北村山そばだより 1. 排水対策 発行:平成 27 年 7 月 29 日 北村山農業技術普及課 電話 0237-47-8630 第2号 播種編 ― 排水の徹底が「そば」づくり最大の決め手 ― 「そば」は、発芽から初期生育にかけて、最も湿害を受 けやすい作物です。特に地下水位が高い圃場では、出芽 不良や根腐れによる生育不良となり、生育量が確保でき ず減収につながります。 また、初期生育が不良となることで、地表被覆性が劣 り、雑草が繁茂しやすくなります。 このため、いかにして排水を良くするかが栽培の成功 のポイントとなります。 周囲に排水溝(明渠)を掘り、弾丸暗渠による心土破砕を行う等の排水対策を徹底しまし ょう(目標:地下水位 40cm以下)。 2. 品種選定 ― 地域にあった品種選びを! ― 尾花沢市では「最上早生」、村山市では「でわかおり」、 大石田町では「来迎寺在来」が多く栽培されています。 「そば」は、他家受粉の作物であり、訪花昆虫を介して受 粉・結実するため、品種間で交雑しやすいのが特徴です。 異なる品種を作付けする場合は、近接圃場に作付けしないよ うな注意が必要です。 表1.品種別特性表 品 種 名 階上早生 成 熟 期 10 月 10 日 千 粒 重 30g 収 量 性 普通 耐 倒 伏 性 普通 脱 粒 性 やや易 注: 3. 播種作業 収量性 最上早生 最上早生 10 月 15 日 32g 高い 強い 難 > 階上早生 > でわかおり 10 月 18 日 38g 普通 強い 難 でわかおり > 来迎寺在来 10 月 18 日 34g 普通 普通 やや易 来迎寺在来 ― 適期播種は「そば」づくりの第一歩 ― <播種時期> 「そば」は、播種時期が早過ぎても、遅過ぎても減収しやすいことから、安定した収量 を確保するには、適期に播種することが重要となります。 早い播種 → 生育が旺盛となり、徒長して倒伏しやすくなる 遅い播種 → 開花数や着粒数が減少し霜害等に遭遇しやすい 播種適期としては、平年の初霜日から逆算して 70~80 日前で、開花後の結実初期の 最低気温が 17℃となる時期を選ぶと良いとされています。これは、そばの実が順調に登 熟するための必須条件となります。 北村山地域における播種適期 平坦部 :7 月 25 日~8 月 10 日 中山間部:7 月 25 日~(8 月 5 日) 収穫作業のローテーションを考慮し、播種時期を設定しましょう!! <耕起・砕土・整地> 晴天が続く時をねらい、早めに耕起し、砕土を丁寧に行いましょう。 → 砕土率2cm 以下、土塊 70%以上 <播種法と播種量> 播種方式 播種量 すじ播き 4~6kg 備 考 畝間(大豆・そば専用コンバインで収穫) 30cm 〃 (ビーンハーベスタで収穫) 40~50cm 大面積であれば、ブロードキャスターで、播種すると よい。播種後に耕うんロータリーまたは代掻きハローで 浅く攪拌。 *:覆土が不十分だと発芽不良になります。 ばら播き 7~8kg 4. 土づくりと施肥 ―やせ地で「そば」は獲れない― < 土づくり > 土壌pH5.5~6.0 を目標に土壌酸性度の改良を行いましょう。 →苦土石灰 60~120kg/10a の施用が目安となります。 毎年、目標とする収量が穫れていない時は、土壌pHをチェックしてみましょう。 < 基 肥 > 「そば」は吸肥力が強く、土壌養分の少ないやせ地でも栽培できると思われがちです が、生育を安定させ収量を確保するためには、基肥中心の施肥が必要です。 しかし、窒素肥料の多用は、下位節間の伸長を促し倒伏を助長することがあるので注 意が必要です。 また、スイカ等の野菜の後作では、生育過剰によ 基肥の目安(成分 kg/10a) る倒伏を防ぐために窒素施用は極力控えてリン酸、 N P K カリ中心の施用としましょう。 2~4 6~9 6~9 *野菜後作の場合、窒素施用は無し そばの産地 「北村山」から 「おいしいそば」を届けましょう!
© Copyright 2024 ExpyDoc