プ ロ グ ラ ム 時 間 表

プ ロ グ ラ ム 時 間 表
A会場
12階(特別会議場)
8
:
55
9
:
00
B会場
12階(1202)
開 会 の 辞
代謝性脳症
感染症
座長:木村 卓
座長:古和 久朋
9
:
30
(B01~B04)
(A01~A05)
9
:
00~9
:
36
9
:
00~9
:
45
座長:中嶋 秀人
脳血管障害・症候
10
:
00
10
:
30
膠原病関連疾患
座長:早川 幹人
(B05~B08)
9
:
36~10:
12
(A06~A09)
9
:
45~10
:
21
脳血管障害・治療
座長:杉江 和馬
多発性脳神経麻痺
座長:川合 寛道
(B09~B12)
(A10~A13)
11
:
00
10
:
21~10
:
57
脳血管障害・病態/病理
座長:伊藤 義彰
(A14~A16) 小脳失調・パーキンソニズム
10:
12~10
:
48
座長:金子 鋭
10
:
57~11
:
24
(B13~B16)
10
:
48~11
:
24
11
:
30
世話人会
11
:
35~12
:
00
12
:
00
12
:
30
13
:
00
ランチョンセミナー
「ヒト大脳白質変性と認知症」
特に神経軸索スフェロイドを伴う遺伝性び慢性白質脳症
(HDLS)と Nasu-Hakola 病の発症機構について
エーザイ株式会社
ランチョンセミナー
「鉄代謝異常と関連する
大脳基底核疾患の臨床神経病理」
グラクソ・スミスクライン株式会社
12
:
20~13
:
20
12
:
20~13
:
20
13
:
30
末梢神経障害
HDLS
座長:高橋 牧郎
座長:村田 顕也
14
:
00
(A17~A19)
遺伝性白質脳症
13
:
30~13
:
57
座長:水野 敏樹
末梢神経・筋障害
自己免疫性脳炎
(B21~B25)
(A20~A22)
13
:
57~14
:24
14
:
30
(B17~B20)
座長:高橋 正紀
座長:大江田 知子
(A23~A25)
14
:24~14
:
51
15
:
00
MS/ADEM/NMO
CIDP・GBS
14
:
06~14
:
51
(B26~B29)
14
:
51~15
:
36
頭痛
14
:
51~15
:
27
座長:菊井 祥二
(B30~B34)
座長:石口 宏
16
:
00
てんかん
座長:澤本 伸克
座長:西郷 和真
(A026~A30)
15
:
30
13
:
30~14
:
06
(A31~A34)
15
:
27~16:
12
15
:
36~16:
12
脳波判読セミナー
『症例検討』
『ミニレクチャー』
16
:
30
正常脳波と異常脳波の区別:高頻度で見誤りやすい例
講師:池田 昭夫
共催:日本光電関西株式会社
17
:
00
16
:
20~17
:
20
17
:
30
--
A 会場 演者・座長一覧
時間帯
~
9:00
9:45
番号
発表者
所属
脳梗塞とくも膜下出血を繰り返した中枢神経系アスペルギ
ルス症の一剖検例
A02 松 浦
済生会滋賀県病院 神経内科
メトトレキセート内服中にトキソプラズマ脳症の発症が疑
われた 1 例
A03 藤 堂 紘 行
神戸大学大学院医学研究科
神経内科学
血性髄液を認めた帯状疱疹性脊髄神経根炎の 1 例
A04 喜多 也寸志
兵庫県立姫路循環器病センター
神経内科
孤立性頚髄病変を認めた HTLV-1 関連脊髄症 (HAM) の 1 例
A05 中 村
公益財団法人 田附興風会
医学研究所 北野病院 神経内科
パーキンソニズムを契機に HIV 脳症の診断に至った一例
国立循環器病研究センター
脳血管内科
右脳梁膨大部の梗塞により同側視野の半側相貌変形視を生
じた一例
西宮協立脳神経外科病院
神経内科
Pure dysarthria を呈した脳梗塞の 2 例
潤
敬
9:45 A07 山 西 敏 之
~
午
国立循環器病研究センター
脳血管内科
A06 船津 奈保子
10:21 A08 古 川 公 嗣
紗 葵
A09 林
前
A10 梶 川 駿 介
~
10:21 A11 角 田 渓 太
10:57 A12 江 浦 信 之
A13 片 山 由 理
~
10:57
11:24
タイトル
A01 日 野 天 佑
セクション名
座長
所属
感染症
古和 久朋
神戸
大学
神経
内科
脳血管障
害・症候
公益財団法人 天理よろづ相談所病院
上向き眼振を認めた延髄梗塞 2 症例の検討
神経内科
京都博愛会 神経内科
Macro-square wave jerks (MSWJs)を示す小脳梗塞の一症例
大阪赤十字病院 神経内科
rtPA 静 注 療 法 で 改 善 し た 大 動 脈 原 性 Wall-eyed bilateral
internuclear ophthalmoplegia (WEBINO 症候群) の一例
東大阪市立総合病院 神経内科
機械的血栓回収術が奏効した感染性心内膜炎による脳塞栓
症の一例
奈良県立医科大学 神経内科
上矢状静脈洞から内頚静脈に至る広範な脳静脈洞血栓症に
対し、血管内治療が著効した一例
循環器
病セン
早川 幹人 ター脳
血管内
科
杉江 和馬
脳血管障
害・病態
/ 病理
伊藤 義彰 立大神
医療法人幸生会 琵琶湖中央病院 複数科が連携し四肢痙縮の治療を行った急性硬膜外血腫術
神経内科
後の一例
A14 中 山 宜 昭
和歌山県立医科大学 神経内科
少量のステロイド投与が奏功した脳アミロイドアンギオパ
チー関連白質脳症の一例
A15 瀬 川 翔 太
市立豊中病院 神経内科
多発性脳梗塞を発症した血栓性血小板減少性紫斑病の一例
A16 山 本 康 正
京都桂病院 脳神経内科
レンズ核線条体動脈領域梗塞の血管病理 -一剖検例より-
奈良
県立
医大
神経
内科
脳血管障
害・治療
大阪市
経内科
座長 漆谷 真(京都大学神経内科)
12:20~13:20 ランチョンセミナー(共催:エーザイ株式会社) 演者 小栁清光(信州大学) ~
13:30
13:57
~
13:57
14:24
午
~
14:24
14:51
後
~
14:51
15:36
A17 杉 原 芳 子
東近江総合医療センター
HDLS:Hereditary diffuse leukoencephalopathy with
neuroaxonal spheroids. 急速に進行する若年性認知症の一例
A18 萬
和歌山県立医科大学 神経内科
前頭側頭型認知症様の症状を呈した神経軸索 spheroid を伴
う遺伝性びまん性大脳白質脳症(HDLS)の一例
翔 子
A19 垂 髪 祐 樹
一般財団法人住友病院 神経内科
A20 向 井 麻 央
京都府立医科大学 神経内科
NOTCH3 遺伝子変異ホモ接合体を認めた CADASIL の 1 例
A21 西 田 勝 也
国立病院機構 兵庫中央病院 神経内科
新規変異が確認された成人発症の Vanishing white matter
disease の 1 例
A22 濱 谷 美 緒
京都大学 神経内科
AARS2 の新規複合ヘテロ変異を認めた、卵巣機能不全を合
併する成人発症の白質ジストロフィーの一例
A23 芦 田 真 士
京都第二赤十字病院 脳神経内科
シクロフォスファミド大量療法に反応を示した抗 NMDA 受
容体脳炎の一例
A24 上 原 拓 也
大阪大学医学部附属病院 神経内科・脳卒中科
治療抵抗性であった抗 LGI1 抗体陽性辺縁系脳炎の一例
A25 北 野 貴 也
大阪府立急性期総合医療センター Non-stiff person 症候群を呈した抗 amphiphysin 抗体陽性白
神経内科
質脳症の一例
A26 山 口 浩 司
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
1型糖尿病に多発性硬化症を合併した一例
A27 原
JCHO 神戸中央病院 神経内科
歩行障害と認知機能低下が亜急性に進行し、同心円状の造
影病変を呈した炎症性脱髄性疾患の 75 歳女性例
A28 上田 紗希帆
大阪府済生会中津病院
Hurst 脳炎の 1 治療例
A29 孝 橋 睦 生
公立豊岡病院
延髄外側症候群をきたした視神経脊髄炎関連疾患の 1 例
A30 神 辺 大 輔
天理よろづ相談所病院 神経内科
寄生虫感染の合併が疑われた視神経脊髄炎の一例
敦
~
謙
A31 安 田
15:36 A32 古 東 秀 介
悠
16:12 A33 立 岡
A34 北 田 洋 子
HDLS
軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症
(HDLS)の 1 例
高 IgE 血症と重症アトピー性皮膚炎を伴った運動優位型 chronic
inflammatory demyelinating polyneuropathy (CIDP) の 1 例
大津赤十字病院 神経内科
著明な髄液細胞数増加を呈したギランバレー症候群の一例
大阪市立大学医学部附属病院
卒後臨床研修センター
視神経炎を合併したフィッシャー症候群の一例
--
和歌山
県立医
大神経
内科
京都府
遺伝性白質
立医大
水野 敏樹
神経内
脳症
科
宇多野
自己免疫性
大江田 知子 病院神
脳炎
経内科
近畿
大学
理工
学部
MS/
ADEM/
NMO
西郷 和真
CIDP・
GBS
新宮市
立医療
石口 宏 センタ
ー神経
内科
国立病院機構 京都医療センター
著明な多発神経肥厚を認め、CIDP が疑われた一例
神経内科
神戸大学大学院 医学研究科 神経内科学
村田 顕也
B 会場 演者・座長一覧
時間帯
番号
発表者
所属
B01 右近 紳一郎
~
9:00 B02 高 橋
央
9:36 B03 篠 藤 祐 也
勇
B04 山 川
B05 山 下 和 哉
~
午
9:36 B06 山 内 頼 友
10:12 B07 山 本 真 義
B08 中 村 善 胤
~
前
B09 端 真 季 子
10:12 B10 榎 本 貴 俊
10:48 B11 高橋 麻衣子
B12 高 井 康 行
~
B13 中 村 拓 真
10:48 B14 階堂 三砂子
11:24 B15 鈴 木 英 文
B16 隠 岐 光 彬
タイトル
セクション名
兵庫医科大学 内科学講座 神経・脳卒中科
胃部分切除 4 年後に発症した非アルコール性ウェルニッケ
脳症の一例
NHO 舞鶴医療センター 神経内科
障害側線条体でドパミントランスポーターの低下を認めた
糖尿病性舞踏病の一例
大阪赤十字病院 神経内科
てんかん重積発作後に MRI で両側淡蒼球病変を認め、アパ
シーを発症した一例
公立甲賀病院 神経内科
メトフォルミン関連脳症の 1 例
大阪大学医学部付属病院 神経内科・脳卒中科
頭部 MRI が診断に有用であったリウマチ性髄膜炎の 1 例
神戸市立医療センター中央市民病院
潰瘍性大腸炎に合併した中枢神経血管炎の 1 例
神経内科
関西電力病院 神経内科
潰瘍性大腸炎に合併した左腓腹筋筋炎の 1 例
大阪医科大学 神経内科
上腸間膜動脈症候群様の所見を呈した強皮症合併筋萎縮性
側索硬化症の 1 例
滋賀医科大学 医師臨床教育センター
問診を契機に基礎疾患が判明した多発脳神経炎の 1 例
地方独立行政法人 市立吹田市民病院 神経内科
多発脳神経麻痺を認めたが、一部自然軽快、増悪をたどっ
た特発性肥厚性硬膜炎の症例
和歌山ろうさい病院 神経内科
両側末梢性顔面神経麻痺で発症した成人T細胞白血病の1
例
馬場記念病院 神経内科
両側高度難聴を呈した髄膜癌腫症の一例
京都第一赤十字病院 脳神経・脳卒中科
Flutter-like oscillation を呈した抗 GluR δ2・ε2 抗体陽性の急
性小脳失調症の一例
地方独立行政法人 堺市立病院機構 著明な脳波異常を伴う反復発作性運動失調症2型(EA2)の
堺市立総合医療センター 神経内科 一家系
医仁会武田総合病院 神経内科
Lhermitte-Duclos 病を伴った Cowden 症候群の 1 例
関西医科大学 神経内科
若年発症 Parkinson 病を合併した 22q11.2 欠失症候群の一例
座長
所属
木村 卓
兵庫
医大
神経
内科
中嶋 秀人
大阪
医大
神経
内科
多発性
川合 寛道
脳神経麻痺
滋賀
医大
神経
内科
小脳失調・
パーキンソ 金子 鋭
ニズム
関西
医大
神経
内科
代謝性脳症
膠原病
関連疾患
11:35~12:00 世話人会 座長 平野牧人(近大堺 神経内科)
12:20~13:20 ランチョンセミナー
(共催:グラクソ・
スミスクライン株式会社) 演者 髙尾昌樹(埼玉医大) ~
B17 中 島 大 輔
13:30 B18 福 本 雄 太
14:06 B19 坂 本 光 弘
B20 坂 戸 勇 介
B21 中 村
B22 森
毅
京都府立医科大学 神経内科
マイコプラズマ感染後に急性発症した多巣性運動ニューロ
パチー(multifocal motorneuropathy:MMN)の 1 例
近畿大学 医学部 神経内科
帯状疱疹後神経根炎による運動麻痺に対してステロイド治
療が奏効した1症例
日本赤十字社和歌山医療センター 電気生理学的検査で末梢神経障害を経時的に観察し得たフ
神経内科
グ中毒の 1 例
京都大学医学部附属病院 神経内科
大阪赤十字病院 神経内科
MFN2 新規遺伝子変異が判明した CMT2A 女性例
NHO 刀根山病院 神経内科
B23 結城 奈津子
NHO 舞鶴医療センター 神経内科
進行性の四肢脱力、呼吸筋麻痺を呈し、病理学的に筋萎縮性
側索硬化症の合併が示された抗ミエリン関連糖蛋白抗体関連
脱髄性ニューロパチーの 1 剖検例
B24 太 田
大阪医科大学 神経内科
大細胞肺癌に合併した抗 MJ 抗体 ( 抗 NXP2 抗体 ) 陽性皮膚
筋炎の 1 例
B25 上 原 尚 子
国立病院機構 宇多野病院 神経内科・臨床研究部
肺腺癌に合併し治療により改善をみた亜急性感覚性ニュー
ロノパチーの 1 例
B26 福 間 一 樹
14:51 B27 吉 村
元
国立循環器病研究センター 脳神経内科
麻雀で誘発されるてんかんの 1 例
~
午
14:51
千 晃
真
~
後
15:27 B28 吉 井 大 祐
B29 小 出 泰 道
~
15:27
16:12
高橋 牧郎
﹁くびれ﹂を伴う特発性後骨間神経麻痺と前骨間神経麻痺を
合併した一例
筋 強 直 性 ジ ス ト ロ フ ィ ー 1 型(DM1) と Charcot-MarieTooth disease type X(CMTX)が併存した父娘例
14:06
末梢神経
障害
神戸市立医療センター中央市民病院 心因性非てんかん性発作と誤った de novo absence status
神経内科
epilepticus の 1 例
倉敷中央病院
意識消失、強直性けいれんで救急搬送され、神経調節性失神
と若年ミオクロニーてんかんの両者が疑われた 23 歳男性例
小出内科神経科
てんかん専門外来の現状と課題
B30 菊 井 祥 二
富永病院神経内科・頭痛センター 微小血管減圧術 (MVD) が奏効した SUNCT の 1 例
B31 中 室 卓 也
済生会奈良病院 神経内科
B32 徳 永 隆 司
西宮協立脳神経外科病院 神経内科
非出血性・非梗塞性両側性椎骨動脈解離の 1 例
B33 山 名 正 樹
近畿大学 医学部 神経内科
メチルプレドニゾロン (mPSL) パルス療法が奏効した反復
性群発頭痛の一例
B34 漆 原 大 介
近江八幡市立総合医療センター
神経内科
巨細胞性動脈炎類似の病態を呈した頭蓋骨底部への転移性
肺癌の 1 例
末梢神経・
高橋 正紀
筋障害
大阪
大学
神経
内科
てんかん
澤本 伸克
京都大
学人間
健康科
学系
頭痛
菊井 祥二
富永
病院
神経
内科
脳 MRI で病側の三叉神経への血管圧迫を認めた SUNCT
(結膜充血と流涙をともなう短時間持続性片側神経痛様頭痛発作)の1例
16:20 ~ 17:20 脳波判読セミナー 講師:池田 昭夫(京都大学 てんかん・運動異常生理学)
--
大阪赤
十字病
院神経
内科
A 会場 午前の部
開会の辞 8:55~9:00
会長:伊東 秀文
感染症
座長:古和 久朋
(神戸大学神経内科)
A01~A05 9:00~9:45
A01 脳梗塞とくも膜下出血を繰り返した中枢神経系アスペルギルス症の一剖検例
○日野 天佑 1、吉村 壮平 1、塩澤 真之 1、橋本 哲也 1、池田 善彦 2、豊田 一則 1
1
国立循環器病研究センター 脳血管内科、2 国立循環器病研究センター 臨床検査部
A02 メトトレキセート内服中にトキソプラズマ脳症の発症が疑われた1例
○松浦 潤 1,2、藤並 潤 1,2、石井 亮太郎 1,2、藤井 明弘 2、野呂瀬 一美 3、水野 敏樹 2
