2015 年度第 2 回 一般社団法人日本箱庭療法学会研修会のお知らせ 主催:一般社団法人日本箱庭療法学会 日時: 2016 年 2 月 28 日(日)10:00~16:30 会場: 京都リサーチパーク(京都市下京区中堂寺粟田町 93) ご挨拶 日頃、さまざまな心理臨床の現場に携わっておられる皆さまには、ますますご清祥のこ ととお喜び申し上げます。 2015年度第2回の全国研修会は京都リサーチパークで開催致します。全体講演で は、ロスアンゼルスユング研究所のユング派分析家であるリース-滝幸子先生に、 「箱庭療 法にみる7種の遊びについて」という演題で、お話し頂きます。「遊び」が、そして「箱 庭療法」が、人を癒し、人格の発達や成長を促すことに、一体どのように関わっているの か、アメリカにおける事例をもとに、お話し頂けることと思います。 今回は7つの分科会を設けております。滝先生にも分科会の1つを担当して頂き、先生 ご自身の事例を提供して頂きます。事例を募集している分科会もありますので、是非この 機会に皆さまの事例を提出して頂き、皆さまと共に、多くのことを学べる分科会となるこ とを願っております。また、今回から、ご要望の多かった「箱庭制作」の分科会を設けま した。地区研修会ではそれに特化してやっておりますが、地区研修会に参加しにくい環境 におられる方々にも、全国研修会での、この機会に、是非、箱庭制作を体験して頂けたら と考えております。 皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 2015 年 12 月吉日 一般社団法人日本箱庭療法学会 研修委員長 川戸 圓 <開催要領> 1. 定 員:300 名 2. 参加資格:以下の条件のいずれかを満たす方とします。 ①一般社団法人日本箱庭療法学会会員 ②箱庭療法を導入・または導入を検討中の児童相談所・児童養護施設等の心理職に従事されている方 ③箱庭療法を導入・または導入を検討中の学校等教育機関の保健・養護領域に従事されている方 ④心理臨床を専攻する大学院生 3. 参 加 費:学会員:4,000 円 非会員:7,000 円 大学院生(非会員) :5,000 円 4. 研修ポイント:本研修会への参加は、臨床心理士教育・研修規定別項第 2 条(3)により、一般参加者は 2 ポイント、事例呈示者は 4 ポイント取得となります。 5. 研修内容 (1) 全体会:10:00~12:00 テーマ: 箱庭療法にみる 7 種の遊びについて 講 師:リース 滝 幸子氏(C.G.Jung Institute of Los Angeles) 概 要: ふだん箱庭でやっている様々な遊びをよくみると、意外と気に留めなかった遊びがあったりする。遊びに名 前をつけてみると確かにそれが見えてくるから面白い。例えば、感覚運動的な遊び、対人関係のある遊び、図 式的な遊び、造形的な遊び、象徴的・劇的な遊び、ゲーム、Rough and Tumble 喧嘩ごっこ遊びなど。 そして、その遊びが一体癒しとか人格の発達や成長にどうかかわっているのか、また、箱庭療法はその遊び を通してどういう治療効果を発揮するのか検討します。 (2) 分科会:13:30~16:30 以下の7グループに分かれ、分科会を行います。 事例呈示を募集している分科会は、概要の最後に<事例募集>の表記のある分科会です。事例呈示の希望者 は、参加申込書裏面に事例概要を記入のうえ参加申込をしてください。 第 1 分科会 岩宮 恵子(島根大学) 「思春期のイメージ生成」 思春期のクライエントと会っていると、語りの内容が想像していることなのか、妄想なのか、その境界がわ かりにくいことは多い。また異世界ものや残虐な表現などに対しての強い関心が、精神病を疑わねばならない ほど現実から遊離しているものなのか、それとも思春期の「中 2 病」というくくりで考えられるものなのかど うなのか、悩ましいケースがある。今回は、特に「東京喰種(グール)」のイメージが、その心理状態の理解に 役だった女子中学生の事例から、思春期のイメージ生成について考えてみたい。