2015年7月31日 勘定科目や償却期間に注意!

くちきデイリーニュース
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2015 年 7 月 31 日(金)
福島県いわき市小島町2-9-15
株式会社朽木会計事務所
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勘定科目や償却期間に注意!
上下水道の負担金の会計処理
水道関係の支出金は会計処理や償却に注意
建物を建築し、給水設備工事や排水設備
工事を行う場合には、
「建物附属設備(給排
水設備)」として資産計上し、15 年で償却
することになります。
これらの工事の際には、上水道について
は、水道事業者に対し「水道利用加入金」
を、下水道については、市町村に対し「受
益者負担金」を支払うことがあります。
似たようなものに見える支出ではありま
すが、これらは、会計処理や償却期間が異
なるため、キチンと区別したいところです。
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(=公共施設)について、法人・個人事業者
自身が受けるメリットを反映するため費用
配分を行うものであるからです(土地の地
積に負担金単価を乗じて計算されます)。
公共施設負担金の償却年数は、その施設
の耐用年数の 7/10 とされていますが、現実
に、その設備ごとに償却期間を定めると煩
雑になることから、このような受益者負担
金については、通達により一律に6年(公
共下水道を使用する排水設備を新設・拡張
するための負担金は 15 年)とされています。
分割納付の受益者負担金には要注意!
なお、受益者負担金は分割納付を認める
市町村が多く見られますが、繰延資産は原
則として3年超の場合には、総額が確定し
ていても、その総額を未払計上して償却す
上水道は無形固定資産、下水道は繰延資産
ることを認めていません。
上水道の加入金については、
「無形固定資
ただし、長期分割払いについては、①分
産」の「水道施設利用権」あるいは「工業
割払いの期間が繰延資産の償却期間以上で、
用水施設利用権」として 15 年で償却します。 ②分割支払額が概ね均等額であり、③徴収
この「水道施設利用権」とは、
「水道事業
が工事着工後に開始される場合には、その
者に対して水道施設を設けるために要する
支出日の属する事業年度において損金に算
費用を負担し、その施設を利用して水の供
入することができるものとされています。
給を受ける権利」とされています。他人(水
なお、水道加入負担金に
道事業者)の所有する水道施設を利用する
は消費税が課されます
ことを目的とする「権利」であり、その金
が、受益者負担金には消
額は、メーターの口径で決められます。
費税は課されません!
一方、下水道の「受益者負担金」は「税
務上の繰延資産」となります。
これは、市町村が所有・管理する下水道
補足と解説
法人税法施行令 13 条(減価償却資産の範囲)
法人税基本通達 8-3-4
法第二条第二十三号 (減価償却資産の意義)に規定す
る政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産
以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していな
いもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを
除く。
)とする。
(長期分割払の負担金の損金算入)
法人が公共的施設又は共同的施設の設置又は改良に係
る負担金で繰延資産となるべきものを支出した場合にお
いて、当該負担金が次のいずれにも該当するものであると
きは、その負担金として支出した金額は、その支出をした
(中略)
水道施設利用権(水道法 (昭和三十二年法律第百七
日の属する事業年度の損金の額に算入することができる
十七号)第三条第五項 (定義)に規定する水道事業者に
ものとする。
(昭 53 年直法 2-24「二」により追加、昭 55
対して水道施設を設けるために要する費用を負担し、その
年直法 2-8「三十」により改正)
施設を利用して水の供給を受ける権利をいう。
)
(1) その負担金の額が、その負担金に係る繰延資産の償
ソ
却期間に相当する期間以上の期間にわたり分割して徴収
レ
工業用水道施設利用権(工業用水道事業法 (昭和三
十三年法律第八十四号)第二条第五項 (定義)に規定す
る工業用水道事業者に対して工業用水道施設を設けるた
めに要する費用を負担し、その施設を利用して工業用水の
されるものであること。
(2) その分割して徴収される負担金の額がおおむね均等
額であること。
供給を受ける権利をいう。
)
(3) その負担金の徴収がおおむねその支出に係る施設の
工事の着工後に開始されること
法人税基本通達 8-2-5
(公共下水道に係る受益者負担金の償却期間の特例)
地方公共団体が都市計画事業その他これに準ずる事業
として公共下水道を設置する場合において、その設置によ
り著しく利益を受ける土地所有者が都市計画法その他の
法令の規定に基づき負担する受益者負担金については、8
-2-3 にかかわらずその償却期間を 6 年とする。
(昭 50
消費税法基本通達 11-2-8(公共的施設の負担金等)
国若しくは地方公共団体の有する公共的施設又は同業
者団体等の有する共同的施設の設置又は改良のため、国若
しくは地方公共団体又は同業者団体等がこれらの施設の
利用者又は受益者から受ける負担金、賦課金等で、当該国
年直法 2-21「23」により追加)
(注) 法人が下水道法第 19 条の規定により負担する負担
若しくは地方公共団体又は同業者団体等において、資産の
金の取扱いは、7-1-8《公共下水道施設の使用のための
譲渡等の対価に該当しないこととしているものについて
負担金》によることに留意する。
は、当該負担金、賦課金等を支払う事業者においても、課
税仕入れに係る支払対価に該当しないのであるから留意
法人税基本通達 8-3-3(分割払の繰延資産)
する。
法人が令第 14 条第 1 項第 6 号《公共的施設の負担金等の
繰延資産》に掲げる繰延資産となるべき費用の額を分割し
て支払うこととしている場合には、たとえその総額が確定
しているときであっても、その総額を未払金に計上して償
却することはできないものとする。ただし、その分割して
支払う期間が短期間(おおむね 3 年以内)である場合には、
この限りでない。
(昭 51 年直法 2-39「4」
、昭 55 年直法 2
-8「三十」
、平 19 年課法 2-3「二十」
、平 19 年
-17「十八」により改正)
課法 2
(注) 負担金等が例えば専用側線利用権、電気ガス供給施
設利用権、水道施設利用権、電気通信施設利用権等の権利
の設定等に係る対価と認められる等の場合には、当該負担
金等は、それを支払う事業者において課税仕入れに係る支
払対価に該当する。