1
済生会滋賀県病院 神経内科、2 京都府立医科大学 神経内科、
3
千葉医科大学 感染生体防御学
A03 血性髄液を認めた帯状疱疹性脊髄神経根炎の1例
○藤堂 紘行 1、池中 寛絵 1、森本 耕平 1、古東 秀介 1、関谷 博顕 1、本岡 里英子 1、
上田 健博 1、鷲田 和夫 1、安井 直子 1、関口 兼司 1、古和 久朋 1、苅田 典生 1、
戸田 達史 1
1
神戸大学大学院医学研究科 神経内科学
A04 孤立性頚髄病変を認めたHTLV-1関連脊髄症(HAM)の1例
○喜多 也寸志 1、寺澤 英夫 1、清水 洋孝 1
1
兵庫県立姫路循環器病センター 神経内科
A05 パーキンソニズムを契機にHIV脳症の診断に至った一例
○中村 敬 1、椨 勇人 1、橋本 泰昌 1、寺田 祐太 1、細木 聡 1、長尾 茂人 1、小松 研一 1、
中川 朋一 1、里井 斉 1、斎木 英資 1、松本 禎之 1
1
公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 神経内科
--
脳血管障害・症候
座長:早川 幹人
(循環器病センター脳血管内科)
A06~A09 9:45~10:21
A06 右脳梁膨大部の梗塞により同側視野の半側相貌変形視を生じた一例
○船津 奈保子 1、早川 幹人 1、徳田 直輝 1、豊田 一則 1
国立循環器病研究センター 脳血管内科
1
A07 Pure dysarthriaを呈した脳梗塞の2例
○山西 敏之 1、西村 裕之 1、中嶋 匡 1、徳永 隆司 1、立花 久大 1
西宮協立脳神経外科病院 神経内科
1
A08 上向き眼振を認めた延髄梗塞2症例の検討
○古川 公嗣 1、和田 一孝 1、田中 寛大 1、堀川 恭平 2、秋山 義典 2、末長 敏彦 1
1
公益財団法人 天理よろづ相談所病院 神経内科、
2
公益財団法人 天理よろづ相談所病院 脳神経外科
A09 Macro-square wave jerks (MSWJs) を示す小脳梗塞の一症例
○林 紗葵 1、大井 長和 1、十川 純平 2
1
京都博愛会 神経内科、2 京都大学医学部付属病院 神経内科
--
脳血管障害・治療
座長:杉江 和馬
(奈良県立医大神経内科)
A10~A13 10:21~10:57
A10 rtPA静注療法で改善した大動脈原性Wall-eyed bilateral internuclear
ophthalmoplegia(WEBINO症候群)
の一例
○梶川 駿介 1、山上 宏 2、殿村 修一 2、杉浦 由理 2,3、宮下 光太郎 2、長束 一行 2
1
3
大阪赤十字病院 神経内科、2 国立循環器病センター 脳神経内科、
兵庫医科大学附属病院 脳神経外科
A11 機械的血栓回収術が奏効した感染性心内膜炎による脳塞栓症の一例
○角田 渓太 1,2、佐木山 裕史 1、岩本 高典 1、梶山 裕太 1、宮下 典子 1、衛藤 昌樹 1、
中 隆 1、玉置 亮 3
1
東大阪市立総合病院 神経内科、2 現:森之宮病院 神経内科、
3
東大阪市立総合病院 脳神経外科
A12 上矢状静脈洞から内頚静脈に至る広範な脳静脈洞血栓症に対し、
血管内治療が著
効した一例
○江浦 信之 1、泉 哲石 1、杉江 和馬 1、上野 聡 1、小谷 有希子 2、中川 一郎 2、
中瀬 裕之 2、和田 敬 3、吉川 公彦 3
1
3
奈良県立医科大学 神経内科、2 奈良県立医科大学 脳神経外科、
奈良県立医科大学 放射線科
A13 複数科が連携し四肢痙縮の治療を行った急性硬膜外血腫術後の一例
○片山 由理 1、高木 健治 2、児玉 成人 3
1
3
医療法人幸生会 琵琶湖中央病院 神経内科、2 滋賀医科大学 医学部 脳神経外科、
滋賀医科大学 医学部 整形外科
- 10 -
脳血管障害・病態 / 病理
座長:伊藤 義彰
(大阪市立大神経内科)
A14~A16 10:57~11:24
A14 少量のステロイド投与が奏功した脳アミロイドアンギオパチー関連白質脳症の一例
○中山 宜昭 1、綾木 孝 2、村田 顕也 1、伊東 秀文 1
1
和歌山県立医科大学 神経内科、2 京都大学 神経内科
A15 多発性脳梗塞を発症した血栓性血小板減少性紫斑病の一例
○瀬川 翔太 1、森谷 真之 1、早野 絵梨 1、小河 浩太郎 1、秀嶋 信 1、別宮 豪一 1、
中野 美佐 1、巽 千賀夫 1、中田 壮一 2
1
市立豊中病院 神経内科、2 市立豊中病院 血液内科
A16 レンズ核線条体動脈領域梗塞の血管病理 - 一剖検例より -
○山本 康正 1、冨井 康宏 1、安原 裕美子 1、岩重 洋平 2、戸田 真太郎 1
1
京都桂病院 脳神経内科、2 京都大学
- 11 -
A 会場 午後の部
HDLS
座長:村田 顕也
(和歌山県立医大神経内科)
A17~A19 13:30~13:57
A17 HDLS:Hereditary diffuse leukoencephalopathy with neuroaxonal
spheroids. 急速に進行する若年性認知症の一例
○杉原 芳子 1、角 幸頼 2、出原 亮 1、白石 智順 1、前田 憲吾 1
1
東近江総合医療センター、2 滋賀医科大学 臨床研修センター
A18 前頭側頭型認知症様の症状を呈した神経軸索 spheroid を伴う遺伝性びまん性大
脳白質脳症(HDLS)
の一例
○萬 翔子 1、寺田 翔 1、佐藤 孝一 1、森 めぐみ 1、廣西 昌也 1、村田 顕也 1、
伊東 秀文 1
1
和歌山県立医科大学 医学部 神経内科
A19 軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症
(HDLS)
の1例
○垂髪 祐樹 1、平野 博久 1、関谷 智子 1、澤村 政典 1、田村 暁子 1、當間 圭一郎 1、
西中 和人 1、宇高 不可思 1
1
一般財団法人住友病院 神経内科
- 12 -
遺伝性白質脳症
座長:水野 敏樹
(京都府立医大神経内科)
A20~A22 13:57~14:24
A20 NOTCH3遺伝子変異ホモ接合体を認めたCADASILの1例
○向井 麻央 1、中島 大輔 1、櫛村 由紀恵 1、能登 祐一 1、尾原 知行 1、水田 依久子 1、
水野 敏樹 1
1
京都府立医科大学 神経内科
A21 新規変異が確認された成人発症のVanishing white matter diseaseの1例
○西田 勝也 1、福田 明 1、安藤 竜起 1、戸根 幸太郎 1、山崎 浩 1、河本 邦彦 1、
二村 直伸 1、三谷 真紀 1、舟川 格 1、陣内 研二 1
1
国立病院機構 兵庫中央病院 神経内科
A22 AARS2の新規複合ヘテロ変異を認めた、
卵巣機能不全を合併する成人発症の白
質ジストロフィーの一例
○濱谷 美緒 1、陣上 直人 1、鶴崎 美徳 2、島田 姿野 3、下島 圭子 3、吉永 健二 1、
上村 紀仁 1、山下 博史 1、植村 健吾 1、高橋 良輔 1、松本 直通 2、山本 俊至 3
1
京都大学 神経内科、2 横浜市立大学大学院 医学研究科 遺伝学、
3
東京女子医科大学 統合医学研究所
- 13 -
自己免疫性脳炎
座長:大江田 知子
(宇多野病院神経内科)
A23~A25 14:24~14:51
A23 シクロフォスファミド大量療法に反応を示した抗NMDA受容体脳炎の一例
○芦田 真士 1、田中 瑛次郎 1、小椋 史織 1、前園 恵子 1、永金 義成 1
1
京都第二赤十字病院 脳神経内科
A24 治療抵抗性であった抗LGI1抗体陽性辺縁系脳炎の一例
○上原 拓也 1、甲田 亨 1、別宮 豪一 1、馬場 孝輔 1、三原 雅史 1、奥野 龍禎 1、隅 寿恵 1、
中辻 裕司 1、望月 秀樹 1
1
大阪大学医学部附属病院 神経内科・脳卒中科
A25 Non-stiff person症候群を呈した抗amphiphysin抗体陽性白質脳症の一例
○北野 貴也 1、木下 允 1、石倉 照之 1、米延 友希 1、大薗 達彦 1、三谷 祐貴子 1、
岩本 高典 1、高田 和城 1、穀内 洋介 1、深田 慶 1、澤田 甚一 1、狭間 敬憲 1
1
大阪府立急性期総合医療センター 神経内科
- 14 -
MS/ADEM/NMO
座長:西郷 和真
(近畿大学理工学部)
A26~A30 14:51~15:36
A26 1型糖尿病に多発性硬化症を合併した一例
○山口 浩司 1、神野 隼輝 1、蓮池 裕平 1、須貝 文宣 1
1
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
A27 歩行障害と認知機能低下が亜急性に進行し、
同心円状の造影病変を呈した炎症性
脱髄性疾患の75歳女性例
○原 敦 1、小別所 博 1、松本 圭吾 2、三宅 敏彦 3、清家 尚彦 4、田中 英知 4、
柿田 明美 4
1
JCHO 神戸中央病院 神経内科、2 JCHO 神戸中央病院 脳神経外科、
3
JCHO 神戸中央病院 病理部、4 新潟大学脳研究所病理学分野
A28 Hurst 脳炎の1治療例
○上田 紗希帆 1、石上 晃子 1、山口 裕子 1、柴田 洋子 1、山本 徹 1、尾崎 彰彦 1
1
大阪府済生会中津病院
A29 延髄外側症候群をきたした視神経脊髄炎関連疾患の1例
○孝橋 睦生 1、伊賀 賢一 1、田中 智洋 1、松島 一士 1
公立豊岡病院
1
A30 寄生虫感染の合併が疑われた視神経脊髄炎の一例
○神辺 大輔 1、新出 明代 1、景山 卓 1、末長 敏彦 1
1
天理よろづ相談所病院 神経内科
- 15 -
CIDP・GBS
座長:石口 宏
(新宮市立医療センター神経内科)
A31~A34 15:36~16:
12
A31 著明な多発神経肥厚を認め、CIDPが疑われた一例
○安田 謙 1、吉永 健二 2、端 祐一郎 3、村瀬 永子 1、大谷 良 1、
中村 道三 1
1
国立病院機構 京都医療センター 神経内科、
2
京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座、
3
京都大学大学院医学研究科 神経内科
A32 高IgE血症と重症アトピー性皮膚炎を伴った運動優位型chronic inflammatory
demyelinating polyneuropathy (CIDP)の1例
○古東 秀介 1、藤堂 紘行 1、池中 寛絵 1、野田 佳克 1、上田 健博 1、関口 兼司 1、
古和 久朋 1、苅田 典生 1、戸田 達史 1
1
神戸大学大学院 医学研究科 神経内科学
A33 著明な髄液細胞数増加を呈したギランバレー症候群の一例
○立岡 悠 1、三枝 隆博 1、石本 智之 1、戸島 麻耶 1、南山 素三雄 1、村上 学 1、
松井 大 1
1
大津赤十字病院 神経内科
A34 視神経炎を合併したフィッシャー症候群の一例
○北田 洋子 1、伊藤 和博 2、三野 俊和 2、菊川 高行 3、伊藤 義彰 2
1
大阪市立大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、2 大阪市立大学医学部 神経内科、
3
萱島生野病院 神経内科
- 16 -
B 会場 午前の部
代謝性脳症
座長:木村 卓
(兵庫医大神経内科)
B01~B04 9:00~9:36
B01 胃部分切除4年後に発症した非アルコール性ウェルニッケ脳症の一例
○右近 紳一郎 1、團野 大介 1、坂本 峻 1、山本 麻未 1、末永 浩一 1、渡邊 将平 1、
笠間 周平 1、木村 卓 1、梶山 幸司 1、武田 正中 1、芳川 浩男 1
1
兵庫医科大学 内科学講座 神経・脳卒中科
B02 障害側線条体でドパミントランスポーターの低下を認めた糖尿病性舞踏病の一例
○高橋 央 1、安田 怜 3、錦織 隆成 4、大道 卓摩 3、結城 奈津子 1、吉岡 亮 2
1
NHO 舞鶴医療センター 神経内科、2NHO 舞鶴医療センター 臨床研究部、
3
京都府立医科大学医学部付属病院 神経内科、4 東京都立神経病院 脳神経内科
B03 てんかん重積発作後にMRIで両側淡蒼球病変を認め、
アパシーを発症した一例
○篠藤 祐也 1、永井 涼子 1、梶川 駿介 1、峠 理絵 1、中村 毅 1、鈴木 聡 1、
高橋 牧郎 1
1
大阪赤十字病院 神経内科
B04 メトフォルミン関連脳症の1例
○山川 勇 1、小橋 修平 1、矢端 博行 1、小河 秀郎 1
1
公立甲賀病院 神経内科
- 17 -
膠原病関連疾患
座長:中嶋 秀人
(大阪医大神経内科)
B05~B08 9:36~10:
12
B05 頭部MRIが診断に有用であったリウマチ性髄膜炎の1例
○山下 和哉 1、寺崎 泰和 1、坂口 学 1、中辻 裕司 1、吉崎 和幸 2、望月 秀樹 1
1
大阪大学医学部付属病院 神経内科・脳卒中科、
2
大阪大学医学部付属病院 免疫アレルギー内科
B06 潰瘍性大腸炎に合併した中枢神経血管炎の1例
○山内 頼友 1、村瀬 翔 1、吉村 元 1、上田 潤 1、上田 哲大 1、藤原 悟 1、引網 亮太 1、
石井 淳子 1、齊藤 智成 1、河野 智之 1、星 拓 1、川本 未知 1、幸原 伸夫 1
1
神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科
B07 潰瘍性大腸炎に合併した左腓腹筋筋炎の1例
○山本 真義 1、井上 学 1、津崎 光司 1、村方 健治 2、立花 直子 1、濱野 利明 1
1
関西電力病院 神経内科、2 大阪府済生会中津病院 神経内科
B08 上腸間膜動脈症候群様の所見を呈した強皮症合併筋萎縮性側索硬化症の1例
○中村 善胤 1、宇野田 喜一 1、谷 裕基 1、山根 一志 1、石田 志門 1、中嶋 秀人 1、
木村 文治 1
1
大阪医科大学 神経内科
- 18 -
多発性脳神経麻痺
座長:川合 寛道
(滋賀医大神経内科)
B09~B12 10:
12~10:48
B09 問診を契機に基礎疾患が判明した多発脳神経炎の1例
○端 真季子 1、和田 英貴 2、小橋 修平 2、小川 暢弘 2、大井 二郎 2、金 一暁 2、
川合 寛道 2
1
滋賀医科大学 医師臨床教育センター、2 滋賀医科大学 神経内科
B10
多発脳神経麻痺を認めたが、
一部自然軽快、
増悪をたどった特発性肥厚性硬膜
炎の症例
○榎本 貴俊 1、酒井 俊宏 1、中嶋 恒男 1、原 斉 1
1
地方独立行政法人 市立吹田市民病院 神経内科
B11 両側末梢性顔面神経麻痺で発症した成人T細胞白血病の1例
○高橋 麻衣子 1,2、梶本 賀義 1,2、阪口 臨 3、伊東 秀文 2
1
和歌山ろうさい病院 神経内科、2 和歌山県立医科大学 神経内科、
3
和歌山ろうさい病院 血液内科
B12 両側高度難聴を呈した髄膜癌腫症の一例
○高井 康行 1、長谷川 隆典 1、峯田 春之 1、平賀 定一 1、金田 明子 1、市橋 珠里 1、
塚本 美文 1、北口 正孝 1
1
馬場記念病院 神経内科
- 19 -
小脳失調・パーキンソニズム
座長:金子 鋭
(関西医大神経内科)
B13~B16 10:48~11
:24
B13 Flutter-like oscillationを呈した抗GluRδ2・
ε2抗体陽性の急性小脳失調症の一例
○中村 拓真 1、山本 敦史 1、今井 啓輔 1、濱中 正嗣 1、五影 昌弘 1、山崎 英一 1、
傳 和眞 1、池淵 嘉一朗 2、山本 聡 2、山田 丈弘 3
1
京都第一赤十字病院 脳神経・脳卒中科、2 京都第一赤十字病院 耳鼻咽喉科、
3
京都府立医科大学附属北部医療センター 神経内科
B14 著明な脳波異常を伴う反復発作性運動失調症2型
(EA2)
の一家系
○階堂 三砂子 1、古田 充 2、中森 雅之 2、湯浅 義人 1、高橋 正紀 2
1
地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター 神経内科、
2
大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学
B15 Lhermitte-Duclos病を伴ったCowden症候群の1例
○鈴木 英文 1、小野 通夫 1、金澤 恭子 1、小島 康祐 1、神田 益太郎 1、柴崎 浩 2
1
医仁会武田総合病院 神経内科、2 京都大学名誉教授
B16 若年発症Parkinson病を合併した22q11.2欠失症候群の一例
○隠岐 光彬 1、堀 真一郎 1、朝山 真哉 1、柘植 彩子 1、中村 正孝 1、藤田 賢吾 1、
和手 麗香 1、金子 鋭 1、日下 博文 1
1
関西医科大学 神経内科
- 20 -
B 会場 午後の部
末梢神経障害
