカニズム、監督検査、法律責任などについて、明確に規定している。
青海省は高原の草地、林地、湿原の重要な分布区であり、生態文明建設はずっと発展の基本的
な構想である。
出典:《中国環境報》 1.19
14.福建省 生態レッドライン確定方案を発表
福建省は先日《福建省生態レッドライン確定作業に関する実施方案》を発表して、「重要生態機能
区」、「生態敏感区」と「生態脆弱区」で生態レッドラインを確定して主導的な生態機能を明確にし、生
態保護の措置を制定し、保護と管理監督を強化する。
福建省は 2015 年に生態レッドラインの確定を基本的に完成する。
《方案》によって、生態レッドラインは「レッドライン区」と「黄色ライン区」に分けて分類管理を実行し、
7
「レッドライン区」では、最も厳格な措置をとって、すべての生態保護と関係のない開発活動を禁止し、
「黄色ライン区」では、主導的な生態機能に悪影響を及ぼさない程度の適度な開発活動を許す。
出典:《中国環境報》 1.20
15.重慶市 柴(雑木、薪)燃やしの飲食業汚染を整頓
近頃、柴(雑木、薪)を燃やすかまどで料理を加工する飲食店は重慶市で流行り始め、木材を燃料
にするため、大気環境に汚染をもたらしている。
1 月 19 日、重慶市環境保護局は都市機能の中核区で、かまどによる飲食店を検査して、木材燃料
をガス燃料に転換するように令した。
出典:《中国環境報》 1.20
16.北京市 2016 年「国一自動車」は第 6 環状線内の通行禁止
「APEC プルー」の約束を果たすために、北京市は今年老朽自動車に対する淘汰を強化し、2016
年に国第一段階排出基準に合う「国一自動車」だけに対して通行制限措置をとって、第 6 環状線内
での 24 時間通行禁止を実施する。
現在、北京市は 40 万台の「国一自動車」と 50 数万台の「国二自動車」があり、環境保護部門の推
計によると、この百万台近くの老朽自動車をすべて最新の「国五自動車」に替えた場合、その排出
削減効果は APEC 会議期間の通行制限の効果に相当する。
出典:《中国環境報》 1.21
17.河南省 違法排出の企業者に行政拘留を課す
1 月 14 日、河南省環境保護庁、開封市環境保護局、尉氏県環境保護局の 3 級の環境保護部門
は告発を受けて、尉氏県にある吉利化工有限会社に対して立ち入り検査を行って、強い酸性の工業
廃水を処理せずに排出していることを発見し、法律に基いて企業法人、主要な責任者に対して行政
拘留を課した。
出典:《中国環境報》 1.21
18.河北省 今年生態環境対策に 47.6 億元を調達
2015 年、河北省は省級財政の 47.6 億元を生態環境対策として調達し、重点的に大気汚染防止、
地下水過剰採取対策、省エネ・排出削減、環境対策と林業緑化を支える。
紹介によると、大気汚染防止に 8 億元、地下水過剰採取対策に 6.3 億元、省エネ・排出削減に 11.1
億元、環境対策に 20.2 億元を調達する予定である。
出典:《中国環境報》 1.23
19.甘粛省 2015 年環境保護工作会議開催
先日、甘粛省 2015 年環境保護工作会議を開き、副省長の郝遠は会議に出席して、「新常態(ニュ
ーノーマル)」において環境保護の「新状態」を現すように求めた。
いわゆる「新常態」は、資源を尽くして高成長を狙うモデルを転換し、国の経済と人民の生活に関
連する環境保護などの事業をうまく推進する新しい状態である。
郝遠は、甘粛省環境保護の改革、以下の方面から着手すべきと述べた。
①
資源配置における市場メカニズムの決定的な役割を十分に果たす。
②
補助金、税収などの政策を活用して環境製品市場メカニズムの不足を補う。
③
価格の役割を活用して環境保護の生活様式を誘導する。
④
環境保護取引市場を創立する。
8
⑤
汚染対策の「第 3 者実施」を推進する。
⑥
金融の手段で環境違法企業を処罰して、グリーン産業を育成する。
出典:《中国環境報》 1.23
20.北京市 今年 PM2.5 濃度がすでに 4.0%下がる
1 月 25 日、北京市第 14 期人民代表大会第 3 回会議は市政府の《北京市大気汚染防止条例》実
施状況に関する報告を審議した。
報告によって、昨年、全市の大気汚染物質排出量が大幅に減少し、大気環境はさらに改善した。
PM2.5 濃度は 2013 年に比べて 4.0%下がり、国に下達される任務の 2.5%を超えたが、2014 年北京
市政府活動報告に提出された 5%の目標まで、まだギャップがある。
今年、交通渋滞費の徴収を実施する可能性があり、300 社の汚染企業に対して、調整、移転、ま
たは閉鎖を課する。
出典:《新京報》 1.26
