「子ども虐待対応のための説明会 」 参加報告 札幌太田病院 内観療法課 時岡かおり・門谷ひとみ・丹野万樹 「子ども虐待対応のための説明会 」 参加報告 日時:平成26年8月18日(月) • 場所:WEST19 5階講堂 • 主催:札幌市児童相談所 • • 講演 1.札幌市の児童虐待の概要について 藤田慶一氏(札幌市児童相談所長) 2.医療機関における児童虐待の対応について 溝口 史剛氏(群馬県済生会前橋病院小児科部長) 虐待の種類 虐待の種類 内容 身体的虐待 殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わ せる、溺れさせる、首を絞める、縄等により一室に拘束 する など 性的虐待 子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る 又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など ネグレクト 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、 自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連 れていかない、同居人による虐待行為の放置 など 心理的虐待 言葉による脅し、無視、兄弟間での差別的扱い、子ど もの目の前で家族に対して暴力をふるう など 全国における年代別虐待傾向 35.2% 虐待が疑われる兆候 ①子どもの様子 • 骨折や火傷を繰り返す • 不自然な打撲傷、外傷がある • 新旧混在した傷、骨折歴、治療歴がある • 頭部を叩かれる、腹部を踏まれるなどの暴力を受けてい ると訴える • 栄養障がい、脱水症状が見られる • 外傷に関する子どもの説明が不自然であったり、説明を 嫌がる • 怪我や病気に関わらず、受診していない • 家に帰りたがらない、放浪癖がある • 年齢不相応な性的言葉や性的行動が見られる • 衣服や体がいつも不潔である • おやつや食事をがつがつ食べる、盗み食いをする *「札幌市 児童虐待対応の手引き」より引用 虐待が疑われる兆候 ②保護者の様子 • 子どもへの攻撃的、脅迫的な態度 • 子どもの怪我や病気についての説明に一貫性が ない、または不自然である • 子どもを無視したり、子どもの人格を否定するよう な関わりをする • いきすぎたしつけ、体罰を容認する • 検診や病院受診をさせない • 居留守をつかう • 夫婦の不和やDVがある • アルコール、薬物依存がある • 援助の申し出に拒否的 • *「札幌市 児童虐待対応の手引き」より引用 児童虐待を早期発見するために • 学校、児童福祉施設、病院、その 他児童の福祉に業務上関係のあ る者は、虐待を発見しやすい立場 にあることを自覚し、虐待の早期発 見に努めなければならない(児童 虐待防止法 第5条第1項 要旨) 児童虐待の通告義務 •児童虐待を受けたと思われる児 童を発見した者は、速やかに市 町村・都道府県の福祉事務所もし くは児童相談所に通告しなけれ ばならない(児童虐待防止法 第6条 第1項 要旨) 医療機関からの通告での確認事項 • 保護者の述べる、子どもの受傷理由 • 子どもの受傷状況と保護者の説明の整合性 • 医師の所見と、保護者らへの説明内容 • 治療の見通し(治療期間、再受診等) • 過去の受傷の痕跡 • 保護者の、医療機関への態度等 • 警察への通報の有無 札幌太田病院の虐待が疑われた際の 対応マニュアル(一部) 当院で行われていること • 虐待が疑われる兆候として「保護者にアル コール、薬物依存の問題がある」ということが 挙げられているが、思春期の初診の際、親の アルコール問題のスクリーニングテストを実施 し、子どもへの影響を早期発見できるようにし ている • 思春期の初診の際、親・子双方に、叩くなどの 親の行為がなかったか、また、あるとすれば、 どのような内容と程度かを聴き取っている ご清聴、 ありがとうございました。
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