備中保健所 - 日本栄養士会

事業名
行政栄養士の基本指
針における位置づけ
*該当区分に〇印
指標と目標値
現状と課題
事業の目的
対 象
評価
給食施設指導事業(児童福祉施設)
(3)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底のための施策の推進
(4)社会生活を自律的に営むために必要な機能の維持及び向上のための施策の推進
○
(5)食を通じた社会環境の整備の促進
当保健所では給食施設に対する研修会は、岡山県から示された実施要領に基づき、給食施設管理者、従事者別に3
回程度実施し、さらに児童福祉施設のみを対象とした研修会を開催している。
また、個別の巡回指導は平成26年度は児童福祉施設については全数実施(16施設)、特定給食施設については健康
増進を目的とした給食の提供を行っている学校、事業所を全数実施することとしている。また、複数施設に給食
提供を行っている施設及び医療法に基づく医療機関への立入などを行い年間で約60%の施設に個別の指導支援を
行うこととしている。
給食施設に対する指導は、健康増進法第18条の2、第22条により実施が位置付けられている重要な業務である。当
保健所管内には特定多数人に対して給食を提供している施設は52施設あり、うち26施設が特定給食施設である。
個別の巡回指導については、食品衛生監視員による食品衛生についての監視指導、社会福祉法人への指導監査な
ど岡山県関係機関が立入っていることから、施設側の負担も勘案すると、健康増進法に基づく立入りを実施しに
くい現状にある。しかし、栄養士配置が最低基準となっていない児童福祉施設について栄養管理の状況、食育の
実施状況、職員の定着などを見ると、食事摂取基準に基づく栄養管理がされていない施設があることや、施設の
食育計画を把握していない給食職員が多数存在する、職員の定着率が低く、主たる栄養士が1年目~3年目の施設
が半数以上ある等の現状であり、当保健所では児童福祉施設を重点指導施設として位置付け、毎年、個別の巡回
指導を行うほか、児童福祉施設対象の研修会も実施し、指導及び支援を行っている。
・児童福祉施設における給食が栄養素の補給のみでなく、こどもの心身の成長を支える食事であることを知ら
せる。
・給食の栄養管理を食事摂取基準に基づいて行うことができ、給食関係職員がこどもの成長発達を観察すること
を定着させる。
・自施設の保育の基本計画である食育計画を知り、積極的に関わることができるよう支援する。
・献立内容に食育の視点をもち、関係職員や保護者と共有することができるよう支援する。
管内児童福祉施設
連携機関
保健所衛生課、福祉部局監査担当課、各市町保育担当課、総社市保育協議会
実施時期
平成24年度~平成26年度
事業内容
平成24年度:管内の状況を把握するため、児童福祉施設全数の巡回指導を実施。各施設間の差を確認するため確
認事項をまとめた様式を作成し、全施設同じ内容を把握した。
平成25年度:前年度の状況を踏まえ、食事摂取基準についての研修を実施。巡回指導は前年と同様の様式で各施
設の給食実施状況を把握し、前年との比較を行った。
平成26年度:前年度の状況を踏まえ、保育から見た食育の視点について研修を行った。巡回指導は県の給食施設
指導マニュアルの指導票を使用し、給食実施状況を把握した。
①24年度は全体の状況を把握し、各施設間での給食実施状況を同じ内容で把握することにより、施設間の差を確
認できた。また、全体を通して、必要と思われる研修案を得ることができた。
②25年度は巡回指導に基づき研修を企画立案し、実施した。総社市保育協議会と共催したため、早島町の2園の
参加が得られなかった。が、総社市の保育所については全施設の参加があった。巡回指導については前年との比
プロセス評価 較を行うことができた。
③26年度については25年度の反省を踏まえ、研修については早島町2園も含むすべての児童福祉施設に通知を
行ったところ早島町からの参加も得られた。また、巡回指導については施設側からの相談による、資料提供のほ
か、今年度、栄養士が新規採用となった3園については特に時間を設け、指導にあたった。
結果評価
課 題
その他
工夫した点
キーワード:
①年次ごとに給食内容に関心を持つ施設が増加し、アレルギー対応、離乳食対応のみでなく地域の食材や季節行
事などを意識した献立を取り入れていることを説明してくれる施設が増えた。
②今年度から肥満と痩せの把握を行うこととなったことも関係するが、こどもの成長発達を踏まえた給食提供を
意識する施設が増えた。
③施設の食育計画に参画し、食育を実施する。また、献立のねらいに取り入れている施設が増加した。
①毎年、主たる栄養士が交代している施設もあり、継続しての指導は必要と考えられる。
②食事摂取基準による栄養管理の具体的な方法が理解できていない施設があり、理論を実践するための研修が必
要と考えられる。
③家庭に対し、保育所で提供している給食がこどもの1日の食事の何割程度か(施設の給与栄養目標量)などを
保護者に知らせていない施設がほとんどであった。家庭の日常の食事への参考となるよう給与栄養目標量等を知
らせる必要がある。
当初、ほとんどの施設の給食担当者が「食育」は保育士が行う「クッキング」などの活動のみととらえており、
食育は行っていないと答えていたが、3年間の巡回指導により日々の献立内容にこどもたちに知識を持たせること
をねらいとしたもの(旬の食材)や、行動を促すもの(正しく箸が使えるなど)を取り入れることも食育であるこ
とを知らせることにより、給食に対する取り組みに変化が見られた。
同じ様式により、施設を把握することにより、施設間の実施状況の差を把握した。また、次年度も同じ様式を使
用することにより、指導による改善の有無、施設が給食内容の向上を行ったかどうかなどを確認した。
実施主体
岡山県備中保健所保健課
所在地
岡山県倉敷市羽島1083
電話番号
086-434-7025
FAX番号
086-425-1941
塩飽朱実
E-mail
akemi_shiwaku@pref.okayama.lg.jp
担当者