21.山東省 初の日割り罰金通知書を出す
先日、山東省臨沂市は新《環境保護法》を施行した後、第1号となる最初の日割り罰金通知書を
出した。蘭陵県臨沂華竜熱電有限会社が累計で 100 万元の罰金を課された。
1 月 5 日、蘭陵県臨沂華竜熱電有限会社は排気ガスの二酸化硫黄規準超過を発見され、1 月 9
日、臨沂市環境保護局は会社に違法行為改善通達書を配達し、10 万元の罰金を課したが、1 月 19
日まで、会社の煙突排ガスは依然として基準を超えている。このため、1 月 10~19 日の 10 日間、毎
日罰金の 10 万元で、日割りで連続して計算し、計 100 万元を課した。
出典:《中国環境報》 1.27
22.江蘇省 監視測定データを改ざんする企業責任者を行政拘留
南京市環境監察総隊の記者会見において、江蘇省南京市に位置する中国セメント工場有限会社
が基準超過の汚染物質を排出するために、監視測定設備に手を回して、勝手に監視測定データを
改ざんしていたことが発表された。
現在、企業は 20 万元の罰金を課され、環境保護担当の責任者が行政拘留にされた。
出典:《中国環境報》 1.27
23.上海市 スモッグは政治協商会議のホットな話題になる
1 月 25 日夜、上海市が冬になってから最も深刻な大気汚染に見舞われ、大気品質指数(AQI)は 1
度 400 超えを記録し、上海市中心気象台は相前後してスモッグと霧の「黄色早期警報」を発表した。
26 日、第 12 期上海市政治協商会議第 3 回会議の「環境保護を強化して、生態文明のレベルを上
げる」という特別テーマの会議に、「スモッグ天気」は再びホットな話題になっている。
出典:《中国環境報》 1.27
24.江西省 政治協商会議は「スモッグ解消」の協商会議を開く
27 日午後、江西省第 11 期政治協商会議の第 3 回会議は、「大気環境の改善」、「スモッグ解消」
について、環境保護、公安などの部門と 2 時間の協商を行った。
江西省の環境保護庁、住宅と都市農村建設庁、公安庁、省政府法制弁公室などの責任者は政治
協商会議委員たちの質疑と提案を受け、それぞれ発言をした。
出典:《中国環境報》 1.28
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25.北京市 スモッグによる休校は各校の自主判断
1 月 27 日、北京市第 14 期人民代表大会第 3 回会議の記者会見にスポークスマンの李奕は、中小
学校の学長がスモッグによる休校を決めることができるかどうかについて、深刻な大気汚染になる
日に、各学校が当校の実情に合う応急措置をとって自主的に判断することとし、全市一律な決まりを
出さない。
出典:《中国環境報》 1.28
26.福建省 河川生態環境の改善に小型水力発電所の撤去を試行
先日、福建省は生態県である長汀県で試行として 2 基の小型水力発電所を撤去した。
長汀県は汀江、ミン江、カン江の 3 大河川の源流地に位置し、小型水力発電所が 121 基があり、
省政府はその中の 50 基(延べ 7122kw)の発電所を撤去する予定である。
2015 年、福建省はまず長汀県と永春県で小型水力発電所の撤去を試行し、「十三五」期間、約
200 河川の生態を改善するために、1000 基の小型水力発電所を撤去する計画を立てる予定であ
る。
出典:《中国環境報》 1.28
27.河北省 生態補償金管理弁法を発表
河北省財政庁、環境保護庁は先日共同で《河北省生態補償金管理弁法》を発表した。
《弁法》は特に、地方政府が徴収した生態補償金の金額の半分を水環境改善のプロジェクトに活
用することができ、生態補償金は必ず生態補償特別支出金として、その全額を決めるプロジェクトに
使用しなければならなく、使用規定に違反するのは、法律に基づいて関係部門と人員の責任を追及
するのを規定した。
出典:《中国環境報》 1.29
28.広西自治区 生態補償金管理弁法を発表
広西チワン族自治区環境保護庁は先日《環境問題行政相談暫定弁法》を発表し、次のことに対し
て、自治区環境保護庁が市、県(市、区)の人民政府及其相関部門の責任者に対して行政相談を行
う。
・ 国と自治区の環境保護法律法規を実行していない。
・ 管轄区で深刻な生態事件と環境事件が発生した。
・ 地域あるいは流域の環境状況が明らかに悪化している。
・ 大衆が訴える環境問題が長期間に解決されていない。
・ 汚染物質排出総量削減の任務を完成していない。
・ 管轄区の生態保護に対して努力が足りないで、生態体系に深刻な脅しと破壊をもたらした。
・ 行政区で、環境監視データを偽造するなど。
出典:《中国環境報》 1.29