座長:高橋 牧郎
(大阪赤十字病院神経内科)
B17~B20 13:30~14:06
B17 マイコプラズマ感染後に急性発症した多巣性運動ニューロパチー
(multifocal motorneuropathy:MMN)
の1例
○中島 大輔 1、辻 有希子 1、能登 祐一 1、櫛村 由紀恵 1、蒔田 直輝 1、石井 亮太郎 1、
田中 章浩 1、尾原 知行 1、水野 敏樹 1
1
京都府立医科大学 神経内科
B18 帯状疱疹後神経根炎による運動麻痺に対してステロイド治療が奏効した1症例
○福本 雄太 1、岡崎 真央 1、桑原 基 1、三井 良之 1、楠 進 1
1
近畿大学 医学部 神経内科
B19 電気生理学的検査で末梢神経障害を経時的に観察し得たフグ中毒の1例
○坂本 光弘 1、石川 奈々 1、川村 眞弓 1
1
日本赤十字社和歌山医療センター 神経内科
B20 「くびれ」を伴う特発性後骨間神経麻痺と前骨間神経麻痺を合併した一例
○坂戸 勇介 1、引網 亮太 2、山下 博史 1、澤本 伸克 1、齊藤 晋 3、池田 昭夫 4、
高橋 良輔 1
1
京都大学医学部附属病院 神経内科、2 神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科、
3
京都大学医学部附属病院 形成外科、4 京都大学医学部附属病院 てんかん・運動異常生理学
- 21 -
末梢神経・筋障害
座長:高橋 正紀
(大阪大学神経内科)
B21~B25 14:06~14:51
B21 MFN2新規遺伝子変異が判明したCMT2A女性例
○中村 毅 1、梶川 駿介 1、篠藤 祐也 1、永井 涼子 1、峠 理絵 1、鈴木 聡 1、高橋 牧郎 1、
樋口 雄二郎 2、橋口 昭大 2、高嶋 博 2
1
大阪赤十字病院 神経内科、2 鹿児島大学 神経内科
B22 筋強直性ジストロフィー1型
(DM1)
とCharcot-Marie-Tooth disease type X
(CMTX)が併存した父娘例
○森 千晃 1、松村 剛 1、藤村 晴俊 1、佐古田 三郎 1、仲谷 利栄 2、中森 雅之 2、高橋 正紀 2、
望月 秀樹 2
1
NHO 刀根山病院 神経内科、2 大阪大学 神経内科
B23 進行性の四肢脱力、
呼吸筋麻痺を呈し、
病理学的に筋萎縮性側索硬化症の合併が示
された抗ミエリン関連糖蛋白抗体関連脱髄性ニューロパチーの1剖検例
○結城 奈津子 1、高橋 央 1、木村 正志 1、吉岡 亮 2、岡 伸幸 3
1
NHO 舞鶴医療センター 神経内科、2NHO 舞鶴医療センター 臨床研究部、
3
NHO 南京都病院 神経内科
B24 大細胞肺癌に合併した抗MJ抗体(抗NXP2抗体)陽性皮膚筋炎の1例
○太田 真 1、宇野田 喜一 1、重清 太郎 1、塚原 彰弘 1、細川 隆史 1、中嶋 秀人 1、
木村 文治 1
1
大阪医科大学 神経内科
B25 肺腺癌に合併し治療により改善をみた亜急性感覚性ニューロノパチーの1例
○上原 尚子 1、朴 貴瑛 1、高坂 雅之 1、梅村 敦史 1、冨田 聡 1、田原 将行 1、山本 兼司 1、
大江田 知子 1、杉山 博 1、澤田 秀幸 1
1
国立病院機構 宇多野病院 神経内科・臨床研究部
- 22 -
てんかん
座長:澤本 伸克
(京都大学人間健康科学系)
B26~B29 14:51~15:27
B26 麻雀で誘発されるてんかんの1例
○福間 一樹 1、猪原 匡史 1、高杉 純司 1、宮下 光太郎 1、池田 昭夫 2、長束 一行 1
1
国立循環器病研究センター 脳神経内科、
2
京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座
B27 心因性非てんかん性発作と誤ったde novo absence status epilepticusの1例
○吉村 元 1、藤堂 謙一 1、村瀬 翔 1、石井 淳子 1、河野 智之 1、星 拓 1、川本 未知 1、
幸原 伸夫 1
1
神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科
B28 意識消失、強直性けいれんで救急搬送され、
神経調節性失神と若年ミオクロニーて
んかんの両者が疑われた23歳男性例
○吉井 大祐 1、森 仁 1、田端 宏充 1、進藤 克郎 1
倉敷中央病院
1
B29 てんかん専門外来の現状と課題
○小出 泰道 1、小出 秀達 1
小出内科神経科
1
- 23 -
頭痛
座長:菊井 祥二
(富永病院神経内科)
B30~B34 15:27~16:
12
B30 微小血管減圧術(MVD)が奏効したSUNCTの1例
○菊井 祥二 1、宮原 淳一 1、柏谷 嘉宏 1、宮崎 晃一 2、山下 晋 2、長谷川 洋 2、
竹島 多賀夫 1
1
富永病院神経内科・頭痛センター、2 富永病院 脳神経外科
B31 脳 MRI で病側の三叉神経への血管圧迫を認めた SUNCT(結膜充血と流涙をと
もなう短時間持続性片側神経痛様頭痛発作)の1例
○中室 卓也 1、菊井 祥二 2
済生会奈良病院 神経内科、2 富永病院 神経内科
1
B32 非出血性・非梗塞性両側性椎骨動脈解離の1例
○徳永 隆司 1、西村 裕之 1、山西 敏之 1、中嶋 匡 1、立花 久大 1
1
西宮協立脳神経外科病院 神経内科
B33 メチルプレドニゾロン(mPSL)
パルス療法が奏効した反復性群発頭痛の一例
○山名 正樹 1、濱田 征宏 1、鈴木 秀和 1、楠 進 1
1
近畿大学 医学部 神経内科
B34 巨細胞性動脈炎類似の病態を呈した頭蓋骨底部への転移性肺癌の1例
○漆原 大介 1、松尾 宏俊 1、尾原 知行 1、孫 明子 1、中島 正之 2、中村 高秋 3、
中西 雅樹 4、立川 弘孝 5、細川 洋平 6
1
近江八幡市立総合医療センター 神経内科、2 同 脳神経外科、3 同 内分泌代謝内科、
4
同 呼吸器内科、5 同 総合内科、6 同 病理診断科
- 24 -
日本神経学会
第 102 回近畿地方会
抄 録
- 25 -
A01
A02
○日野 天佑 1、吉村 壮平 1、塩澤 真之 1、
橋本 哲也 1、池田 善彦 2、豊田 一則 1
1
国立循環器病研究センター 脳血管内科、
2
国立循環器病研究センター 臨床検査部
82 歳男性,生来高度の難聴だが,基礎疾患なし.6 ヶ
月前より視力低下を自覚.突然の意識障害と言語障害
で救急受診した.バイタルサイン,一般身体所見に異
常なし.意識レベルは JCS1-3 程度で,構音障害,右
不全片麻痺,右半側空間無視があり,髄膜刺激徴候な
し.頭部 MRI で左中大脳動脈領域に散在する急性期
多発梗塞と,MRA で左内頚動脈サイフォン部に高度
狭窄を認めた.内頸動脈狭窄からの動脈原性梗塞を考
え,アスピリン,クロピトグレル,アルガトロバンで
治療開始したが,第 2 病日にくも膜下出血を発症し,
抗血栓薬を全て中止した.経過中 CRP 1mg/dL 未
満で 38℃以上の発熱はなく,全身状態は良好であっ
たが,第 20 病日に脳梗塞再発,第 28,31 病日にくも
膜下出血を再発した.最終的に肺動脈塞栓症のため呼
吸停止,第 35 病日に死亡した.病理解剖ではアスペ
ルギルスによる下垂体周囲炎及び多発動脈炎と一部血
栓を伴う瘤化を認めた.脳梗塞とくも膜下出血を併発
する症例では中枢神経系アスペルギルス感染症を念頭
に置く必要がある.
○松浦 潤 1,2、藤並 潤 1,2、石井 亮太郎 1,2、
藤井 明弘 2、野呂瀬 一美 3、水野 敏樹 2
1
済生会滋賀県病院 神経内科、
2
京都府立医科大学 神経内科、
3
千葉医科大学 感染生体防御学
症例は 65 歳女性。関節リウマチに対しメトトレキ
セート内服中。X 日から右顔面の異常感覚を自覚し、
X+3 日当科受診。診察にて右顔面の温痛覚低下を認
めた。頭部 MRI にて延髄右側から下小脳脚に中心部
辺縁でリング状に造影される病変を認めた。腫瘍性、
炎症性、脱髄性疾患などを念頭に精査した。髄液検査
は正常で OCB 陰性。Ga シンチなどで腫瘍を示唆する
所見なし。採血検査にてトキソプラズマ IgM、IgG 抗
体の上昇を認めた。HIV 陰性。免疫抑制剤使用中で
あり、トキソプラズマ脳症を考慮し、血清・髄液中の
トキソプラズマ抗原特異的遺伝子(B1 遺伝子、T. g. 18S
遺伝子)を Nested PCR にて検査。髄液では陰性であっ
たが、血清中では T. g. 18S 遺伝子が陽性であった。ト
キソプラズマ脳症の可能性が高いと判断し、ST 合剤
の内服を開始したが、薬疹のため中止。入院後症状の
増悪なく、MRI 画像所見は経過中に改善した。ほぼ
無治療にて軽快した理由は、入院後メトトレキセート
を中止したため、免疫機能改善に伴いトキソプラズマ
脳症も改善した可能性を考えた。
A03
A04
○藤堂 紘行 1、池中 寛絵 1、森本 耕平 1、
古東 秀介 1、関谷 博顕 1、本岡 里英子 1、
上田 健博 1、鷲田 和夫 1、安井 直子 1、関口 兼司 1、
古和 久朋 1、苅田 典生 1、戸田 達史 1
1
神戸大学大学院医学研究科 神経内科学
症例は 69 歳男性。急性の両下肢筋力低下と自発痛
を自覚し、歩行困難となったため前医に入院し、精査
目的に当院へ転院した。診察では両下肢の全感覚障害、
両下肢 MMT3~4 レベルの筋力低下、四肢腱反射低下、
両側 Babinski 徴候、両側 Laségue 徴候、膀胱直腸障
害を認めた。神経伝導検査では下肢の SNAP は導出
良好であった。MRI では頸髄や胸髄に散在する髄内
異常信号と、馬尾の Gd 造影効果を認めたが、頭蓋内
の異常は認めなかった。髄液は血性であり、細胞数は
1168/mm3、細胞分画は単核球 97 %で 9.0 %の異型リ
ンパ球を認め、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の DNA
が PCR 法で陽性であった。VZV による脊髄神経根炎
と診断し、アシクロビルを点滴投与した。症状は軽快
し、髄液所見も改善した。血性髄液を伴う VZV 感染
症は少数ながら報告されており、VZV vasculopathy
の合併が指摘されることが多い。過去の報告を交え考
察する。
○喜多 也寸志 1、寺澤 英夫 1、清水 洋孝 1
1
兵庫県立姫路循環器病センター 神経内科
【症例】67 歳女性【既往歴・家族歴】輸血歴・類症
なし【病歴】X 月:左側優位の両手指運動障害、X+
3 月:左下肢引きずり歩行、X+6 月:当科紹介入院【神
経学的所見】ごく軽度の両手・左下肢筋力低下、左下
肢痙性歩行、両手指尖痛覚低下、足の振動覚軽度低下、
Romberg 徴候 (±)、継ぎ足歩行不可、膀胱直腸障害
軽度、右側優位に PTR 中等度亢進、右 Babinski 徴候
陽性【検査所見】HTLV-1 抗体≧ 45.1、HTLV-1 プロ
ウイルス 4.56%、[髄液]細胞数 5/μL、蛋白 74mg/
dl、HTLV-1 抗体 3.6、ネオプテリン 16pmol/ml[後
脛骨神経 SEP]右 P40 軽度延長[頚椎 MRI]左側優
位に C4 ~ C7 髄内高信号域・造影効果、C4/5・C5/6
椎間板ヘルニアによる脊髄圧迫合併[胸椎 MRI]髄
内病変なし【経過】血清・髄液 HTLV-1 抗体陽性よ
り HAM と診断。副腎皮質ステロイド剤点滴+内服お
よびリハビリテーションにて杖~監視下歩行自立し、
血清 HTLV-1 プロウイルス・髄液ネオプテリンは下
降した【結論】本例は variant HAM の 1 例であり文
献的考察を加え報告する。
脳梗塞とくも膜下出血を繰り返した中枢神経系ア
スペルギルス症の一剖検例
血性髄液を認めた帯状疱疹性脊髄神経根炎の 1 例
メトトレキセート内服中にトキソプラズマ脳症の
発症が疑われた 1 例
孤立性頚髄病変を認めた HTLV-1 関連脊髄症(HAM)
の1例
- 26 -
A05
A06
○中村 敬 1、椨 勇人 1、橋本 泰昌 1、寺田 祐太 1、
細木 聡 1、長尾 茂人 1、小松 研一 1、中川 朋一 1、
里井 斉 1、斎木 英資 1、松本 禎之 1
1
公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院
神経内科
症例は 46 歳の男性。抑うつ症状・早朝覚醒が出現
し、他院にてスルピリドを処方された。抑うつ症状は
改善したものの、2 ヵ月後に歩行障害・手指巧緻運動
障害が出現した。スルピリド中止後も同症状に改善認
めないため当科入院となった。上肢優位に左右差のな
い固縮・右上肢優位の動作緩慢および右上肢に安静時
振戦を認めた。頭部 MRI では大脳萎縮および白質・
脳幹にびまん性の T2WI 高信号域を認めた。血液検査
では HIV 抗体陽性を認め、髄液検査でも HIV1-RNA
陽性が確認されたため HIV 脳症と診断した。パーキ
ンソニズムを契機に受診し、診断に至った HIV 脳症
患者を経験した。パーキンソン症候群の鑑別において
HIV 感染症を考慮する事は治療・予後に関わるため
重要である。
○船津 奈保子 1、早川 幹人 1、徳田 直輝 1、
豊田 一則 1
1
国立循環器病研究センター 脳血管内科
症例は 66 歳の右利きの女性.高血圧で内服加療中
であった.某日,突然「全ての人の左の黒目が鼻側に
寄って見える」ようになった.症状は約 5 時間持続し
たが,人の左眼以外は全て正常に見え,他の自覚症状
はなく,その間日常生活動作は問題なく行なうことが
できた.同様の症状がその後 3 日間にわたり間欠的に
出現したため,発症 4 日後に近医にて頭部 MRI を施
行,右脳梁膨大部に脳梗塞を認めたため同日当院入院
となった.入院時には神経学的異常を認めず,視覚・
視野異常や高次視知覚機能障害,眼科的異常も認めな
かった.脳波では明らかなてんかん性放電を認めな
かった.頭部 MRA にて脳底から右後大脳動脈に狭窄
病変を認め,アテローム血栓性脳梗塞と診断しアスピ
リン内服を開始した.側頭葉・後頭葉や脳梁膨大部の
病変により半側相貌変形視を生じた症例が報告されて
いるが,多くは病変と対側の視野に生じており,本例
のように同側の視野に生じるのは非常にまれである.
文献的考察を含め報告する.
A07
A08
○山西 敏之 1、西村 裕之 1、中嶋 匡 1、徳永 隆司 1、
立花 久大 1
1
西宮協立脳神経外科病院 神経内科
症例 1.93 歳女性.突然喋りにくいとの訴えが出
現し当院受診.血圧は 186/97mmHg と上昇していた
が,神経学的には構音障害以外の異常所見は認められ
なかった.頭部 MRI にて中脳下部正中部に梗塞巣を
認めた.オザグレル,エダラボンにて治療し,構音障
害も軽快したため退院となった.症例 2.83 歳男性.
当院受診前日ろれつ困難が出現し A 病院受診.頭部
CT 上異常はみられなかったが脳梗塞を疑われ当院紹
介受診.MRI にて右前頭葉皮質に新鮮梗塞巣を認め
た.神経学的には構音障害と左への軽度舌偏位を認
めたが,その他の異常は認められなかった.オザグ
レル,エダラボンにて症状は軽快し退院した.Pure
dysarthria はテント上,テント下のいろいろな病変部
位で報告されているが,比較的稀な部位で認められた
2 例を報告した.
○古川 公嗣 1、和田 一孝 1、田中 寛大 1、
堀川 恭平 2、秋山 義典 2、末長 敏彦 1
1
公益財団法人 天理よろづ相談所病院 神経内科、
2
公益財団法人 天理よろづ相談所病院 脳神経外科
今回,延髄病変における上向き眼振の 2 症例を経験
したので報告する.症例 1 は 73 歳男性.平成 27 年 2
月末 14 時頃に呂律困難に気づき当院救急外来に搬送
された.神経所見として上向き眼振,呂律困難,舌右
偏位,左上下肢脱力,左上下肢における触覚・振動
覚低下を認めた.頭部 MRI で右延髄内側梗塞を認め
た.症例 2 は 39 歳男性.2014 年 10 月初旬午後 1 時
半頃に突然回転性めまい,嘔気を認めて当院救急外来
を受診された.神経所見として,回転性めまい,上向
き眼振,右上下肢の軽度脱力を認めた.頭部 MRI で
左延髄錐体脳梗塞を認めた.上向き眼振の機序として
症例 1 では延髄内側病変における前庭神経核への過抑
制,上直筋への刺激低下の結果,下方への緩徐相が出
現し,代償性に急速相の上向き眼振が生じた可能性に
ついて考えられる.症例 2 の延髄錐体病変における報
告例は検索上見つからず,症状も急速に改善を認めた
ため,一過性の虚血が延髄内側まで及んだ可能性が考
えられる.さらに,文献を通して考察する.
