- 7 - 事例4 山形県川西町農業委員会 「家族の絆

事例4
山形県川西町農業委員会
「家族の絆・地域の身近な繋がり」からの加入推進
○
本文
1.川西町の概要、位置
北緯38°00′08″、東経140°02′57″にあり、昭和30年1月1日に、南置賜郡
玉庭村、東置賜郡大塚村、犬川村、小松町、中郡村が合併し、川西町が誕生した。
1ヶ月遅れて、東置賜郡吉島村が編入し、現在に至っている。東西約18km、南
北約21kmで、一級河川犬川に沿って、北東から南西に、斜めの形に位置してい
る。
2.川西町の人口と農業
1)人 口
17,672人、男8,608人・女9,064人(平成22年3月末日現在)
2)土地利用の状況
本町の面積は16,646haあり、うち10,020haを農業振興地域としている。その内
訳は、農用地が5,784ha(57.7%)農業用施設用地24ha(0.2%)山林・
原野1,410ha(14.1%)その他2,802ha(28.0%)となっております。農用地内農
地の利用状況は、5,459haのうち、田4,813ha%(88.2%)、畑328ha(6%)、樹園
地318ha(5.8%)となっている。
3)農業の特徴
本町は、山形県南部の置賜盆地の中央に位置し、周囲を飯豊・吾妻・朝日・蔵
王など2,000m級の連峰に囲まれている。この山々に大量に積もった雪は、春から
夏にかけて溶け出し、農作物に欠かせない自然のミネラル分を多く含んだ水が、
肥沃な水田を潤している。
加えて、盆地特有の内陸性気候は気温の較差が大きく、特に夏には、稲が日中
太陽の光をいっぱいに浴びて旺盛に成長し、夜は養分の消耗を防ぐという、良質
米の生産に最適の条件を備えている。
このように、地形的・気候的に稲作に最適な土地柄であったことから、本町の
農業は、稲作を基幹として営まれ、その技術はきわめて高く、昭和42年・43年に
は2年連続で反収日本一に輝くなど、国内屈指の良質米生産地帯となっている。
近年は、「良質味米づくり」や「安心・安全な米づくり」に力を入れており、本
町の主力品種である「はえぬき」は、日本穀物検定協会による食味ランキングに
おいて16年連続特Aの評価を受けており、全国でも初めての集中ターミナル方式に
よる自然風乾燥や出荷直前の籾摺りなどによって「美味しいおきたま米」の主産
地にとなっている。
また、「安全・安心」についても、生産履歴管理にいち早く組織を挙げて取組む
とともに、畜産と連携した土づくりによる減農薬・減化学肥料栽培に努めている。
畜産の歴史も古く、旧玉庭村において明治時代後期から営まれており、大正7年
には、鳥取県から黒毛和牛を導入したことを契機に肉用牛生産が始まり、現在で
は、全国でも例のない「町有牛貸付制度」によって「米沢牛」の主産地として本
町の基幹産業になっている。
① 農家数
総農家数
自給的農家数
1,762戸
※2005年センサス
285戸
専兼別農家数
専業農家
1,477戸
〔参考〕基幹的農業従事者数(20~60歳未満)
男
女
計
1,798人
1,602人
3,400人
② 認定農業者数
411人
平成22年3月末現在
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144戸
第1種兼業農家 第2種兼業農家
436戸
897戸
3.川西町の農業者年金事業
1) 加入状況(新制度)
年 度
加入者数
平成19年度
1人
平成20年度
2人
平成21年度
24人
計
27人
※平成22年3月末現在
男
1人
2人
23人
26人
女
0人
0人
1人
1人
待機者数
70人
81人
77人
-
2) 被保険者の状況(新制度)
被保険者数 通常加入
政策支援加入
(待機者含)
区分1
男
173人
37人
60人
44人
女
8人
4人
2人
0人
計
181人
41人
62人
44人
※平成22年3月末現在
被保険者
101人
85人
104人
-
区分3
16人
2人
18人
3) 年金受給の状況
年金受給者数
旧制度
699人
新制度
28人
※平成22年3月末現在
待機者数(旧制度)
男
女
161人
5人
計
166人
4.川西町の農業者年金加入推進活動
(1)農業者年金加入推進体制
本町では、農業者年金協会(江口亮一会長)の役員を主なメンバーとして、町
内7地区での加入推進班を編成して、加入推進活動に取組んだ。
(2)加入推進活動の特徴
家族経営協定の締結に重点を置いて活動している点が特徴である。父、母、息
子、嫁といった働き手が、より農業に従事しやすい環境を整えると同時に、農家
に早くから老後に備えてもらう考えです。
家族経営協定を結ぶことによって、若い農業の担い手の確保がより確かなもの
になり、後継者等の農業者年金保険料の納付についての理解が、経営主から得ら
れやすくなる。町産業振興課や農業改良普及センターと連携して取組み、平成21
年度は、14組の農家が協定を結んだ。
また、対象者の選定、訪問の仕方、加入の進め方については、農業者のことは
各地区の代議員が一番知っていることから、各班の判断に任せ、日頃大切にして
いる「農業者との身近な繋がり」から、各班員が農業者年金に加入しそうな人を
探し、家庭に訪問することを基本にしていることも特徴と思っている。
(3)活動の経過(研修会、会議、強化月間の設置等)
7月15日に代議員を対象にした加入推進研修会を開催し、農業者年金の制度
についての理解を深め、加入推進強化月間を、7月から9月と正月明けに2回設定し
た。会長をリーダーとして、7月から7班51名で本格的な戸別訪問を開始した。農
業者の都合にあわせ、夜に伺う場合もあった。
その後、9月18日に中間検討会を開催し、それまでの活動の成果とその後の活動
目標を確認した。
(4)加入推進活動の成果
「農業者年金加入者10万人早期達成3カ年計画」の平成21年度の目標が10人に対
し、平成21年の12月、山形県内で最初に目標達成し、最終的には県内第2位の新規
加入者24人という実績をあげることができた。
(5)今後の課題と方針
今後においても、農業者で農業者年金を知らない農業者がいないように制度の
周知に努め、また34歳以下の後継者など若い人の加入推進に力を入れ、政策支援
有資格者の全員加入を目指して、さらには農業者の老後生活の安定のため、継続
して加入推進活動を進める。
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