29.山西省 2020 年までに新規炭鉱の建設を審査許可しない
1 月 28 日、山西省政府は、2020 年までに、原則的に新規炭鉱の建設を審査許可せず、かつ 500
万トン/年以下の地下採掘から露天採掘までの改造プロジェクトに対する審査許可を停止することを
発表した。石炭市場低迷の影響を受けて、山西省の石炭生産高は大幅に下がり、その伸び率が
2011 年の 12%から 2014 年の 1.47%まで下がった。同時に、石炭採掘の利潤もわずか 2.59 元/トンに
なっている。
出典:中国放送ネット 1.29
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30.遼寧省 電気エネルギーで石炭燃焼の代替
2014 年、遼寧省は電気エネルギーで石炭の燃焼を代替する事業を推進し、20 億 kwh の電気エネ
ルギーで、石炭使用量の 60~70 万トン相当を削減し、2 万数トンの二酸化硫黄の排出を減らした。
出典:《中国環境報》 1.30
その他 の環 境 記 事
1.法律執行に厳正でない環境保護局は検察院に訴えられる
1 月 1 日、「史上で最も厳しい」と言われる新《環境保護法》が施行されたことを受け、貴州省畢節市
金沙県検察院は汚染企業が処罰されていないため、当県の環境保護局を訴えた。
金沙県環境保護局は直ちに措置をとり、法律による相応な処罰を作り出したことで、検察院も訴訟
を撤回した。
これは国初の検察機関が直接に原告として環境保護部門を提訴する行政公益訴訟案である。
出典:《新京報》 1.6
2.人工で広域のスモッグを解消することについて、専門家は異議を持つ
1 月 12 ~ 14 日、北京市、河北省は再び広域のスモッグに見舞われた。2015 年第 1 回目のスモ
ッグ発生に伴い、1 月 12 日国家発展改革委員会と中国気象局は共同で《人工影響天気全国発展計
画(2014~2020 年)》を発表した。
《計画》によると、北京市近郊に国級の物理実験室を設立し、及ぼす、エアゾル、雲、霧、降水と人
工天気影響について重大な基礎的研究と肝心な技術研究を展開する。
一方で、専門家は人工で広域のスモッグを解消することが可能なのか、論証する必要があると指
摘した。
出典:《中国環境報》 1.21
環 境 以 外 の重 要 なニュース
1.20 年間の「2 重制」年金制度はついに廃止
1 月 14 日、《機関事業体従業員養老保険制度改革に関する国務院決定》が正式に発表され、「2
重制」の養老年金制度が廃止された。
1995 年から、企業と機関事業体はそれぞれ全く異なる 2 種類の年金制度を実行し、養老年金の「2
重制」と言われてきた。現在まで 20 年間近く、この「2 重制」は、ずっと論争が続いてきた。《決定》の
実施によって、企業と機関事業体の基本年金は統合される。
石家荘市の工場から退職した労働者の羅さんは、大卒で正処長級まで働いたが、年金が 1400 元
/月しか支給されない一方で、同じく大卒で彼と同時期に機関事業体に勤めた同級生は、同じ正処
長級で退職し、毎月 5700 元をもらえている。羅さんはメディアに 「少し悔しいという思いはある」と言
った。
出典:中新ネット 1.15
2.2014 年度 GDP は 7.4%伸び
1 月 20 日国家統計局の発表によると、2014 年度国内総生産(GDP)は 636,463 億元であり、不変
価格で計算すると、2013 年度に比べて 7.4%増加した。その中に、第 1 四半期(1~3 月)は 7.4%、第 2
四半期(4~6 月)は 7.5%、第 3 四半期(7~9 月)は 7.3%、第 4 四半期(10~12 月)は 7.3%であった。
出典:中新ネット 1.20
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3.上海外灘の圧死事件で 11 名の官吏が処罰
1 月 21 日、上海市は 2014 年 12 月 31 日外灘で発生した圧死事件に対し、調査レポートが発表さ
れ問責を行い、共産党黄浦区委員会書記の周偉は党内職務を解任、黄浦区長の彭崧に党内職務
と行政職務を解任した。その他9人の責任官吏も同時に問責された。
2014 年 12 月 31 日 23 時 35 分、上海市黄浦区外灘で群衆の圧死事件が発生して、36 人が死亡、
49 人負傷をもたらした。1 月 21 日の現在、黄浦区政府は事件被害者の家族に 80 万元の慰謝料を
支給することを決定した。
出典:《中国青年報》 1.22
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