パーキンソニズムを契機に HIV 脳症の診断に至っ
た一例
Pure dysarthria を呈した脳梗塞の 2 例
右脳梁膨大部の梗塞により同側視野の半側相貌変
形視を生じた一例
上向き眼振を認めた延髄梗塞 2 症例の検討
- 27 -
A09
Macro-square wave jerks (MSWJs) を示す小脳梗
塞の一症例
○林 紗葵 1、大井 長和 1、十川 純平 2
1
京都博愛会 神経内科、
2
京都大学医学部付属病院 神経内科
症例:76 歳女性、日本人、右利き。主訴:唇周囲
のしびれ感。現病歴:200X 年 2 月 Y 日(day1)の昼
に仰臥位で就寝中に、左口唇にしびれ感が出現して持
続。その後昼食を摂取したが、嘔吐。day2 の朝にも
嘔吐が持続したために入院。既往歴:糖尿病、脂質異
常症、高血圧、直腸癌術後、人工肛門。生活歴:飲酒・
喫煙なし。内服薬:降圧薬、スタチン製剤、頻尿治療
薬。入院時の神経学的所見:左三叉神経第 2 - 3 枝支
配領域の感覚障害、primary position で MSWJs、右
側方視で right jerk nystagmus, 左側方視で left jerk
nystagmus、上方視で upbeat nystagmus, horizontal
saccadic SPM,中等度の上転障害、左上下肢の四肢
失調、緩徐言語、wide-based gait を認めた。本例の
MSWJs は、近点視では抑制された。脳 MRI (day3):
左中小脳脚から左小脳半球に新規梗塞、右小脳半球の
陳旧性脳梗塞を認めた。脳 SPECT (day10): 右小脳
優位の小脳の血流低下。まとめ:陳旧性の一側の小脳
梗塞に新たに他側の小脳梗塞が出現し、両側性の小脳
機能低下をきたし、MSWJs が出現した可能性がある。
A10
rtPA 静 注 療 法 で 改 善 し た 大 動 脈 原 性 Wall-eyed
bilateral internuclear ophthalmoplegia(WEBINO
症候群)の一例
○梶川 駿介 1、山上 宏 2、殿村 修一 2、杉浦 由理 2,3、
宮下 光太郎 2、長束 一行 2
1
大阪赤十字病院 神経内科、
2
国立循環器病センター 脳神経内科、
3
兵庫医科大学附属病院 脳神経外科
症例は 82 歳男性。X 年3月 19 日一過性のめまい後
の複視を主訴に、当院救急搬送となった。既往歴は高
血圧、脂質異常症、糖尿病あり。来院時、意識清明で
明らかな運動麻痺や感覚障害、失調を認めなかったが、
左優位の両眼の内転障害と外転眼の眼振、垂直方向の
注視方向性眼振,交代性外斜視を認め,WEBINO 症
候群と考えられた。頭部 MRI では左側橋傍正中部背
側に DWI 高信号を認め、左前頭葉にも点状の DWI
高信号域を認めたため、塞栓性機序が疑われた。来院
後に rtPA 静注療法施行、翌日には右眼の内転制限が
改善、以後左眼の内転制限も改善していった。入院後
経食道心エコーにて大動脈弓部に潰瘍を伴う 5mm 以
上の内部不均一な血栓を認め、大動脈原性の機序が考
えられた。WEBINO 症候群は橋被蓋部や中脳の病変
で生じると考えられている。本症例は同部位の脳梗塞
急性期に同症候群を呈したものの、症候および画像所
見に左右差を認めていることから、rtPA 静注療法に
よる早期の再開通が関与したものと考えられた。
A11
A12
○角田 渓太 1,2、佐木山 裕史 1、岩本 高典 1、
梶山 裕太 1、宮下 典子 1、衛藤 昌樹 1、中 隆 1、
玉置 亮 3
1
東大阪市立総合病院 神経内科、
2
現:森之宮病院 神経内科、
3
東大阪市立総合病院 脳神経外科
症例は 42 歳男性.1 ヶ月前から夜間に繰り返す発
熱と左肩関節痛があり,突然右片麻痺と構語障害を発
症し救急搬送.来院時右不全片麻痺と中等度の感覚性
失語を認め (NIHSS7点),脳 MRI で左側頭葉および
放線冠の DWI 高信号,MRA で左 M1 での途絶像を
認めた.遷延する発熱と心エコーにて僧帽弁後尖に付
着する疣贅を確認,感染性心内膜炎による脳塞栓症と
診断した.発症 4 時間 20 分で rt-PA 静注療法を施行
したが,30 分後に右完全麻痺,全失語と増悪が見ら
れた (NIHSS14点).このため緊急で機械的血栓回収
術(SOLITAIRE)を施行,血栓回収に成功し完全な
再開通が得られ,軽度の右顔面麻痺と構音障害を残し
神経症状は軽快した (NIHSS3点).回収した血栓から S.
mitis が同定され,第 3 病日に僧帽弁形成術を施行し
軽快退院となった.感染性心内膜炎による脳梗塞の超
急性期加療の適否については諸説があるが,長時間経
過後の機械的血栓回収術が奏効した報告は少なく,本
例は貴重と考え,文献的考察を加えて報告する.
○江浦 信之 1、泉 哲石 1、杉江 和馬 1、上野 聡 1、
小谷 有希子 2、中川 一郎 2、中瀬 裕之 2、和田 敬 3、
吉川 公彦 3
1
奈良県立医科大学 神経内科、
2
奈良県立医科大学 脳神経外科、
3
奈良県立医科大学 放射線科
症例は 25 歳男性。既往歴、家族歴に特記なし。9
日前に頭痛を自覚、6 日前の頭部 CT では異常を認め
なかったが、同日夕、頭痛が増悪し近医に入院。1 日
前に強直間代性痙攣が出現し当科へ転院。高度の意識
障害があり、自発運動はみられなかった。頭部造影
CT では両側前頭葉、頭頂葉に出血があり、上矢状静
脈洞から内頚静脈に広範な造影欠損を認め、脳静脈洞
血栓症と診断。広範な血栓による重症例であったため、
経皮的血管形成術を行い、上矢状静脈洞の開通を確認
した。術後、意識は改善し、右上肢麻痺、軽度の高次
機能障害を認めたが、リハビリテーションで軽快した。
静脈血栓の原因を検索したが凝固異常や膠原病、腫瘍
などは指摘できなかった。ワルファリン抵抗性であっ
たためリバーロキサバンによる抗凝固療法を行い、後
遺症なく退院。職場復帰し退院後1年経過した現在、
再発は認めていない。重症の脳静脈洞血栓症に対して
血管内治療が奏功し、再発予防に新規抗凝固薬が有用
であった一例を報告する。
機械的血栓回収術が奏効した感染性心内膜炎によ
る脳塞栓症の一例
上矢状静脈洞から内頚静脈に至る広範な脳静脈洞
血栓症に対し、血管内治療が著効した一例
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A13
A14
○片山 由理 1、高木 健治 2、児玉 成人 3
1
医療法人幸生会 琵琶湖中央病院 神経内科、
2
滋賀医科大学 医学部 脳神経外科、
3
滋賀医科大学 医学部 整形外科
症例は 34 歳男性。2012 年 3 月左硬膜外血腫・正中
偏位のため他院にて減圧開頭・血腫除去術施行。一時
気管切開し閉鎖、経口摂取可能となり退院。簡単な指
示は入り、簡単な単語のみ発語可能。四肢痙縮著しく
座位起立不能、ADL は全介助。2013 年 4 月当院にて
両上下肢にボツリヌス療法施行、入院し装具作成とリ
ハビリを行い、関節可動域改善しリクライニング車椅
子乗車可能となり退院。その後訪問リハビリを続行し
ボツリヌス療法を 3 か月ごとに施行。寝返り、移乗や
更衣に本人の協力が得られるようになり、介護負担が
軽減。しかし単位数の制限から効果に限度があるため、
2014 年 10 月脳神経外科にてバクロフェンポンプ植込
み術を施行。術後当院に転院しリハビリを施行したと
ころ四肢痙縮は軽減したが、体幹の支持性が低下し、
また発声も困難となったため流量を減量。退院後訪問
リハビリ継続も足関節拘縮し尖足改善せず、2015 年 3
月整形外科にてアキレス腱延長術・屈筋群の延長術を
施行。単一の治療で改善しない全身痙縮に関しては複
数科で連携し治療にあたる必要がある。
○中山 宜昭 1、綾木 孝 2、村田 顕也 1、
伊東 秀文 1
1
和歌山県立医科大学 神経内科、
2
京都大学 神経内科
症例は 76 歳男性.X-1 年 12 月初旬より頭痛,失
読,失算,記憶障害,易怒性が出現した.X 年 1 月
当科入院.頭部 MRI SWI にて,左前頭葉,両側側頭
葉,両側頭頂葉の皮質下白質に多発する小低信号域を
認め,同部位の大脳白質は T2 強調画像高信号,ADC
高信号を呈していた.大脳皮質下白質に多発する微小
出血と,同領域における血管性浮腫を反映した画像と
考えられ,脳アミロイドアンギオパチー関連白質脳症
と診断した.治療としてメチルプレドニゾロンパルス
療法(3日間)を施行したが,ステロイドの副作用と
思われる易怒性の増悪が認められ,後療法のステロイ
ド内服は行えず経過観察とした.その後,易怒性,高
次脳機能障害,頭痛は徐々に改善したが,パルス療法
3 週間後の時点では,頭部 MRI での白質病変は軽度
の改善を示すのみであった.そこで,プレドニゾロン
10 mg/日を経口投与したところ,4 週間後の時点で頭
部 MRI での白質病変は著明に改善した.本疾患では,
少量のステロイド内服治療でも奏功することがある.
A15
A16
○瀬川 翔太 1、森谷 真之 1、早野 絵梨 1、
小河 浩太郎 1、秀嶋 信 1、別宮 豪一 1、中野 美佐 1、
巽 千賀夫 1、中田 壮一 2
1
市立豊中病院 神経内科、
2
市立豊中病院 血液内科
症例は 86 歳女性。某日より構音障害、ふらつきが
出現したため翌日当科入院となった。診察上、左上肢
バレー徴候陽性、左上肢優位の協調運動障害を認め
た。血液検査において血小板減少と溶血性貧血を認め
た。頭部 MRI において両側前頭葉、脳梁、両側小脳
半球に散在性の新規脳梗塞を認めた。心エコー、頚動
脈エコー、体幹 CT では異常を認めなかった。骨髄は
正形成で血小板産生増加していた。諸検査より血栓性
血小板減少性紫斑病(TTP)を疑い、脳梗塞も本疾
患による可能性が考えられたため、第 5 病日よりメチ
ルプレドニゾロン及び新鮮凍結血漿の投与を開始し
た。その後意識状態は動揺しながら経過し、肺水腫に
よる呼吸状態増悪のため第 10 病日に永眠した。後日
ADAMTS13 活性低下、インヒイビター高値と判明し、
TTP と診断確定した。本疾患は細動脈・毛細血管の
閉塞による微小脳梗塞の原因となることが知られてお
り、稀な疾患ではあるが鑑別として考えておく必要が
ある。教訓的な症例と考えられ今回報告する。
○山本 康正 1、冨井 康宏 1、安原 裕美子 1、
岩重 洋平 2、戸田 真太郎 1
1
京都桂病院 脳神経内科 、
2
京都大学
症例は 83 歳女性。X 年 9 月 4 日、左麻痺が出現し
た。症状は進行性で病院到着時 MMT3/4 レベルの麻
痺があった。当時の MRI 拡散画像で右被殻後方、レ
ンズ核線条体動脈領(LSA)領域に脳梗塞あり、其の
後軽快退院したが、9 月 23 日再び左の軽度麻痺が生
じ、拡散画像で右放線冠に高信号を認めた。夕刻より
嘔気・嘔吐・胸部不快感を自覚、CK の上昇とトロポ
ニンT陽性を認めたため循環器内科に入院した。その
後低酸素状態が進行し、約 10 時間後に死亡し剖検が
施行された。脳切では、右被殻から放線冠にかけて梗
塞病巣がみられ、LSA 外側枝領域と考えられた。頭
蓋内主幹動脈は中等度以上の動脈硬化、冠状動脈は
lipid rich plaque をともなうアテローム硬化がみられ
た。中大脳動脈と LSA 近位部は、線維性の中等度の
びまん性のアテローム硬化病変がみられた。本症例は
LSA の branch atheromatous disease (BAD)型の梗
塞といえる。脳梗塞は剖検後に気づかれ病理像を後か
ら追跡することとなったが、LSA の BAD 型梗塞の病
理像は C. M. Fisher の記載以来報告がないと思われ、
ここに報告する。
複数科が連携し四肢痙縮の治療を行った急性硬膜
外血腫術後の一例
多発性脳梗塞を発症した血栓性血小板減少性紫斑
病の一例
少量のステロイド投与が奏功した脳アミロイドア
ンギオパチー関連白質脳症の一例
レンズ核線条体動脈領域梗塞の血管病理 -一剖
検例より-
- 29 -
A17
HDLS:Hereditary diffuse leukoencephalopathy
with neuroaxonal spheroids. 急速に進行する若年
性認知症の一例
A18
前頭側頭型認知症様の症状を呈した神経軸索
spheroid を 伴 う 遺 伝 性 び ま ん 性 大 脳 白 質 脳 症
(HDLS)の一例
○杉原 芳子 1、角 幸頼 2、出原 亮 1、白石 智順 1、
前田 憲吾 1
1
東近江総合医療センター、
2
滋賀医科大学 臨床研修センター
症例は 38 歳女性。出生発達に問題なく、外国語大
学を卒業。1 年余り前から時折言葉が出ない、文字が
書けないといったことがあり、その後歩行時のふら
つきや脱力感が出現。他院脳外科での頭部 MRI で両
側大脳半球の白質病変を指摘され、当院を紹介。初診
時には下顎反射陽性で両側膝蓋腱反射が亢進、文字
盤の時計で時間を認識できなかった。頭部 MRI では、
両側大脳半球の脳室周囲及び深部白質に左右対称性
の FLAIR 高信号域を認め、脳梁は菲薄化し膨大部は
DWI・FLAIR で高信号を示した。多発性硬化症・膠
原病・血管炎・悪性リンパ腫・白質ジストロフィー等
の鑑別を行ったが、いずれも否定的。臨床症状や画像
所見の合致する HDLS の可能性を考慮し遺伝子解析
を行ったところ、ヘテロ接合性に c.2381T > C/p.1794T
変異が確認された。HDLS は常染色体優性遺伝の白質
脳症である。2012 年に病因遺伝子が特定されている。
数年の経過で寝たきり・無動無言となるため、早期の
診断が重要である。白質病変を伴い急速に進行する若
年性認知症では、本症を鑑別に挙げる必要がある。
○萬 翔子 1、寺田 翔 1、佐藤 孝一 1、森 めぐみ 1、
廣西 昌也 1、村田 顕也 1、伊東 秀文 1
1
和歌山県立医科大学 医学部 神経内科
52 歳女性.X-2 年夏頃より会話が的外れとなり,家
事もしなくなった.すぐ怒るなどの性格変化,運転中
に反対車線を走ったり,水着を着て自転車に乗るなど
の異常行動も出現した.X 年 5 月に当科受診,診察室
では始終鼻歌を歌っており自身の病状に対して無関心
であった.前頭葉や頭頂葉の大脳皮質徴候がみられた
が,parkinsonism や錐体路徴候なく,感覚障害や失
調症状もなかった.神経心理検査では MMSE 17/30,
FAB 4/18,WAB 失語症検査は失語指数 78.2 で感覚
性失語の傾向,Stroop test は III-I=55 秒.WCST は
カテゴリー達成数 1 で保続エラーが 17 みられた.頭
部 MRI で前頭葉や側頭葉の萎縮は軽度,側脳室周辺
の広範な白質病変,脳梁の菲薄化を認めた.脳血流
SPECT では両側前頭葉,頭頂葉に血流低下あり.遺
伝子検索で CSF-1R 遺伝子の点変異(c. 2293G > T/
p.G765C)を認め HDLS と診断した.本例は臨床症状
が bvFTD と類似しており,診断において注意が必要
であると考えられた.
