2015年9月号 肥満について 第13回「歳をとると太りやすくなる」

て
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つ
に
13
満
肥
登
久
院長 井 手
下
歳をとると太りやすくなる
体を動かさなくても必要なエネルギーを「基礎代謝」といいます(図1)。その基礎代謝
のエネルギーは、おもに筋肉でつくられます。筋肉の量は、歳をとるとともに減少してい
きます。腰から下の筋肉は全身の60~70%を占めており、40歳代では、20歳代の約
90%、60歳代では、20歳代の約70%まで減少するといわれています。減った筋肉は脂
肪に置き換わり、基礎代謝が減り、1日の必要カロリーが減少します(図2)。そのため、
若い時と同じカロリーを取ると余ってきて、体脂肪としてたまり、太ります(図3)。年齢
とともに、炭水化物、脂肪などの摂取を減らして、野菜を多くとるようにすることと、運
動を続けるしか、肥満を防ぐ方法はないかもしれません。
生活活動代謝量
女性
DIT(食事誘導性耐熱産生)※
生活活動代謝量
約20%
基礎代謝量
約70%
1800
男性
1500
基礎代謝量
1200
DIT(食事誘導性耐熱産生)※
約10%
600
※DIT:食事(噛む、
消化、
吸収、
代謝)
などにともなう消費エネルギー
600
図1:1 日の総消費エネルギーの内訳
1 ~2
~5
~7
~ 9 ~ 11 ~ 14 ~ 17 ~ 29 ~ 49
図 2:基礎代謝の年齢変化
図 3:歳をとるにつれて太りやすくなる
11
~ 69 70 ~