大阪市立科学館研究報告 25, 149 - 152 (2015) 「We are, 科学デモンストレーターズ 2014」実施報告 奥 出 恵 子, 渚 純 子, 木 村 友 美 * 概 要 2014 年 12 月 22 日 に「We are, 科 学 デモンストレーターズ 2014」を実施した。本稿 では、このイベン トの実施概要 及 びその成 果 について報 告 する。 1.はじめに となったため、本 年 度 は昼休 憩前後の演 示を同じテー 本イベントは、科 学 デモンストレーターらが一 堂に会 マにし、どちらか一つを見るようにすればすべての種類 し、一 日 中 サイエンスショーコーナーでさまざまな実 験 の演 示を観 覧 できるように配 慮 した。このことにより、適 を披露するイベントであり、2013 年 度に続き 2 回目の 切 な休 憩 時 間 を含 みつつ、 すべての演 示 を楽 しみた 開催となる。 いというお客様への配慮も可能となった。 昨 年 の「We are, 科 学 デモンストレーターズ」と同 様に、日頃エキストラ実 験 ショーで培 ってきた実力を披 また 最 初 の 演 示 前 には 、 昨 年 度 と 同 様 オープニン グを行った。 露するとともに一日 でたくさんの種 類 の実 験 ショーを来 館 者 の方 に提 供 することが主 たる目 的 である。今 後 も 本イベントを継続的に開催できるように、題字に 『2014』を加え実施 した。 また昨年度は 3 月に実 施したが、今 年は 12 月に行 った。もともとサイエンスショーとは電 磁 気 学 者 M.ファ ラデーがクリスマス時 期 に行 っていたクリスマス・レクチ ャーが起 源 となったと言 われている。このような 背 景 も 踏 まえつつ、「科 学 デモンス トレーターズからのプレゼ ント」というコンセプトで実 施 した。 表1.当日タイムスケジュール 開始 テーマ 時間 10:15 10:50 11:25 12:15 演示者 光の虹を見てみよう 益都子 電池のヒミツ 渚純子 林ゆりえ 炎のアツい科学 前田萌絵 炎のアツい科学 飯野 瑛里子 12:50 静電気ビリビリ 奥出恵子 13:25 花火の大実験 坪井建治 本イベントは表 1 で示 すようなタイムスケジュールで 14:00 色のいろいろ 安齋太陽 実 施 した。演 示 時 間 は、通 常 のエキストラ実 験 ショーと 14:35 スーパー磁石 米田真弓 同様に 20 分間である。演 示 の入れ替え時 間は 15 分 15:10 光のヒミツ 西口晴子 程度用意し、観覧 者 が 1 テーマずつ見たいものを選択 15:45 世界一かんたんブーメラン 宮脇佳那 できるようにした。なお、参 加 している科 学 デモンストレ 16:20 見える、見えないのふしぎ 村上真紀 2.実施概 要 2-1.当日スケジュール ーターの増員に伴い、演 示 数は 11 回と増 加 している。 そのため、昼休憩も 30 分と短 い時 間に設 定することに 2-2.広報素材の作成 なってしまった 。昨 年 度 実 施 した 際 、すべての 演 示 を 企 画 広 報 担 当 の永 原 氏 に ご協 力 いただき、本 イベ 観 覧しているお客 様 も相 当 数 いらっしゃることが明らか ントのチラシを作成した。A3 二つ折りのチラシを作成し、 当 日 のイベント告 知 だけではなく「科 学 デモンストレー * 大 阪 市 立 科 学 館 科 学 デモンストレーター [email protected] ターとは?」「 科 学 デモンス トレータ ーに なるまで」「 科 学 デモンストレ ーターの 活 動 」 など の 項 目 を 記 載 し 科 奥出 恵子、渚 純子、木村 友美 学 デモンストレーターの存 在 や 活 動 を 知 っていただく 表2.各回の観覧者数 ための情 報も併せて掲 載 してもらった。科 学 デモンスト 開始 レーターズの活 動 は、科 学 館 内 のみならず、館 外 にも 時間 広 がっているが、その活 動 を余 すところなく紹 介 してい 10:15 光の虹を見てみよう 50 人 る。 10:50 電池のヒミツ 80 人 11:25 炎のアツい科学 85 人 12:15 炎のアツい科学 70 人 12:50 静電気ビリビリ 115 人 13:25 花火の大実験 120 人 14:00 色のいろいろ 75 人 14:35 スーパー磁石 110 人 15:10 光のヒミツ 115 人 15:45 世界一かんたんブーメラン 80 人 16:20 見える、見えないのふしぎ 120 人 テーマ 観覧者数 図1.広報チラシ(A3 二つ折 り中 面) ・イベントの告知方法について 2-3.お土産の作 製 設問1:本日のイベントを知っていましたか? 