A19
A20
○垂髪 祐樹 1、平野 博久 1、関谷 智子 1、
澤村 政典 1、田村 暁子 1、當間 圭一郎 1、
西中 和人 1、宇高 不可思 1
1
一般財団法人住友病院 神経内科
症例は緩徐進行性の脳梁離断症状を示した家族
歴のない 66 歳女性。頭部 MRI で脳梁の信号変化と
菲薄化を、頭部 CT で大脳白質の微小石灰化を認め
た。軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白
質脳症 (hereditary diffuse leukoencephalopathy with
spheroids: HDLS) を 疑 い、 遺 伝 子 解 析 に て CSF1R
遺伝子エクソン 18 に p.D778E ミスセンス置換を認
め、確定診断した。前方優位の白質病変および萎縮が
HDLS に特徴的であるが、本症例では大脳後方優位の
白質病変と萎縮を認めた。症状の進行は非常に緩徐で
あり、発症から約 10 年経過しているが、軽度の高次
機能障害を認めるのみで日常生活は自立している。病
変が後方優位で、症状進行が緩徐な HDLS の報告は
検索し得た範囲ではなく、文献的考察を含め報告する。
○向井 麻央 1、中島 大輔 1、櫛村 由紀恵 1、
能登 祐一 1、尾原 知行 1、水田 依久子 1、
水野 敏樹 1
1
京都府立医科大学 神経内科
症例は 63 歳男性。44 歳時に脳ドッグで無症候性脳
梗塞を指摘され、経過観察とされていた。63 歳時に
左上肢の脱力感のため、当科外来を受診。頭部 MRI
拡散強調画像で右中心前回及び左側頭葉白質に高信号
域を認め、急性期脳梗塞の診断で入院となり治療開始
された。症状は速やかに改善し、入院 14 日後に退院
となった。なお、脳梗塞の危険因子は脂質異常症のみ
であり、入院中の精査でも明らかな脳梗塞の原因は判
明しなかった。
頭部画像の経過において、徐々に白質病変と梗塞巣
が増加し、白質病変は側頭極に広がっていたことから
CADASIL の可能性を考えた。原因遺伝子 NOTCH3
の検索を行ったところ、c.1630C > T, Arg544Cys 変
異ホモ接合体を認めた。両親は従兄妹婚であったが、
両親や同胞に脳梗塞の発症者はなかった。
CADASIL の NOTCH3 変異型ホモ接合体は世界で
数例報告があるが、これまでの報告ではヘテロ接合体
に比較して同等ないしは重症である。本症例は変異型
ホモ接合体であるが症状は軽症であり、貴重な症例と
考え報告する。
軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質
脳症(HDLS)の 1 例
NOTCH3 遺伝子変異ホモ接合体を認めた CADASIL
の1例
- 30 -
A21
新規変異が確認された成人発症の Vanishing white
matter disease の 1 例
○西田 勝也 1、福田 明 1、安藤 竜起 1、
戸根 幸太郎 1、山崎 浩 1、河本 邦彦 1、二村 直伸 1、
三谷 真紀 1、舟川 格 1、陣内 研二 1
1
国立病院機構 兵庫中央病院 神経内科
症例は両親がいとこ婚の現在 61 歳の女性。29 歳時
に歩行障害が出現し、32 歳時には転倒を繰り返すよ
うになった。神経学的には認知機能障害、下肢優位の
筋力低下、両側錐体路徴候、深部感覚障害、小脳性運
動失調を認め、起立、歩行は不可能であった。 血液
検査では卵巣機能障害を認めた。体性感覚誘発電位で
は中枢伝導時間の延長、末梢神経伝導検査では腓骨
神経の伝導速度低下を認め、腓腹神経は導出不能で
あった。40 歳時にはけいれんを繰り返し 41 歳で寝た
きり状態となった。頭部 MRI では大脳白質が脳脊髄
液と同様の信号変化を呈した。特徴的な画像所見から
Vanishing white matter disease (VWMD) と考え遺
伝子検査を行ったところ eIF2B1 遺伝子にホモ接合変
異(c.715T > G)が確認され,VWMD と確定診断し
た。VWMD は小児期に発症する場合が多いが本例の
ように成人発症例も存在する。頭部 MRI で大脳白質
が「消失」したような所見を呈した場合は鑑別として
VWMD も考えるべきである。
A22
AARS2 の新規複合ヘテロ変異を認めた、卵巣機能
不全を合併する成人発症の白質ジストロフィーの
一例
○濱谷 美緒 1、陣上 直人 1、鶴崎 美徳 2、
島田 姿野 3、下島 圭子 3、吉永 健二 1、
上村 紀仁 1、山下 博史 1、植村 健吾 1、高橋 良輔 1、
松本 直通 2、山本 俊至 3
1
京都大学 神経内科、
2
横浜市立大学大学院 医学研究科 遺伝学、
3
東京女子医科大学 統合医学研究所
症例は 38 歳女性。発達発育は問題なく普通学級で
大学まで進学し、一般企業に就職した。既往歴や家族
歴は特記事項なし。30 歳時に突然退職し引きこもり、
物忘れや同じ事を何度もするような行動異常がみら
れ、発動性が低下し周囲に対し無関心となった。左上
肢の動かしにくさもみられ、ADL は徐々に低下し 38
歳時にはほぼ寝たきりとなった。また 34 歳以後、無
月経となった。脳 MRI では中心部から頭頂葉にかけ
て皮質下ならびに深部白質にびまん性に FLAIR 高信
号を認め、一部斑状に DWI 高信号を呈したが、造影
効果は認めなかった。また脳梁の菲薄化を認め、特に
膨大部で著明であった。既知の白質ジストロフィーの
ワークアップでは病態は特定できず、Whole exome
sequencing を行った。結果、ミトコンドリアのアラ
ニル tRNA 合成酵素をコードする AARS2 の新規複
合ヘテロ接合体変異を同定した。本遺伝子変異は本邦
初であり、文献的考察を含め報告する。
A23
A24
○芦田 真士 1、田中 瑛次郎 1、小椋 史織 1、
前園 恵子 1、永金 義成 1
1
京都第二赤十字病院 脳神経内科
症例は 18 歳女性。X 月中旬より頭痛が出現、同月
末に異常行動が出現し、急性精神疾患として、前医
に入院したが、昏迷状態になったため、当院に転院し
た。神経所見は、開眼はあるものの発語、刺激への反
応はなかった。頭部 MRI、髄液検査は正常、脳波で
びまん性律動性δ波を認めた。辺縁系脳炎と診断し、
ステロイドパルス療法とアシクロビル静注を開始した
が、中枢性低換気を認め人工呼吸管理を行った。ま
た、口腔ジスキネジア、強直間代性痙攣が出現し、抗
てんかん薬、鎮静薬を多剤併用した。入院第 9 日に
IVIg、第 28-33 日に血漿交換療法を施行するも改善は
なかった。血清抗 NMDA 受容体抗体が陽性であり、
卵巣腫瘍は認めなかったが、抗 NMDA 受容体脳炎と
診断した。第 78 日からシクロフォスファミド大量療
法を開始し、2 回目から脳波は改善した。計 4 回施行
し、14 ヶ月目に自発呼吸が出現、追視も可能となった。
抗 NMDA 受容体脳炎で、ステロイドパルス、IVIg、
血漿交換療法に抵抗性だが、シクロフォスファミド大
量療法に反応性を示す例があり、積極的に適用する治
療と考える。
○上原 拓也 1、甲田 亨 1、別宮 豪一 1、馬場 孝輔 1、
三原 雅史 1、奥野 龍禎 1、隅 寿恵 1、中辻 裕司 1、
望月 秀樹 1
1
大阪大学医学部附属病院 神経内科・脳卒中科
強直性痙攣発作にて発症した 43 歳女性。抗てんか
ん薬の投薬を開始されたが、徐々に活動性が低下し、
記憶障害も進行した。発症 2 ヶ月後に頭部 MRI 撮影
され、両側海馬・左側頭葉内側に T2 強調画像にて高
信号を認めた。症状の改善が認められず、当院転院と
なった。全身の腫瘍検索を行なったが、腫瘍性病変は
認められず、ステロイドパルス療法および単純血漿交
換を施行した。短期記憶や見当識障害はやや改善する
も、その後、易興奮性や易怒性などの精神症状が出現
するようにうなった。経口ステロイド投与開始後は
病状の進行は停止しているものの、MRI 画像では両
側海馬の著明な萎縮を認めた。経過中に血清中の抗
leucine-rich glioma -inaccivated 1 (LGI1) 抗 体 陽 性
が判明した。抗 LGI1 抗体陽性辺縁系脳炎は症例報告
数は少ないが免疫療法に対する反応は良く予後良好と
されている。しかし、本例は積極的な免疫療法にも関
わらず治療反応性が不十分で非典型的な症例であり、
文献的考察を加えて報告する。
シクロフォスファミド大量療法に反応を示した抗
NMDA 受容体脳炎の一例
治療抵抗性であった抗 LGI1 抗体陽性辺縁系脳炎の
一例
- 31 -
A25
Non-stiff person 症候群を呈した抗 amphiphysin 抗
体陽性白質脳症の一例
○北野 貴也 1、木下 允 1、石倉 照之 1、米延 友希 1、
大薗 達彦 1、三谷 祐貴子 1、岩本 高典 1、
高田 和城 1、穀内 洋介 1、深田 慶 1、澤田 甚一 1、
狭間 敬憲 1
1
大阪府立急性期総合医療センター 神経内科
症例は 56 歳男性。数分間持続する上腹部絞扼感お
よび併発する右上肢痙攣にて発症。同症状は無治療に
て数日後消失。精査目的に当科外来受診となった。初
診時、神経学的異常所見は明らかでなかった。精査目
的にて撮影された頭部 MRI 画像では、両側前頭葉お
よび側頭葉白質中心に T2 強調画像にて高信号領域を
指摘。血液検査および髄液検査では、感染性疾患・腫
瘍性病変を示唆する所見認めず、自己免疫介在性機序
の可能性が考えられた。後日施行された腫瘍随伴自己
抗体検査では、血中抗 amphiphysin 抗体陽性である
ことが判明したが、stiff-person 症候群を示唆する症
状は呈していなかった。潜在性腫瘍病変の精査目的に
施行した全身検索では明らかな腫瘍病変指摘されず、
遺残胸腺のみ認めた。本症例は、抗 amphiphysin 抗
体陽性の non-stiff person 症候群の一例と考えられた。
amphiphysin autoimmunity と し て encephalopathy
のみを呈することは極めて稀であり報告する。
A27
歩行障害と認知機能低下が亜急性に進行し、同心
円状の造影病変を呈した炎症性脱髄性疾患の 75 歳
女性例
○原 敦 1、小別所 博 1、松本 圭吾 2、三宅 敏彦 3、
清家 尚彦 4、田中 英知 4、柿田 明美 4
1
JCHO 神戸中央病院 神経内科、
2
JCHO 神戸中央病院 脳神経外科、
3
JCHO 神戸中央病院 病理部、
4
新潟大学脳研究所病理学分野
X-1 年秋から進行する認知機能低下と歩行障害を認
め、春に掴まり歩行となり、5 月 10 日には立ち上が
れず入院した。神経学的所見は復唱困難、脳梁離断症
状、四肢腱反射亢進、両下肢深部覚低下、四肢協調
運動障害を認めた。血液検査で抗アクアポリン 4 抗
体・HIV 抗体は陰性であった。髄液検査で蛋白・細
胞数は正常でオリゴクローナルバンド陰性、細胞診は
ClassII であった。脳梁膨大部に造影 MRI で造影効果
と IMP-SPECT で血流亢進を認め、腫瘍性病変を疑っ
た。同部位の病理所見は多発性硬化症に矛盾しない炎
症性脱髄性病変だった。ステロイドパルス(メチルプ
レドニゾロン 1g/日×3 日間)を 3 コースとステロイ
ド大量療法(プレドニゾロン 30 mg/日)を施行し、
1コース後に画像所見と症状が一時的に改善したが、
その後病変が増加・拡大し同心円を呈した。血液浄化
療法を計 5 回施行したが病勢を抑えられず 10 月 26 日
に永眠した。臨床経過と画像所見が特異であったため
報告する。
A26
1型糖尿病に多発性硬化症を合併した一例
○山口 浩司 1、神野 隼輝 1、蓮池 裕平 1、
須貝 文宣 1
1
国家公務員共済組合連合会 大手前病院
症例は 25 歳男性。15 歳時に1型糖尿病を発症し当
院代謝・内分泌内科にてインスリン治療中。2013 年 4
月末に頭痛・頸部痛、発熱にて同科入院し対症療法の
みで一旦自宅退院したが 5 月に両手指・両下肢の痺れ、
排便・排尿困難感、歩行困難が出現し当科入院。左上
下肢軽度筋力低下、腱反射亢進、病的反射陽性、両手指・
両下肢の異常感覚、膀胱直腸障害を認めた。 MRI で
脳幹、左小脳半球、右前頭葉皮質下に異常信号域と
一部に造影効果を認め、C3/4, C5/6 髄内に異常信号域
を認めた。血清抗 GAD 抗体陽性、抗 AQP4 抗体は陰
性で HbA1c (NGSP) 7.3%。髄液では軽度単核球増多
(29/μL)を認め、IgG index 感度以下であった。急性
散在性脳脊髄炎を疑いステロイド療法(パルス・内服
後療法)により神経症状は改善し自宅退院したが、同
年 10 月に排尿困難・ふらつきが増悪し再入院。頭部
MRI で新規異常信号域を認め多発性硬化症と診断し
た。1型糖尿病の経過中に多発性硬化症を発症した一
例を経験した。本邦において両疾患の合例の報告は少
なく貴重であり、文献的考察を含めて報告する。
A28
Hurst 脳炎の 1 治療例
○上田 紗希帆 1、石上 晃子 1、山口 裕子 1、
柴田 洋子 1、山本 徹 1、尾崎 彰彦 1
1
大阪府済生会中津病院
Hurst 脳炎は致死率の高い脳症を来す.急速進行性
の全脳炎を来し早期からの積極的なステロイド投与と
シクロフォスファミドパルスにて救命し得た Hurst 脳
炎の 1 例を報告する.症例は 60 歳女性で日単位で悪
化する高次脳機能障害を認めた.頭部 MRI で対称性
に強い浮腫を伴う中脳・橋,両側海馬・扁桃体の T2
延長像を呈し,その後被殻や皮質下に髄液検査で細胞
数・蛋白値上昇を認めた.各種自己抗体やウイルス
PCR は陰性であった.ステロイドパルス療法を施行
したが離脱後に症状が悪化し自己免疫学的機序が示唆
された.病変は全脳の白質・皮質下に多発出血を伴っ
て拡大し,経過と検査所見から Hurst 脳炎と診断し
た.高容量プレドニゾロン内服とステロイドパルス療
法を継続したが病勢をコントロールできず,第 14 病
日からシクロフォスファミドパルスを行った.一時的
に出血拡大による浮腫悪化を認めたが,第 34 病日前
後から症状の改善を認めた.Hurst 脳炎の治療法は確
立しておらず,早期からの積極的な免疫治療介入の必
要性について考察する.
- 32 -
A29
延髄外側症候群をきたした視神経脊髄炎関連疾患
の1例
○孝橋 睦生 1、伊賀 賢一 1、田中 智洋 1、
松島 一士 1
1
公立豊岡病院
症例は 54 歳女性。入院 20 日程前に、近医皮膚科に
て左腰部帯状疱疹疑いで内服加療をうけた。入院 12
日前(第1病日)より左顔面異常感覚、第 5 病日より
左上下肢脱力を自覚し、第 11 病日に自力歩行不可能
となり第 13 病日当院神経内科に入院した。右上下肢
温痛覚低下、嘔気、一過性吃逆を認めた。嚥下障害、
Horner 徴候は認めず、左上下肢麻痺を伴った不全型
延髄外側症候群と診断した。頭部 MRI 上は左延髄外
側から左頚髄にのびる病変を認めた。髄液検査で、細
3
胞 81/mm(単核球
100%)、蛋白 81 mg/dl、血液検査上、
抗核抗体陰性、抗 SS-A 抗体 10.8 U/ml だった。視神
経脊髄炎関連疾患(NMOSD)
、帯状疱疹ウイルス感
染症などを考えた。アシクロビル点滴、ステロイドパ
ルス・内服による加療を行った。症状は改善傾向だっ
たが、第 31 病日に右下肢脱力が出現し、長大な胸髄
病変を認めた。抗 Aquaporin 4 抗体陽性で、NMOSD
と診断した。NMOSD の脳病変の好発部位として延髄、
特に延髄背内側の最終野が強調されるが、延髄外側中
心に病変を認め延髄外側症候を呈した NMOSD を経
験したので報告する。
A31
著明な多発神経肥厚を認め、CIDP が疑われた一例
○安田 謙 1、吉永 健二 2、端 祐一郎 3、村瀬 永子 1、
大谷 良 1、中村 道三 1
1
国立病院機構 京都医療センター 神経内科、
2
京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座、
3
京都大学大学院医学研究科 神経内科
症例は 40 歳男性.胸背部痛で発症した.20 年前に,
慢性炎症性脱髄性多発神経炎として加療された既往が
ある.診察上,脳神経系に異常はなく,筋力低下はみ
とめなかった.四肢体幹に筋萎縮なく,皮膚や脊椎に
異常はみとめなかった.Spurling 試験,Lasegue 徴候
は両側で陽性であった.深部腱反射は両上下肢で減弱
し,両側凹足をみとめた.神経伝導検査では、四肢の
運動神経で遠位潜時の延長,運動神経伝導速度の低下,
F 波潜時の著明な延長がみられ,感覚神経活動電位は
いずれも導出されなかった.MRI では頸髄神経根か
ら腕神経叢にかけて著明な神経肥厚をみとめた.また,
肋間神経,腰神経叢も著明に肥厚していた.遺伝子検
査で既知の CMT 遺伝子に変異を認めず,20 年前の
生検神経がほぼ正常であったことから CMT は否定的
で,CIDP と診断した.ステロイドパルス療法を行っ
たところ症状は軽快した.CIDP では著明な神経肥厚
を示すことがあり,時に CMT との鑑別が困難である.
文献例と共に報告する.