(事例提供者:波多野玲奈氏) 第 2 分科会 河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター) 「イメージの世界の家族との共有と分化」 心理療法において、親子それぞれに箱庭を作ってもらうことになったり、親から子どもの夢の報告を聞いた り、親が子どもの箱庭を見たがったり、実際に見てしまったりということがある。逆に、子どもが夢を見たら しい、プレイセラピーがおもしろいらしいが、親に内容を言わないということもある。このようにイメージを 家族で共有したり、秘密にしたりすることは、それぞれ意味があったり、またリスクがあったりするので、そ の様々な側面を概説して、事例を検討したい。(事例提供者:中井由佳子氏) 第 3 分科会 川戸 圓(川戸分析プラクシス) 「心理療法における箱庭療法のスタンス(心構え)を探る」 箱庭療法が子どもの心の治療として始まったことは周知の事実である。そして、その後、大人の心理療法に おいても有効である可能性が、ユング心理学によって、開かれてきたと言えよう。しかし、大人の心理療法で 箱庭療法を導入することに困難を感じる、あるいはあえて導入しても続かない、箱庭療法を心理療法全体の中 でどう位置づけていいのかわからない等々の疑問を、治療者から投げかけられることがよくある。この分科会 では、そのような疑問に光を当てる試みをしてみたい。箱庭があるなしに関わらず、箱庭療法導入に困難を感 じておられる治療者の事例の提示をお願いしたい。<事例募集> 第 4 分科会 川原 稔久(大阪府立大学) 「イメージや身体性の視点から心の逆説の動きを見通す」 心理療法とは、症状をきっかけに心を十全に実現することと考えています。心を十分に実現するには心の異 質な次元に開かれる必要があると考えます。異質な次元を媒介するのは、深い意識に通じる箱庭・夢・描画・ 遊びといったファンタジーやイメージ、そして身体性であり、そこにある心の逆説の動きだと思われます。セ ラピストにあたっては、症状・イメージ・身体性といった事象に、異質な次元を開く心の逆説の動きを見通す ことが必要だと思います。この分科会では事例における症状・イメージ・身体性の構造的な対応を検討して逆 説を見通す作業に取り組み、心が実現しようとすることを見抜く視点を涵養します。<事例募集> 第 5 分科会 桑原 知子(京都大学) 「箱庭療法における「もう一人の私」 」 箱庭療法は、自分自身を表現するものであるとともに、自分自身とは異なる存在として自分に迫ってくる。 それがゆえに「ぴったり感」や「ずれ」が生じ、それが治療的効果を生むと考えられる。箱庭療法の中では、 「思 っていたイメージとアイテムが違う」 「見守り手がイメージしていた箱庭と作り手が作る箱庭にギャップがある」 など様々な側面において、 「ずれ」が生じるものと思われるが、こうした「ずれ」の意味についても考えてみた い。この「ぴったり感」(同一性)と、「ずれ」(他者性)は、「もう一人の私」がもつ特徴でもあり、この「も う一人の私」の観点からも箱庭療法を考えてみたい。<事例募集>※特にテーマに関連していなくてもかまい ません。 第 6 分科会 リース 滝 幸子(C.G.Jung Institute of Los Angeles) 「事例研究」 箱庭療法をしていると個人でやってもグループでやっても、何故かお話のある箱庭を作る子どもとお話のな い箱庭を作る子どもがいます。一対一の事例と施設でのグループ箱庭の例を紹介し、それらの事例を通して、 箱庭の治療関係の変容、個々の癒しと心の発達を中心に検討していきます。(講師自身による事例提供) 第 7 分科会 豊田 園子(豊田分析プラクシス) 高月 玲子(天理大学) 「箱庭制作実習」 箱庭療法を実践しておられる方も、自ら箱庭に触れ、作品を作る機会はなかなかないものです。作り手とな って箱庭療法の場に身をおく体験は、ご自身の箱庭療法、ひいては心理療法を見直すことにも繫がるでしょう。 