平成26年度事業報告書 一 般 社団法人 石川県自動車整備振興会 1.事業の概要 昨年の国内情勢は、集中豪雨による長野県南木曽町における土石流や広島市の広 範囲にわたっての土砂の流出、更には長野・岐阜両県境に位置する御嶽山の噴火等、 甚大な被害が発生し、家屋の倒壊や河川の決壊等による経済的な打撃だけでなく、 尊い多数の人命をも奪われ、改めて自然災害の猛威に晒された年でもありました。 また、東日本大震災後の被災地域の復旧・復興や福島原子力発電所問題の復旧処 理に向けた努力が続いているが、その状況は未だにその途上にあり、今なお被災さ れた約23.4万人の方々が避難生活を続けていることから、今後も継続した支援 が求められている。 一方、国内の政治経済情勢は、アベノミクス効果から、年度初頭は、円安、株高 により、大手輸出産業を中心に堅調に推移するなど景気回復の感が続いたものの、 消費増税後は、国内総生産(GDP)が2四半期連続してマイナスとなるなど再度 景気低迷が鮮明となり、加えて行き過ぎた円安により、輸入原材料や燃料等のコス トの高騰から、日本経済の下支えをしている多くの中小企業にとって、企業収益の 改善が進まず、景気回復の実感が得られない厳しい年となりました。他方国政につ いては、昨年12月消費税の再増税の信を問う第47回衆議院議員総選挙で政権与 党が圧勝し、参議院においても政権与党が多数を占めていることから、安定した政 権運営により迅速で確実な力強い日本経済の活力が取り戻される施策を期待したい。 このような中、自動車業界については、4月からの消費増税よる駆け込み需要の 反動から、新車販売台数は、登録車を中心に大幅な落ち込みを示し、石川県内の新 車販売台数も、登録車については環境対応車を中心に3万5,466台、前年対比 5.4%減で、軽自動車についても2万1,884台で、前年対比11.3%減と なり、登録車・軽自動車合計で7.8%減の5万7,350台と、11.6%と大 幅な下げ幅となったリーマンショックに見舞われた平成20年度以来の水準にまで 下落した年でもありました。 また、当自動車整備業界の経営基盤である車両の保有台数は、少子高齢化による 生産者人口の減少から、増加率は極めて低いものの、堅調に推移し、登録車・軽自 動車合計895,282台、前年対比100.6%と、総台数こそ堅持いたしまし たが、登録車から車両管理費が比較的低廉な軽自動車へと移行し車種の構成割合が 変化するのと同時に、高年式車両と低年式車両の二極化が顕在化し、更に、自動車 の構造・機能は高度化・複雑化され整備手法もこれらに対応した整備技術の向上を 図ると共に、新たな費用の拠出が伴う整備用機器の導入が求められている。 このような状況下にあって、整備売り上げは、日整連が発表した平成26年度自 動車分解整備業実態調査結果によると、総整備売上高は、5兆5,169億円、前 年比1.8%増で、整備要員1人当りの整備売り上げについても、総平均で13, 822千円、前年比1.5%増と双方共に2年連続で増加いたしましたが、平成2 3年度の5兆6,021億円に届かず、厳しい経営環境から脱することが出来なか った年でもありました。 次に、ユーザー車検・代行車検との差別化を図るため、平成12年10月より展 開している「整備付車検」も含めた、「1年点検需要掘り起こし事業(マルであん しんキャンペーン)」も、発足から15年を経過し、車両の安心と安全を使用者に 提供する手段として捉え、順次事業内容の充実を図りながらマスメディアの効率的 な活用と各支部役員及び点検整備促進特別委員会委員の更なるご尽力により、順調 に推移し点検整備実施車両も徐々に増加してまいりました。 また、自動車使用者対策として、直接ユーザー自身に自動車の点検・整備の必要 性と自己管理責任の重要性について理解を深めて頂くため、「セーフティCarに ばる石川2014」を始め「自動車点検教室」の開催と会員事業場が行なっている 車検・整備内容を示す「車検勧誘業界イメージコマ-シャル」を制作し、民放テレ ビ・ラジオを通じての広報活動及び、県下主要道路11カ所大型野立て看板を昨年 度に引き続き設置し、浸透に努めて参りました。 整備技術向上対策については、高度化している環境対応自動車の最新技術に対応 した整備主任者技術研修内容の充実と指導員の資質の向上に努め、年度中延べ30 回対象事業場948工場のうち906工場、受講者総数911名に対する技術研修 と道路運送車両法改正点・法令等遵守項目を中心とした整備主任者・検査員及び事 業場管理責任者に対する法令研修を総数3,007名に、事故車等の排除業務に係 る有償運送許可を得る為の研修として総数247名に実施した他、日整連が全国的 に主導する「コンピュータ・システム診断認定店」の認定要件の一つであるスキャ ンツール(外部診断器)活用研修を82名に実施し、本年度は認定要件を満たした 37事業場を認定し総数108事業場となりました。 整備士養成では3科目の二種養成課程と1期自動車検査員課程を、総数179名 の受講生に対し教育訓練(認定訓練)を実施し法的資格取得の養成を行ないました。 また、隔年毎に自動車整備技術研鑚の場として実施されている、全国大会出場へ の予選を兼ねた自動車整備技能競技大会については、全国大会までの準備期間が短 い事から、昨年度に引続き本年度も開催し各支部選抜の13チームが参加し、中央 ブロック河北支部選出のチームが優勝を果たし平成27年10月10日開催される 全国大会に石川県代表として、出場する予定であり出場する選手各位には日頃培っ た整備技術を遺憾無く発揮し健闘するよう期待したい。 一方、福利・厚生事業として経営者・従業員を対象とした健康管理の側面支援対 策として、石川県予防医学協会と提携し、県下9日間7会場を健康診断車にて巡回 し健康管理促進に努めると共に、会員相互の親睦と情報交換を兼ねた支部対抗第2 2回親睦ボウリング大会を全支部参加の下、団体戦を始め個人戦を展開し成功裡に 終了致しました。 最後に、北陸信越運輸局石川運輸支局の金沢市副都心北部直江土地区画整理地区 内への移転が確定したのに伴い、登録標板交付等の窓口業務を担っている関係から 整備振興会も、石川運輸支局建設用地に隣接する自動車会館移転用地の確保作業を 関係委員会・理事会の承認を得ながら、土地区画整理組合と交渉を進め8月20日 3,544㎡(1,072坪)の土地引渡が完了した事をご報告申し上げます。 また、当初の事業計画に基づく諸事業は概ね計画どおり遂行できましたことは偏 に行政ご当局の適切なご指導と会員各位のご理解とご協力の賜と深く感謝申し上げ ます。 以下、平成26年度における諸事業の実施内容並びに実績等、各項目毎に記述致 します。
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