A30
寄生虫感染の合併が疑われた視神経脊髄炎の一例
○神辺 大輔 1、新出 明代 1、景山 卓 1、
末長 敏彦 1
1
天理よろづ相談所病院 神経内科
症例は 53 歳女性。46 歳時に右視神経炎の既往あり。
入院 11 日前から両側胸部以下の痛みが出現し徐々に
悪化。入院時、下肢近位左優位の筋力低下と両側 Th4
以下の痛みと感覚鈍麻を認めた。深部腱反射は四肢で
亢進。便秘があった。血液検査で抗核抗体が 1280 倍
以外に異常なし。髄液検査で単核球 21/μl、分葉核球
6/μl、蛋白 71mg/dl であった。MRI で C7-Th6 髄内
に造影効果を伴う T2 強調画像で高信号病変を認めた。
抗アクアポリン 4 抗体陽性で視神経脊髄炎と診断しス
テロイドパルスと血漿交換療法を実施し症状は改善し
たが、その後再び悪化。抗寄生虫抗体陽性でトキソカ
ラ症と診断しアルベンダゾールの内服を開始し症状は
徐々に改善した。寄生虫感染と視神経脊髄炎の直接の
関連を検討した報告は今のところないが、蠕虫類の感
染が IL-33 などの Th2 系のサイトカインを介して炎症
性腸疾患や好酸球性肺炎の誘因となる可能性は報告さ
れている。本症例について文献的考察を加え報告する。
A32
高 IgE 血症と重症アトピー性皮膚炎を伴った運動優位型
chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy
(CIDP) の 1 例
○古東 秀介 1、藤堂 紘行 1、池中 寛絵 1、
野田 佳克 1、上田 健博 1、関口 兼司 1、古和 久朋 1、
苅田 典生 1、戸田 達史 1
1
神戸大学大学院 医学研究科 神経内科学
症例は 38 歳女性。小児期にアトピー性皮膚炎に罹
患し 20 歳頃より全身型に移行した。X-1 年 11 月下旬
より誘引なく四肢筋力低下が出現した。徐々に進行し
歩行困難となったため X 年 1 月に入院した。四肢筋
力低下、四肢腱反射低下を認め、神経伝導検査では正
中神経の遠位潜時 5.0ms、伝導速度 30.9 m/s とびまん
性に運動神経伝導速度低下を認めた。感覚神経活動電
位は保たれていた。IgE は血清 120, 000IU/ml、髄液
437 IU/ml(基準値 0-73)と上昇し、血清 TARC は上
昇していた。CIDP と診断し IVIg が奏功したが 1 か
月後には再発した。運動優位型 CIDP は本例のように
再燃を繰り返す特徴的な臨床像を呈するとの報告があ
り、高 IgE 血症との関連も疑われている。過去の自
験例も含め文献的考察を踏まえて報告する。
- 33 -
A33
著明な髄液細胞数増加を呈したギランバレー症候
群の一例
○立岡 悠 1、三枝 隆博 1、石本 智之 1、戸島 麻耶 1、
南山 素三雄 1、村上 学 1、松井 大 1
1
大津赤十字病院 神経内科
66 歳男性。B 型慢性肝炎による肝硬変・肝細胞癌
の既往があるが、先行感染症状はなかった。X-4 日か
ら下肢のしびれ感を自覚し、翌日に両手指のしびれ感
と下肢筋力低下が生じた。X-1 日には歩行不能となり
嚥下障害も出現して前医に入院した。X 日に四肢挙上
不能となり、誤嚥による急性呼吸障害のため気管内挿
管され、当院へ転院した。転院時には瞳孔不同、球症
状ならびに両上下肢の高度弛緩性麻痺と腱反射消失を
認めた。神経伝導検査は軸索障害型の所見であった。
髄液検査で著明な細胞数増多(843/μl、多形核球優
位)と蛋白高値を認めたが、X+2 日には細胞数は正
常範囲となり、蛋白細胞解離所見を呈した。以上から
GBS の診断で免疫グロブリン大量療法(IVIg)を行
い、経過中に抗 Gal-C 抗体と抗 GM2 抗体が陽性と判
明し、IVIg を追加施行した。発症 2 か月後に人工呼
吸器を離脱し、経口摂取可能となった。近位筋主体に
MMT3/5 程度に回復し、第 109 病日に転院した。
急性増悪期に髄液中細胞数の著明な増加と正常化を認
め、蛋白細胞解離に至る過程を観察し得た貴重な症例
と考え報告する。
A34
視神経炎を合併したフィッシャー症候群の一例
○北田 洋子 1、伊藤 和博 2、三野 俊和 2、
菊川 高行 3、伊藤 義彰 2
1
大阪市立大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター、
2
大阪市立大学医学部 神経内科、
3
萱島生野病院 神経内科
症例は 61 歳、女性。主訴は複視、ふらつき。発症
2 週間前に咽頭痛と咳が 1 週間持続し自然軽快した。
発症当日の起床時より複視、視力低下、両眼奥の違和
感、歩行時のふらつき、悪心が出現し近医受診した。
血液・尿検査、頭部 CT 検査では異常を認めず帰宅し
たが、2 日後には歩行困難になり同院を再受診した。
両側瞳孔散大、対光反射消失、両眼の正中固定、顔面
神経麻痺、四肢の腱反射減弱、体幹失調、四肢末梢の
感覚障害を認め、緊急入院となった。髄液検査、頭
部 MRI 検査に異常は認められなかった。無治療にて
発症 5 日目には悪心は消失した。発症 19 日目、精査
加療目的に当科転院した。上記所見に加え、抗 GQ1b
抗体陽性と頭部造影 MRI にて両側視神経周囲に高信
号を認めた。矯正視力、中心フリッカー値の低下も認
め、フィッシャー症候群と球後視神経炎の合併と診断
した。症状は無治療で軽快傾向であったが視力低下は
持続したため、ステロイドパルス療法を実施し、視力
の改善を認めた。希少な症例と考え、報告する。
- 34 -
B01
胃部分切除 4 年後に発症した非アルコール性ウェ
ルニッケ脳症の一例
○右近 紳一郎 1、團野 大介 1、坂本 峻 1、
山本 麻未 1、末永 浩一 1、渡邊 将平 1、笠間 周平 1、
木村 卓 1、梶山 幸司 1、武田 正中 1、芳川 浩男 1
1
兵庫医科大学 内科学講座 神経・脳卒中科
症例は 67 歳男性。早期胃がんに対し 63 歳時幽門輪
温存胃切除術を施行された。アルコール多飲や偏食は
なかったが、術後小胃症状やダンピング症候群のた
め、慢性的に食事摂取量が少なくなっていた。胃切
除 4 年後、逆流性食道炎による食思不振を契機に急速
に進行する複視、歩行障害を認めた。受診時、外眼筋
麻痺、眼振、失調性歩行を認め、頭部 MRI にて延髄
背側、中脳被蓋部背側、視床内側、乳頭体に FLAIR
高信号を認めた。血中ビタミン B1 値は 12(基準値
24~66)ng/ml と低値であった。ビタミン B1 投与によ
り症状は速やかに改善し、ウェルニッケ脳症と考えら
れた一例を経験した。ビタミン B1 欠乏は慢性アルコー
ル中毒や妊娠悪阻による報告が多くなされてきたが、
近年胃切除後のビタミンB1欠乏報告例が増えてきて
おり、その機序など文献的的考察を含め報告する。
B03
てんかん重積発作後に MRI で両側淡蒼球病変を認
め、アパシーを発症した一例
1
1
1
1
○篠藤 祐也 、永井 涼子 、梶川 駿介 、峠 理絵 、
中村 毅 1、鈴木 聡 1、高橋 牧郎 1
1
大阪赤十字病院 神経内科
症例は 67 歳男性。両側中大脳動脈狭窄症があり、7
年前から当科外来に通院していた。X 年 3 月、電車内
で急に四肢の痙攣を伴わない意識消失発作を生じ、当
院に救急搬送された。来院時、JCS200 の意識障害と
両側 Babinski 反射陽性を認めた。血液・髄液検査で
異常を認めず、頭部 MRI で右側頭葉皮質と両側淡蒼
球に DWI, T2WI で高信号病変を認めた。脳波検査で
多源性に高振幅徐波が散見され、非痙攣性てんかん重
積と診断した。抗てんかん薬の投薬で脳波異常は消失
し、第 5 病日には意識状態も改善した。しかし第 8 病
日覚醒後も意思疎通がとれず、第 10 病日から歩行可
能となるもアパシーが目立つようになった。本例は、
てんかん重積を発症した際に低酸素脳症を合併し、両
側淡蒼球壊死を発症したと考えられた。両側淡蒼球障
害は CO 中毒後の脳症が有名であるが、腹側淡蒼球 側坐核を中心とする報酬系の障害によりアパシーを発
症することが知られている。本例はてんかん重積を契
機に特異な画像・臨床経過を辿っており、重要と考え
られるため報告する。
B02
障害側線条体でドパミントランスポーターの低下
を認めた糖尿病性舞踏病の一例
○高橋 央 1、安田 怜 3、錦織 隆成 4、大道 卓摩 3、
結城 奈津子 1、吉岡 亮 2
1
NHO 舞鶴医療センター 神経内科、
2
NHO 舞鶴医療センター 臨床研究部、
3
京都府立医科大学医学部附属病院 神経内科、
4
東京都立神経病院 脳神経内科
症例は医療機関受診歴のない 66 歳男性。突然発症
の不随意運動で入院。左顔面の不随意運動と同側上
下肢の著明なバリスムを認めた。血糖:352mg/dL、
HbA1c:16.8 %、pH:7.31、PCO2:23.9mmHg、HCO3-:
11.7mmol/L、BE:-12.7、 血 漿 浸 透 圧:310mOsm/L
で、尿ケトン体強陽性であった。MRI では右被殻に
T1, T2 強調画像、FLAIR 画像で高信号を認め、発症
10 日目の IMP SPECT では右基底核で血流低下を認
めた。糖尿病性舞踏病と診断し、血糖コントロールと
ハロペリドール投与後に不随意運動は改善した。発症
24 日目の DAT スキャンで右線条体での取り込み低下
(specific binding ratio: 2.72/3.53)を認めた。この所見
の意義について文献的考察を含め報告する。
B04
メトフォルミン関連脳症の 1 例
○山川 勇 1、小橋 修平 1、矢端 博行 1、
小河 秀郎 1
1
公立甲賀病院 神経内科
症例は 46 歳の女性。高血圧、糖尿病、末期腎不全
による維持透析のために他院で通院加療中であった。
X 年 8 月 2 日から 8 月 28 日の間にメトフォルミンが
投薬されていた。8 月 26 日に呂律困難、声の出にく
さを自覚。8 月 29 日より歩行困難が出現し、9 月 2 日
に当院救急外来を受診された。診察上は嗄声で小声、
歩行は独歩は可能であったが、軽度前傾姿勢で両側と
もに腕振りは消失、また体幹失調も認めた。血液検査
では軽度のみ乳酸の上昇を認めていた。頭部 CT を施
行したところ両側の基底核は腫大を伴う低信号、頭部
MRI では FLAIR/T2WI において両側基底核は腫脹
を伴う高信号を呈していた。症状はメトフォルミンを
中止し、維持透析を継続することで改善を認め、頭部
MRI の所見も消失した。経過また画像所見からメト
フォルミン関連脳症と診断した。メトフォルミン関連
脳症について若干の文献的考察とともに報告する。
- 35 -
B05
頭部 MRI が診断に有用であったリウマチ性髄膜炎
の1例
○山下 和哉 1、寺崎 泰和 1、坂口 学 1、中辻 裕司 1、
吉崎 和幸 2、望月 秀樹 1
1
大阪大学医学部附属病院 神経内科・脳卒中科、
2
大阪大学医学部附属病院 免疫アレルギー内科
症例は 65 歳の女性である。47 歳時に関節リウマチ
を発症し、メトトレキサートとサラゾスルファピリジ
ンによる内服加療で関節リウマチの炎症の活動性はコ
ントロール良好であった。突然の全身痙攣で発症し、
頭部 MRI FLAIR 画像にて左前頭頭頂葉のくも膜下
腔に高信号をみとめたため、くも膜下出血が疑われ経
過観察となった。1か月後に右下腿から拡大する感覚
障害と右上下肢不全麻痺が出現し、頭部 MRI で病変
の拡大、ガドリニウム造影 T1WI で軟膜の増強効果
を認めた。リウマチ性髄膜炎と診断し、ステロイドパ
ルス療法により速やかに症状と画像所見の改善が得ら
れ、ステロイド内服による後療法で再発なく経過して
いる。リウマチ性髄膜炎は関節リウマチのまれな神経
系合併症であり、MRI が診断に有用である。今回我々
は特徴的な MRI 所見から本症を疑い、ステロイド治
療により良好な経過をとることができた症例を経験し
たため、文献的考察を含めて報告する。
B07
B06
潰瘍性大腸炎に合併した中枢神経血管炎の 1 例
○山内 頼友 1、村瀬 翔 1、吉村 元 1、上田 潤 1、
上田 哲大 1、藤原 悟 1、引網 亮太 1、石井 淳子 1、
齊藤 智成 1、河野 智之 1、星 拓 1、川本 未知 1、
幸原 伸夫 1
1
神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科
症例は 42 歳女性。26 歳時より潰瘍性大腸炎(UC)
で加療中。X 年 1 月肺炎球菌性髄膜炎に罹患し、当院
で入院加療を行ったが、この時点では PSL・メサラ
ジンを内服していた。3 月にリハビリ転院後、PSL 中
止となり、その後 6 月から 8 月にかけて、消化器症状
の再燃はないものの、軽度関節痛の出現および頭部
MRA にて無症候性の左内頚動脈・左中大脳動脈・脳
底動脈の狭窄進行を認めたため、入院精査となった。
血液検査では赤沈・フィブリノーゲン・D-dimer 軽度
上昇を認め、髄液検査では軽度細胞数上昇を認めた。
動脈狭窄は頭蓋内に限局しており、造影 MRI で左内
頚動脈血管壁の増強効果を認め、その他の自己免疫性
疾患を認めないことから、UC に合併した中枢神経血
管炎と考えた。抗血小板剤投与・ステロイドパルス療
法を開始、入院中に脳梗塞を合併し失語を呈したが、
シクロフォスファミドパルス療法追加にて病勢は安定
した。文献上 UC に合併した中枢神経血管炎は数例の
報告のみであり、貴重な症例と思われるため考察を加
えて報告する。
B08
潰瘍性大腸炎に合併した左腓腹筋筋炎の 1 例
○山本 真義 1、井上 学 1、津崎 光司 1、村方 健治 2、
立花 直子 1、濱野 利明 1
1
関西電力病院 神経内科、
2
大阪府済生会中津病院 神経内科
症例は 36 歳男性。4 年前から潰瘍性大腸炎加療中
であったが、両下肢の筋痛、こわばり、左下腿の筋萎
縮が出現し当院を受診した。神経学的所見で左上下肢
の軽度の筋力低下を認め、アキレス腱反射は左で消失
していた。針筋電図で左下腿に限局した筋原性変化、
左腓腹筋に複合反復放電、右下肢・左上下肢で線維自
発電位(Fib)と陽性鋭波(PSW)を指摘された。左腓
腹筋は MRI で高信号を呈していた。同筋の生検では、
非壊死筋の貪食像と perimysium の小血管周辺への強
抗 GM2IgM 抗体、
い炎症細胞浸潤を認めた。c-ANCA、
抗 GalNac-GD1aIgM 抗体が陽性であった。ステロイ
ド投与で左腓腹筋以外の Fib 及び PSW は消失し筋力
と筋痛が共に改善傾向となった。潰瘍性大腸炎患者に
おいて筋炎を合併した報告は稀である。潰瘍性大腸炎
の患者で筋痛や筋力低下を来した場合には筋炎の合併
を考慮する必要がある。
上腸間膜動脈症候群様の所見を呈した強皮症合併
筋萎縮性側索硬化症の 1 例
○中村 善胤 1、宇野田 喜一 1、谷 裕基 1、
山根 一志 1、石田 志門 1、中嶋 秀人 1、木村 文治 1
1
大阪医科大学 神経内科
症例は 71 歳男性。61 歳時に筋萎縮性側索硬化症と
診断。65 歳時には四肢麻痺のため臥床状態となり気
管切開と人工呼吸器管理,胃瘻造設が施行された。68
歳時に腹部膨満と嘔吐が出現。上部消化管造影検査で
器質的病変なく腹部 CT で高度胃拡張と十二指腸水平
脚から口側の拡張を認めたため上腸間膜動脈症候群と
考えられ,経腸栄養剤の用量調整と体位変換で対応さ
れたが,経腸栄養剤の逆流流通障害が悪化したため中
心静脈栄養管理となった。同年,手指皮膚硬化を認め,
抗セントロメア抗体陽性と皮膚生検より強皮症と診断
されたが肺病変や腎機能障害は認めなかった。2014
年自宅で死亡。病理解剖により死因は右心肥大を伴う
肺高血圧症と判明。上部消化管平滑筋の高度線維化を
認め,消化管機能障害の原因は強皮症による消化管病
変と考えられた。強皮症では食道下部拡張以外に吸収
不良症候群や消化管全体の蠕動機能が低下することが
あり,筋萎縮性側索硬化症は ALS の消化管機能障害
を考察する上で示唆に富む症例であった。
- 36 -
B09
B10
○端 真季子 1、和田 英貴 2、小橋 修平 2、
小川 暢弘 2、大井 二郎 2、金 一暁 2、川合 寛道 2
1
滋賀医科大学 医師臨床教育センター、
2
滋賀医科大学 神経内科
【症例】48 歳女性。X-2 年 9 月に発症した右内耳神
経炎による難聴のため当院耳鼻科通院中。X 年 7 月よ
り両眼の視力低下を自覚、歩行時のふらつきを認め眼
科で両眼の視力低下、中心フリッカー値低下、眼底検
査で視神経の蒼白、網膜の神経線維層の菲薄化を指摘
された。神経診察上は、左右注視時に複視出現、両側
対光反射遅延あり。造影頭部 MRI 検査で第 2/3/8 脳
神経に造影効果を、髄液検査で細胞数・蛋白上昇を認
めたため、多発脳神経炎と診断した。問診において人
工唾液の使用歴を聴取しシェーグレン症候群(SjS)を
疑い精査施行。ガム試験・Schirmer 試験・蛍光色素
試験陽性および唾液腺シンチでの機能低下所見を認
め、シェーグレン症候群と診断した。ステロイド療法
を施行したところ、症状の改善を得た。末梢神経障
害をきたすシェーグレン症候群では抗 SS-A 抗体、抗
SS-B 抗体の陽性率が低い事が知られており本症例も
共に陰性であった。症状と複数の検査結果をもとに臨
床的検討を重ね総合的に判断していく事が肝要と実感
した症例であった。
○榎本 貴俊 1、酒井 俊宏 1、中嶋 恒男 1、原 斉 1
1
地方独立行政法人 市立吹田市民病院 神経内科
79 歳男性【既往】糖尿病、胃潰瘍、BPH 手術【主
訴】頭痛、嚥下障害、複視【現病歴】7 ヶ月前に頭痛、
一過性複視。他医頭 MRI で異常なし。その後味覚低
下、左外転障害、嗄声が出現。造影頭 MRI で異常指
摘されず。2 ヶ月前に複視消失。1 週間前より味覚低
下、嗄声が増悪、嚥下障害、右動眼神経麻痺出現。耳
鼻科で、右声帯不全麻痺、右顔面神経麻痺を指摘。当
科紹介、右動眼神経麻痺、右末梢性顔面神経麻痺、嗄
声、嚥下障害あり。頭痛、多発脳神経麻痺から肥厚
性硬膜炎を疑い、造影頭 MRI で硬膜肥厚確認。血液、
髄液検査では硬膜肥厚の原因は特定されず。硬膜生検
では採取部位により異常所見得られず。特発性肥厚性
硬膜炎としてステロイドパルス(500mg×3 日間)施
行、翌日には頭痛軽快。翌週再度ステロイドパルス施
行。その後 PSL30mg/ 日内服開始し、眼球運動制限、
顔面神経麻痺、嚥下機能、嗄声、味覚も改善した。【考
察】特発性肥厚性硬膜炎は稀な疾患で、症状は頭痛、
多発脳神経麻痺、痙攣などが挙げられる。診断には造
影 MRI での硬膜肥厚の確認と原因疾患除外が重要で
ある。
B11
B12
問診を契機に基礎疾患が判明した多発脳神経炎の
1例
両側末梢性顔面神経麻痺で発症した成人T細胞白
血病の1例
1,2
1,2
3
○高橋 麻衣子 、梶本 賀義 、阪口 臨 、
伊東 秀文 2
1
和歌山ろうさい病院 神経内科、
2
和歌山県立医科大学 神経内科、
3
和歌山ろうさい病院 血液内科
症例は 71 歳男性.X 年 7 月 23 日より左末梢性顔面
神経麻痺を来たし,耳鼻咽喉科受診.ステロイド治療
により軽度改善した.しかし同年 8 月 7 日より右末梢
性顔面神経麻痺を来たし,当科紹介受診.神経学的に
は,両側末梢性顔面神経麻痺以外に異常所見は認めら
れなかった.血液検査では,ACE の上昇なく,HSVIgG 陽性,HSV-IgM 陰性であり,頭部 MRI 検査では
特記すべき所見は認めず,末梢神経伝導検査も正常で
あった.髄液検査にて細胞数 21 /μl,蛋白 88 mg/dl
と上昇を認め,細胞診では class2 であった.入院後,
顔面神経麻痺に変化はないものの,胸腹水貯留,食事
摂取量低下を認め,再検にて血中 sIL2-R の上昇,抗
HTLV-1 抗体陽性,腹腔内リンパ節腫脹を認め,成人
T細胞白血病(ATL)と診断された.ステロイドパル
ス療法および抗癌剤治療を行うも症状の改善なく全経
過約 3 ヶ月で死亡した.顔面神経麻痺を呈する患者の
中で 0.3%~ 2.0%が両側性といわれているが,ATL
によって両側顔面神経麻痺を呈した症例の報告は,調
べ得た限り 7 例のみである.稀少な症例と考えられ報
告する.