また、箱庭療法を取り入れようとお考えの方や、箱庭に触れ、作る体験がまだ十分ではないと思っておられる 院生の皆さんにとってもよい機会になればと思います。今回は 5 名に 1 台の箱庭を配して行います。なお、作 品の記録が必要な方はカメラ等各自でご用意ください。 ※この分科会は、クリエーションアカデミー(メルコム)社より箱庭用具の一部をお借りして行います。 各分科会会場につきましては、当日受付にて配布のプログラムにてお知らせいたします。 6. 参加お申し込みについて ・ 同封の参加申込書所定欄に必要事項をご記入の上、連絡用ハガキと併せて返信用封筒にてお申し込み下さい。 連絡用ハガキには必ず住所・氏名をご記入の上、お手数ですが 52 円切手をお貼り下さい。 ・ お申し込み受付は、原則として先着順とさせていただきます。 希望者多数の場合にはご参加いただけない場合もありますので、予めご了承ください。 ・ 参加申込締切:2016 年 1 月 6 日(水)必着 7. 参加の可否について ・ 申込締切後、連絡ハガキにて参加の可否をご通知致します。 8. 参加費振込みについて ・ 参加確定の連絡ハガキを受領後に、以下の口座に参加費を送金して下さい。 口座番号:00900-8-233788 加入者名:一般社団法人日本箱庭療法学会研修委員会 ※振替用紙の通信欄には受付番号並びに「2015 年度第 2 回全国研修会参加費」とご記入ください。 ・ 参加費振込締切:2016 年 1 月 22 日(金)(納入された参加費のご返金はできませんので予めご了承下さい。 ) ・ 振込締切までに入金を確認した方には分科会番号・名前等の記載された名札カード・名札ケースをお送りいた します。当日は名札・名札ケースをご持参いただき、身に着けてご参加下さい。 *振込締切以降に参加費を入金された方につきましては、当日、受付にて名札をお渡しいたします。 *名札ケースは研修会終了後、返却下さいますようお願い申し上げます。 9. 研修会に関するお問合せ先 一般社団法人日本箱庭療法学会事務局気付「一般社団法人日本箱庭療法学会研修会」係 住所:〒541-0047 大阪市中央区淡路町 4-3-6 新元社内 FAX:06-6233-8529 e-mail:[email protected] *お手数ですがメールまたは FAX にてお問合せください。 10. 会場案内 全体会・分科会会場 (西地区 4 号館・ 東地区 1 号館) <交通アクセス> ■京都駅より(JR・近鉄・地下鉄) ・JR 嵯峨野線(山陰線)丹波口駅下車 西へ徒歩 5 分 ・市バス 乗り場 C5 73 系統「洛西バスターミナル」行き、75 系統「映画村・山越」行き「京都リサーチパーク前」 下車 西へ徒歩 5 分 ・京都バス 84 系統「大覚寺・清滝」行き(所要時間 15 分)「五条千本」下車 西へ徒歩 5 分 ・京阪京都交通バス 乗り場 C2 21 系統、27 系統「桂坂中央」行き「京都リサーチパーク前」下車 西へ 5 分 ■JR・丹波口駅より ・西へ徒歩 5 分 ■駐車場あり(630 台、有料) 京都リサーチパークアクセスマップ http://www.krp.co.jp/access/ ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------この全国研修会の全体講演、及び分科会は、その規定に従い、国際箱庭療法学会への入会に必要な教育・研修経験の 時間数としてカウントされます。詳しくは、下記の URL をご参照いただき、入会をお考えの方は、当日発行される研 修証明書を保管していただきますようお願いします。 http://www.isst-society.com/homeng.php?site=rop -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
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