昨 年 同 様 このイベントおよび自 身 の演 示 を振 り返 る 素 材としてサイエンスショーを観 覧 していただいた方 に アンケートを実 施 した。この際 、アンケートと引 き換 えと いう形で、図2に示 すようなお土 産 を 2 種 類 製 作し配 布した。 これらは、イベント中 の「光 の虹 を見 てみよう」 「見 え る、見 えないの不 思 議 」でも使 用 している道 具 を小 さく したもので、自 宅 でもサイエンスショーの一 部 を追 実 験 できるものである。 昨 年 度と同 じものを用 意 したが、年 代 を問 わずお客 様には概ね好評だったようである。 「はい」の方は、どこで知りましたか? 図2.作 成したお土 産 3.観客者 数 当 日 の観 覧 者 数 は表 2に示 したとおりである。時 間 帯により差はあるものののべ 1000 人を超えるお客様に 観覧していただき、1 回の演 示 あたりの平 均 観 覧者数 は 90 人にも達した。 4.観 覧 者 アンケート結 果 当 日 、観 覧 者 には先 に述 べ たようにアンケートを実 施した。以下にその結 果を示す。 ・見学者の満足度について 設問2:実験ショーは楽しかったですか? 「We are, 科学デモンストレーターズ 2014」実施報告 ・科学デモンストレーターについて 設問5:科学デモンストレーターを知っていますか? 設 問 3:実 験 ショーの内 容 はわかりやすかったです か? 設 問 6:科 学 デモンストレーターになって実 験 ショーを してみたいと思いますか? 年齢別分布 ・実験ショーについて 設問7:今までに実験ショーを見たことがありますか? 設問4:今日のようなイベントがあったら来ますか? 設 問 8:今 日 の実 験 ショーは何 歳 向 けだと思 いました か? 奥出 恵子、渚 純子、木村 友美 った。今 後はこのような機 会 を増やしたり、昼 休み等 プ ログラム、時間の割り振りをさらに工夫 し、一 人でも多く のデモンストレーターがこのような舞 台 で演 示 すること ができるようにする必要性があると思われる。 昨年度は 3 月、本年度 は 12 月に実施したが、楽し みにして来 てくださるお客 様 への配 慮 も含 め、毎 年 同 じ時 期 に行 うことが本 来 望 ましい。他 イベントとの日 程 も併せ、実施時期についても今後検討していきたい。 謝辞 本 イベントは 、 多 く の 方 々の 支 え の もと で無 事 に 実 年齢別分布 施することができました。特 にチラシ等の作 成に携 わっ ていただいた永 原 氏 、 日 々の演 示 指 導 ・イベントの調 整 等 にご尽 力 いただいております 学 芸 員 の皆 様 に 多 大 なご協 力 をいただきました。本 紙 面 をお借 りしまして 深く御礼申し上げます。 参考文 献 1)木 村 友 美 、奥 出 恵 子 ,「We are 科 学 デモンストレ ーターズ」 実 施 報 告 , 大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 , 第 24 号(2014 年) 観 覧 者からの回 答 からもうかがえるように、本 イベント の満足度は非常に高かったようである。 昨 年 度と比 較 すると、事 前 に本 イベントを知 っていた 人の割合も 32%から 48%へと上 昇した。また科学デモ ンストレーターについての問 いも、昨 年 度 は前 から知っ ている人が 9%であったのに対 し、今 回 は以 前 に実験 ショーを観 覧 いただいた人 が 20%へと上 昇 していた。 これらの結果を見 ても、科 学 デモンストレーターの存 在 が認知され、デモンストレーターズのイベントであると認 識 して来 館 していただいた 方 が増 えている様 子 がうか がえた。 5.まとめ 今回、科学デモンストレーターズで 2 回 目の実 験 ショ ーを主 体 とするイベントを行 った。当 日 も大 きな問 題 も なく実 施 することができ、さらに観 覧 者 の方 々からは温 かいお言 葉 を頂 くことができた。また、お土 産 を製 作 し、 配 布 することでお客 さんとの交 流 も進 み、お客 様 の生 の声を直接聞く機 会を得ることができた。 また今 回 、開 場 時 間 前 から列 ができ、このイベントを 目的として来館していただいた方も多 数 いらっしゃった。 先のアンケート結 果と合 わせてみても、科 学 館 のボラン ティアの一 員としての科 学 デモンストレーターの存在が 大きなものとなっていることを感 じた。 一方で、科学デモンストレーターの人 数 が増 えてきた ことにより、タイムスケジュールがタイトになってきてしま 「We are, 科学デモンストレーターズ 2014」実施報告
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