多発脳神経麻痺を認めたが、一部自然軽快、増悪
をたどった特発性肥厚性硬膜炎の症例
両側高度難聴を呈した髄膜癌腫症の一例
○高井 康行 1、長谷川 隆典 1、峯田 春之 1、
平賀 定一 1、金田 明子 1、市橋 珠里 1、塚本 美文 1、
北口 正孝 1
1
馬場記念病院 神経内科
症例は 62 歳男性。X年3月下旬頃より両側難聴、
歩行時のふらつきが出現した。4月初旬には独歩が困
難となり、構音障害や複視も出現した。4月中旬に当
科入院となった。熱発、頭痛は認めなかった。神経学
的所見は、高度な両側難聴がありほぼ聾状態であっ
た。その他に、左眼球内転位を認め、起立は何とかで
きるが下肢の失調があり歩行は困難、明らかな麻痺は
なく、腱反射は正常であったが、左下肢病的反射は陽
性であった。頭部造影MRI検査において、両側内耳
道に造影効果がみられ、脳溝に沿った造影効果もみら
れた。髄液検査で蛋白、細胞数の増加、軽度の糖の低
下を認め、髄液圧の著明な上昇を認めた。髄液細胞診
では class 3の診断であった。血液検査において CEA
値の高値を認めた。上部消化管内視鏡を実施したとこ
ろ、Borrmann 分類3型の進行胃癌を認め、胃癌を原
発巣とする髄膜癌腫症と診断した。5月初旬に永眠さ
れた。両側高度難聴を呈し、当初 Fisher 症候群を疑っ
た非典型的な髄膜癌腫症の一例を経験した。文献的考
察を加えて報告する。
- 37 -
B13
Flutter-like oscillation を呈した抗 GluRδ2・
ε2 抗体
陽性の急性小脳失調症の一例
B14
著明な脳波異常を伴う反復発作性運動失調症2型
(EA2)の一家系
○中村 拓真 1、山本 敦史 1、今井 啓輔 1、
濱中 正嗣 1、五影 昌弘 1、山崎 英一 1、傳 和眞 1、
池淵 嘉一朗 2、山本 聡 2、山田 丈弘 3
1
京都第一赤十字病院 脳神経・脳卒中科、
2
京都第一赤十字病院 耳鼻咽喉科、
3
京都府立医科大学附属北部医療センター 神経内科
症例は 32 歳女性.上気道炎の 6 日後より視界の揺
れを自覚し,第 5 病日に当科を受診.初診時には左向
きに優位な Flutter-like oscillation (FLO),両上肢の
姿勢時振戦,四肢の運動失調,体幹失調をみとめた.
頭部 MRI,脳波,髄液検査は正常であったが,脳血
流シンチにて両小脳の血流低下がみられ,急性小脳失
調症と診断した.入院後,FLO は持続し,体幹失調
も増悪したため,第 9 病日よりステロイドパルス療法
(mPSL1g×3 日間) を実施した.同療法 2 クール終了
後,プレドニゾロン 1mg/kg/ 日の内服を追加した.
治療後より症状は速やかに軽減し,軽度の FLO を残
して第 40 病日に退院した.各種検査で EB ウイルス
などの感染症や悪性腫瘍を示唆する所見はなかった
が,血清・髄液中の抗グルタミン酸受容体 (GluR)δ2
抗体と抗 GluRε2 抗体が陽性であった.GluRδ2 サブ
ユニットは Purkinje 細胞に発現し小脳機能に関与し
ている.抗 GluR 抗体と FLO 発症機序の考察を加え
て報告する.
○階堂 三砂子 1、古田 充 2、中森 雅之 2、
湯浅 義人 1、高橋 正紀 2
1
地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医
療センター 神経内科、
2
大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
症例1:63 歳,女性。41 歳時,4 ~ 5 時間で軽快
する運動失調発作が出現。62 歳以降,発作が頻発す
るため当科受診。非発作時の神経所見で衝動性眼球運
動,両側注視方向性眼振,両下肢の軽度運動失調があ
り,頭部 MRI では小脳虫部の萎縮,脳波では棘波・
棘徐波複合・徐波群発を認めた。アセタゾラミドを開
始し発作は消失した。症例2:症例1の第2子,36
歳,女性。16 歳より 5 ~ 10 分で軽快する四肢体幹の
運動失調発作が出現。脳波異常があり他院で抗てんか
ん薬を開始された。内服にても発作は頻発したが,33
歳以降軽快。以後片頭痛様の頭痛が出現,現在軽微な
体幹失調がある。CACNA1A 遺伝子全エクソンをサン
ガーシークエンシング法により解析し,症例 1, 2 とも
c.3575delA 変異を認め,EA2 と診断した。同一変異
を有しながら運動失調発作の出現様式が異なり,症例
1 は壮年期に発症し初老期以降に頻発,症例 2 は思春
期に発症し中年期以降消失という経過を呈した。2 例
ともてんかん発作を伴わず,著明な脳波異常を伴う点
が共通していた。
B15
B16
○鈴木 英文 1、小野 通夫 1、金澤 恭子 1、
小島 康祐 1、神田 益太郎 1、柴崎 浩 2
1
医仁会武田総合病院 神経内科、
2
京都大学名誉教授
症例は 24 歳、女性。主訴:めまい、悪心。現病歴:
入院の 2 ヶ月半前からめまい、悪心、歩行不安定が生
じ、朝方頭痛と嘔吐を伴った。既往歴:良性乳腺腫瘍、
甲状腺嚢胞。家族歴:同病または血族結婚なし。現症:
左足第 1 指に血管腫。神経学的には両側感音性難聴、
眼球運動測定異常(ocular dysmetria)、左舌筋萎縮、
軽度構音障害、左上肢および両下肢に軽度の運動失調
症、左正中神経および右腓腹神経領域などに多発性に
表在感覚低下、および失調性歩行を認めた。検査所見:
頭部 MRI T2 強調像で左小脳半球に tiger-striping を
伴 う 腫 瘤 影(Lhermitte-Duclos 病 )。 遺 伝 子 検 査 で
PTEN 遺伝子変異陽性(Cowden 症候群)。Cowden
症候群は皮膚、粘膜、消化管、乳腺、甲状腺などに
過誤腫性病変が多発する常染色体優性の遺伝疾患で、
がん抑制遺伝子である PTEN 遺伝子の変異が原因と
して知られる。本例において認められた LhermitteDuclos 病は小脳に生じる過誤腫で、Cowden 症候群
の徴候の 1 つとしてみつかることが多い。Cowden 症
候群は稀な疾患であり、文献的考察を加え報告する。
○隠岐 光彬 1、堀 真一郎 1、朝山 真哉 1、
柘植 彩子 1、中村 正孝 1、藤田 賢吾 1、和手 麗香 1、
金子 鋭 1、日下 博文 1
1
関西医科大学 神経内科
症例は 43 歳の男性。39 歳時に左上肢の振戦と寡動
を発症した。41 歳時には小刻み歩行や動作緩慢が進
行し日常生活に支障を来すようになり、43 歳時に当
科に受診した。左上肢優位の安静時振戦と筋固縮、寡
動、後方突進現象があり、レボドパに反応したこと
から若年発症 Parkinson 病と診断した。口蓋裂、甲状
腺腫、ベルガ腔残存、副甲状腺機能低下症など正中
構造物の異常や抑うつ症状の合併もみられ染色体検
査を行ったところ、染色体 22q11.2 の欠失を認めた。
Parkin、PINK1、LRRK2、SNCA 遺伝子の変異はな
く、22q11.2 欠失症候群(22q11.2DS)に合併した若年
発 症 Parkinson 病 と 考 え た。[123I] FP-CIT-SPECT で
は症状優位側に一致した左右差のある線条体での信号
低下を認めた。一方、本症例には自律神経障害の合併
がなく MIBG 心筋シンチグラフィーの取り込み低下
もみられなかったことから、孤発性 Parkinson 病とは
異なる病態が示唆された。若年発症 Parkinson 病を合
併した 22q11.2DS の報告は少なく、既報告との対比を
加え、報告する。
Lhermitte-Duclos 病を伴った Cowden 症候群の 1
例
若年発症 Parkinson 病を合併した 22q11.2 欠失症
候群の一例
- 38 -
B17
マイコプラズマ感染後に急性発症した多巣性運動
ニ ュ ー ロ パ チ ー(multifocal motorneuropathy:
MMN)の 1 例
1
1
1
○中島 大輔 、辻 有希子 、能登 祐一 、
櫛村 由紀恵 1、蒔田 直輝 1、石井 亮太郎 1、
田中 章浩 1、尾原 知行 1、水野 敏樹 1
1
京都府立医科大学 神経内科
症例は 19 歳女性.上気道炎症状出現から約 30 日後
に手指のしびれ感を自覚,その後しびれ感の範囲の拡
大とともに四肢脱力が出現したため発症 13 日目に当
院受診.来院時遠位優位の四肢脱力と腱反射低下を認
めたが,他覚的な感覚障害は認めなかった.IgM 抗
GM1 抗 体,IgM・IgG 抗 GalNAc-GD1a 抗 体 が 陽 性 で
あった.髄液の蛋白細胞解離と,両側正中・尺骨神経
前腕部での伝導ブロック,F 波の出現率低下,遠位潜
時の延長を認めた.ギラン・バレー症候群と考え,発
症 15 日目から免疫グロブリン療法(IVIg)を行い四肢
筋力が緩徐に改善したが,伝導ブロックや F 波所見
は改善がなかった.発症 40 日頃より手内筋の筋萎縮
が出現,四肢筋力低下が再増悪し,IVIg 以外の免疫
療法に反応乏しく,発症 2 ヶ月以上症状が増悪傾向を
たどり,持続的な伝導ブロック所見もあることから
MMN と診断した.感染を契機に急性発症した MMN
が少数例報告されている.本例は抗マイコプラズマ抗
体価上昇を認めており,マイコプラズマ感染後に発症
した MMN の報告は希少であり今回報告する.
B19
電気生理学的検査で末梢神経障害を経時的に観察
し得たフグ中毒の 1 例
○坂本 光弘 1、石川 奈々 1、川村 眞弓 1
1
日本赤十字社和歌山医療センター 神経内科
症例は 57 歳男性.市内の居酒屋で天然トラフグの
肝を食べた.1 時間後に手足のしびれが出現し,増強
したため当院へ救急搬送された.当院到着後に呼吸困
難が出現したため人工呼吸管理となった.2 日間の人
工呼吸管理の後に人工呼吸器を離脱できた.歩行時の
ふらつきが遷延したため第 3 病日に当科に紹介され
た.神経所見上は,脳神経領域は異常なく,腱反射は
四肢で減弱しており,振動覚は四肢で低下していた.
立位保持が不可能であった.神経伝導検査では四肢で
運動,感覚神経の遠位潜時の延長と伝導速度の低下が
見られ,特に感覚神経の異常が顕著であった.針筋電
図では最大収縮を行っても interference が不良で,運
動単位の減少が見られた.翌日には立位保持,歩行が
可能となったため退院した.症状が完全に回復した時
点で神経伝導検査を施行し,異常所見は全て消失して
いた.
フグ中毒における末梢神経障害について,過去の文献
を交えて報告する.
B18
帯状疱疹後神経根炎による運動麻痺に対してステ
ロイド治療が奏効した1症例
○福本 雄太 1、岡崎 真央 1、桑原 基 1、三井 良之 1、
楠 進 1
1
近畿大学 医学部 神経内科
症例は 67 歳男性。X 年 8 月上旬に右上肢に皮疹が
出現し、近医で帯状疱疹と診断された。5 日後に、右
上肢の筋力低下が出現し当科受診となった。右上肢
C5、C6 領域に痂皮化を伴う皮疹と同部位の疼痛を認
め、右上腕二頭筋と右三角筋は MMT で 2 と筋力低
下を認めた。神経伝導検査では右正中神経の F 波出
現頻度の低下と右筋皮神経、右腋窩神経で CMAP の
低下を認めた。脳脊髄液で単球優位の細胞数上昇とタ
ンパク上昇を認め、血清と脳脊髄液の VZV-IgG の上
昇を認めた。頸椎造影 MRI では C5 神経根の造影効
果を認め、帯状疱疹後の神経根炎と診断した。アシク
ロビル投与およびステロイドパルス療法を施行し、プ
レドニゾロン内服を開始して右上腕二頭筋と右三角筋
の筋力は改善を認めた。VZV 感染による脊髄神経根
障害では感覚神経障害が多いが、運動神経麻痺が見ら
れる場合もあり、ステロイドパルス療法が有効な報告
も散見される。本症例では VZV 感染後の運動神経麻
痺に対して、ステロイドパルス療法が奏功したため、
文献的考察を加えて報告する。
B20
「くびれ」を伴う特発性後骨間神経麻痺と前骨間神
経麻痺を合併した一例
○坂戸 勇介 1、引網 亮太 2、山下 博史 1、
澤本 伸克 1、齊藤 晋 3、池田 昭夫 4、高橋 良輔 1
1
京都大学医学部附属病院 神経内科、
2
神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科、
3
京都大学医学部附属病院 形成外科、
4
京都大学医学部附属病院 てんかん・運動異常生理学
症例は 42 歳男性。X 年 11 月 5 日起床時より右上肢
近位部の違和感が出現し、数日で激痛となった。疼痛
は 2 週間程度で改善したが、右後骨間神経(PIN)領域
の筋力低下を自覚し、12 月 19 日に当科入院となった。
PIN 領域の MMT1 以下の筋力低下、前腕の筋萎縮を
認め、針筋電図で同部位に急性脱神経所見を認めた。
造影 MRI で橈骨神経の腫大、超音波検査で PIN の「く
びれ」を認めた。特発性 PIN 麻痺と診断し、炎症性機
序を考えステロイドパルスを施行した。X+1 年 1 月 5
日外来にて、右長母指屈筋の筋力低下、超音波検査で
前骨間神経(AIN)のくびれを 2 か所認めた。1 月 13
日に、AIN は神経剥離術を、PIN はくびれが著明で
あり断端を新鮮化のうえ神経縫合術を施行した。
特発性 PIN および AIN 麻痺は神経痛性筋萎縮症と類
似した経過をとるが、くびれを有し手術加療が有効と
する報告が散見され、鑑別が重要である。本症例は両
者を合併している点で稀であり、文献的考察を加えて
報告する。
- 39 -
B21
B22
○中村 毅 1、梶川 駿介 1、篠藤 祐也 1、
永井 涼子 1、峠 理絵 1、鈴木 聡 1、高橋 牧郎 1、
樋口 雄二郎 2、橋口 昭大 2、高嶋 博 2
1
大阪赤十字病院 神経内科、
2
鹿児島大学 神経内科
症例は 29 歳女性。4 歳頃から四肢筋力低下・筋萎
縮が緩徐に進行した。前医にて CMT と診断され当院
紹介された。母および母方の祖母,曽祖父に類病あ
り。神経学的に逆シャンパンボトル様下肢,凹足,遠
位優位の四肢筋力低下,腱反射消失,Gowers 徴候陽
性,両側鶏歩を認めた。脳神経障害,感覚障害,失
調,錐体外路症状はなく、血液検査,髄液検査,頭部
CT,脊髄 MRI に特記所見はなかった。神経伝導検査
では正中,尺骨,腓腹神経で CMAP・SNAP が低下
し伝導速度は正常、筋電図で大腿四頭筋,前脛骨筋に
神経原性変化を確認した。常染色体優性遺伝を示唆す
る家族歴および軸索優位の末梢神経障害から CMT2
を疑った。本人と母ともに MFN2(R3 領域)に新規の
ヘ テ ロ 変 異 c.1078C > G p.Q360E が 判 明 し CMT2A
と 診 断 し た。MFN2 遺 伝 子 は mitofusin2 を コ ー ド
しミトコンドリア外膜融合に関与する。臨床的には
CMT2A は視神経萎縮を約 10%合併する。頭部 MRI
での白質変化は 30%台、脊髄異常は 20%台であり、病
変は末梢神経系だけではなく中枢神経系に及ぶ可能性
があるが、本症例では明らかな中枢病変を認めなかっ
た。
○森 千晃 1、松村 剛 1、藤村 晴俊 1、佐古田 三郎 1、
仲谷 利栄 2、中森 雅之 2、高橋 正紀 2、
望月 秀樹 2
1
NHO 刀根山病院 神経内科、
2
大阪大学 神経内科
症例 1 71 歳男性.66 歳頃より下肢倦怠感が出現
し,68 歳には下肢筋力低下も自覚し,69 歳時に当院
を受診.下肢近位の軽度筋力低下,下肢遠位の筋萎
縮,感覚障害を認め,神経伝導検査では四肢に遠位潜
時延長,伝導速度低下を認めた.慢性炎症性脱髄性多
発神経炎に準じて免疫グロブリン療法を施行したが,
奏功せず.遺伝性運動感覚ニューロパチーの遺伝子検
査にて GJB1 変異を認め,CMTX と診断した.症例
2 43 歳女性.症例 1 の娘.23 歳頃より易転倒となり,
33 歳時に症状および遺伝子検査から DM1 と診断した.
40 歳には階段昇降不能となり,現在は車いす生活で
ある.父と娘に,それぞれ DM1,CMTX について検
討し,症例 1 はミオトニア現象はないが,DMPK 遺
伝子で 50 ~ 90 回の CTG リピートを認めた.症例 2
にも GJB1 変異を認めたが,神経伝導検査所見は症例
1 と異なり,伝導速度低下は軽度であった.DM1 に
伴う末梢神経障害は以前より報告されている合併症の
1 つだが,まれには遺伝性末梢神経疾患が含まれうる
ことは留意する必要がある.
