事 業 の 概 要 - 放送ライブラリー

平成 26 年度事業概要
平成26年度は、24年度に決定した「向こう5年間の放送番組センター事業方針」、および当期事
業計画に基づき、放送番組の分野における唯一の公共的アーカイブとしての認知度を高め、利用者増を
図るとともに、サテライト・ライブラリー、大学教育における公開番組の利活用など、放送ライブラリー
の機能の充実を図ることに注力した。
また、民放とNHKによる出捐金の段階的な削減に対応するため、主たる財源である基本財産の運用
収益の向上を図ることにし、仕組債の導入等により、2.3%の運用利率を達成した。
(1)収集・保存・公開の拡充
年度末における公開番組数に関しては、テレビ番組は前年同期比 411 本増の 15,170 本、ラジオ番
組は 147 本増の 3,990 本であった。年度内に収集・保存した番組に関しては、テレビ 866 本、ラジオ
181 本で、年度末における保存番組数はテレビ 21,108 本、ラジオ 4,496 本となった。
来館者による公開番組(テレビ、ラジオ、CM、ニュース映画)の延べ視聴回数は、前年度比 6,860
回増加(5.3%増)の 136,662 回(1日平均 442 回)となった。
前年度に引き続き、発生から3年目を迎えた東日本大震災からの復興を記録した番組の収集と公開
を推進するとともに、阪神淡路大震災関連番組の上映会を開催し、防災意識の向上に寄与することに
した。
過去に当センターが行っていた番組供給事業においては、当センターが自ら制作した教養番組と、
民放各局が制作、その制作費の半額を当センターが補助した協賛番組の2種があった。これら2種の
番組(合計 5,800 本)のうち、受賞歴のある番組など 84 本は既に公開しているが、残りの番組につ
いても順次、保存と公開を進めることとし、新たにセンター制作番組 24 本、協賛番組5本を公開し
た。
(2)利活用の推進
各地の図書館・公共施設などと連携して番組を公開するサテライト・ライブラリーの試験運用は、
長崎県諫早市の諫早図書館と、千葉県市川市の市川市文学ミュージアムに向けて番組をIP伝送し、
公開番組の活用につなげた。
大学教育における利活用に関しては、新たに東京大学教養学部での「マス・メディア論」(26年
度後期)の講義で公開番組を利用した。また、前年度に引き続いて長崎県立大学の「映像研究」(2
6年度後期)の講義で公開番組を活用した。
公開番組に関する情報を一般に提供する最も有力な手段であるホームページの改修を実施し、出演
者やスタッフ等の人名から番組を検索できる機能を加えることにより、より利便性を高め、公開番組
視聴の増進に寄与した。
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(3)存在感の強化
放送ライブラリーの認知度を高めるために、広報の強化を図り、神奈川県内だけでなく、東京都、
千葉県、埼玉県の小中学校、図書館、博物館等に放送ライブラリーの施設案内パンフレットや催事チ
ラシを送付したほか、全国の旅行代理店に案内パンフレットを送付し、他県から横浜方面に来訪する
際には、放送ライブラリーを利用してもらうよう周知した。
また、夏休みの親子向けの企画として、ヒロシマの原爆関連の上映会と関連行事を開催した。その
際、放送ライブラリーで公開する広島原爆関連番組のリストを配布し、アーカイブが果たす役割に対
する理解を深める一助とした。
事業の全国展開に関しては、公開セミナー「ラジオを楽しむ!」の第4回を大阪で開催したほか、
「名作の舞台裏・坂の上の雲」
「カンヌライオンズ上映会」を東京都内で実施した。
横浜の放送ライブラリー施設内では、放送界の最新の話題を取り入れた企画展や、公開セミナーを
開催し、その広報、宣伝を通じて放送ライブラリーの周知を図るとともに、多くの来場者を集めた。
さらに、企画展のチラシを今年度から横浜市の学童保育施設にも送付したことなどにより、子どもた
ちの来館も増加し、年度内の来館者数は、104,564 人となった。
(4)財政基盤の確立
民放とNHKの当センターへの出捐金は、前年度に引き続いて、24年度比 10%(2,310 万円)の削
減となった。そのため、基本財産の運用益収入を高めることが課題となり、前年度に財産管理運用規
程を改定して導入を可能にした、比較的安全な仕組債を26年3月末から 11 月に掛けて合計 30 億円
購入した。これにより、26年度末における保有債券全体の運用利率は、2.31%に向上し、基本財産
運用益は2億 1,100 万円に達した。
平成26年2月に開催された平成25年度第2回理事会において了承された、民放BS7社に
対する賛助員としての協力要請は、平成26年度に入って各社に依頼し、民放BS7社から各5
口、総計 350 万円の賛助会費が納入された。
平成27年度からの一層の出損削減(24年度比 30%)を踏まえ、業務の効率化と経費節減をさら
に推進した。
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