Vol.12-6 KNOW THE DIFFERENCE...... 動脈圧測定ラインのダンピングが PulseCO™アルゴリズムによる CO 測定に影響を及ぼすか? Pittman らは、ICU 入室患者の動脈圧測定システム(カテーテル/ 言えなくとも、臨床的に許容できる動脈圧波形が存在すれば、血 血圧トランスデューサ・ライン)の周波数応答を調べ、40%以上のモ 圧トランスデューサ・システムの周波数応答とそのセットアップが ニタリングラインが制動不足であったにも係わらず、システムの動的応 PulseCO™アルゴリズムによる血行動態測定の精度に大きく影響 答性能が PulseCO™アルゴリズム(動脈圧から連続的に心拍出量 しないことを示唆しています。これは血圧波形そのものの性状解析 を算出する)による CO 測定とリチウム希釈法による CO 測定との一 を行うアルゴリズムとは異なり、PulseCO™アルゴリズムが特別に高 致にほとんど影響を及ぼさなかったと報告しています。このことは、使用 再現性を有する血圧トランスデューサ・システムを必要としないことを された血圧モニタリング・システムが周波数応答の観点からは最適と 示唆しています。 Damped Arterial lines Continuous cardiac output monitoring with pulse contour analysis: A comparison with lithium indicator dilution cardiac output measurement James Pittman et al. Critical Care Med (2005) Vol.33, No.9 (結論) 8時間毎に校正された PulseCO™アルゴリズムによる CO 測定は、リチウム希釈法に匹敵して、限定的なリスクで拍動毎の CO 測定が 行える正確な技術と考えられる。 良い状態の動脈圧波形 制動不足で共振した波形 過剰減衰でなまった波形 (図1)6 人の患者の 4、8、16、24 時間経過後に異な 上段: 良い状態の動脈圧波形 る形状の動脈圧波形を示した記録。血圧波形の 中段: システムの周波数特性が制動不足のために共振した動脈圧波形 振幅は脈圧を表わす。 下段: システムの周波数特性が過剰制動のために鈍った動脈圧波形 (図2)図1で測定された各血圧モニタリング・ラインの固有周波数と制動係数。 各々のラインの周波数応答に応じて、”適正領域“(灰色エリア)と ”不適正領域”な状態にガードナーのチャートにプロットした。 13 (図3) PulseCO™アルゴリズムとリチウム希釈法での相関(N=21) 測定 12 に用いられた動脈圧ラインは周波数応答が劣るものが多かったにも係 わらず PulseCO™アルゴリズムで測定された CO 値とリチウム希釈法に LiDCO(l/min) <リチウム希釈法> 11 よる CO 値は良い相関を示した。 10 9 8 7 r2=0.89 6 5 4 3 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 PCO(l/min) <PulseCO™アルゴリズム(l/min)> 《 Pittman スタディのデータ 》 Finding Data 24hr combined LiDCO モニタ (リチウム希釈法による CO 測定) 6.00 l/min PulseCO™モニタ (PulseCO™アルゴリズムによる CO 測定) 5.98 l/min Bias -0.005 l/min Precision 0.82 l/min 95% confidence limits 1.64 l/min (±27%) Limits of agreement -1.65 to 1.63 l/min 動脈カテーテルと血圧トランスデューサ・システムの自然周波数(固有振動数)の平均は 13.6Hz で、制動係数は、0.28 であった。今回のモ ニタリング・システムの 68%は、周波数応答が劣るものであったが、PulseCO™モニタと LiDCO リチウム希釈法での測定値の一致レベルに影響 はなかった。 LiDCOrapid 心拍出量センサキットのラインナップ PulseCO™アルゴリズムは測定された動脈圧信号の収縮期圧部分だけでなく、波形全体を解析するために圧測定ラインの ダンピングの影響を受け難く、『共振』やいわゆる『なまった』血圧波形でも心拍出量測定の精度に影響を及ぼしません。従っ て、LiDCOrapid 心拍出量センサキットは、インフェクション・コントロールにも配慮したプラネクタ ®やプラネクタ®三方活栓等 の採血セプタムを組み込んだ閉鎖採血システム付きキットも取り揃えています。 プラネクタ®は株式会社ジェイ・エム・エスの登録商標です。
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