B23
B24
MFN2 新規遺伝子変異が判明した CMT2A 女性例
進行性の四肢脱力、呼吸筋麻痺を呈し、病理学的に
筋萎縮性側索硬化症の合併が示された抗ミエリン関
連糖蛋白抗体関連脱髄性ニューロパチーの 1 剖検例
○結城 奈津子 1、高橋 央 1、木村 正志 1、吉岡 亮 2、
岡 伸幸 3
1
NHO 舞鶴医療センター 神経内科、
2
NHO 舞鶴医療センター 臨床研究部、
3
NHO 南京都病院 神経内科
筋萎縮性側索硬化症(ALS)と脱髄性ニューロパチー
の合併例が報告されているが、その関連性は不明であ
る。今回われわれは、上肢優位の脱力、呼吸筋麻痺を
呈し、病理学的に ALS の合併が示された抗ミエリン
関連糖蛋白抗体関連脱髄性ニューロパチー(MAG-N)
の 1 剖検例を報告する。症例は 79 歳男性。緩徐進行
性の両手握力低下を主訴に当科を受診した。左側優位
の上肢脱力、腱反射低下を呈し、表在感覚、深部感覚
は正常であった。神経伝導検査で感覚運動神経の脱
髄が示唆され、腓腹神経生検で髄鞘周期間線の開大、
髄鞘の infolding を認めた。IgM-κ型M蛋白血症、抗
MAG 抗体を認め、MAG-N と診断した。81 歳時に四
肢脱力、呼吸筋麻痺を呈し、83 歳時に死亡した。病
理解剖では Bets 巨細胞および顔面・舌下神経核、疑核、
脊髄前角運動神経細胞の高度脱落、舌下神経核、腰髄
前角のブニナ小体、顔面・舌下神経核、脊髄前角の
TDP-43 陽性神経細胞質封入体などを認め、MAG-N
と ALS の合併例と診断した。
筋強直性ジストロフィー 1 型(DM1)と CharcotMarie-Tooth disease type X(CMTX)が併存した
父娘例
大細胞肺癌に合併した抗 MJ 抗体 (抗 NXP2 抗体)
陽性皮膚筋炎の 1 例
○太田 真 1、宇野田 喜一 1、重清 太郎 1、
塚原 彰弘 1、細川 隆史 1、中嶋 秀人 1、
木村 文治 1
1
大阪医科大学 神経内科
症例は 44 歳男性。既往歴無し。喫煙 30 本 / 日× 25 年。
1 ヶ月前から手足のむくみと両側下肢近位の筋肉痛が
出現。38 度の発熱、四肢皮膚の紅潮浮腫を認めた。
WBC5780/μl、CRP4.07mg/dl、CK6432U/l、 上 下 肢
筋 MRI で筋に炎症性変化を認め、筋生検で軽度の炎
症細胞浸潤と筋線維大小不同を認めた。胸部 XP と
CT では肺線維症はなかったが右肺上葉に径 60mm の
腫瘍性病変を認め、気管支鏡検査で非小細胞肺癌と診
断された。放射線療法(40 グレイ)と化学療法(カ
ルボプラチン、パクリタキセル 6 クール)施行後に根
治切除術が行われ、組織学的に大細胞肺癌(ypT2aN0、
Ef2)と診断された。術前の放射線化学療法により
CK と臨床症状は回復し、血清抗 MJ 抗体(抗 NXP2
抗体)陽性が判明した。小児皮膚筋炎で抗 MJ 抗体を
認めることがあり、成人では極めて稀であるが悪性腫
瘍合併成人皮膚筋炎の血清学的マーカーとなる可能性
がある。本例は肺癌の根治とともに多発筋炎も寛解し
示唆に富む症例と考えられた。
- 40 -
B25
B26
○上原 尚子 1、朴 貴瑛 1、高坂 雅之 1、梅村 敦史 1、
冨田 聡 1、田原 将行 1、山本 兼司 1、大江田 知子 1、
杉山 博 1、澤田 秀幸 1
1
国立病院機構 宇多野病院 神経内科・臨床研究部
症例は 80 歳女性.X-1 年 12 月,左手にしびれが
出現した.X 年 1 月には同様のしびれが左足・右手
足にも出現し,2 月には歩行時にふらつくようになっ
た.しびれと歩行障害を主訴に 5 月受診した.四肢遠
位のしびれ・触覚低下,両下肢遠位の振動覚低下を認
めた.膝蓋腱反射・アキレス腱反射は両側で消失し,
Romberg 徴候陽性,つぎ足歩行は不安定だった.神
経伝導検査で,感覚神経活動電位は両側の正中神経・
尺骨神経・腓腹神経にて低下しており,亜急性感覚性
ニューロノパチーと考えた.抗神経抗体は陰性だった.
腰部造影 MRI では神経根に増強効果を認めた.胸部
CT にて左上葉に結節影を認め,気管支鏡下肺生検で
肺腺癌の診断に至り,手術療法を施行した.術後 3 ヶ
月でしびれ・失調の軽減,振動覚・両側膝蓋腱反射の
改善を認めた.本例では亜急性感覚性ニューロノパ
チーを契機に肺腺癌の早期発見に至り,腫瘍治療に伴
い神経症状の改善を認めた.抗神経抗体の有無に関わ
らず積極的な腫瘍検索を行うことが症状改善に寄与し
た重要な症例と考え,報告する.
○福間 一樹 1、猪原 匡史 1、高杉 純司 1、
宮下 光太郎 1、池田 昭夫 2、長束 一行 1
1
国立循環器病研究センター 脳神経内科、
2
京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理
学講座
【症例】82 歳男性。38 歳から麻雀を始め、62 歳に
麻雀中に失禁を伴う意識消失発作、64 歳に麻雀のパ
ソコンゲーム中、意識障害を伴う全般性強直間代発作、
78 歳に麻雀中に一過性意識消失発作(3 回目)あり(い
ずれも発作持続時間は 20 分以内)。81 歳、麻雀の頻
度が増え、毎回 10 数秒の意識消失発作が出現するよ
うになった。2014 年 6 月某日(82 歳)当院紹介入院。
パソコンの麻雀ゲームにて発作が誘発された。脳血流
シンチグラフィーは、発作間欠期と発作1時間後に施
行し、発作 1 時間後では右頭頂葉に集積低下を認めた。
発作時脳波では、右頭頂部を焦点とし出現し右半球優
位に伝播し持続する spike and slow wave を認めた。
誘因と考えられる麻雀を止めてからは、発作を認めず
経過している。【考察】麻雀で誘発されるてんかん発
作は、台湾や中国から報告されているが、発作時脳波
所見は明らかにされていない。今回我々は麻雀で誘発
されるてんかん発作において発作時の異常脳波を記録
できた 1 例を経験した。文献的な考察を含めて報告す
る。
B27
B28
○吉村 元 1、藤堂 謙一 1、村瀬 翔 1、石井 淳子 1、
河野 智之 1、星 拓 1、川本 未知 1、幸原 伸夫 1
1
神戸市立医療センター中央市民病院 神経内科
74 歳女性。既往に非定型精神病があり、ベンゾジ
アゼピン系やバルビツール酸系薬剤を長年内服。X 年
某日構音障害と嘔吐が出現し、体を突っ張らせる動作
を反復したため救急搬送。来院時、GCS-E4V5M6 で
あったが、少しぼんやりしてつじつまの合わない発言
もみられた。時に両上肢を伸展して小刻みに震わせ、
体を突っ張らせる動作がみられたが、その際も応答や
従命可能で、本人もその間のことを覚えていると言っ
ていた。心因性非てんかん性発作が疑われて経過観察
入院となったが、入院翌日も症状改善せず、脳波で
は約 3Hz の全般性棘徐波複合が持続的に出現し、入
院前に内服薬を全て中止していたことも判明したた
め、de novo absence status epilepticus と診断。ジア
ゼパム、バルプロ酸、レベチラセタムの投与により、
第 3 病日には普段通りに回復した。de novo absence
status epilepticus は、てんかんの既往なく中年期以
降にベンゾジアゼピン系薬剤などの薬物離脱に伴って
生じる全般性の非けいれん性てんかん重積状態である
が、特徴的な症候をビデオ脳波所見と共に提示する。
○吉井 大祐 1、森 仁 1、田端 宏充 1、進藤 克郎 1
倉敷中央病院
症例は 23 歳男性。てんかんの家族歴はない。起床後、
座位でテレビを見ている際に、意識消失、強直性けい
れんを呈し、救急搬送された。来院時、舌咬傷を認め
る以外に異常はなく、アンモニアは正常で、脳波は正
常であった。頭部 MRI、来院 2 日後の脳血流 SPECT
にて血流異常を認めず、体性感覚誘発電位検査は正常
であった。18 歳頃より、睡眠不足時の朝に、歯を磨
いていると上肢がぴくっと動き歯ブラシを落とすとい
うエピソードを認めていた。3 回行った脳波検査のう
ち 1 回で、閉眼後に 4Hz 棘徐波を認めた。過去のエ
ピソードと合わせ、若年ミオクロニーてんかんが疑わ
れた。一方、眼前暗黒感を自覚した後に、四肢脱力が
出現し、転倒しそうになるというエピソードを過去に
認めていた。チルト試験で、血圧低下、徐脈、意識消
失が誘発されたため、救急搬送時の症状の原因は、神
経調節性失神であったと推測された。意識消失、強直
性けいれんを認めた場合、失神とてんかんの鑑別が必
要であるが、本症例のように両者を合併している例も
存在する。文献的考察も含めて報告する。
肺腺癌に合併し治療により改善をみた亜急性感覚
性ニューロノパチーの 1 例
心 因 性 非 て ん か ん 性 発 作 と 誤 っ た de novo
absence status epilepticus の 1 例
麻雀で誘発されるてんかんの 1 例
意識消失、強直性けいれんで救急搬送され、神経
調節性失神と若年ミオクロニーてんかんの両者が
疑われた 23 歳男性例
1
- 41 -
B29
B30
てんかん専門外来の現状と課題
微小血管減圧術 (MVD) が奏効した SUNCT の 1 例
○小出 泰道 1、小出 秀達 1
小出内科神経科
当院は 1980 年の開院以来、てんかん治療を診療の
中心に据えてきた。2014 年 4 月からの診療体制の更
新を機に、改めててんかん専門外来を標榜して診療を
行っている。2014 年 4 月から 2015 年 3 月に当院にて
んかんの診療を希望して来院した患者は 103 名で、年
齢は 8 歳~ 77 歳(平均 33 ± 14 歳、中央値 30 歳)で
あった。居住地では大阪市内が 44 名(43%)、市外大
阪府が 39 名(38%)
、兵庫県 8 名(8%)、愛知県 3 名
(3%)、三重県 3 名(3%)などの順となった。受診
目的は薬物治療 48 名(47%)、治療方針の検討 29 名
(28%)、診断 24 名(23%)であった。紹介による受
診は 53 名(51%)であったが、紹介のなかった患者
50 名のうち 43 名が自らインターネットで当院を検索
し受診していた。初診時の診断は症候性部分てんかん
58 名(56%)、特発性全般てんかん 15 名(15%)な
どが多かったが、16 名(16%)は非てんかんと考え
られた。具体例を提示し、てんかん診療の課題につい
て検討する。
1
B31
脳 MRI で病側の三叉神経への血管圧迫を認めた
SUNCT(結膜充血と流涙をともなう短時間持続性
片側神経痛様頭痛発作)の1例
○中室 卓也 1、菊井 祥二 2
1
済生会奈良病院 神経内科、
2
富永病院 神経内科
症例は 78 歳男性、以前よりまれに鼻根部の短時間
の痛みがあったが、1年前より強まり、右眼周囲に広
がった。10 秒程度の痛みが1日 10 回以上生じる。5
日前より右結膜が充血してきた。右眼瞼結膜浮腫充血、
流涙をみとめ、神経学的診察には異常なく、高脂血症、
高血圧を認めた。脳 MRI では CISS 法にて右三叉神
経の Root exit zone と考えられる部を右上小脳動脈が
圧迫していた。プレガバリン 100mg の内服にて、痛
みの頻度、程度はかなり軽減し、月に数回となった。
SUNCT では神経血管圧迫の頻度は 17%とされている
が、本邦での報告は乏しく、報告する。
○菊井 祥二 1、宮原 淳一 1、柏谷 嘉宏 1、
宮崎 晃一 2、山下 晋 2、長谷川 洋 2、
竹島 多賀夫 1
1
富永病院神経内科・頭痛センター、
2
富永病院 脳神経外科
症例は 43 歳男性.洗顔や咀嚼で誘発される右顔面
の電撃痛が出現し,当院受診.脳 MRI で右三叉神経
に神経血管圧迫 (NVC) がみられ,典型的三叉神経痛
(TN) と診断.カルバマゼピン(400mg/日)で痛み
は消失したが,2 週後に薬疹が出現し,ガバペンチン
(1800mg/日)に変更.2 ヶ月後には痛みはなく自己
中断.その 2 ヶ月後に右眼周囲の 1 時間程度持続する
充血,流涙,鼻漏を伴う鋸歯状の激痛が出現.ガバペ
ンチンの服用で効果がないので入院.国際頭痛分類第
3版β版から SUNCT と診断し,リドカイン持続静注
(2mg/ 分)を開始し,翌日には痛みはほぼ消失.同
時にラモトリギンを 50mg/ 日から漸増したが,薬疹
出現のため,トピラマート(50mg/日)に変更し,退院.
半年後に SUNCT が再発し,薬剤コントロールが困難
となり,微小血管減圧術 (MVD) を施行した.術後よ
り痛みは完全に消失し,薬剤も中止できた.SUNCT
と TN の併存例も報告されており,その共通の病態に
NVC の関与も推測されている.NVC のある難治性
SUNCT に対して,TN の治療時と同様に MVD も治
療法の一つとして検討されるべきである.
B32
非出血性・非梗塞性両側性椎骨動脈解離の 1 例
○徳永 隆司 1、西村 裕之 1、山西 敏之 1、中嶋 匡 1、
立花 久大 1
1
西宮協立脳神経外科病院 神経内科
患者は 44 歳女性.片頭痛の既往あり 42 歳時よりト
リプタン製剤を大量に服用していた.某年 X 月 29 日
右後頚部から後頭部の激しい痛みに対しゾーミッグと
ナイキサンを 2 回服用するも頭痛が治まらず翌 30 日
他院を受診.帯状疱疹を疑われバルトレックス服用.
X+1 月 1 日近医で右後頭神経ブロックを施行後にセ
レニカ R200mg,マクサルト 1T 服用.X+1 月 2 日某
脳神経外科医院で右後頭神経ブロックを複数回施行.
X+1 月 3 日午前 3 時に 38.4℃の発熱を認め,髄膜炎
を疑われて当院へ入院.両側大後頭神経の圧痛を認め
る他に神経症状なく髄液所見は正常であった.頭部
MRA で右頭蓋内椎骨動脈の狭窄と拡張を認めたため
椎骨動脈解離を疑ってソルメドロール 125mg 点滴を
行い右後頚部痛は一旦軽快したが,入院 3 日目に左後
頚部痛が出現し,DSA で両側性頭蓋内椎骨動脈解離
を認めた.片頭痛患者では動脈解離のリスクが高いこ
とより持続性頭痛に際しては診断上非出血性・非梗塞
性椎骨動脈解離を考慮すべきと考えられた.
- 42 -
B33
B34
○山名 正樹 1、濱田 征宏 1、鈴木 秀和 1、楠 進 1
近畿大学 医学部 神経内科
症例は 37 歳男性。16 歳時に群発頭痛と診断され、
約 2 年毎に 1 ヶ月程度の群発期を認めており反復性群
発頭痛と診断されている。これまで群発期には 1 日の
発作回数が 4.5 回と非常に多いため入院にてスマトリ
プタン皮下注や、酸素吸入などにて対応してきた。今
回も1日1回の頻度で堪え難い頭痛が出現し、群発期
への移行と判断し入院となった。入院後、更なる発作
頻度の増加を認めたため、mPSL パルス療法を開始し
たところ、頭痛発作の強度軽減と頻度の低下が確認で
き、最終的には発作消失したために退院となった。退
院後も 1 ヶ月以上発作は認めず現在寛解期に移行して
いる。群発頭痛の病態機序の一つとして発作期におけ
る頸静脈血中 calcitonin gene-related peptide(CGRP)
の上昇が酸素吸入やスマトリプタン皮下注射によって
正常レベルまで低下することから、三叉神経血管説が
考えられている。近年では mPSL パルス療法によっ
ても CGRP 増加が是正される可能性があるとの報告
がある。今回、我々は mPSL パルス療法が奏功した
群発頭痛を経験したので若干の文献的考察とともに報
告する。
○漆原 大介 1、松尾 宏俊 1、尾原 知行 1、孫 明子 1、
中島 正之 2、中村 高秋 3、中西 雅樹 4、立川 弘孝 5、
細川 洋平 6
1
近江八幡市立総合医療センター 神経内科、
2
同 脳神経外科、
3
同 内分泌代謝内科、
4
同 呼吸器内科、
5
同 総合内科、
6
同 病理診断科
症例は 85 歳,女性.X-1 年 11 月頃から右側頭部
の頭痛を自覚し,次第に増悪したため,X年 1 月に当
院に紹介.初診時,右側頭動脈の拍動はやや減弱して
いた.視力や視野も含めて,神経学的には異常所見を
認めなかった.頭部 CT・MRI で頭蓋内病変は指摘さ
れなかった.検査にて赤沈の亢進を認めた.米国リ
ウマチ学会の巨細胞性動脈炎(Giant cell arteritis; 以
下,GCA)の診断基準により本疾患が強く疑われた.
入院後直ちに右浅側頭動脈の生検を行い,その結果を
待たずにステロイドによる治療を開始したが,病理診
断では GCA は否定的だった.改めて全身の検索を行っ
たところ,左肺門部に肺癌を認めた.PET にて右頭
蓋骨底部への転移を示唆する所見を認め,今回の頭痛
はこの転移巣によるものと考えられた.GCA は高齢
者の頭痛として重要な疾患であるが,悪性腫瘍の転移
巣がそれに類似した病態を呈することもあり,その鑑
別には注意を要する.この点に関する文献的考察を加
えて報告する.
メチルプレドニゾロン(mPSL)パルス療法が奏効
した反復性群発頭痛の一例
1
巨細胞性動脈炎類似の病態を呈した頭蓋骨底部へ
の転移性肺癌の 1 例
- 43 -